エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

本当に≪私≫の相手になってくれる人だなぁっていう感じ

2015-06-02 07:10:53 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 お母さんは、どこにでもいそうなお母さんになると同時に、1人の赤ちゃんの特別なあ母さんにならなくてはなりません。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p44の15行目途中から。

 

 

 

 

 

人が最初に「礼拝をする関係」になるのは、誰もがやってることや、誰もがやらなくてはならないことを次から次へとやりながら、お互いに相手の価値を認め合うのになくてはならないことを、顔と顔を向い合せて、名前を呼び呼ばれながら、繰り返し満たすことなんですね。そして、ここですね、1人の赤ちゃんとそのお母さんを組合わせるのが常ですが、もちろん、他のお母さんに代わる人たちでも、お父さんたちでも、その赤ちゃんの中に、「あっ、この人は大事な人だなぁ」「本当に≪私≫の相手をしてくれる人だなぁ」という感じを呼び覚ますことができれば、どなたでもいいんですね。

 

 

 

 

 

 不思議でしょ。先ほど記しました私のブログ、一人ではできない不思議と同じでしょ。別に今日ここを翻訳するから、さっきの一人ではできない不思議を書いたわけじゃぁ、ないのにね。

 最初に「礼拝をする関係」になるのは、人が瞑想やお祈りをすることと、全く同じことです。それは、先ほど申し上げた通り、心の、しずかな、深いところで語りかけて下さる存在の語りかけに耳を澄ませることです。それは、お母さんが赤ちゃんの、声にならない声に耳を澄ませて、それに応えると同時に、赤ちゃんが、お母さんの、声にならない声に、自ずから、応えていくことで、赤ちゃんも、お母さんも、相手を価値あるものと認め合うのと、全く同じです。

 ですから、赤ちゃんとそのお母さんは、最初の「礼拝をする関係」になれるわけですね。

 ここでキーポイントなのは、エリクソンがハッキリ言っている通り、「あっ、この人は大事な人だなぁ」「本当に≪私≫の相手をしてくれる人だなぁ」という感じです。

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