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サブタイトルは「郵便不正事件はこうして作られた」となっています。
構成と聞き手は江川紹子さんです。
まずは目次から。これを紹介することにも意味があることだと思うから。
はじめに 村木厚子
第一部
第一章 まさかの逮捕と二十日間の取り調べ 村木厚子
第二章 一六四日間の勾留 コラム……冤罪の温床となっている人質司法 村木厚子
第三章 裁判で明らかにされた真相 コラム……特捜神話に毒されたマスメディア 村木厚子
第四章 無罪判決 コラム……検察への、国民の監視が必要 村木厚子
終章 信じられる司法制度を作るために 村木厚子
第二部
第一章 支え合って進もう 夫・村木太郎インタビュー
第二章 ウソの調書はこうして作られた 上村勉×村木厚子対談(進行…江川紹子)
第三章 一人の無辜を罰するなかれ 周坊正行監督インタビュー
おわりに 村木厚子
《解説》真相は今も隠されたまま 江川紹子
巻末付録 1郵便不正事件関連年表
2上村勉・被疑者ノート(抜粋)
* * *
冤罪事件というものが、たくさんあるとは知っていましたが、
この事件の経緯を読んでいますと、改めて検察の狡猾さと強かさがはっきりと見えました。
村木さんと江川さんの書かれた言葉は、これからこのような事件を知った時に、
必ず思いだすことでしょう。
無罪でありながら、検察側が強引に作りだす「有罪」というストーリー。
その線に沿って「調書」は作り出される。
「ノー」と言えば、あらゆる脅しが待っている。
もっとも印象に残った言葉。上村氏の被疑者ノートから。
(平成21年5月28日 取調官=國井)
一人で誰にも知られることなく発行するつもりだったから、
一番知られたくない決済権者の村木本人から倉沢へ渡すというのは
どう見てもおかしいと認めなかった→どうしても村木と私をつなげたいらしい。
だんだん外堀からうめられている感じ。逮捕された私から村木の
関与の供述が得られれば検察のパズルは完成か。(中略)
いつまでも違った方向を見ていると拘留(勾留?)期間が長期化しそうで恐い。
しかし、現次点で村木の関与は思い出せない。どうしたものか。
私の力不足ゆえ、この書の紹介が稚拙であることをお許し下さい。
(2013年10月25日・中央公論社 初版発行)