土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

イノシシに食いついたダニ

2008-06-10 07:15:29 | 生き物色々
 タカサゴキララマダニ08.6.10





 イノシシに喰いついたタカサゴキララマダニ上の画像が♂、下が♀

 これまでもダニについては何度か書いてきました。

 山の生き物たちはこのダニ達に何ぼか(さぞかし)悩まされていることでしょう。

 私は狩猟のワナを仕掛けると、ほぼ毎日山をたつくりまわって(駆け回って)見回ります。笹薮やシダヤブを歩くと数分ごとにズボンの裾や足の部分を確認するのが習慣になってしまいました。ダニが取り付くのです。ダニが取り付いた事に気づかずにいるとひどい目に遭います。
 頭を皮膚の中に突っ込み血を吸い始めてからかなり時間が経たないとカユミを感じないのです。おそらく麻酔をしながら仕事をしているのでしょう。
 さて、気づいてたとしても不用意にむしり取ると頭部が皮膚の中に残ったりして面倒な事になります。「タバコの火を近づけて自然に離れるようにするとよい」とか「線香の火で・・・」とかよく言います。

 無事、ダニ全体をうまく取り外したとしても後々のカユミには悩まされます。取り付かれていた時間の長短やダニのサイズなどにもよりますが、普通、1ヶ月以上「あの野郎!」と思いながらかきむしることになるでしょう。

 一番上の画像はタカサゴキララマダニという名前のダニですが、イノシシにはこのダニが一番多く取り付いています。多いときには1千匹ほどいるのではないかと思う事さえあります。私が見た最大のサイズは直径7~8ミリほどです。このダニは身体がとても硬くて平べったい形状をしています。ダニのなかではかなり素早く動きます。
 
 なかなか、根性と力のあるダニでして、ある時仕留めた60キロほどのイノシシを一人でシダの中を数百㍍引きずって道路までだした事があります。軽四に落とし込んで積み込み運転をはじめようとしたときなぜかズボンが引きつるような感じなのです。おかしいなと見てみると何と右の太ももにズボンの上からこのタカサゴキララマダニの大型が食いついてズボンを皮膚に縫い付けたようになっていたのです。





 同定と拡大画像撮影は寄生虫学の専門家Ladybird さん(マス目の青い線の間隔が1ミリ)。上が♀、下が♂

 06年4月初旬、なかなかイノシシが捕れなかったので、タカサゴキララマダニを採集しようとイノシシの獣道を歩くことを決意。数十メートル歩くと思惑どおり7~8ミリほどのダニが2匹ズボンの腿の部分に取り付きました。用意していたフィルムケースに入れてやれやれやっとサンプル確保とほっとしました。
 タケノコの被害がでていて駆除をする事になっていました。この決死行の翌日、ダニを採集したすぐ近くに仕掛けたワナでなんとイノシシを捕獲。たくさんのダニが食いついておりました。数十匹のダニをアルコール瓶にいれてLadybird さんにお渡ししました。ほとんどがタカサゴキララマダニだったそうです。