連日本当に寒い日が続いていますね
バンクーバーオリンピックの雪上や氷上の熱い戦いに釘付けになっています。
午前中のテレビ中継も多いので、連日エキサイトしながら応援しています。
冬のオリンピックは、まったく未知の世界の戦いのように思っていたのですが、
今年は、トリノからの飛躍を期待する選手が多いので、ワクワクの期待感いっぱい。
新しい競技や選手の名前もわかり、そのすごさとかっこよさに魅了されっぱなしです
スノークリスタルの世界でのスピードと美しさは一瞬の閃光のようです
さて、6年生の学校訪問です。
これから3月の卒業に向けて6年生の学校訪問が続きます。
学校訪問でのプログラムは、学校からのリクエストで決めますが、
二つに分かれます。
『芥川龍之介の作品』と『宮沢賢治の作品』です。
先生方にも様々に想いがあるようです。
私にとっては、どちらも心から語りたい作家たちです。
芥川の世界は、その文体の美しさと巧みな表現。
物語の世界へぐんぐん引き込まれる面白さや
絵画が心に刻まれるかのような印象的な場面の数々は、
新しく強い文学との出会いになると思います。
私が語る作品は、『蜘蛛の糸』『杜子春』『魔術』『蜜柑』などです。
芥川が、少年少女のためにと書いた作品ですから、6年生の会ではベストだと思います。
これが出会いになり、まだまだたくさんある芥川の作品を読んでほしいと思います。
中学生前の春休みは希望に満ち溢れ、またゆっくり過ごせますものね。
私も語りながら、新しい気づきの連続です。
登場人物の浮き出し方も変化もでてきます。
どの作品でも、丁寧に描かれた背景の美しさが、今になってより見えてきたりもします。
すると、やはり目線が変わります。
特に、『蜜柑』などはとても短い作品で、一見陰鬱さを感じるのほどですが、今は、この作品の美しさに導かれ、語る度に胸の中にとてもきれいな鮮やかなみかんの色が刻まれ、気持ちが晴れるのです。
特に、少女の蜜柑を投げ上げる場面は、背景の描写も美しく、しみじみとした余韻の残る、本当に美しい場面です。
だから、何年か前とは、私の語り方も変化しています。
賢治の作品は、5,6年生で教科書でも学んでいて、賢治の童話を通して、その想いに触れてほしいという気持ちが強いですが、芥川の作品では、その文章の上手さから、奇抜な楽しさ面白さを味わってほしいと思っています。
私ができることはただひとつ。
作家の愛を込めた作品を一生懸命語るのみ。
6年生のみんなへ、珠玉の物語を心を込めて贈ります。
ちょっと嬉しい出来事をもうひとつ。
今日、中学一年生のクラス訪問に行ってきました。
そこで、宮沢賢治の『雪渡り』を語り、ヘルマン・ヘッセ作『少年の日の思い出』を朗読しました。
ヘッセの作品は学校からのリクエストでした。
髪を茶色にして、制服を着崩していた男子生徒の感想文から少し書きます。
「授業ではあんまり聞いてなかったこともあるけど、終わった時、それで何がとかだから何とか思ってた。でも、今日聞いてみて、最後の場面で、蝶をつぶした時の手の感触がすごいリアルで色々考えると少し胸が痛くなった。」
とありました。
帰りに廊下ですれ違った時、私と目が合い、「ありがとうございました」と頭をぺこっと下げて挨拶もしてくれました。
先生が3,4人ふざけてしまう子もいるなどと心配していましたが、居眠りする子なんてひとりもいませんでした。
40人のクラスを4クラスまわるうちに、校庭の雪は完全にとけていました。
私が何度も繰り返した「キックキックキックキック トントントン!」が気持ちよく
耳の奥に響いていて、足取り軽く帰れました。
窓から手を振ってくれる女子も何人かいました。
手を振り合うのって、嬉しいです
中学生。やっぱりかわいい子どもたち
女子、スカート短いぞ!風邪ひかないようにね