(天から)
天から
降ってくる
言葉
地から
湧いてくる
言葉
心の
水面に
浮く
言の葉
人から人へと
行き交い
いつか
沈む
詩集の作品全体が14行で書かれている。
1931年生まれの御大は、ほとんどの人生を詩ともに生きてこられ、多分90歳になられたことと思う。
驚きと感動を覚える。
言葉を水面に浮かぶ落葉(言の葉)に例える。そしていつか沈む。
この表現は私が何度も書いては消して、今だ完成していない。
なるほど。このように書けばいいのね。深く納得しました。
しかし、もう私には書けない。どう書いても「真似」になるでしょう。
書き上げる前に出会えて幸運でした。いつまでも心に残る詩集となるでしょう。
谷川俊太郎という詩人は、いつでもどこでも私の道標になっております。
(2021年9月25日 新潮社刊)