~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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ふと、2月1日丑三つ時

2012年02月01日 | 創作
 
 真夜中の音


真夜中の音は、海の中みたい
誰かの靴音が 吐く息ものせて響いてくる

真夜中だけが教えてくれる
時は一刻一刻刻まれていること

当たり前の日常の音が 途切れなく続いている
あくびひとつでないで眼も頭も冴え冴えとしている

「起きてる?」

真夜中の時間旅行しよう
モモなら付き合ってくれるだろう

真夜中だけがだまって自分に問いかける
真夜中だけが聞き上手


(2.1 典子)






雨が耳にひっかかる時

2012年01月23日 | 創作
 
  雨はどこまで


耳に聞こえる雨音、
果てはどこまでなんだろう
近くも遠くも奏になって 聞こえてくる

風が強弱をつけてるのか
地が緩急をつけているのか

聞こえないところがあったなら
人の手の中なのか
肌に沁みたのか

漂ってくる冷たさ
身震いする重さ

雨はどこまで遠く
どこまで昔を どこまで胸を
奏になって打つのだろう

雨が流れる
人の頬を


(1・23  典子)




暑くてじゃなく

2011年08月22日 | 創作
眠れない夜


八月の終わりの雨の日は

さみしい寒さ


夏が去っていく

追いかけてもつかめない


暑い日の思い出が

ざあざあ流れていく


肌が冷たい

腕をぎゅっと抱えても


夏の終わりの雨は

悲しいくらいに重い


眠れない夜

眠れない夜


ドビュッシーのベルガマスクを聴く

雨の音が月の光と重なる


効き目は穏やか

ロマンティックな眠り薬


夏の月にさよなら

眠れない夜にさよなら




ちょっと感傷的になっちゃいました。
夏の終わりが近づいていてさみしくてね
もぉ、ちょっとでも寒いのやだ~~
夏、好きだから
さよならしたくな~い

やえ









一息入れてまた明日

2011年04月05日 | 創作
「青い空広がった春の日のこと」


グランドをぐるっと囲む桜の木

子どもたちの声を

耳を澄まして聞いている


幹の根元に座って

花のささやき声を聞く

頭上で花が微笑んでいる




元気な声が響いてる

「ファイトー!ファイトー!」

胸までとどいた


むこうでサッカー

こちらで野球

あそこで何鬼かな?

そこでドン チケタ!


こうして

ただ眺めているだけで

楽しい 

嬉しい 


桜の花も幸福そう

明日はもっともっと

にっこり笑ってくれるでしょう



やえ






 



製作中!

2009年12月13日 | 創作
クリスマスの大型絵本、製作中です。
毎日毎日、夜もふけてからちょこちょこ作業。

センターの方や、おはなし会に参加してくれたお母さんも細かな作業を手伝ってくださり、感謝感激です!

6場面の最後のページ。



文字のない絵本なので、おはなしするみんなに合わせて自由自在に膨らませます!
いろいろな仕掛けもありますよ。

家庭支援センターのクリスマス会に登場します!
楽しみにしていてくださいね


                   

やっぱりきれいな月夜

2009年12月01日 | 創作
今、ほとんど真上に、きれいなお月様。



そして、すこし西のほうにオリオン座。
私は、この星空の絵を見るのが大好きです。

夕方、出かけた時に、今日はきっときれいな月夜になると思ってパチリ。



私の好きな絵に逢える気がしてました。

空気も澄んで、とってもきれいな月夜です
きら、きらきら、きら・・・
お月様がオリオンと話してるみたいです。
私も、そっと耳を澄まして聴きました。
お月様の見てきたおはなしを。


それはそれは、遠いむかしのきれいな月夜の晩でした。
恋をしていた二人は、静かな街を歩いて歩いて、
さよならを言いたくなくて、手を離さずに、黙ってずっと歩いたのです。
マフラーをほっこり被るように巻いて、
寒かったけれど、
月明かり中を、二人で、静かな街をずっと歩きました。
そして、芝生だけが広がる小さな公園のベンチに座りました。

