~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

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ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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毛布がほしい

2008年05月31日 | 日々徒然
今日も寒い一日でしたね。
ニットの長袖にカーディガンで過ごしました。
ホットショコラや、ロシアンティもいれました。
それでも薄ら寒くてまいりました。
本当に、毛布に包まれたい様な一日でした。

毛布で思い出す可愛らしい作品をご紹介します。
アメリカの有名な劇作家、アーサー・ミラーが初めて子どものために書いた『ジェインのもうふ』(偕成社)という童話があります。
ジェインのもうふはピンク色でふんわりあったかーい赤ちゃんもうふです。
ジェインは、このもうふが大好きで、それは、何より大事な宝物です。
ジェインがどんどん大きくなるにつれて、もうふは小さくてボロボロになっていきます。それでも、かけがえのないもうふであることに変わりはありません。
ある日、小鳥がその小さなきれっぱしのようなもうふの糸を引き抜いていきました。
そして、もうふは跡形もなくなくなります。
でも、もう、いつかの日のように泣きわめいたりするジェインはいません。
小鳥たちの赤ちゃんの温かい巣になったことを、心からよかったと思うジェインがそこにいます。
大好きなもうふとさよならをしました。
読みながら、生き生きと描き出されるジェインの成長の日々が微笑ましく、幼い思い出の品の詰まった宝箱を開けるような懐かしさを覚える作品です。

小さな時の、どんなに汚れてみすぼらしくなったものでも、自分にとってはずっと側に置いておきたい大切なものありましたよね。

そして、それを、自分で箱にしまう時もありました。
色々忘れているのに、そのことは、覚えています。
一番純粋だった頃なんでしょうかねぇ・・・。

それにしても、早くお天気になって、おふとん干ししたいですね。
お日様にあててふかふかにしたいです。
気持ちのよいふとんで寝ることは、誰にとっても幸せですものね。

10℃も気温が上がったり下がったりしたら、本当に大変です。
くれぐれも風邪をひかないでくださいね。

身近なこと

2008年05月29日 | 日々徒然
一軒隣のかりんちゃんです。
散歩して最初に会うのがこのかりんちゃん。
かりんちゃんは、この窓辺がお気に入りみたいです。
一日に一回はここで会います。
この窓から、いったい何を見ているのでしょうね。
やっぱり、道往く人を眺めているのでしょうか?
私ともここで会うと、ずっと目があったままで、動かないのです。
暫し、じっと見つめあったままにらめっこ状態。
「おはよう、かりんちゃん。今日は、元気?」
耳をピンとして、聞いているようなしぐさにもなります。
私はここで、かりんちゃんを見ている時間が好きです。
「じゃ、散歩に行ってくるね。またね。」

私は、一度も、かりんちゃんをなでたり、抱っこしたりしたことはありません。
他所のお家の猫なのだから当たり前ですが、でも、とても可愛いです。
毎日顔を合わせているのですからね。
だから、この窓辺にいないとなんとなく寂しくなります。
名前を知っていて、一日一度は挨拶していますからね。

散歩をしていると、よく犬の散歩をしている人に出会います。
ルートはそう変えるものでもないので、同じワンちゃんに会います。
でも、あまり、挨拶することはありません。
いつも同じ道を通り、ワンちゃんも飼い主の方も分かっているけれど、黙って、すれ違います。
挨拶したくても、すれ違う時に大抵は下を向かれていて、楚々と小走りに行ってしまうのです。
もう少し、にこやかでもいいのにと思うこともあります。
「こんにちは」くらいは言えないものかと・・・。

田舎では、近所のお家の犬の名前も猫の名前も結構知っていました。
犬なら、側に駆け寄り、背中をなでてやりました。猫は、そっと近づいて、逃げなければ、やはり、背中をなでました。
でも、やたらにはできません。
名前を呼ばないと。自分の名前、ちゃんと分かってますから。

東京に住んでから、近所のことは、よく分からないです。
ご挨拶できるお家も少ないです。
3年ほど前、家の前の広い畑が分譲されて、家が立ち並びました。
引越しの時、何軒かの方が一度ご挨拶にこられました。それきり、どなたともお話ししたことはありません。
お会いしても、さっと行ってしまいます。
関係ないですからね。こんなに近所でも。
東京はきっとこうなんでしょう。
東京じゃなくてもそうなのかな。
田舎に帰ると、知らない人がいないくらいに思えるのが、不思議なのでしょうか?

