エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

神は細部に宿りたもう

2016-05-03 08:22:13 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
素直になりたい エバーグリーンで生きたい
   天国を体験する遊び   再び立ち上がる力  驚きと価値を認められることが一体になる! ...
 

 

 子どもたちの脳は、養育環境の影響を直接受けてしまいます。虐待やネグレクトに晒され続けたら、それが当たり前の脳に変質してしまって、一生涯その影響を受けてしまいます

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.241の 第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 アメリカ精神医学界(APA)は、子どもは平均して、16,000回の殺人と、20,000回の暴力の刺激に、18歳になるまでにテレビだけで晒されると推定しています。でもね、どれくらいの暴力的なテレビゲームに子ども達が晒されて、それが子ども達にどれくらいの影響があるか、まだ研究されていないんですね。私どもの本性にある「あの、より善き天子様」を強調する社会を作りたかったら、そのような暴力に子どもを晒すことを制限することが大事でしょう。拙著を通してこれまで見てきたことは、ささいな影響や決定が、長い間に、いかに大問題に発展するか、ということでしたね。結果として、ささいなことでも長期に亘る否定的な影響を変えていることが、結局は、大きな効果をもたらすんでしたね。

 

 

 

 

 

 小さなことが、とても大事、ということです。神は細部に宿りたもう。カトリックでは、「小さなことの聖化」とも言いますね。カトリックの人たちが、いかに毎日を大事にして、暮らしを立ててきたかを、私どもプロテスタントも学ぶべきでしょう。

 小さなことが、子どもにとっては、ほとんど決定的に重要です。毎日繰り返されてしまうからです。でも、小さいことですから、大事件や大災害程には、目立ちませんし、メディアも取り上げませんでしょ。すると、忙しい毎日を、自動運転で暮らしていく中で、小さなことは無視され、無意識のうちに行われてしまいます。それが虐待でもネグレクトでも、その自覚もなく、無意識のうちに、毎日行ってしまう背景になるのです。怖いでしょ。

 ですから、いつでも大事なのが、自覚であり、気付きであり、意識・良心なんです。

 

 

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