何を話したのでしょうか。
もしも・・だったら
もしも・・・だったら
もしも・・・・だったら
を繰り返し、とうとう寒くて、つないだ手も震えてきて、
それを見たお月様は、
より白く輝いて、二人を照らしました。

二人は心の中でつぶやきました。
「お月様だけが、いつでも優しい。」
お月様がいいました。
「私が、二人を出逢わせたのだよ」
二人は、この夜のことを、いつまでもいつまでも忘れませんでした。

輝く月夜の晩のおはなしです。



「絵本を読む少女」

2009年11月26日 | 創作
お花のような名前の女の子がいる
8歳になったのかな

私は、その少女を
本当の野原にそっと咲く
茎は細いけれど、しゅっと上を向いて咲いている
白い野菊のようだと思った

女の子のお母さんにそういうと
「野菊の墓ね」と微笑んだ
「そう、私、伊藤左千夫の野菊の墓大好きなのよ」と付け加えた

野に咲く野菊は可憐だ
でも、とても強い
女の子はおはなしする時はあどけない
笑顔は、キャラメル味のよう

少女は言った
「この絵本おもしろいんだよ。読んであげる」
「嬉しいなぁ。私はね、読んでもらうのが一番好きなんだよ」
お話し会で出逢った少女が私に、お気に入りの絵本を読んでくれるというのだ
初めてのこと
頬が熱くなった

私と女の子のつながりは、絵本
たからもの絵本
お母さんは、少しの間席を外した
「この少女と出逢ったのはいつだったろう」

やっぱり、少女は、たくましい野菊だった
はっきりとしっかりと、会話には力を入れて私に読んでくれている
「あぁ、嬉しい。たまらなく幸せだ」

絵本は、大人が読んであげると、読み聞かせか・・・
女の子が気持ちをこめてまっすぐ読んでくれるそれは
読み伝えだ!
少女が、何に想いを込め、この絵本の何が好きなのか、手に取るように伝わる
純粋で、直向で、元気。
女の子はまさしく野菊であった
小さくとも、その存在を喜び生き生きと生きているのだ
びんと弾む、いい声。

ありがとう
絵本を読む少女の横顔
泡いっぱいの、やわらかいお抹茶の味、香り、色
窓からの陽光
静かな午後
絵本を通して出逢った幸せの時間
私は、この日を、忘れない。

ふと、机の上に置いてあった絵本のタイトルが目に入った
『でんでんむしのかなしみ』

「私のからには悲しみがいっぱいなのではないだろうか」

忘れていたことばが頭をよぎった
でも、すぐに消えた
女の子とお母さんが寄り添って楽しそうに私を見ていた
最後の言葉がすぐに浮かんだ

「この でんでんむしは、もう、なげくのを やめたので あります。」

野菊の少女、だとしたら、お母さんはりんどうかな
二人を見つめ直して、私は、微笑んだ

                    (2009.11.26 典子)



「Sepia」

2009年07月21日 | 創作
     「Sepia」

   0時に空を見上げる
   耳を澄ます時
   この時間が私は好き

   終バスが通りすぎ
   車の音も消えて
   家々の灯りも消えて
   しんとした空気は
   少しひんやりして心地良い

   見上げた空は、薄ぼんやりのグレー
   決して闇にならない
   ここでは決して。

   幾つでも星の輝きを見られれば
   それだけで嬉しい
   星の瞬きの音が聞えるから
   耳を澄ませば
   私だけが覚えてる
   セピアなメロディ

   恋しい想いが溢れてくる
   耳を澄ますと
   心に涙がこぼれる
   耳が恋しい音を覚えてる

   耳恋し
   優しい風
   耳恋し
   優しい声
   耳恋し
   優しい鼓動

   私だけが覚えてる
   セピアなメロディ

           (2009.7.21 典子)



日曜日、ハーモニカの田中光栄さんのライブへ行ってきました。
「Sepia」という曲、大好きです
ブルースハープでの演奏、とても優しく切なく胸に響きます。
メロディは同じでも聴くたびに何か違うのです。
光栄さんの想いも私の想いも、心に描くことは聴くたびに違うからでしょう。


