バレンタインデー。去年にまして今年は縁がありません。
去年のいまごろは夜な夜な夜の街をふらついていましたが、胃潰瘍を患ってからはとんとご無沙汰をしてしまったので、華やかなおねいさんたちからのチョコレートも皆無という状態になったのです。
世の中は所詮こんなもの、とわかってはいますが、なかなか「空」の域には到達できません。
急に梅の花を見たいと思いました。五日ぶりに拝んだお日様のせいかもしれません。
別に名所といわれるところでなくともよい。むしろ民家や小さな祠のかたわらにさりげなく咲いていて、見応えのある梅の花でもないかと捜しに出ました。
大体近辺には梅の名所といわれるところがありません。「るるぶ」で調べてみても、千葉県ではわずか三か所が紹介されているのみで、いずれも我が町からは遠いのです。
どこへ行こうかと考えた挙げ句、武蔵野線に一駅だけ乗って新八柱へ行き、「21世紀の森と広場」を訪ねることにしました。
新松戸-新八柱間で、毎朝通勤電車の窓から見下ろしている道路です。
高架を走る電車からは遙かに下に見えるので、箱根宮ノ下あたりの風景を思い起こして、充たされぬ旅心を慰めています。
「21世紀の森と広場」を縦断する道路の橋脚を遠望したところ。
これも電車から眺めると、公園の敷地が林で隠されるので、箱根へ行くときに、小田急の車窓から見る東名松田あたりの風景と見まごうばかり、といいたいところですが……。
紅梅はそこそこ咲いていましたが、白梅はいまだし。季節の早い蝋梅は見ごろでした。
昨夜までの雪交じりの雨でぬかるんだところがありましたが、じかに踏む土の感触がフワフワとして足に心地よい。
綿の樹がありました。
先月の二十九日、毎日新聞に「今年も千駄堀池につがいのオオハクチョウが飛来」と紹介されていました。
この池で越冬するのではなく、ほんの二週間ばかり羽を休めるだけのようですが、二週間と二日が経った今日はすでに飛び去ったあとのようでした。
日照時間は日ごとに伸びている、とはいっても、真冬の日暮れは早い。園内にあるレストランとは名ばかりのレストランでコーヒーを飲んでいるうちに閉園時間が迫っていました。
公園の閉園時間は午後四時、園内にある松戸市立博物館の閉館は四時半。
入館したものの、ここも閉館時間間近だったので、一階ロビーを一周しただけで、何も見ずに出てきてしまいました。
↓千駄堀池の航空写真です。
http://chizuz.com/map/map64434.html