この日記は5月23日の日記の続きです。
お腹が張っていることに気づかずに散歩をしていると破水することがあるらしい。多分、私の場合もそうみたい。実は私は最後の最後まで「張っている」という感覚がイマイチ分からなかったの。
「陣痛→破水」がお産の(安全な?)流れ。「破水」が先に来てしまうと、赤ちゃんを守っている羊水がどんどん流れ出して、気をつけないと感染症などの恐れが出てくる。
私の場合、お腹の上の方で起きた破水「高位破水」だったから、よくあるバッシャーンって感じじゃなくて、本当に「これが破水?」と疑いたくなるようなものだった。結果的に破水だったのだから気づいてすぐ病院に行って本当に良かった。
だんなの人に電話すると、とりあえず仕事にキリをつけて出るよ!
「何か欲しいものは?」と言うので「自宅に届いている『ku:nel』とGパン!」と言ったら、「余裕だね~」と言われてしまった。
Gパンはすぐには履けないだろうということで却下になった。(ーー;)
22時に分娩室脇の陣痛室(3畳くらいの小さなお部屋)で待機。私と同じように待機している人がもう1人。経産婦さん。
助産師さんに「明け方、隣の方のお産が始まるかもしれないけど怖がらないでね」と言われていた。
仕事を18時で切り上げて駆けつけてくれただんなの人と「いよいよだね」なんて話す。だんなの人は「誘発するって、切って産むってこと?」と聞くので「違うよ。薬で人為的に陣痛を起こしてのんたんがやる気を起こすようにするんだよ」と言っていた。
このままだと陣痛は来ないだろうってことだったので、24時前にだんなの人は私の実家へ帰っていた。気晴らしにi-Podを置いて行ってくれた。i-Podにポッドキャスティング落語が入っていたので2つほど聞く。ウトウトしてきた・・・。
と思ったら、隣の方の進行が早かったようで午前2時に、しかも分娩台にあがって、静かないきみ3回くらいで赤ちゃんが産まれた様子。
なんかとても理想的なお産な感じだった。本当にすっごく静かだったんだよ。
朝7時から誘発剤の点滴が始まる。点滴につけられた機械の数値が10を指していた。この数値をどんどん上げて行って陣痛を促すらしい。お昼頃までに陣痛の波に乗ってくれば、今夜の出産になるだろう・・・と言われていた。
それと一緒にNST(ノンストレステスト)と言って、赤ちゃんの心拍と私のお腹の張りを見る機械も常時つける。
8時。点滴をつけて朝食。昨夜隣で出産していた方と一緒に談話室で朝食。すごいの!その方は今回の妊娠で体重が5kgしか増えなかったんだって・・・。赤ちゃんと胎盤と羊水の分だけぢゃん!!!
私なんて・・・ごにょごにょ。10kg増えましたよ。
11時。お部屋が空いたと言うので移動。10時頃だんなの人もやってきて、私の陣痛が始まらないので手持ち無沙汰の様子。点滴の機械は徐々に数値をあげる。
12時。ランチ。なんだか本当に来るんだろうか?「純情きらり」も見られて嬉しかったしリラックス。様子を見に来た先生にも「余裕の顔だね。これじゃ明日かな?」と言われてしまった。
看護婦さんが点滴の機械を110にしていった。
それから程なくして、先生に言われたからかお腹が急に痛くなってきた・・・。なんかね、「これか?これが陣痛ってもん?」と思ったら、私、笑っちゃったんだよね。だんなの人がおかしな人を見る目で見てましたが。
だって、いよいよなんですか!って思ったらなんだか少し嬉しくなってきたんだもん。
そう思ったのも束の間・・・。いきなり助産師さん、看護士さん4人くらいがバタバタと私の病室に入ってきて点滴の数値を110から一気に10まで下げたの。
どうしたんだろう?って思った。
その後すぐに「先生の診察があるからちょっと待っててね」って。
私たち夫婦はよく分からないまま、お産ってそういうものなのかな?って思って、先生の診察を受けた。
NSTの機械はナースステーションでモニタリングされているので異常があると駆けつけてくることが後で分かった。
・・・先生が言うには「赤ちゃんが苦しがってる」ってこと。
よく意味が分からなかった。
助産師さんも「赤ちゃんがストレスに感じちゃってるねー」って。
診察台で「切った方が安全だと思う」と。
だんなの人が待っている病室に戻り、状況の説明を受けた。
先ほどからつけているNSTと言う機械のデータで、私のお腹が張った後必ず赤ちゃんの心拍が下がっていると言う。
これはすごく赤ちゃんが苦しがっていて、お産に時間がかかればかかるほど赤ちゃんの体力が失われて行って、仮死状態、最悪は死産になってしまうという。
まだ、赤ちゃんも私の体もお産に向かっている初期段階で長引くことは分かっているから「赤ちゃんのことを一番に考えるなら帝王切開がいいと思う」と言う結論だった。選択肢はあるようでなかった。
一瞬、だんなの人も言葉を失った。