夜、空を見上げていたらこの「Sepia」がふと、耳の奥で聞こえてきました。
空はぼんやりでしたが、気温は肌にちょうど良くて、涼涼。
連休の終わりを告げているような人の気配が感じられない静けさでした。

だからかな。「Sepia」な想いが甦りました




胸さわぐなりけり

2009年04月09日 | 創作
    花吹雪

満開の桜のあとは、風が吹く
この風に、桜の花びらが舞い吹雪く
花の舞台の千秋楽が近づいている

さらさらとひらひらと蝶のようにも
風の衝突のせいで、巨大な見えない風船のようにも
白雪のごとく降りしきるようにもなって
私の目の前で、驚かせるように舞っている

花吹雪は、花の命の小さな結晶が群舞して
時が過ぎていくこと
時は決して止まらないこと
時はただ流れていかないのと
私の目の前で、渦巻きながら舞っている

とてつもなく大きくて、見上げる桜が
ざわざわいいだした
きらきら優しく微笑んでいた桜が
ひそひそ話をしながら、風に乗ってどんどん去っていく

花吹雪に埋もれるよう佇む
春の魔物が胸を刺す
花吹雪が
桜の木から、涙の雫のように舞い落ちる

          (2009.4.8 Yae)





『ナイチンゲール』

2009年02月02日 | 創作
     ナイチンゲール

 
   冷たい風にあたったから?
   風邪をひいてしまった

   涙腺まできている
   悪い風邪 長引きそうだ

   癒しの音は
   遠く響く 鐘の音
   寄せては返す 波の音
   むかしむかしの 子守唄

   ささら ささら
   耳を澄ますと聞こえてくる
   何もかも水に流れていく音が

   ささら ささら
   小さな声で歌ってみる
   胸の小鳥は眠ってしまったか

   昔、中国の皇帝が病気になった
   慰めたのは、ナイチンゲール

   美しく鳴いておくれ
   淋しい夜の静寂に たった一声・・・

          
             (2009.2.2作 典子)






「辿りついて」

2009年01月24日 | 創作
今日は「天草ディナーショー」のリハ。
音と合わせての練習です。

天草の自然が、まだまだ鮮明に瞼に浮かびあがり、
今日の天気のように雨があがり、澄んだ空気と青空のごとく
気持ちよく稽古ができました。

天草の民話を語っていると、やはり、天草との最初の出会い
「パーテルさん」に想いが馳せていきます。


     「辿りついて」     八重幡 典子


「五足の靴」の話を知ってるかい?
五人の若き文学者が 
遠い遠い天草へ 大江天主堂目指して 
訪ね歩いた話だよ。

なぜなぜそんなに揺り動かされた?
知りたかったんだ 声を聞きたかったんだ
どうしても
遠い遠い天草にいる
パーテルさんに会いたかったんだ

パーテルさん?
それは誰?
大江天主堂のガルニエ神父
フランスから天草に降り立って
その命を捧げた人
天草の民になり土になり風になった人

辿りついたところは
天草の青い風が吹き抜ける小高い丘の上
辿りついたその人は
白く可憐なすずらんをこよなく愛する
優しい神父

五人は皆、感動した
純粋に一心に
ただ使命を全うする愛の人を見て
人に会い、これほど心が震えることがあろうか

文学の灯火の火種は
彼らの血潮に波をたてた
真の文学者としての夜明けの時
文学の深き明るい希望の道が見えたのだ

「五足の靴」の彼らは
そのボロボロになった靴を愛しく眺めた
この道を歩いてきて良かった
この長き道のりは
新しき世界の入り口へ

そう、書くのだ
綴るのだ
語るのだ
この境地を!

