生まれて初めての一人旅は北海道でした。昭和の話です。近畿ツーリストの周遊券を利用し、10日間ほどかけて、利尻、礼文、稚内、阿寒湖、摩周湖、知床を巡りました。
地元の人や旅人との交流は忘れられません。礼文島の桃岩、知床半島の羅臼岳に登りました。今日は羅臼岳登山の話です。
ユースホステルのヘルパーを数日した時のこと。仲間たちに「熊に合ったら、どうする?」と脅かされて、熊よけの鈴を持って行くことに!本当に熊に出合ったらどうしよう⁉少し不安もありましたが。
登山手続き(記入)をすませてから山に入りました。生まれて初めての経験でした。登山者にほとんど会うことがなく、のんびり登っていきました。突然、騒がしくなったのです。「何?何?いったいどうしたの?」なんと、自衛隊の演習のようでした。次々と追い越していくのは隊員たちでした。
「何よ。静かに山登りを楽しんでいたのに…」そんなことを思いながら(失礼)登っていくと、いつの間にか頂上に着いていました。隊員たちは休憩タイムのようでした。
すると、一人の自衛隊員のおじさん?が、「どうぞ!」と何かを差し出しました。驚きながらも「ありがとうございます!」と有り難くいただきました。大きめのカンパンでした。食べると、とても美味しいのです!こんな美味しいカンパンは初めてでした。
災害の時期になると思い出します。自衛隊員のおじさん(お兄さんかな?)の爽やかな笑顔とカンパンの味は生涯忘れることはありません。
※写真は自衛隊のカンパンではありません。娘が手作りしたカンパン(フランスパン)です。