母体にもしかしたら手術の後遺症が残ることがあるかもしれないけれど、今の赤ちゃんにとっては、最善の方法。
いろんなことがぐるぐるしたけど、なにがぐるぐるしたかなんて覚えていない。ただ、自分に起きるとは思っていなかったこと(破水・誘発・帝王切開)ばかりがオンパレードでやってきたことにびっくりした。
だんなの人と目を合わせて・・・「手術してください」と頼んだ。
それからはめまぐるしくいろんなことの段取りが早かった。
いくつか注射をされ手術の準備が行われた。
手術することが決まって1時間後に私は手術台の上にいた。
先生が、リラックスさせるためか「縦切りと横切りどっちかいい?」なんて聞いてくる。「どっちがいいんですか?」と聞き返すと「横の方が傷口が目立たないけどボクが大変」と言うので「じゃぁそっちにしてください(笑)」と頼んだ。
横切りならビキニがまだ着られるらしい・・・。(着ないけど)
下半身だけ麻酔をかけるので頭はしっかりしている。
助産師さんが「帝王切開で産んでも自分で産んだことには変わりないからね」って言う。よく意味が分からなかった。
先生の説明では手術が始まって5分くらいで赤ちゃんは出てくるらしい。
まっすぐ見つめる手術台の上の電気の銀板にお腹が開かれているのがぼやけて見える。赤ちゃんが出てきて泣くまでは安心できない。
なかなか赤ちゃんが出てこられなくて、バキュームを何回か使った。
胃からしたのあたりもグビグビ押された。
心の中で(えっ!?帝王切開なのにバキューム?お腹切れてるのにグビグビ押したら私の内臓とか全部出ちゃうんじゃないの?)って思っていた。
もうバキュームの音がするたんびにビクビクしたよ。早く出てきて息をして!って。状況がわからない私の耳元で看護士さんが「もうちょっとで赤ちゃん出てくるからね」って教えてくれた。それだけが頼りだった。
私はランチもしっかり食べていたので、お腹を押されて吐きそうになっていた。
「赤ちゃん出てきたよー!」と。でも泣き声が聞こえない。
口の中のものを吸い取って、お尻をパンパンたたく音が聞こえた。
そのあと、かすれたハスキーな声で「ほぎゃぁ」と。
あぁ泣いた・・・。よかった・・・。
先生2人が「ハッピーバースデー!」と叫んだ。
その後に「頭でかっ!見た?」と言っていた。(先生・・・聞こえてますよぅ)
お腹が空っぽになって、急に寒くなった。
「寒い」「寒い」「寒い」「痛い・・・」
一瞬気絶していたような気がする。
気がついたときにはお腹を大きなホチキスでパチンパチンと止める音がした。
私の右側に誰かが「ほら、赤ちゃんだよ。元気だよ」って連れてきてくれた。しわくちゃなのが見えたような気がした。(意識があんまりなくて)
私が通っている産院では赤ちゃんが生まれるとHAPPY BIRTHDAYの曲が流れる。産む前にもこの産院で何度か聞いたけど、自分の赤ちゃんの時は全然違う曲に聞こえた。なんだか深海の中で聞こえるような感覚だった。
羊水の中で曲を聴くとこんな感じなのかなぁ・・・。と頭のどこかで思っていた。
お腹に力が入らないけど
「これ?私の赤ちゃんのために流れてるんですか?」って看護士さんに聞いたら「そうですよ」って言ってくれた。
本当に産まれたんだなぁ・・・。
体は思うように動かなかったから、4人がかりで病室に移された。
ぐったりした私を見てだんなの人が涙ぐんでいた。
それから3日間くらいは通常の生活は出来なかった。本当に動けないのは翌日だけだけど・・・。初めてのお産だし、初めての手術だし、初めての入院。
なんだかこの半日が夢のようで、頭の中は覚めていない気がした。
のんたん。生まれてきてくれてありがとう。
のんたんが産まれる方法を選んだ。ちょっと大きかったから、「痛くないように」って思ってこうして出てきたのかもしれないね。
もうちょっとゆっくりお腹にいてもよかったけど、早く顔を見せないと私が重たくて大変だ!と思ったからちょっと早めに出てきたのかもしれないね。
何が良くて何が悪いかは分からないけど、でも無事に生まれてきてくれてありがとう。
だんなの人も、強い心で支えてくれてありがとう。
お腹が張っていることに気づかずに散歩をしていると破水することがあるらしい。多分、私の場合もそうみたい。実は私は最後の最後まで「張っている」という感覚がイマイチ分からなかったの。
「陣痛→破水」がお産の(安全な?)流れ。「破水」が先に来てしまうと、赤ちゃんを守っている羊水がどんどん流れ出して、気をつけないと感染症などの恐れが出てくる。
私の場合、お腹の上の方で起きた破水「高位破水」だったから、よくあるバッシャーンって感じじゃなくて、本当に「これが破水?」と疑いたくなるようなものだった。結果的に破水だったのだから気づいてすぐ病院に行って本当に良かった。
だんなの人に電話すると、とりあえず仕事にキリをつけて出るよ!
