「台風に邪魔されながらの関西旅行記 #1-1」のつづきです。
NHK 日曜美術館「モンスター村上隆、いざ京都!」(初回放送:24年4月21日)を観直しして予習して「村上隆 もののけ 京都」展を観にきたつもりでしたが、京都京セラ美術館中央ホールの壁をフルに使ったこの展示は予想外でした。(昨夜もう一度日曜美術館の録画を視たら、設営中
のシーンがチラリ)
村上隆さんのシンボルとも言える「お花」の群れもさることながら、東山キューブへとつづく入口を守っているかのような仁王像も度肝を抜く大きさと造形
でした
説明書きによると、
ここ中央ホールに立つ一対の像は、村上隆(1962-)による立体作品です。
新館・東山キューブにおける京都市美術館開館90周年記念展「村上隆 もののけ 京都」(2月3日~9月1日)の一部として展示されました。
災いをもたらす邪鬼を踏みつけている高さ4.3メートルの赤の《阿像》と青の《吽像》は、東日本大震災をきっかけに制作され、自然災害、疫病、戦争といった様ざまな災厄から人々を守ってほしいという祈りが込められています。
無数の「お花ちゃん」で彩られた正面の壁を背景に、左右から観る者を圧倒する像は、発表当時、平安京の入口である羅城門から着想した《獏羅門》とともに展示されました。京都と正面から向き合った村上隆が、ここから「村上隆 もののけ 京都」の世界へ私たちを誘います。
だとか。
この仁王様たち、どことなく映画「friends もののけ島のナキ」のグンジョー(青鬼)とナキ(赤鬼)とかぶる…。もっとも、「もののけ」は丸かぶり…
せっかくなんで、後ろ姿も。
そういえば、この作品は無料で観られる場所にありました。
もしかして、展覧会が終わった現在も観られるのかな? 説明板の時制のおかしな書き方からしてそんな気がします。同じく「無料で観られる場所」にあったこちらの作品「お花の親子」はどうなんでしょ。
さすがに確かめに行ってみようとまでは思いませんが…
私は事前に「村上隆」展の電子チケットを購入していました。
これというのも、日曜美術館
で展覧会初日の大行列
を見て恐れをなしたからでした。
平日とはいえ、会期もあと4日という状況で、かなりの混雑を覚悟
して会場に行ったのですが、そこそこ人はいるものの、券売所
も「村上隆」展の入口も行列は皆無
ちょっと勝手が違う と、会場に入ったところ、ありゃま、凄い人
「第1室 もののけ洛中洛外図」は狭い(細長い)こともあってゴシャゴシャです
係員さんが「足元のテープで示した結界をお守りください
」と呼びかけていますが、人が多いし、みんな作品に夢中なもので、足元のテープなんて目
に入りませんって
この部屋のメインは、「岩佐又兵衛 洛中洛外図 rip」。
その作品名のとおり、岩佐又兵衛の「洛中洛外図屏風 [舟木本]」がモチーフになっています。
「舟木本」はトーハクで何度か拝見し、かつ、ミュージアムシアターで関連作品を楽しんだことがありますから、一層楽しめました
「舟木本」は、とにかく登場人物が多い(2,700人以上とか) 作品ですから、「村上本」も見どころが多い
6曲1双の「舟木本」が1隻162.7×342.4cmなのに対して、「村上本」はその縦横約2倍(面積は4倍)の大きさですし、展示室の壁に直付けでかなり近くまで寄れますから、細かい所まで存分に楽しめました
「村上本」の金雲には、よく見るとドクロがエンボス(?)されていて「もののけ」っぽい
一方、向かい合わせに展示されている「村上隆版 祇園祭礼図」の金雲
には「お花ちゃん」がビッシリ
もう、老若男女を問わず、観ている人たちはみんなニコニコです。
それが、暗幕のようなカーテンをぬって入る「第2室 四神と六角螺旋堂」は一転して照明が落とされ、かなり暗い
展示室中央の「六角螺旋堂」の四方を極彩色で描かれた巨大な四神(東:青龍、南:朱雀、西:白虎、北:玄武)が取り囲んでいます。
「四神相応」ということばがあります。
平安京は、まさにその「四神相応の地」として都に選ばれたと言われています。東に川(鴨川)、南に沼(巨椋池)、西に道(山陰道)、北に山(船岡山?)という具合。
「いかにも村上隆」という観点からの私のお気に入りは、青龍
と、
白虎でした。
白虎図の迫力満点のメイン虎
と右下にいるネコ
みたいな無表情の虎
との対比が楽しいな
次の第3室は、これまたガラリと雰囲気が変わるのですが、それは「#1-3」で。
つづき:2024/09/07 台風に邪魔されながらの関西旅行記 #1-3