豊穣な社会研究センターのPVが出来上がりました。
豊穣Cのつながり方研究所の河野さん(客員教授)のコーディネートで、右脳に働きかける映像作成のプロが創り上げた作品です。
センターの目指すところが魅力的に伝われば幸いです。
3. 渡さん(比嘉先生指導):社会生態システムを考慮した都市沿岸環境デジタルツインのフレームワーク構築 → もしも×可視化研、つな研
4. 李君(小松先生指導):地震応答解析を活用した建築物の倒壊リスク評価 → もしも×可視化研
5. 小林航汰朗君(比嘉先生指導):日本沿岸における自然共生社会に向けたインフラベストミックスのための地域特性の評価
会場:横浜国立大学の土木工学棟セミナー室を予定(変更になる可能性あり)
2月3日の土曜日に、毎年恒例の研究室の冬合宿を実施しました。過去、コロナ禍の時期を除いて、宿泊付きのまさに合宿での開催をしてきましたが、今年は現役学生たちの意向もあり、大学で実施し、宿泊なし、でした。今後、どのような形式で開催するかは、学生やスタッフともよく話していきたいと思います。私は宿泊付きが好きですけど。ちなみに、昨年、2023年2月の冬合宿についてのブログはこちら。
今年の冬合宿も、前川先生がフル参加してくださいました。日常の研究室ゼミには参加されないため、特別感があり、M2や4年生の各研究に対する前川先生のコメントからは、私もいろんなことを感じさせていただきました。大変、贅沢な時間ですね。
一つ、感じたことに、「研究の幅」という観点がありました。前川先生のコメントで、研究に取り組む場合は、研究の当事者はどうしても視点が狭くなりがち、というものがありました。工学的な成果を出そうとすると、どうしてもある範囲の条件を設定し、その中で最適な解を見つける、というようなスタンスを取りがちです。あえて両極端の視点を持ってみて、物事の本質に迫る、というようなスタンスを持ちましょう、というようなコメントでした(より広い範囲に適用できる知見、技術であれば、真実に近いのでしょうね)。そうすることができれば、研究すべき課題はたくさん見つかるし、研究テーマに困ることもない。
研究すべきテーマが無くなる研究者が少なくないが、上記のような視点で取り組んでいないからではないか、と前川先生はコメントされました。
私自身も、40代半ばを過ぎるころに、研究者としての自信を失いかけた時期がありました。いろんな理由が複合していたように思いますが、今はその状況は脱し、現時点で研究者として自信がある、ということでは決してなく、研究すべきことがたくさんある、という状況にあると感じています。人間、やるべきことがたくさんあると、元気になります。
前川先生のコメントにあるように、視点を広く持つ、ということは以前から心がけてはいるつもりですが、今はさらに心がけるようにしています。
人との出会いによって、研究テーマが開拓された、という経験も何度もしました。生コン業界の猛者たちとの出会いで、オワコンやイワモルの研究テーマが拓け、このテーマだけでやるべきことがたくさんあります。また、以前から暑中コンクリートの研究をすべき、とは思っていましたが、これも私自身から身近な信頼できる研究者たちに発信したり、様々な周辺状況が折り重なって、一つの大きな動きになっています。豊穣な社会研究センターの設立により、挑戦すべき領域が大きく拡がり、様々な研究にいろんな優秀な方々と取り組める状況になり、逆にその拡がりに驚いている状況です。
私のような凡人で、根っからの研究者ではない人間でも、誠実に努力を重ね、真実に近づこうとし、心を開き、多くの方々と出会い、社会の課題を解決するという強い意思を持ち続ければ、工学の研究者として50歳になっても幅を拡げていける、ということを自分の人生で学びました。
今の私がそのように感じている、というだけで、人生は無常ですから、今後、どのように変化するか分かりません。私自身の状況も、周囲や社会の状況もどうにでも変わり得ると思っています。禅のマインドで、その瞬間瞬間を生きる、ということに尽きるかと思います。
2月6日に、高岡市役所から、豊穣Cの元気なインフラ研究所の第1回セミナーを開催しました。テーマは、「挑戦的なローカルモデルの創出と展開」でした。