ここ何週間かゴミの日に、近所のゴミがカラスの標的になり、生ゴミが散乱する日が増えました。
今は、個別収集になり、顔を合わせることはほとんどありません。
注意が薄れるのか、人への気遣いも欠けていくのか、カラスのすることだから仕方ないのか、なかなか改善されません。
家の前にもバラの花びらに混じって、鶏肉や魚の骨があり、ぎょっとしたりする日もあります。
隣の家には駐車場まで野菜の皮が入り込んでいます。
この同じ道を共有しているものとして、ゴミが散らかっているのをほっとくようなことはしたくないし、家の前にとんできたものは掃除しています。
でも、もし、庭先に出た時や、お会いした時に気持ちよく挨拶できているのなら、この気持ちを害するゴミも、もう少し、カラスのせいにして掃除できるのに・・・と思ってしまいます。

しかし、汁の付いたビニールやトレーの掃除はほとほと困ります。
匂いもひどいしたまりません。
ゴミを出さない工夫も大切ですが、生ゴミは汁気を切って、汚れたトレーは洗って水気を切って捨てるのがいいですね。
汚れたトレーやチューブは、リサイクルできませんから。
これも、小さなエコになるはずです。



スケジュール更新

2008年05月28日 | お知らせ
6月のスケジュール

6月10日(火) 国立火曜お話し会 参加費1000円

6月12日(木) 小学校訪問おはなし会(3年生、国分寺市)

6月13日(金) 生きがいセンターひかりおはなし会

6月17(火),19(木),24(火),26(木)小学校クラス訪問(2年生、国分寺市)

6月22日(日) リーディングドラマ「五足の靴」(天草元気プロジェクト)
                         in中野サンプラザ研修室
       チケット情報  http://www.amakusa-pj.com/

6月23日(月) 小学校文庫おはなし会(1,2年生、国分寺市)


今回のクラス訪問は「ブレーメンの音楽隊」です。

「行こう 行こう ブレーメンへ 丘を越えて さあ すすめ!」

ブレーメンの歌に合わせて風にのって元気にまわりまーす
                    



素朴なおやつ「黒糖蒸しパン」

2008年05月27日 | クッキング
黒糖を使った蒸しぱんです。
重曹をちょっといれました。
計量から出来上がるまでわずか30分の簡単おやつです。

朝作ると、3時のおやつには、よりしっとりとして、黒糖の風味も増して美味しくなります。
元気に学校から帰ってきた子どもたちには柔らかく、やさしい味のおやつがいいですね。
これから、陽射しもますます強くなり、暑い暑いと冷たいものを取りたがるものですが、時々は、温かい緑茶やほうじ茶にあうおやつで、おなかをやさしく守ってあげてください。

黒糖蒸しぱんは、よく母に作ってもらったおやつです。
母の場合はいつも目分量ですから、毎回食感が変わりました。
でも、こうして時々食べたくなるのですから、やっぱり美味しいのですね。
ボールに小麦粉、砂糖、塩ひとつまみ、牛乳、ごま、重曹少々を混ぜて、7.8分蒸せば出来上がりです。

今日は、小さめの紙カップ6個分。
小麦粉100グラム、黒糖50グラム、牛乳100ccです。
甘さ控えめ。

子どもたちと一緒に、お母さんもほっと一息つくおやつの時間を過ごしてくださいね。



増田書店おはなし会(19)

2008年05月25日 | おはなし会・語りの会
  

今日のプログラム
1、はじめの歌「愛依の風」
2、絵本『まあちゃんのながいかみ』福音館書店
3、絵本『いつもちこくのおとこのこ ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』あかね書房
4、ひみつの宝箱
  詩『私と小鳥とすずと』金子みすず詩集
5、素語り『おだんごぱん』ロシア民話 バイオリン付
6、5,6月のお誕生会
7、絵本『ぼく、お月さまとはなしたよ』評論社
8、終わりの歌「さよならあんころもち」

