以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

目安の価格を公開しました。。。

2020-11-14 12:55:00 | 日記
最近、KEジェトロ車のW124,W126,W201モデルのユーザーからKE車のエンジン不調について問合せを結構戴きますのでエンジン不調の大元凶になるKEコントロールモジュールのリペアについて目安価格を弊社ネットショップサイトで提示致しました。



詳しくはKEコントロールモジュールリペアサービスのページをご覧下さい。

過去ブログでもお話致しましたが、KEジェトロの燃料供給システムは主に機械式制御で噴射燃料を燃圧と負圧でコントロールしておりますのでW124後期モデルの様な過渡期の電子制御インジェクション仕様の様にエアマスセンサーやメインハーネス、スロットルアクチュエータ等の電気に絡んだシステム構成部品が劣化してエンジン不調を招くと言う故障の類とは異なります。

KEジェトロは燃料ポンプから高圧で圧送されて来た燃料をプレッシャーレギュレータで減圧してフューエルデスビで燃料を各気筒分に分配し、機械式エアフローメーターを介して吸入した空気と最適な対比に混合して各気筒のフューエルインジェクターから混合気を各シリンダーに噴射しています。
基本的にメーカーで製造時に機械的な設定によって噴射燃料の混合比を調整してあるので例え何十万キロ走ろうが混合比が大きくズレてエンジン不調になる何て事は殆ど有り得ません。
混合比が狂うのはフューエルポンプから圧送された燃料の燃圧抜けやフューエルフィルターの詰まり、プレッシャーレギュレータのダイヤフラム抜け等が考えられますがエアフローメーターユニットの吸入側での不調などほぼ発生しないと考えても良い位です。
まあ、エアフローメーターユニットのプランジャーの破損でも起きれば不調どころかエンジン始動さえ困難な状況に陥りますが、、、私もプランジャー自体の破損は見た事が無いですね。(笑)
燃圧抜けやフューエルフィルターの詰まりなど各構成部品の不良発生時には相応の特徴のある症状が出ますが、単に冷間時スタート困難→アイドル不調的な話になると調べる箇所は結構多くなります。

で、、、このトラブルシュート。。。KE車を熟知している整備士ならば的確な判断も出来るかもですが、、、現在の多くの整備士はKEのシステムを理解しておらず可笑しな処置によって更に不調のスパイラルに御案内〜と、なる訳である。

現在となってはKEの診断ソケットからシステムの不調を掴んで判断するスキルも無い整備屋も多いところに素人のDIYが絡むとインターネットの無責任な情報で弄り倒して更に不調を悪化させて地獄を見て車をヤフオクで処分と言うルーチンに陥った話をゴマンと聴く。。。

KEの機械的システムは単純なだけに物凄い精度を以って構成され、ソコにスロットルポジションセンサーやEHAなどのデバイスが混合気の補正を行なっているのでモトロニック車の様な壊れ方もしないし、機械的システムが正常ならば取り敢えずエンジンは掛かり走行が出来ちゃうと言うシロモノです。微振動だとか吹けの悪さはモロ出しですけどね。。。
KEのエンジン不調の多くは燃料が濃いか❓薄いか❓失火してるのか❓と言うアナログエンジンの基本的原点とも言える部分で判断を要します。

普通に使っていて段々と吹けが悪くなった何て話には先ず点火プラグの点検を行ってからの判断でしょ。
プラグが燻っているのであれば燃調が濃い目に推移している証拠だから最初はエアークリーナーエレメントのチェック❗️コレを怠っているユーザーが実に多い。。。😑
エアークリーナーエレメントがOKな場合はココで初めてKEの診断ソケットから信号を取得します。。。
すると大体はO2センサーの不良やE-CISユニット(KEモジュール)の不良が検出される訳ですが現在のダイアグデータとは異なり、電圧信号による『故障の叫び』なので出力状態も千差万別です。コトにKEモジュールが不調の場合は掴みどころの無い電圧データが出力されて「先ずはKEモジュールから治しましょ❗️」ってパターンが多いですわ。。。

ところがところが、、、

このエアフローメーターユニットの中央の煙突にある禁断の燃調ADJスクリューを回しちまう整備屋、車検屋、素人が多いんだ❗️

KEコントロールモジュールが不良で積算値が狂ってEHA(FUELガバナー)コントロールが適正に行えなくなって過剰に燃料をフューエルデスビに流入させると言う燃料補正が不適切なものとなるが故にカブリ症状が発生しているのにエアフローメーターユニットの燃調ADJスクリューを回して無理矢理薄めにしたらアカンでしょ。

車検場の排ガス検査はその場パスで良いかも知れんけど、実際乗ったら各回転域での燃調がKEモジュール不良によってEHAのコントロールはメチャメチャなところにエアフローメーターユニット側の燃調ADJスクリューまで位置狂わせしてるのだから既に燃調はメチャメチャ。。。
コレで見事な不調を体感したユーザーは修理屋に入庫するも修理屋も理解していないから手探りの闇雲修理に。。。南無阿弥陀南無阿弥陀南無阿弥陀チーン。。。

エアフローメーターユニット脇のスロットルポジション信号をセットしてあるポテンションメータの位置を動かしてしまったり。。。そんな事してもメーカーで予めセットされたスロットルポジションのパラメータ値が狂って更に不調になるだけだよ〜ん❗️😎
で、、、知識の無い整備屋によって弄り壊された挙句に「お客さん❗️旧いんだから仕方が無いですよ‼️」と逃げ口上を吐いて終了‼️😑

その後はユーザーは色々とネットを彷徨い、、、色々と調べて、、、挙句ウチみたいな超零細隙間風企業に助けを求めて来るか、ヤフオクで素人同士の騙し合いをして高額で『爆弾』を買わせてさようなら〜の二手に分かれますな。。。

だが、『爆弾』を摑まされた素人は現車確認時に把握していたエンジン不調を出品者の「デイーラーさんなら簡単に治ります。」だのとの講釈に騙されて購入後デイーラーさんに入庫して驚く様な¥天文学的数字を言われ、「其れでも完調になるか判らない。」の言葉を付け加えられてノックアウト❗️😩

で、、、さんざん遠回りしてウチに行き着くケースも多いですが。。。

♪弄るなよ〜 弄るなよ〜 弄るなよ〜

弄ったら23万円也だぞお〜‼️😎(300E-24Vの場合)

一般整備で弄る部分は全く無いんだぞお〜❗️😩

ポテンションメータまで弄っちゃったユーザーはエアフローメーターユニット載せ替えにKEモジュール修復、点火プラグ全数交換等で普通に50万円以上のコストを掛けて修理になるどお〜。。。
EHAから燃料漏れしてたら更に10万円近くが追加になるどー。
O2センサーも殆ど同時交換になるから普通に工賃込約7万円追加やね。。。

ポテンションメータを弄っているのに惚けたりしてもKEの診断ソケットから「弄ってるよ」の声が聞こえますのでバレます。。。

余計なコトしてなきゃ実に23万円程度がお安くなります。。。
いずれにしてもKE制御適正化によってCOと炭化水素の排出値調整費用が掛かりますけどね。。。

と、まあこの不調は放置すると触媒がやられて大事に至る事も多いのでご注意をってお話でした。。。