童話の「くにたちの会」の恩師である漆原智良先生の初めての自伝である。
御年85歳・・・本当にお若く優しい先生です。
この本を読めば、先生の人に対しての優しさがわかる気がします。
いろんなことがあって、だから、漆原先生は人の気持ちがわかる先生なんだ、心が広く、優しいと・・。納得です。
今日は、まさしく3月10日。
東京大空襲の日だ。
東京大空襲の1945年の3月10日未明、それから、先生の運命は一変したといっていいのでしょうか。そうですね。あまりにも悲しい。
今日の東京新聞の一面は戦災孤児のこと。「国はなにもしてくれなかった」が哀しすぎる。
漆原先生のことを想う。
くしくも、昨日は「時忘れじの集い」が上野であった。
今年も海老名香葉子さんのお名前でご案内をいただいたけど(それはそれは、すばらしい心に響く文面だった)今回は行けなかった。
以前、先生から聞いて、参列した。
あのとき、子どもたちの歌声に接し、二度と戦争はあってはならじと思いを深くした。そして、鹿児島で空襲にあった母のことを思った。飛行機の音は空襲を思い出すと言っていた・・・。
今年は、我が家で無念の思いで亡くなられた方々のご冥福を祈った。
あのとき、先生の奥様が折ったという千羽鶴を持っていったと・・・びっくりした。千羽折ったなんて。今年もそれを先生は持っていかれたという。奥様の心を想う。
私はこの「三月の空を見上げて」を3月6日に読了した。
そして、この大事な本の感想、思いをどういうふうに書けばいいのだろうかとまさしく三月の空を見上げて思いあぐねていた。
先生の大事な思いにこたえて、大事に書きたかった。誠実に・・・。
でも、上手に書けないけど、やはり、皆さまに読んでもらいたいから・・・書かなきゃと・・支離滅裂な文章はお許しくださいね。
先生の自伝である「三月の空を見上げて」を読めて、本当によかった。
いつもの先生がまた深く違う角度から見えて、ひとりの人としての生き方を見て、なんだか、嬉しく、心強く思った。
戦災孤児になって、丁稚奉公、様々な仕事、定時制高校、夜間大学、目標に向かって邁進する様子に先生の情熱を思う。
教員時代の「文芸広場」への投稿、人はどこにいてもやろうという意思があれば必ずできるという勇気を下さった。
人生における「決断」もこの本のあちこちに見た。すごい!
だから、今の先生がいらっしゃる。
先生の教師時代の八丈小島のことは聞いていたけど、今回具体的に読めて、いっそう先生の心を知ることができた。とても人間らしくて、親しみを感じた。
周りのからかい、教員時代のやっかみにも負けず、そのときそのとき決断してきたこと。
それにしても先生はもちろん、奥様の内助の功には頭が下がる。
島の水不足で雨水とボウフラの話、そうだったんだと・・・。ユーモラスに書いているけど、毎日、毎日が戦い?う~ん、島の方々のおおらかさ、よかったなあとも。
そして、医師のいない島での子育てをされた奥様はすごい。奥様の凜とした強さと夫婦愛を行間に見た。
明日は東日本大震災の日。
私には、まだ言葉がない。先生の本を読みながら思い出す。
あの年の夏に、仙台、松島に行った。
行く電車のなかにスイスから来たボランティアの方々がたくさん乗っていた。
世界の人々の感情は同じだなと人の愛情にいたく感動して言葉は通じないのに「ありがとうございます」とその方々に言った私・・・あのときは、まだ現実がわかっていなかったのではないかと今になって、そう思う。
あの夏のときより、私は今、悲しみが大きい。それはあまりにも多くの悲しい事実を知ったから。先生からも。
昨年は富岡、浪江、相馬へ行き、復興の遅れている現実を目の前にした。黒い袋、ゴーストタウン、白い防護服・・。
先生は被災された方に取材して三冊の本を出されている。
何かせねば、手伝いたいと。
東日本大震災の瓦礫の中に呆然と立ち尽くす少年に戦災孤児の自分の姿を重ねて・・・
書かねばならないと・・・。負けないでいきてくれと。
「ど根性ひまわりのき~ぼうちゃん」我が家にもひまわりの花が咲いた。
「天国へとどけ! ホームラン」
そして、出たばかりの新著「かがやけ!虹の架け橋」
かつての数人での童話集「白いガーベラ」にも感動した。
書き手としてどうあるべきか、書かねばならないことがある。
人生は決断が大事だ。
「戦災孤児から児童文学作家へ」・・帯にあったワード。
この短いワードの中にある想像もできないご苦労。
本を読んでの感想はいつも苦手だけど、皆さまにはぜひ「三月の空を見上げて」を読んでほしい。
すごいものをもらえると思う。生きる勇気、元気を・・・。
私は読んだあとにラストに言葉(いつも2、3行)を書く。
今回は
「2019.3.6(水)読了
すばらしかった。
決断、やさしさ、慈しみ、すばらしい!
自分の役目を思う」
この言葉だけでは不足である。だから、皆さまに読んでほしい。
相手の生命を尊ぶ・・日常の大事な大事なことだ。
「三月の空を見上げて」第三文明社です。
先生、それにしても、写真がありましたが、小さいときはかわいくて、教師時代はハンサム(今でいうイケメン)ですねえ。
そして、今は素敵な紳士。
これからも私たちによきご指導をください。
文章はさすがです。
プロです(私が申し上げるのもなんですが・・)
真摯さもいっぱい感じました。
今回、先生の自伝を読めて幸せだなと思うことでした。感謝です。
手元に置いて、また読みたい本です
戦争のむごさ、哀しさを伝えてほしい。
私たちに、子どもたちにと思います。
うまく書けなくてごめんなさい。とにかく読んでくださいね。
感じ方は人それぞれです。
でも、何かを必ずやもらえます。
一冊の本に詰まっている宝物、だから、本ってやっぱりすばらしい。
ついでに、ずいぶん前になるけど、先生との出会いは児童文芸の総会か、何かの表彰式。
偶然、隣の席にいらっしゃった。あのとき、ひとこと、ふたことお話しした。
そして、浜田広介記念館のこと・・・
「邂逅」だ。
出会いって素敵ですね。
そして、至誠。
あっ、猪苗代にも行きました。サイクリングしたけど、いいところでした。
先生は猪苗代町に疎開していた。
平和なればこそ、いいところだった、サイクリングできたと書ける。
戦争は二度とあってはならじです。