The New World Of Milt Buckner/Milt Buckner (Bethlehem BCP6072)
オルガンジャズはジミー・スミスを除けば、さして重要なプレイヤーもいないと評価されるぐらいモダンジャズファンからは軽んじられているジャンルですよね。まあ、このブログにはよく登場するジャズ批評社のコテコテデラックスにもたくさんのオルガンプレイヤーは掲載されていますが、いずれ劣らぬキワモノ揃いであることは言うまでもありません。本日アップのミルト・バックナーも勿論掲載されていますが、彼の場合は簡単にコテコテのオルガニストという訳にはまいりません。ジミー・スミスより早くに世に出、ワイルド・ビル・デイビスに次ぐオルガンのスタイリスト、「オルガンジャズの父」というような評価も受けている訳です。1915年生まれと言いますから、生きてりゃ100歳ですね!?ライオネル・ハンプトンがくだんイ在籍した辺りから、世に知られるような存在となったようです。オルガン以外にも、ピアノを弾きブロックコードを駆使して、ピーターソン、G.シアリング、フィニアスなどにも影響を与えたと記載されていますので、かなりの重鎮であることには間違いないようです。
さて、本日はバックナーのオルガンジャズの一枚です。レーベルがまず良いです。ベツレヘムの62年録音です。オルガンジャズと言えば相方はテナーって言うのが相場ですが、ここではバイブを加えたカルテット演奏が収録されています。メンバーはMilt Buckner(org), Gene Redd(vib), Bill Willis(b), Phil Paul(ds)の4人です。演奏曲も、短めにスタンダードやポップチューンwをふんだんに取り入れており"Misty", "Fever", "Moon River", "Fly Me to The Moon", "I Left My Heart In San Francisco", "Why Don't You Do Right", "Kansas City", "All Blues", "Pick Yourself Up", "Take Five"と本当に魅力的な曲名がならびます。どの演奏がどうという感じはないですが、アルバム通してイージーなサウンドで聞き流しはもってこいです。
ネットで検索すると、どこかのショップが2諭吉で販売していました。勿論、マイナーなアルバムなので再発のアナログはないと思われ(CDは出たらしいです。)、この値段がつくのもわからないでもないですが、いくならんでも2諭吉は高過ぎるんじゃないの???中味はイージーなジャズですが、ベツレヘムらしい、かっこいいカバーが印象的です。