お話し会が始まる頃には雨もすっかりあがり、バイオリンの奏でる「愛の挨拶」も柔らかに響いて、はじまりの歌「愛依の風」へ。
今日は5,6年生の参加も多く、小さなお友達もお兄さんお姉さんに習って、みんなとっても良い姿勢でしっかりお膝を抱えて坐っていました。
思わず「記念撮影するみたいにきれいに整列してるね。」と言ってしまうほどでした。
オープン後まもなくの店内の静けさも手伝って、笛や歌もよく響くお話し会になりました。
ご家族揃っての参加も2組あり、お母さんが妹さんをおひざにして、お兄ちゃんお父さんと並んで腰掛けている姿は、なんとも優しい光景です。
日曜の朝のお話し会のいいところは、こうして、家族参加できる機会も持てるということです。
お話し会もいっそう暖かい雰囲気になります。
語りの『おだんごぱん』では、この小さい妹さんが、私の歌に合わせて、手拍子を打っていました。
その小さな手で打たれる可愛らしい音は、きれいな鈴が鳴るようでした。
そして、それは、みんなの耳にも届いていたのです。
だれもが、ちょっとそちらを振り返り、ふふっと微笑んでいました。
笑顔一杯のお話し会は、こうして子どもも大人も一つの輪になることで自然に生まれます。
今日も、みんなで作る素敵なおはなし会になりました

 こちらは、バイオリンを弾いてくれている亀田さんです。

私の呼吸を受けとめてくれるかのようにぴったり、お話の中に溶け込んだ音色をだしてくれます。
今日もありがとうございました。

みんなが笑うと嬉しくなる。
嬉しいから、一緒に笑う。
お話し会は、いいところ。
みんな一緒で楽しいね。
またね

次回は、7月です。楽しみにしていてくださいね。

むく鳥の夢

2008年05月23日 | 日々徒然
この子、むく鳥のヒナちゃんです。
突然現われたので、窓越しでお掃除もしてなくて、ピントも合っていないのですが・・・。
可愛いです。一番の巣立ちヒナかな?

実は1ヶ月くらい前から、ベランダに、藁やら、何かもやもやした綿のようなものが散らかりだしたと思うと、ある日、屋根と庇の隙間の穴に入るむく鳥を発見。
むく鳥が巣作りをしていたのです。
注意してると、バサッバサッと羽をしまい巣に入っていく音が聞こえてきます。
本当に行ったり来たり、大変そうでした。
今までも、シジュウカラやツバメが巣を作ったことはあるのですが、ほとんど近くでは見る事はできずにいました。でも、今回はこんなにも身近に。糞被害は困っちゃいますが・・・可愛いから許します。

それから、2週間ほどすると・・・ビービージュンジュンとヒナの騒がしい囀りが聞こえてきました。
何羽くらいいるでしょう3,4、羽かなもっとかな。
何度か巣を覗き込んでみたのですが、物凄い囀りが聞こえるだけでまったく見えません。
親鳥はもう、忙しく何度も何度も子どもたちに餌をとってきます。それは、それは色々なものを運んできているようです。
上の青いサンダルは、いつぞや、その上に何か爬虫類が仰向けに落ちていて(きっと落としたんでしょうね)何だか怖くて触れなくてそのままなのです。もう、形はありませんが・・・。

鳥は夜眠ります。このヒナたちも、おなか一杯で、外敵から守られ、母さん鳥も一緒にみんな寄り添って温かい巣の中でとっても静かに眠ります。

そんなむく鳥のヒナのことをそっと思うと、浜田ひろすけの童話『むくどりのゆめ』が思い浮かびます。
それは、もう、この世にはいなくなっている母さん鳥のことをむく鳥の子がずっと待っているお話です。
帰るはずのない母さん鳥を想うヒナと父さん鳥のことばのやり取りがとても切なく胸に響いてきます。
また、私が想う、一番の美しい情景が浮かぶところは、寒い冬の日に一枚だけ残った枯れ葉とヒナとの幻のような出来事です。
そうして、むく鳥の子は、どんな夢を見たのでしょう。
ひろすけ独特の情感たっぷりな描きに、母をいつまでも大事に想う心、その子を優しく包む見守りの姿が胸に刻まれるような、慈しみ深い童話なのです。
ぜひ皆さんも、ゆっくりと「ひろすけ童話」を味わってくださいね。

今日もベランダのヒナはジュンジュンいって大騒ぎしています。一羽一羽巣立っていくでしょう。
全部のヒナの巣立ちはもうすぐです。体も大きくてきっと巣は小さいはずです。
どの子もみんな元気に大空に飛び立ってほしい。

