Critics' Choice/Pepper Adams
(World Pacific Jazz PJM-407, jp.reissue)
自分にとってバリトンサックスと言うと、ジャズの聴きはじめの頃からマリガン一辺倒でした。ブルーノートのMORGANの“The Cooker"を初めて聴いたとき,マリガンの滑らかなサウンドに慣れていた自分にとってはアダムスのゴリゴリとした音色はとても新鮮だった記憶があります。どんな風貌のプレーヤだろうと気にしていると,何と細身で眼鏡をかけた神経質そうな白人という音質とのギャップに驚いたものです。その後もバードのブルーノート盤での双頭コンボの演奏などでこのゴリ音を楽しませてもらっています。本日は,アダムスのパシフィックに録音されたリーダー盤です。
57年録音でメンバーはPepper Adams(bs), Lee Katzman(tp), Jimmy Rowles(p), Doug Watkins(b), Mel Lewis(ds)の五重奏団です。注目はワトキンスの参加ですよね。これでパシフィック盤とは思い難いイースト系サウンドになっているのが興味深いですね。演奏はB面がすきですね。アップテンポナンバーで独特のゴリ音を聞かせるのもいいですが,B-2のスタンダード"Alone Together"がいいですよね。ワトキンスのピチカートが冴え渡りますし,このバラードでのアダムスのやや軟らかいサウンドも捨て難いですよね。独特の風貌がジャケ写になっていて、見かけたら一発で印象に残るジャケットは気になっている方も結構いるのではと推測します。
所有盤は東芝EMIの再発盤です。モード盤とならんでアダムスファンは必聴の一枚と思います。