加藤多一作「原野にとぶ橇」を読了。
いい本だった。
こんないい本に今まで巡り合っていなかったなんて。
草原賞を開設された加藤さんの本。
北海道に山形から来て開拓していった正造。
馬のトドマツ号と開拓していき、その子孫の第6代目のトドマツ号までのことが書かれている。
うまく書けないけど、北海道で生きた人々の苦労が思われ、生き様が見えてくる。
戦争で息子たちを亡くし、空襲で娘を亡くし・・・
馬頭観音・・・。
馬橇の鈴、婚礼・・いいなあ。
苦労、馬との別れ・・・静かに・・そうだったんだと心に響く。
佐藤忠良さんの絵がまたいい。
馬のきれいな瞳を想いながら読み進めていった。
やっぱりいい本だ。
こんな本を書ける加藤さんは素晴らしい方だなと思う。
残念ながら3月に急逝された。
あとがきは西本鶏介さん。
私が初めて通った童話講座の先生だ。
三軒茶屋の昭和女子大だった。
お元気かしら。
厳しかったけど、心があった。
あのとき、学んだ方たちはどうしているかしらと思う。