子どもたちもやがては巣立ちます。その育ちの中で大切なのは心と体に充分な栄養がいきわたること。
そのためには、安心して、ゆっくり深い眠りにつくことですね。
心優しい気持ちで、おなかも満たされて安眠できる毎日のために、眠る時には、お母さんの声、お父さんの声で良い絵本(絵と言葉に作者の素直な想いがこめられているもの)を読んであげてほしいと思います。
読み聞かせすることで、より、絵本や童話の言葉の底に流れる詩的な感動が、こどもの心に響き、染み込んで、温かい心を育てることと思います。
明日の元気につながります。

子どもたちにいい夢を。



愛を生む絵本

2008年05月20日 | 絵本ひーらいた
久しぶりに夜空を見上げて帰りました。
美しい満月。金色に輝いています。
朝の大雨嵐が嘘のようです。

私のたからもの絵本『ぼく、お月さまとはなしたよ』(評論社1985年初版)のお月さまは、まあるくて、黄色いお月さまです。
いつも、私のすぐ側にいます。
私の誕生日ももうすぐ。今月の増田書店のお話会の誕生会は私もハッピーハッピーの仲間入り、今月のスターさんなのだー

この絵本は、くまくんが、お月さまに誕生日の贈り物をあげたいなと思うところから始まります。
そして、お月さまと話しをするために、山の頂上まで歩いていきます。
そこで、「誕生日、いつですか?おしえてください」「誕生日になにがほしいですか?」と聞きます。
すると、お月さまも同じように聞き返します。

くまくんはちょっと考えて「ぼく、ぼうしがいいな」。
「ぼく、ぼうしがいいな」とお月さま。

そこで、早速くまくんはお月さまにきれいな帽子を買いました。
お月さまがよく見えるようにと木の枝に帽子をかけておきました。
それはそれは、のぼってきたお月さまにぴったり。

朝、くまくんのおうちの前にも、ぼうしが。お月さまからの贈り物!
ところが、風に吹かれてどこかへ。

がっくりしたくまくんは、お月さまにいいます。
「ぼく、あなたがくれたぼうしをなくしちゃったんです。」すると、お月さまも同じ言葉をいいます。

「いいですよ、そんなこと。だってあなたが好きだもの!」とくまくん。
「いいですよ、そんなこと。だってあなたが好きだもの!」とお月さま。

「お誕生日おめでとう」「お誕生日おめでとう」

さぁ、絵本の中は、どんなに素敵な優しい絵で描かれているでしょう。
国立増田書店で読みまーす。一番最後お誕生会で。
今月のお誕生会は、おはなし会に集まった5,6月生れみんなです
どうぞ楽しいひと時を一緒に過ごしましょう。(25日11:00~、自由参加)


実は、この絵本には、忘れられない思い出が幾つかあります。
私がこの絵本を「愛を生む魔法の絵本」と呼んでいる所以です。
そのひとつとして。
去年の話になりますが、三鷹の大人のためのお話し会で、私がお誕生日におすすめの絵本としてこの本を紹介したところ、参加された女性が「あとで、来ると思いますが、今日は主人の誕生日なんです。」とおっしゃるので、とっさに「じゃ、私からプレゼントとして、ご主人のためにこの絵本読みましょう」と言ってしまいました。言った後でとても照れくさかったのですが、しばしご主人を待ちました。
ご主人は会社から駆けつけてくださいました。
最後のお話しの余韻が静まった頃、ハッピーバースデーを歌い私は約束通り、この絵本をゆっくりと心を込めて読み始めました。
ご主人が真っ直ぐ絵本を見ています。すると、奥様は隣でポロポロポロポロ涙を流されています。
距離が1メートルも離れていませんから、みんな視界に入ってしまいます。
読み終わると、奥様が何度も何度も「良かったね、良かったね、嬉しいです。ありがとうございます。」と、もう涙でいっぱいでした。
ご主人は、奥様に言ったのです!奥様の涙をぬぐいながら「ありがとう。」とみんなの前で。
お二人の愛が周りに溢れて、誰もかれも幸福な気持ちになりました。
私は、あんなにも優しい気持ちで絵本を読めた喜びに浸っていました。
まさに、愛を生む絵本でした。

