Mel Torme At THe Red Hill/Mel Torme
(Atlantic 8066)
(Atlantic 8066)
シナトラのような絶大な人気には及ばないにしろ,メル・トーメもファンが多いシンガーの一人です。メルと言うとコーラル,ベツレヘム,ヴァーブに優れたアルバムが多くアトランティック盤は結構軽視されがちなアルバム群なのかも知れません。本日は,そんな中からニュージャージー,レッドヒルインでの実況録音盤をアップしたいと思います。エンジのジャケが印象的な一枚でもあります。
伴奏がJimmy Wisner Trio(Jimmy Wisner(p), Ace Tesone(b), Dave Levin(ds))というピアノトリオというのも個人的にはポイントが高く大きな編成の豪華絢爛たるオケよりも,よりメルの良さを引き出すのに貢献しているように思えます。更にメルは"Love For Sale", "It's Delovely", "Mountain Gneenery"の3曲でピアノを自ら弾きながらの歌唱を聴かせてくれます。これがなかなかのスウィンギーで,"Mountain Gneenery"では"Count Basie"などと叫びながらそれ風に弾いてみせるところなど一級のエンターテナーであることがわかります。勿論,ボーカルの旨さは言うにおよばずですよね。スキャットを交えた歌唱も良いですが,A面の"In Other Words"やB面の"Early Autumn"の情感溢れるバラードを聴くと一気にメルンファンになってしまうこと間違いなし。こういう味はシナトラの声ではなかなか出せないメルの個性だと感じますよね。
所有盤はアトランティックのピンク/パープルのモノラル盤です。コーティングが美しいカバーも魅力ですね。