ああ、ガルニエ神父
あなたに逢えて本当に良かった
あなたはフランス人
だのに、天草で天草の民のために祈り続け
そのすべてを愛してくださった

この無償の愛の姿は
まぶしい光になって
五人の心を照らした
そして、五足の靴は足踏みを揃えてまっすぐ歩き始めた

それぞれの使命を見出して

                 (2009.1.23 作)

*「五足の靴」:与謝野鉄幹・北原白秋・木下杢太郎・平野万里・吉井勇










オリオンと月

2008年11月19日 | 創作
0時を過ぎた
オリオン座が美しい月も美しい
一等星が瞬いている

こんな夜更けに散歩とは
きんと冷え込んできた
思わず腕を抱えてしまう
空気が冷たい

こんな夜更けに外を歩いている
眠れない夜
悲しい夜はくる誰にでもくる

きっと今
友が泣いている
二人の子等と寄り添って
子等はいつものように天使の寝顔してるだろう
でも
友は泣いている
枕は涙でぐっしょり濡れるだろう

私は共に泣くか
手をつなぐか
それともスープを作ろうか

見上げると今日のオリオンは
なにか威張っているようで冷たい
月は重い真黒な空を抱えて
震えている
 
鼻が冷たい
顔を覆う
ため息をつく

考えても考えても
言葉が見つからない
オリオンと月も泣いてるのか

だから、でも、それで、

やっぱり笑うよ
だから一緒に笑おう
私たちは同じ誕生日の
ふたご星
この地上で偶然出逢った

「元気だして。いつまでもずっと仲良し、これからはもっと仲良し」


(11.18 典子)




映画「おくりびと」

2008年11月02日 | 創作
1日なので、映画を観てきました。
今日は、久しぶりの邦画で、「おくりびと」。
納棺師のおはなしです。
いい映画でした。

山形県酒田市の風景、チェロの音色が、優しくこの映画を包んでいました。
納棺師は、この世の最後の肉体の姿を、棺に納める仕事。
死は誰にでもやってくるもの。ある日命が途絶える。
その姿を静かにきれいに整えてくれる人。
いつか私も会う人たち。
その納棺師の役は本木雅弘さん、上司は山崎努さん。
人々の心の揺れや、変化を静かにゆっくりと描いてありました。

愛する人には、最後まで優しくありたい。
生も死も生から死まで、その人の人生だから、最後まで優しくありたい。

それにしても、本木雅弘さんは素敵な演技を見せてくれました。
手さばきが、とても優しくて、その温もりも伝わってくるようでした。
深く深くこの作品と向き合っていたのだと思います。


「手」

生きている時も死ぬ時も
手は、優しく触れるもの

手を凶器にしたら絶対にいけない
手は、心が伝わるものだから
決して、乱暴にしたらいけない

優しい手にしよう
手は、心も体も癒せるもの

心をこめて祈りをこめて
黙っていても響いてく
手から溢れる想いが
一番素直な
本当の想い

言葉はいらない
優しい手になろう

(11月1日 典子)





ギフト

2008年10月11日 | 創作
   「ギフト」

君に贈るよ
大きな木になる
小さな緑の種を

水をひと飲みゴクンとすれば
ずんずんまっすぐ伸びていく
風と光の歌を歌いながらね

枝は葉を茂らせ 緑のさざ波の音をたてる
鳥がやってきて 巣を作り ひなが囀る
JOY JOYとみんなで歌うんだ

木陰にふりそそぐメロディは
きらきら そよ風と二重奏

この木のそばなら いいね 
いつでも笑えるね
いつでも眠れるね
いつでも嬉しいね

木からの贈りものだよ
そっと触れてごらん
そっと嗅いでごらん
そっと聞いてごらん

「木の香り」がことばになるよ

「一緒に生きてるよ」 

葉っぱが色づく
葉っぱが落ちる
そのふかふかの絨毯で
そっと目をふせると

「木の香り」がささやくよ

「君からも贈りものありがとう」


(2008.10.11)






今日は祈りたい

2008年10月02日 | 創作
「今日は祈りたい」


夜の静寂の中に
私は祈る
あの子のために

小鳥のような唇で私を呼ぶ
たんぽぽのようなお日様の匂いをふりまいて
うさぎのように跳ね回る

一粒二粒、ポロポロ涙をこぼし
だまって口を閉じたまま
独りの時間を 予期せぬ時間を
じっと耐えている

傍に寄り添うこともできないと
朝の来るのを待つしかないと
私には祈ることしかできない

この両手を額につけて心底の声で
「神様 どうかお守りください」
「小さな命を みんなの命をお守りください」

今日は祈りたい
ずっと 朝が来るまで
ただ祈る
可愛い可愛い笑顔に会うまで