巷で流行っている、「R-35」だかのCDより、私はこのハイネのような愛を語れる素敵な絵本をおすすめします。

「あの素晴らしい愛をもう一度」
愛する人に読んでください。この本は愛を生む魔法の絵本なのです



誰もいない野池

2008年05月19日 | 日々徒然
久しぶりに野池に散歩に行きました。

うわぁと緑の量がまして、気持ちのよい風が吹いていました。

でも、この間来た時と何か様子が違っています。
来ればいつでも会えた、カルガモさんの姿がまったく見えません。
シーンとしています。
「どこに行っちゃたんだろう。みんなつがいで楽しそうにしてたのに・・・。」
しばらく佇んでいると、一羽だけカルガモが残っているようで、低い鳴き声が聞こえます。ものすごく低く響いていて、誰かを呼んでいるような、寂しそうな声に聞こえます。私の気持ちがそうなのかもしれませんが・・・。
ふと、「そうだ、子育ての最中かな?もう少ししたら、コガモを連れてくるのかな?みんな群れて、きっと巣の在る方へ行ったんだ。ここには、遊びに来ているだけってグリーントラストのおじさんが言ってたな。」と思いました。
本当はどうかわかりません。

帰り道、久しぶりに、前にブログで書いた名前も知らない友達のおばあさんに会いました。
「こんにちは。随分陽気が良くなりました。お元気でしたか?」
というと、予想していた通り
「本当に幸せ。毎日歩いてここに来るのが楽しみだからね。これが生き甲斐だから」と。
私が、「今日はカルガモいないですね。どこに行っちゃったんでしょうね。」というと、
「さあ、そういう時もあるでしょう。興味もってないから。興味持ったって自然のことだからねぇ。私は、ただ、緑を見に来て、幸せだなぁと思うだけだから。」
とあっさり言うのです。
その時、ここへ、10年以上、脚のために日課にして欠かさず散歩に来ているおばあさんのこの言葉が、何か、とても味のある言葉に聞こえました。
10年の、野池の自然をずっと静かに眺めてきたおばあさんの歴史を感じてしまいました。
「緑を見に来ているだけ」ということばに、この野池の自然の営みが、おばあさんの自然な生活の一部として同化しているんだなと思えたのです。
そう「自然のこと」です。

自然は、破壊されない限り繰り返しの営みの中で続いていきます。命を繋いでいくものです。
だから、また来ればいい。自然の流れでみんな生きてるから。
その時まで、私もちゃんと生きて、また、ここに来ればいい。

心を軽くしてまた、始まります。一週間!



ひと休み

2008年05月17日 | 日々徒然
疲れを感じるのは体が元気になりたいからですよね。
週末は、体が動く時と、そうでない時があります。
年と共に・・・かな?

そんな時、「からだ」と「こころ」はやっぱりひとつにつながっているなと思います。
からだの声に耳を傾けるには、「瞑想」が一番です。

私も習ったわけではないので、正しい瞑想法がどういうものかはわかりません。
私の場合は、祖父がお寺の住職でしたので、小さい時から、本尊の阿弥陀如来像を見て育ち、自然と寺院巡りも好きになり、また、父と座禅をすることもしばしばあったので、そのゆったりと静かな姿は、目を閉じればすぐに浮かべることができます。
目に浮かぶ姿のまま脚を組み、手のひらを上に向けて親指と人差し指で軽く輪を作り、おなかの丹田に集中して、深く静かに呼吸します。
「無心」の心地にちかいようなふーっと体が楽になれば成功ということにして。

とにかく静かに深い呼吸をすることにしています。
体の毒素を吐く。遠くきれいな緑の茂る森を頭に浮かべながら、いい空気を体に入れるようにする。そんなことを思っています。

頭や体が軽いと思うことはいいことです。そうしないと、次の元気がわいてこないですものね。
ネガティブな思考はできるだけ捨てて。

毎日毎日、心配事や悩みなどがストレスになって湧いてくるのは仕方ありません。
そんな気持ちをリフレッシュさせてあげるのはやっぱり自分。

教科書にのっていた室生犀星の詩。
緑の助けが身にしみてわかるようになってくると、ふいに浮かびます。


    「五月」   室生犀星
 
   悲しめるもののために

   みどりかがやく

   くるしみ生きむとするもののために

   ああ みどりは輝く。



愛依想う・・・

緑輝く五月は
鳥が囀り、その響きは私の耳飾り。
しゃくなげや、つつじはほのかに香り、
風は爽やかに、頬につたう。
露地栽培のいちご畑の甘酸っぱさ、本当のいちご味。
みんなみんな五月。
それが五月。


お天気よくなれー。 青空見せてー。
雨降りは嫌よー。緑輝かせてねーーー。

今日は、ひと休みなのだから。

  

一年生クラス訪問・ロシア民話『おだんごぱん』

2008年05月16日 | おはなし会・語りの会
今月は『おだんごぱん』月。

今日は、小学一年生クラス訪問最終日。
おだんごぱんが一年生の教室にも、廊下にも、子どもたちのところへも、ころころころがって、楽しいおはなしの輪が広がりました。
 

 『おだんごぱん』  曲:美月愛依

 ぼくは、天下のおだんごぱん!
 ぼくは、粉箱 ごしごしかいて
 集めて とって それに クリーム
 たっぷり まぜて バターで焼いて
 それから 窓で ひやされた!
 
