ここ何日か、大粒の雨も降り、急激に秋がやってきましたね。
今日明日と、生きがいセンターでおはなし会。
水曜クラスは、年に数回だけなので、今日は、ロングで2時間たっぷりでした。
季節の歌、わらべ歌、おはなしとゆっくり楽しみました
民話を二つ語った後、『かちかち山』の話のあらすじを語りながら、「さて、そのかちかち山、太宰にかかったらこんなお話になりました!」と、
太宰治作『お伽草紙~カチカチ山』を語りました。
語ると、ちょうど1時間です。
あの名ぜりふは、キメたつもりです!
曰く、「惚れたが悪いか。」
さて、今週から、学校訪問始まりました!
二学期は、小学校、3,4年生を中心に回っています。
みんな日焼けして、元気元気!
それに、体が大きくなってる。声もね
運動会を前に、一生懸命練習していて、窓から見える良い景色になっています。
秋の語りプログラム(3,4年生)は、
*日本民話『やまなしもぎ』『あたまにかきのき』『かにむかし』
*グリム童話『ブレーメンの音楽隊』『眠り姫』
*新見南吉『ごんぎつね』
*宮沢賢治『どんぐりと山ねこ』『かしわばやしの夜』
お月見の頃には、『月のうさぎ』を語ります
学校訪問は、教室だけでなく、音楽室を使うことも多いのですが、音楽室は、入るたびに、なぜか胸がきゅんとなります。
小学生の頃、学校の中で、すごく好きな場所でした。
中学でも、高校でも、音楽室は居心地良い場所でした
大概は、3階か4階の隅っこにあります。それもいい。
窓からの眺めもいい。
作曲家の絵が飾ってあったり、棚に、アコーディオンや小太鼓が並んであったり、少し黄ばんだ音階の書いてある五線譜が貼られていたり、鉄琴木琴が隅に置いてあったりがいいんです。
楽器たちも、ちゃんと耳を澄ましているように見えてきたりします。
小学校の音楽室での、忘れられない6年生の秋の日の想い出があります。
音楽の先生は、教頭先生でした。
そのやわらかく太く響く先生の声は今でもこの耳から離れません。
先生の推薦で私は、ピアノコンクール(これ一回限りです
)にでることになりました。
放課後、音楽室に陽が長く差し込める中、ベートーベンのソナタを練習しました。
横で、先生がずっと歌ってくれていました。
練習の合間に、先生が笑みを浮かべながら、フォーレやシューベルトの歌を歌ってくれた時の、ブレスも忘れていません。
とても温かい歌声でした。
私は、コーラス部にいて、その顧問が先生でしたので、あの秋は、音楽室で、随分長いこと先生と一緒に歌ったり、ピアノを弾いたりしました。
私が中学に入学してまもなく、先生が亡くなられたと知らされました。
私の横で、ピアノのレッスンをしてくれていた時は、すでに余命6ヶ月の宣告をされていたそうです。
先生の声だけ残りました。
秋の日の音楽室で語る時、時折、風や匂いが肌を通り、優しい懐かしさと切なさが、胸に込みあげてくる時があります。
場所はどこでも、優しく心を撫でられた跡は、時が経っても消えないものですね。
音楽室で語るの好きだなぁ