ルターは、「詩篇」記者の異なり、揺らぎの中で信頼とは真逆の不信、疑いの方に流れやすかったみたい。ですから、絶望のどん底からいつまでも抜け出せずにいたので、深ーい憎しみを心密かに抱いていたわけですね。
Young Man Luther 『青年ルター』p203の第2パラグラフ8行目途中から。
それから「わたしは憎む、偽りの神々を大事にする者を。 / わたしはヤハウェにより頼むのです。」(「詩篇」第31篇7節)【関根正雄訳】。ルターは、エアフルト時代、おそらく、何人もの敵がいたことでしょう。しかし、ルターにはもう一人敵がいたんですね。その敵は、「偽りの神々を大事にする」者で、マルティンのために「わなをもうけた」者なんです。マルティンの父親は、自分の息子に抱いた計画が水泡に帰しましたからか、マルティンの修道士としての生活を呪ってましたし、マルティンを唆すものを予言し、実際、マルティンは遠からず反抗するだろうと、予測してなかったでしょうか? してましたでしょ。
さっき翻訳したエリクソンの文書と呼応する内容です。「悪い良心」は親の禁止と命令を取り込んだものだ、とエリクソンが『人生の巡り合わせ 完成版』の中で言ってたことを、ルターの父親は、ルターに対して散々してたんですね。ですから、ルターは外側にたくさん敵はいたのですが、最大の敵は、内なる敵「悪い良心」の方だったんですね。
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