ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

空を飛ぶ小人たち メアリー・ノートン

2010-07-17 21:24:52 | Book
大分、このブログをお休みしてしまいました。どうも体調がすぐれません。梅雨も明け、本格的な夏のはじまりですが、どうも季節に体調が追いつかないようです。体調が悪ければ、自動的に思考停止となります。書くという行為も難しくなります。・・・・・・と自らの無能を季節のせいにします。すみませぬ。。。

さーて、この小人シリーズの4巻目です。ふと背表紙を見ましたら「小学5,6年以上」と書いてありました。この基準はどなたが決めるのでしょうか?でも一応「以上」ではありますので、わたくしもその範疇と考えてもいいのでしょうね(^^)。8年後には孫にあげましょう。あ。もしかしたら「形見」に・・・。

さて、「アリエッティー」一家が川から上がった村には「リトル・フォーダム」という模型の村がありました。これは森の中を走る鉄道の信号所勤務だったポットさんが手作りでこつこつと作ったものでした。

ポットさん(アリエッティーのおとうさんはポッドです。念の為。)は、森の夕暮れに、ハッターズ・クロスから来る最終列車の時間には、よくアナグマが現れるので、いつも注意していたのですが、線路上に現れたそのアナグマを助けようとして、片足を失いました。

鉄道福祉事業からの援助によって、彼は村のはずれにある小さな家と保証金を受けて静かに義足で暮らしていました。手先の器用なポットさんは、その川辺の家の小高い庭で、鉄道模型作りから始まって、「リトル・フォーダム」を作りました。そこにさまざまな小さな人形を置いたのは、「ミス・メンチス」でした。彼女は人形の衣類や日常品などを作りました。そこにある「ぶどう小屋」をアリエッティー一家が住むことにしました。

しかし、これに気づいたのは「ミス・メンチス」で、実際に会話したのは「アリエッティー」だけでした。ポットさんは「ミス・メンチス」の話などをろくに聞いていなかったのです。小人が人間と会話したり、いやそれよりも存在を知られたりすることは、とても戒められていたことです。それは小人にとってもっとも危険なことだからなのです。

「リトル・フォーダム」の人気を(でもポットは入場料などとりません。)知った、シドニー・プラター夫妻(職業は、住宅建築および葬儀一般請負というあやしげなもの。)は、「ぶどう小屋」に住む小人たち一家を見つけてしまい、見世物にすべく捕獲、天井裏に閉じ込めました。小人たちが1番苦手な場所は建物のなかの高所でした。

しかし、ここで誇り高い彼らは、天井裏にあったものを利用して、考えられる限りの知恵と勇気と力を合わせて、ついに風船の気球を造り、窓から脱出成功。「リトル・フォーダム」へ無事帰りました。

「ぶどう小屋」は、留守中に「ミス・メンチス」の心遣いによって、水道、ガス、電気まで用意されて、羽布団もありました。スピラーにも久しぶりに会えました。しかしここでハッピー・エンドと言うわけにはいきません。

心優しい「ミス・メンチス」と会話したこと、お世話になったことは、行く末には他の人間にその存在を知られることになりかねません。小人の掟です。「ミス・メンチス」を寂しがらせることとなったとしても、彼らはまた新しい場所をさがして出てゆかなくてはなりません。

「ポットさん」と「ミス・メンチス」も、2人で助け合って生きてゆくのです。さて、5巻はどうなるでしょう?アニメ「借りぐらしのアリエッティー」は今日からロードショーです。急がなければ(^^)。