「何か欲しいものは?」と言うので「自宅に届いている『ku:nel』とGパン!」と言ったら、「余裕だね~」と言われてしまった。
Gパンはすぐには履けないだろうということで却下になった。(ーー;)
22時に分娩室脇の陣痛室(3畳くらいの小さなお部屋)で待機。私と同じように待機している人がもう1人。経産婦さん。
助産師さんに「明け方、隣の方のお産が始まるかもしれないけど怖がらないでね」と言われていた。
仕事を18時で切り上げて駆けつけてくれただんなの人と「いよいよだね」なんて話す。だんなの人は「誘発するって、切って産むってこと?」と聞くので「違うよ。薬で人為的に陣痛を起こしてのんたんがやる気を起こすようにするんだよ」と言っていた。
このままだと陣痛は来ないだろうってことだったので、24時前にだんなの人は私の実家へ帰っていた。気晴らしにi-Podを置いて行ってくれた。i-Podにポッドキャスティング落語が入っていたので2つほど聞く。ウトウトしてきた・・・。
と思ったら、隣の方の進行が早かったようで午前2時に、しかも分娩台にあがって、静かないきみ3回くらいで赤ちゃんが産まれた様子。
なんかとても理想的なお産な感じだった。本当にすっごく静かだったんだよ。
朝7時から誘発剤の点滴が始まる。点滴につけられた機械の数値が10を指していた。この数値をどんどん上げて行って陣痛を促すらしい。お昼頃までに陣痛の波に乗ってくれば、今夜の出産になるだろう・・・と言われていた。
それと一緒にNST(ノンストレステスト)と言って、赤ちゃんの心拍と私のお腹の張りを見る機械も常時つける。
8時。点滴をつけて朝食。昨夜隣で出産していた方と一緒に談話室で朝食。すごいの!その方は今回の妊娠で体重が5kgしか増えなかったんだって・・・。赤ちゃんと胎盤と羊水の分だけぢゃん!!!
私なんて・・・ごにょごにょ。10kg増えましたよ。
11時。お部屋が空いたと言うので移動。10時頃だんなの人もやってきて、私の陣痛が始まらないので手持ち無沙汰の様子。点滴の機械は徐々に数値をあげる。
12時。ランチ。なんだか本当に来るんだろうか?「純情きらり」も見られて嬉しかったしリラックス。様子を見に来た先生にも「余裕の顔だね。これじゃ明日かな?」と言われてしまった。
看護婦さんが点滴の機械を110にしていった。
それから程なくして、先生に言われたからかお腹が急に痛くなってきた・・・。なんかね、「これか?これが陣痛ってもん?」と思ったら、私、笑っちゃったんだよね。だんなの人がおかしな人を見る目で見てましたが。
だって、いよいよなんですか!って思ったらなんだか少し嬉しくなってきたんだもん。
そう思ったのも束の間・・・。いきなり助産師さん、看護士さん4人くらいがバタバタと私の病室に入ってきて点滴の数値を110から一気に10まで下げたの。
どうしたんだろう?って思った。
その後すぐに「先生の診察があるからちょっと待っててね」って。
私たち夫婦はよく分からないまま、お産ってそういうものなのかな?って思って、先生の診察を受けた。
NSTの機械はナースステーションでモニタリングされているので異常があると駆けつけてくることが後で分かった。
・・・先生が言うには「赤ちゃんが苦しがってる」ってこと。
よく意味が分からなかった。
助産師さんも「赤ちゃんがストレスに感じちゃってるねー」って。
診察台で「切った方が安全だと思う」と。
だんなの人が待っている病室に戻り、状況の説明を受けた。
先ほどからつけているNSTと言う機械のデータで、私のお腹が張った後必ず赤ちゃんの心拍が下がっていると言う。
これはすごく赤ちゃんが苦しがっていて、お産に時間がかかればかかるほど赤ちゃんの体力が失われて行って、仮死状態、最悪は死産になってしまうという。
まだ、赤ちゃんも私の体もお産に向かっている初期段階で長引くことは分かっているから「赤ちゃんのことを一番に考えるなら帝王切開がいいと思う」と言う結論だった。選択肢はあるようでなかった。
一瞬、だんなの人も言葉を失った。