 けれども ぼくは~
 おじいさんからも おばあさんからも 
 (うさぎさんからも、おおかみさんからも、くまさんからも)
 逃げ出したのさ!
 おまえなんかに つかまるかい!

間に手拍子をいれて、リズムよく歌いながらおはなしは進んでいきます。
全部で、5回歌います。子どもたちは、少しずつ にこにこしてきて、歌うごとに
手拍子がひろがります。
「おだんごぱん」がじわじわ溶け込んでいくようです。

おはなしの「おだんごぱん」は、ころころころがって、うさぎ、おおかみ、くまから逃げていき、最後にきつねにパクッとされてしまいます。
あっけらかんとして、とっても愉快な作品。
子どもたちからは、「あっ!」とか「えっ!」とか「えー、食べられちゃった」
と、声がもれます。
「おだんごぱん」の冒険はこれで、おしまい。

私の一番最初の語り聞かせの作品で、こよなく愛しているおはなしです。
歌をつけることで、子どもたちと一緒に作品の世界を楽しく旅できます。

おはなしの後、子どもたちからたくさん感想をもらいました。
女の子が、ちょっとはにかみながら、「今日、気持ち悪かったんだけど、おはなし聴いたら元気になった。」と、
そっと手をあげて、小さな声で言いました。

「良かったな。みんないいお顔。」
ほっとする瞬間です


今月はあと一度、増田書店のおはなし会(5月25日(日)11:00~)で語ります。
一緒に『おだんごぱん』歌おうね。



 

ブーム?直売所

2008年05月15日 | 日々徒然
最近、至る所に農産物の「直売所」なるお店ができているように思います。
食品偽装事件や、中国の輸入野菜や、疑惑の餃子の問題などもあってか、「地産地消」と声高にうたわれるようになってきてからか。

「直売所」は、新鮮な地場野菜を直接生産者の方が売るお店。
形は、立派な建物から、畑の片隅に板切れをならべるところまで様々です。

実際、直売所を利用して思うのは、生産者の方の顔が分かるし、何より、旬の野菜が、スーパーよりは量からいってもお得になっているところがいいです。
散歩の途中で、一生懸命に畑にでている姿をたくさん見かける畑の直売所などは、安心感もよりプラスされ、美味しさも増すように思ったりします。

「直売所」には、何も迷わず「ご馳走」があるわけです。
本当のご馳走が。その土地、季節にあったものを、本来自分の足で集められるもの、自分で料理できるものがそのままあります。自然の恩恵を受けた、まるごと食べられるものばかり。

「栄養」は昔は「営養」と書いたそうです。
生きていくために本当の食べ物を、薬漬けされてない、その風土にあったもの、
自然の理に反しない食べ物を食べることが大切だと思います。
そうすれば、きちんと消化され、体を元気にしてくれるはずです。

今、この飽食の時代、様々な成人病が、大腸ガンが急増。
こんな豊かな時代なのに人の体は病気にどんどん侵されていく。おかしい。
食べ物は、本当に栄養になっているのかな。消化はされているのかな。
まさか、毒と化していないだろうね。

栄養サプリはなんでこんなに売れているのでしょう。
ものすごい数です。
これこそ、栄え養うために、厚生省が一日30品目を食べることを打ち出したからなのか、身土不二など無視して、一日の栄養素が足りていないから、偏った食生活だからと簡単に摂取できるサプリが人気なのでしょう。
でも、サプリは本当の食べ物ではないです。

「直売所」には、何十種類の野菜は置いてません。
でも、その時期の一番の栄養ある野菜は置いてあります。
それらを中心に献立を考えて、一汁三菜もつくれば、それに季節の果物とおいしい水があれば、生きるに充分だと思いますが、どうなのでしょう。


