桔梗、ひとつ花が開きました
パッと星型
昨年の9月、中目黒の楽屋さんで、口演童話会『秋の童話とセピアなメロディ』で、安房直子さんの『きつねの窓』を語りました。
子ぎつねが桔梗の花の汁で、指を青く染め、それでひし形の窓を作ります。
覗いてみると、そこに、お母さんの姿があります。
切なくて、いじらしくて、自分の愛するものってなんだろう、もう一度会いたい人って誰だろうと、ほろっとセンチメンタルな気持ちが湧いてくるような物語。
その時、まだ、背丈の低い鉢植えの桔梗を持っていき、おはなしに添えました。
それを、庭に地植えしました。
セピアな思い出になるように
今年、その10センチくらいだった桔梗が、丈がぐんぐん伸び、30センチくらいになりました。
緑色の小さな風船のような蕾も、ぽんぽんと。
7月に入ってもなかなか開かず、いつ花開くのかと楽しみに待っていました。
そして、ひとつ、ポンとはじけるようにパッと星型に開きました
一株に幾つもかわいい蕾がついているので、これから、次々に咲くでしょう。
次は、これね!
さて、生きがいセンターのおばあちゃん達。
天井にとどくほど、大きな竹に七夕飾りがいっぱい。
折り紙で作った、船、天の川、お人形、吹流し、そして、願いごとの書かれた短冊が飾られていました。
わらべうたで掛け合い遊び
手拍子を入れて、リズム良く「たなばたのかみさん」♪
ばっちり決まったので、これで、願い事叶うねっと盛り上がりました
語りは、芥川龍之介作『鼻』
禅智内供は滑稽な鼻を持っています。
あごまでぶら下がっている鼻といったら、
誰でも気になって当然です。
気にしない風を装っても、その心は、自分ではわかっているものです。
さて、短くする法を試し、鼻は、ひとまず短くなりますが、
それが、かえって、人びとの笑い、嘲りを受け、前以上に、心重たいことに。
ところが、ある夜。
その鼻が、再び、昔の長い鼻にもどります。
内供は、鼻が短くなった時のようなはればれとした心持ちになります。
人の心を文学的に暴き、問うようなこういう話は、芥川の真骨頂といえるのでしょうね。
鼻は、目や口ほど物は言えないし、メークで変わるものでもない。
健全に呼吸してもらうのが一番いいです。
体の浄化には、深呼吸ですものね