67camper's Blog

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この"Song For My Father"は聞き物だぜ!

2014-12-04 20:55:39 | jazz & vocal

Soul Message/Richard "Groove" Holmes (Prestige 7435)

 オルガンという楽器はジャズでは軽んじられていることはこの前のミルト・バックナーのログでも少し触れましたが、「オルガン=ジミー・スミス」の図式は根幹に存在します。オルガンの隆盛は大きくわけて3つの時代があると思うのです。スミスは50年台に登場し、ブルーノートのおかげでメジャーになりこのインストルメントをハードバップジャズの重要な役を担わせたことは誰も異論のないところでしょう。この前後にまた2つの隆盛があるのです。恐らく最初にオルガンでジャズを演ったプレイヤーはFats Wallerに違いありません。これが20年代です。そしてベイシーもこの楽器を好んで弾いていますよね。これも戦前の話です。そして40年台のWild Bill Davis, Milt Buckner, Bill Doggettが登場します。その後、ジャズ界はパーカー、ガレスピーのビバップエラに突入します。この時代にはオルガンは表舞台から姿を消してしまうのです。確かに、パーカー、ガレスピーがオルガン相手に吹いている録音を自分は知りません。そしてスミスの登場です。これが第2隆盛期です。そしてこの後の第3隆盛期ではスミスの影響を受けたオルガニストがガンガン登場してきます。いわゆるコテコテデラックスの中心となるオルガン奏者たちです。プレステッジが火付け役ですよね。シャーリー・スコット、ジャック・マクダフ、ジョニー・ハモンド・スミスをはじめ幾多のプレイヤーが世に出ます。プレステッジはこんなイーストコースターを最初に録音しますが、西海岸から登場して来たのが本日アップのリチャード・グルーブ・ホームズです。

 彼のアルバムもたくさんリリースされていますが、一枚あげるとなれば、やっぱりこのプレステッジ盤に落ち着く気がします。コテコテで「オルガンの名盤」と称された"Soul Message"です。典型的とも言えるオルガントリオフォーマットでRichard "Groove" Holmes(org), Gene Edwards(g), Jimmie Smith(ds)のパーソネルです。A-1のブルース"Groove's Groove" からアーシーなコテコテらしい演奏が始まります。つかみはOKです。しかしながらこのアルバムの魅力は有名ジャズスタンダードのホームズ風解釈でしょう!A-2のブラウニーの"Dahoud", A-3のガーナーの"Misty", B-1のシルバーの"Song For My Father"の3曲が聞き物です。コテコテでは"Misty"が一押しなのですが、個人的には"Song For My Father"ですね。このラテンフレイバーあふれる名曲を結構端正にやっているところが却ってイイのです。一聴あれ!!!B-2の”"The Thingd We Did Last Summer"のバラードプレイも外せませんよ!

 所有盤はブルーレーベル シルバートライデントのステレオ盤です。ジャケ写自体がボケているので、いくらがんばってもこのぐらいの解像度しか出ないのが寂しいですね(笑)。