母体にもしかしたら手術の後遺症が残ることがあるかもしれないけれど、今の赤ちゃんにとっては、最善の方法。
いろんなことがぐるぐるしたけど、なにがぐるぐるしたかなんて覚えていない。ただ、自分に起きるとは思っていなかったこと(破水・誘発・帝王切開)ばかりがオンパレードでやってきたことにびっくりした。
だんなの人と目を合わせて・・・「手術してください」と頼んだ。
それからはめまぐるしくいろんなことの段取りが早かった。
いくつか注射をされ手術の準備が行われた。
手術することが決まって1時間後に私は手術台の上にいた。
先生が、リラックスさせるためか「縦切りと横切りどっちかいい?」なんて聞いてくる。「どっちがいいんですか?」と聞き返すと「横の方が傷口が目立たないけどボクが大変」と言うので「じゃぁそっちにしてください(笑)」と頼んだ。
横切りならビキニがまだ着られるらしい・・・。(着ないけど)
下半身だけ麻酔をかけるので頭はしっかりしている。
助産師さんが「帝王切開で産んでも自分で産んだことには変わりないからね」って言う。よく意味が分からなかった。
先生の説明では手術が始まって5分くらいで赤ちゃんは出てくるらしい。
まっすぐ見つめる手術台の上の電気の銀板にお腹が開かれているのがぼやけて見える。赤ちゃんが出てきて泣くまでは安心できない。
なかなか赤ちゃんが出てこられなくて、バキュームを何回か使った。
胃からしたのあたりもグビグビ押された。
心の中で(えっ!?帝王切開なのにバキューム?お腹切れてるのにグビグビ押したら私の内臓とか全部出ちゃうんじゃないの?)って思っていた。
もうバキュームの音がするたんびにビクビクしたよ。早く出てきて息をして!って。状況がわからない私の耳元で看護士さんが「もうちょっとで赤ちゃん出てくるからね」って教えてくれた。それだけが頼りだった。
私はランチもしっかり食べていたので、お腹を押されて吐きそうになっていた。
「赤ちゃん出てきたよー!」と。でも泣き声が聞こえない。
口の中のものを吸い取って、お尻をパンパンたたく音が聞こえた。
そのあと、かすれたハスキーな声で「ほぎゃぁ」と。
あぁ泣いた・・・。よかった・・・。
先生2人が「ハッピーバースデー!」と叫んだ。
その後に「頭でかっ!見た?」と言っていた。(先生・・・聞こえてますよぅ)
お腹が空っぽになって、急に寒くなった。
「寒い」「寒い」「寒い」「痛い・・・」
一瞬気絶していたような気がする。
気がついたときにはお腹を大きなホチキスでパチンパチンと止める音がした。
私の右側に誰かが「ほら、赤ちゃんだよ。元気だよ」って連れてきてくれた。しわくちゃなのが見えたような気がした。(意識があんまりなくて)
私が通っている産院では赤ちゃんが生まれるとHAPPY BIRTHDAYの曲が流れる。産む前にもこの産院で何度か聞いたけど、自分の赤ちゃんの時は全然違う曲に聞こえた。なんだか深海の中で聞こえるような感覚だった。
羊水の中で曲を聴くとこんな感じなのかなぁ・・・。と頭のどこかで思っていた。
お腹に力が入らないけど
「これ?私の赤ちゃんのために流れてるんですか?」って看護士さんに聞いたら「そうですよ」って言ってくれた。
本当に産まれたんだなぁ・・・。
体は思うように動かなかったから、4人がかりで病室に移された。
ぐったりした私を見てだんなの人が涙ぐんでいた。
それから3日間くらいは通常の生活は出来なかった。本当に動けないのは翌日だけだけど・・・。初めてのお産だし、初めての手術だし、初めての入院。
なんだかこの半日が夢のようで、頭の中は覚めていない気がした。
のんたん。生まれてきてくれてありがとう。
のんたんが産まれる方法を選んだ。ちょっと大きかったから、「痛くないように」って思ってこうして出てきたのかもしれないね。
もうちょっとゆっくりお腹にいてもよかったけど、早く顔を見せないと私が重たくて大変だ!と思ったからちょっと早めに出てきたのかもしれないね。
何が良くて何が悪いかは分からないけど、でも無事に生まれてきてくれてありがとう。
だんなの人も、強い心で支えてくれてありがとう。