梅雨の日らしい一日でした。
ほんとに久しぶりの西東京市の「和のいえ櫻井」おはなし会でした。
五日市街道を車を走らせましたが、小金井街道を過ぎたあたりから、
青い紫陽花がとってもきれいで嬉しくなりました。
紫陽花と雨、やっぱりお似合いです。
さて、「和のいえ櫻井」実は、半年ぶりぐらい。
なかなか日にちが合わず、伺うことができませんでした。
そうしているうちに、通所されていた方も半数は入れ替わり、
4月から職員の方もずいぶん変わられて、はじめましての方が随分いました。
わらべうたを歌い、指をたくさん動かしてもらいました。
語りは、『ねずみの嫁入り』
おやつも一緒にいただきました。
大好きなプリンです。
テーブルでは、私を知っていてくださる通所者の方から、口々に、
「ずっと待っていたのよ~~」と言われ、
また、お一人からは、
「最初にお声を聞いた時は、私は、マッサージの番で隣の部屋のベットで寝ていたんです。そうしたら、
おはなしや歌が聞こえてきて、一人で楽しく聞いて、次は、席で聞ききたいなぁと思って待ってたんです。念願かなって良かった」と。
その他、最後にお会いした時のおしゃべりで交わした言葉や、おはなしの感想を言ってくださった方もいました。
「今日は、ほんとに楽しかった、生きてて良かった」と。
私は、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
ここで、「待っている」という言葉は、本物のことばです。
お年寄りの方の心に、このわずかな時間がぎゅっと残っていることを本当に実感し、
その時間をなかなか作ることができなかったことを、とても反省しました。
こんなに大事にされている時間、私を待っていてくださる時間、
そのことを肝に銘じなくてはならないと心から思いました。
所長から、私の帰った後の、皆さんの様子を書いたメールをもらいました。
皆さんが心から喜んでくださった様子に胸が熱くなりました。
最後に、こんな言葉がありました。
「施設の性格上、ここに通所できるのは体調などの変化で平均2年程です。」
私は、「和のいえ櫻井」を故櫻井美紀先生から受け継いで3年近くになります。
この席に顔を見られなくなった方は、もう、決して会うことのできない方です。
それを思うと、なんとかけがえのない時間だろうと思います。
職員の方に、良くお話していた、名前とお顔を覚えている方のご様子を伺うと、
「もう、ずっとみえません」
ずしんときました。
最後のお話はなんだったろう。
その方が、おはなしの間中下を向いていたのを、私に嫌な思いをさせたのではないかと気にして、
何度も手を握って「具合が悪くてどうしようもなかったの、ごめんなさいね」と繰り返していたあの方の声が、
今、耳にこだましています。
そのあと、少したって体調を崩されたそうです。
私にできること。
あるのです。
小さな子どもたちの会、お年寄りの会、何よりもまず、大切にすること。