特番1
特番2
「小川の辺・オフィシャルサイト」
この映画の原作は藤沢周平の短編集「海坂藩大全・上下巻」のなかの1編から。
「海坂=うなさか藩」というのは、架空の地方の藩名であり、現在の山形県と言う説と、
奥州(陸奥の国)という説がある。いずれにしても東北地方になる。
藤沢周平の小説には不思議な力がある。
父が病床にふせるようになってから、「本が読みたい。」と言いだした。
父の読書はめずらしい話ではない。
教師だった父は毎晩書斎にこもっていたし、俳句も少しは詠んでいました。
しかし、わたくしが選んで買ってきた本を、ことごとく「面白くない。もうこういう本は読みたくない。」と。
わたくしが選んだ本は、俳句関係、中国関係(父は大学卒業後は満州で教師をしていました。)でした。
困ったので、夫に相談しましたら「藤沢周平はどうか?」と言う。
その時、ふと思いだしました。詩人の嵯峨信之さんが、病床で「藤沢周平」を読んでいらしたということを。
多分、編集者のSさんが書かれたエッセーのなかだったと思います。
それから父の読書量は、「これが数ヶ月後に死を宣告されている人間なのか?」と驚くほどに
急増しました。わたくしはマーケットの買物の前に本屋さんに寄るのがあたりまえのコースになりました。
一番大きな本屋さんにある「藤沢周平」の本をおそらくほとんど買いしめたような気がします。
こうした「藤沢周平」の小説の魅力が、誠実に映画化されたように思いました。
藩主の「上意」によって、妹の夫であり、友人だった男を討ち取るという困難な命令を、
主人公とそのお供は、最小限の犠牲に留めて、物語はしずかに終わる。
場面はほとんどが旅である。
「海坂」から江戸へ、そして千葉県の行徳まで。
「海坂」とは、海の水平線の湾曲した線を「坂」と名付けたものらしい。
そして、小川の流れる辺で、妹と友人はひっそりと暮らしていた。
友人は、藩主の農民行政のあり方に「物申した」武士として「軟禁」から「脱藩」の罪を犯したのだった。
特番2
「小川の辺・オフィシャルサイト」
この映画の原作は藤沢周平の短編集「海坂藩大全・上下巻」のなかの1編から。
「海坂=うなさか藩」というのは、架空の地方の藩名であり、現在の山形県と言う説と、
奥州(陸奥の国)という説がある。いずれにしても東北地方になる。
藤沢周平の小説には不思議な力がある。
父が病床にふせるようになってから、「本が読みたい。」と言いだした。
父の読書はめずらしい話ではない。
教師だった父は毎晩書斎にこもっていたし、俳句も少しは詠んでいました。
しかし、わたくしが選んで買ってきた本を、ことごとく「面白くない。もうこういう本は読みたくない。」と。
わたくしが選んだ本は、俳句関係、中国関係(父は大学卒業後は満州で教師をしていました。)でした。
困ったので、夫に相談しましたら「藤沢周平はどうか?」と言う。
その時、ふと思いだしました。詩人の嵯峨信之さんが、病床で「藤沢周平」を読んでいらしたということを。
多分、編集者のSさんが書かれたエッセーのなかだったと思います。
それから父の読書量は、「これが数ヶ月後に死を宣告されている人間なのか?」と驚くほどに
急増しました。わたくしはマーケットの買物の前に本屋さんに寄るのがあたりまえのコースになりました。
一番大きな本屋さんにある「藤沢周平」の本をおそらくほとんど買いしめたような気がします。
こうした「藤沢周平」の小説の魅力が、誠実に映画化されたように思いました。
藩主の「上意」によって、妹の夫であり、友人だった男を討ち取るという困難な命令を、
主人公とそのお供は、最小限の犠牲に留めて、物語はしずかに終わる。
場面はほとんどが旅である。
「海坂」から江戸へ、そして千葉県の行徳まで。
「海坂」とは、海の水平線の湾曲した線を「坂」と名付けたものらしい。
そして、小川の流れる辺で、妹と友人はひっそりと暮らしていた。
友人は、藩主の農民行政のあり方に「物申した」武士として「軟禁」から「脱藩」の罪を犯したのだった。