新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

台風に邪魔されながらの関西旅行記 #3-1

2024-09-17 14:09:27 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「台風に邪魔されながらの関西旅行記  #2-5」のつづき、最終日(8月31日)の旅行記です。

ここしばらく、インバウンド需要の高まりの影響か、どこに行こうとしてもホテル代が高くてうんざりだったのですが、8月も末となると、需給が緩むのか、ちょっとホテル代が安くなっていて、京都・奈良いずれでも、第一希望のホテルに手が届きました

奈良での宿泊先に選んだのは、ホテル日航奈良でした。
このホテルは、奈良への初の個人旅行(2007年4月)の際に泊まった思い出のホテルなんですが、(写真は17年前のJR奈良駅東口)

JR奈良駅から至近だし、大浴場があるし、客室がそこそこ広いし、そしてなによりも「奈良ならではの朝食」イイ

ということで、この旅行のお楽しみの一つだった朝食でスタート

写真は「茶粥」を中心にした第1ラウンド
第2ラウンドでは、茶飯とか、「興福寺の精進汁」などを味わった後、〆は三輪素麺にしました

もう大満足です

ただ、私は朝食付きのプランで宿泊したのですが、この朝食を「ビジター」として食べようとすると、3,500円だそうです
昨年12月に仙台に行ったとき(MISIAのことしか書いていないその時の記事)は、ホテル代そのものがどこもかしこも高かった上に、私が素泊まりしたホテルの朝食が3,000円だと知って仙台駅の駅ナカで朝食(おにぎり2個と芋煮のセット)を摂ったのですが、あの仙台のホテルの朝食もこんなハイレベルだったのかな?

ところで、ホテル日航奈良と双璧をなすお気に入りホテルが4年前に廃業して、その後、その建物コロナ患者の隔離先などに使われていたのですが、前日、その前を通ったら、ほぼ解体されていました

跡にはマンションが建つみたい…。
良いホテルだったのにな…

   

前日昼前時点では、この朝食を摂った後、しばし部屋で腹ごなししたら、チェックアウトして直ちにJR京都駅へ移動し、新幹線帰る予定でした。
ところが、運休新幹線に代えて、夕方に大阪伊丹空港を出発する飛行機にしたことから様相が変わり、JR奈良駅前 13:00発空港リムジンバスまで、つまり午前中がフリーになりました。

さて、この急遽出現したフリーな時間をどう使う?

私の選択は、「奈良博なら仏像館仏さまたちにお目にかかること」でした。
トーハク「友の会」会員証を使って無料で入場できますし…

ということで、ホテルをチェックアウトして荷物を預かってもらい、JR奈良駅から路線バスに乗って奈良博に向かいました。

   

奈良博 なら仏像館は、ほとんどの作品が撮影不可で、その数少ない仏さまの一つ(一対)が、金峯山寺の仁王さまでした。

おぉ、大きい

説明書きを転記しましょう。

重要文化財 金剛力士立像 康成(こうじょう)
吉野郡吉野町に位置する金峯山寺(金峰山修験本宗の総本山)の仁王門(国宝)に安置される金剛力士像。仁王門は平成30年(2018)度より大規模な修理が開始され、これと並行して金剛力士像も翌年度から2か年をかけて、公益財団法人美術院により彩色や漆下地の剥落止め、矧目(はぎめ=寄せ木造りの接続箇所)など変色箇所の修正、足元や台座の材質強化などを主とする保存修理が実施された。
像内の銘文により、南北朝時代の延元3年(1338)から翌年にかけて、大仏師康成により造られたことがわかる。見上げるばかりの巨像で、劇的な忿怒相と全身にみなぎる力動感は圧巻であり、鎌倉時代の金剛力士像にみる颯爽とした姿を基本としつつ、丈六の巨像を破綻なくまとめあげた点に康成の優れた技量がうかがえる。建仁3年(1203)に運慶・快慶らが造立した奈良・東大寺南大門像に次ぐ大作として、また、当代を代表する金剛力士像としてもきわめて高い価値を有している。

先週のNHK大河ドラマ「光る君へ」では、藤原道長御一行様御嶽詣(金峯山寺への参詣)が描かれましたが、当時(寛弘4年=1007年)この仁王さままだ存在しておられなかったんですな。残念

この仁王さま、展示室で拝見すると、失礼ながら、頭でっかちかつ頭が縦長で、ちょいとバランスがおかしく見えます
でも、仁王門を通る人たち至近から見上げることを想定しての造形なのかもしれないと思い、近くから見上げると、たしかに違和感は薄らぎました

あともう一点、撮影できたのは、ふっくらしてcute「吉祥天倚像」でした。
この像は、鎌倉時代(14世紀)のもので、

類品に暦応3年(1340)寬慶作の興福寺像がある。

だそうですが、興福寺の吉祥天さまが公開されるのは毎年1月1~7日だけだそうで、前日、興福寺中金堂にお参りしたとき、扉を閉じた厨子の中でした

   

快慶作といわれる「不動明王立像」は、なんとも見事で、たまたまいあわせたおばちゃんと、どちからともなく、イイですねぇ」「眼力が凄い」「さすが快慶」などと感想を述べ合ったりしました

また、元興寺五重塔本尊だったという「薬師如来立像」のところでは、ボランティア説明員のおじさんと、神護寺の薬師如来さまと似ていかめしいお顔」「元興寺五重塔の礎石を観たことがる(記事)といった会話を楽しみました。

ひととおりなら仏像館を観た私は、隣の青銅器館スルーして、地下連絡通路を通って、西新館地下にあるミュージアムショップに行ってみました。

その途中、こんなポスターがありました。

「阿弥陀如来立像(裸形)」のレプリカに服を着せようというワークショップだと

その内容を知ると、「いかにも奈良博」「奈良博ならでは」のワークショップだと思います。

もともと仏さまの裸形像は、こちらのサイトによれば、

腹部に輪宝、股間に蓮華形を付けるほか、裸形に表された像。このまま安置するのではなく、布製の衣服を着せて祀っていた。このような裸形像は鎌倉時代から作例が増加し、地蔵菩薩像弘法大師像などもあるが、最も多いのは阿弥陀如来像である。

だそうで、これに衣や袈裟を着付けるのは正しい用法と言えるでしょう

奈良博では、毎月第2日曜日にこの「ほとけさまに服を着せよう!」毎月第4日曜日「絵巻物をみて!きいて!さわろう!」という二つの「とくべつワークショップ」のほか、さまざまなワークショップを開催している由。

そんなこんなで奈良博を楽しんだ私は、三条通りをとろとろ歩いてJR奈良駅に戻りました。

この日はあいにくの雨降りだったとはいえ、土曜日だというのに、三条通りを歩く人のなんと少なかったこと
東海道・山陽新幹線が止まっていることで、観光客激減していたんでしょうな

というところで、完結編(はずの)「#3-2につづきます。

つづき:2024/09/18 台風に邪魔されながらの関西旅行記  #3-2 [完結編] 

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