フロムが語る良心は、非常に能動的ですね。フロイトが考えた良心は、文字通り両親を取り入れたもので、他の選択肢は当面ないところに受動性が垣間見えます。
p41下から5行目から。
お母さん中心の愛着から、お父さん中心の愛着に、今見てきたように変わり、最終的にはこの2つが統合されるところに、心の健康と大人になることの根源があります。この発達がうまくいかないと、不安神経症になっちゃいます。この考えを発達させるのは、この本の狙いを超えちゃっいますが、もう少しここにとどまることが、あるいは、今申し上げたことをもっとはっきりとさせてくれるかもしれませんね。
母なる良心と父なる良心は、似て非なるもの。相矛盾した内実を備えています。しかし、この2つの良心が統合されるのは、矛盾が解消されるのではなくって、時と場合に応じて用いられたり、あるいは、相矛盾したままで、その緊張感を維持したままに用いられたり、するのですね。
しかし、真実であるとき、常にそこには、二律背反、相矛盾する点が共存するものなのですね。
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