偶然ですが、予定日より早かった、遅かったと、日曜日から3日続けて「ご出産おめでとうございます」と明るい声でいってます。

子どもたちの未来を明るくするための第一歩は、お母さんのごはんです。
お母さんが作る本当の「ご馳走」が健康な心と体を作るものだと信じています。
自然流育児でがんばってください。
おいしい母乳は、命の素。赤ちゃんの一番のご馳走です。

※上の本は、グリムの会で食育の講演会時にお話ししてくださった真弓定夫先生の著書で、おすすめの本です。



ステキな小道具

2008年05月14日 | おはなし会・語りの会
お土産にいただいた上田つむぎのブックマークです。
今日は、火曜語りの会がありました。
昨日今日と最初に金子みすずの詩からはじめましたが、その詩集に差してみました。
ちょうど詩集の表装の色と合って、「とってもきれい」だと皆さんに好評でした。
ゆらゆら赤い雫形が詩集を飾り、可愛らしい小道具になってくれました。
サイズによっては、グラグラしたり、取れやすかったりするのですが、本当に合わせたかのようにフィットしてしっかり納まっています。
つむぎも古風でいい雰囲気。本がきれいになって嬉しいです

ありがとうございました。

今日のおはなし会でしていたニットのマフラーも80歳のおばあさんが作ってくれたものです。
何色も色を織り交ぜてくださりとってもきれいです。
こちらもたくさんほめていただいて、私もついついおだんごパンのように
嬉しくなって、歌を歌ってしまいました

そうです!今日から、一年生のクラス訪問も始まりました
朝から、元気に、おはなしです。
大好きな「おだんごぱん」。小学校の最初に語るお話はこれです。
目を丸くしたり、口をあんぐりあけていたり、手拍子したり、みんなの顔が明るくて嬉しいです。

一緒に、おはなしの世界を旅していこうね。

はじめが肝心。はじめの一歩がね



生きがいセンターひかり

2008年05月13日 | おはなし会・語りの会
12日、生きがいセンターひかりで2回目のおはなし会がありました。
前回とはメンバーが違い(月・木)クラスの方々です。
女性だけの13人。最年長の方は、93歳です。
皆さんよく笑いとても元気です。

はじめましてのご挨拶で「愛の挨拶」から、リコーダーとバイオリンのデュエット「アマリリス」とつづけました。
なじみのある可愛らしい曲に雰囲気がパッと明るくなりました。

つづいて、「ユーモレスク」にのせて、金子みすずの詩「みんなをすきに」「わらい」「わたしと小鳥とすずと」「美しい町」。

皆さんすっかりリラックスした笑顔をこぼされて心の握手はできました。

そして、本題。今回は日本昔話「はなさかじいさん」「舌きり雀」、
クラシックの調べにのせて、「ことりをすきになった山」です。

小鳥のジョイの歌を作りました。

 「明日のジョイ」
 
 春風にのって 遠い島から はるばる飛んできた 私はジョイ
 
 命を繋いで 必ずあなたに 会いにきます それが約束
 たったひとつの 大切な約束 待っていてね 春の光を 
 ジョイ ジョイ ジョイ 
  
 悲しみの涙が 喜びの涙に かわるまで 私は歌う   
 夢を叶える 幸せよぶ歌を 何度でも 何度でも

 喜びの涙は 清らかな水になり 新しい命を つくるでしょう 
 私はジョイ 私はジョイ明日にむかって 飛んでいく
 ジョイ ジョイ ジョイ


みなさん元気で素晴らしいです。
最後に「浜辺の歌」を歌いました。一緒に歌えることって、本当に嬉しいですね。
 
 それから、妹に赤ちゃんが生れました
 
 小さな命。尊い命。
 エネルギーをいっぱいためた命。
 命は心を通して受け継がれつながっていくもの。
 たくさんの心とつながりますように。
 元気に元気にね。
 お誕生おめでとう。
 
 

母の日に

2008年05月11日 | 日々徒然
今日は、母の日でした。
「お母さん、ありがとう。元気でいてね。」心で思っています。
もう何年も、面と向かっては、言えてません。
いつまでたっても心配ばかりかけているようです。

母が書いてくれていた、私の育児日記があります。
色もすすけて、黄ばんでいます。角ももろくなっています。
真ん中に「育児記録」下に「寿 高橋産婦人科」と印字されています。
私が産声をあげたその日から3歳くらいまでの記録です。
10年ほど前に渡されてから、私の手元にあります。

一日一日の記録から、私のゆっくりと成長している様が、記憶のない頃の自分が浮かび上がります。
毎日毎日、優しく見つめてくれていた母の眼差しが、どのページからも伝わってきます。
5ヶ月の時、「声をたてて笑うようになり、とても可愛いい。パパの顔ママの顔もわかる様になり、機嫌のいい時には、フフフなどひとり言を言っている。」と書いてありました。
言葉を発するようになった最初でしょう。

母は、20歳で遠く滋賀県から栃木にお嫁にきました。
一人娘でしたから、本当におしゃべりの相手は私だったでしょうね。
いろんな話を聞かせてくれました。母の故郷の話、子どもの頃の話。修行僧だった父との思い出の話。
それから、たくさん歌を歌ってくれました。あまり知られていない子守唄も。
ぜーんぶ関西なまり。
私の美月節といわれる独特なアクセントはきっと母のせい。かな?

夜、おぶさって、「お月さんお月さん、きれいなお月さん。みんなをきれいに照らしてね。優しく優しく照らしてね。今日もありがとう。お月さん。」
と月を見て、一緒に歌っていました。その時間好きでした。
私は今でも月夜にふと口ずさみます。
そして、このメロディは、歌詞を変えて私の語るおはなしのいたるところででてきます。
とても懐かしく心が和む調べだから。その心持ちを皆さんにもそっと届けたいからです。

私たちが最初に耳にしたのは、きっと母の心臓や血流の音。それから母の声。
記憶に宿る、世界で一番きれいな声は、やっぱりお母さんの声なのでしょう。

おはなし「世界で一番きれいな声」。
アヒルの子どもが散歩に出かけます。その間、小屋を一回りする間に、いろいろな動物に会いその鳴き声が自分と違ってとってもよく聞こえ、うらやましくなって、まねっこして歩きます。でも、うまくいきません。
すると、「グワッ、グワッ」っと向こうから懐かしいとってもいい声が!!
そう、それは、お母さんアヒルの声でした。
アヒルの子どもは思うのです。
「やっぱり、この声が世界で一番きれいな声だ!」って

共感です。




たからもの絵本

2008年05月08日 | おはなし会・語りの会
上野の森の親子フェスタ。
とてもハッピーな時間でした。

児童書の出版社も勢揃いして、作家のサイン会なども開かれ、大盛況でしたね。
きっと、「たからもの絵本」が見つかったと思います。

絵本の数だけ、物語があり、その中は愛でいっぱい溢れてるのですから、なんて素敵な場所にみんなは遭遇できたのでしょう。
そこで、おはなし会ができて本当に嬉しいことです。

私の心に湧く泉から皆さんにおいしい水はとどきましたか?
また、いつかその味を思い出してくださいね。

また、おはなし会で待っています。

思い出すと、私の「たからもの絵本」は私が3歳の時、父が買ってくれたものです。
これはシリーズでしたが、全巻揃えてくれました。
表紙も紙も厚くて手触りは最近の絵本とは違います。
この「アンデルセン絵話」は特に大好きで、もう毎日読んでいたように思います。
また、この表紙の絵の人魚姫が大好きでした。
可憐で愛らしく、どこか悲しげな表情は、子ども心にも、お話を思って切なさを感じた最初ではなかったかと思います。
「私は、人魚姫の味方だよ。私がいたら、絶対王子さまに話してあげられるのに」
いつもこう思っていました。最後のシーンになると泣きそうになりながら、空気の精になった人魚姫のその先まで想像したものです。
人魚姫の真心、深い愛についてはずっと後ですが・・・。
この全50巻には、その他有名なグリム、イソップ、世界の昔話、創作物、浜田ひろすけ・小川未明など様々に織り込まれていたのです。
私はそれらを、時間を忘れて、毎日毎日読んでいました。
父から、母から読んでもらいました。そして私は、二人の妹に読んであげていました。今でも、まだ、開きます。

絵本には不思議な力があります。これは何の力なのでしょう。
今、ひとついえる言葉は「絆」です。
読んだ数だけ読んでもらった数だけ読んであげた数だけ心と心、自分でないかけがえのない人との絆が結ばれる力です。
私は今、どこでおはなし会をしても、その力を感じます。
だれかが欠けてもだめなのです。そこにある命を大事に感じることができる貴重な
力。
これからも、そんな思いを抱いておはなし会を開いていきたいです。
5月は私の生まれ月で、原点に返る時でもあります。
また、新たに深呼吸して

「見つけてね。宝物の絵本」

「たくさんの宝物もっていくよ。ずっとね。」愛依