動画はこちら。
登壇者は、玉名市の木下義昭さん、愛知県の宮川洋一さん、豊穣C客員教授の松永昭吾さん、と私でした。私が共同研究をしている高岡市役所の橋梁担当者もパネルディスカッションに登壇いただきました。
私たちの目指すところが伝わったのではないかと思います。これからどんどんと実践を重ねていきますので、ご興味のある方は是非是非コンソーシアムの会員になってください。特に、行政関係で参加にご興味のある場合は、個人で加入するのか、組織で加入するのか、会費はいらないという情報があるが本当なのか、いろいろ気になるかと思いますが、遠慮なくお問い合わせください。
2月6日は、松永さん、木下さんとともに、朝6時に高岡駅前のホテルをレンタカーで出発し、能登の被災地に向かいました。14時までに高岡市役所に戻るという制約条件のため、今回は、穴水まで到達し、そこから能登島の橋梁などをしっかりと調査し、七尾を経由して戻ってきました。
大変な広域での災害である、ということが第一印象でした。家屋の倒壊や損傷も極めて数が多いですが、土砂災害や道路、鉄道、港湾などの被害も甚大で、上水道が機能していないエリアも広範であり、復旧、復興は相当に大変であることが直観的に分かりました。一方で、写真にもあるように、崖崩れの対策を施工してあった箇所ではグラウンドアンカーがきちんと機能しているなど、強靭化対策をしっかりと打ってあったところでは被害が抑えられており、改めて、地域、社会、国土の強靭化が極めて重要であることを認識しました。
元気なインフラの果たす役割とは、
〇 元気なインフラが、豊かで持続可能な社会を支えます。
〇 元気なインフラが、地域や社会の防災・減災力を向上させます。
〇 計画的で適切なインフラ整備が、都市への過剰な集中を緩和し、都市・地方が均衡的に発展できる国へと導きます。
〇 元気なインフラ研究所は、インフラが健全であるための技術、サステイナブルな材料技術、人財育成システムの構築に貢献します。
以下、被災地で撮影した写真です。
穴水の道の駅に。穴水が自衛隊の拠点となっており、災害支援チームなどの最前線の拠点というイメージでした。
家屋が潰れ、車も押しつぶされています。
倒壊した家屋の撤去なども進んでいません。
神社にもお参りいたしました。この神社の被害はそれほど大きくはなかったですが、今回の視察は、かなり多くの寺社が甚大な被害を受けている状況が見られました。
能登長寿大仏もお参り。
長大橋梁では被害が甚大であった、ツインブリッジのと。
PC桁の桁端部の損傷は、これまで見たことのないような損傷形態でした。詳細なコメントは、このブログでは避けますが、このような損傷を防ぐためのもう少し適切な補強筋等の配置が必要に思います。
崖崩れの対策がなされていた箇所は被害が生じていません。強靭化の重要性が一目瞭然です。
七尾の駅前にあるビルに入っている、災害支援のチームの拠点。熊本支援チームの拠点です。
私の教え子の赤間遼太さんが関与しており、このチームの活動を知っていたので、訪問しました。ボランティアの方々が頑張っていました。
元気なインフラ研究所のコンソーシアム(元気コンソ)のセミナー第一弾を開催します!
どなたでも、事前登録なしで参加できます!
テーマ:挑戦的なローカルモデルの創出と展開
日 時:令和6年2月6日(火)15:00〜17:00
会 場:オンライン(下記のZOOMを使用)
https://us06web.zoom.us/j/84104173153
Zoom ID:841 0417 3153
配 信:富山県高岡市役所会議室
「自律分散」というキーワードが一番適しているのかは分かりませんが、私は自分たちの研究プロジェクトのやり方を説明するときによく使うキーワードです。
プロジェクトや組織運営にはいろんなやり方があるのはもちろんです。
私も一つのやり方でやっているわけではありません。私にもいろんな役割があるし、すべての役割がリーダーというわけでももちろんありません。
自律分散的で活発な活動を展開するチームを組織するためには、チームメンバーが共鳴する明確なヴィジョンや目指す方向性があることと、チームに集まるメンバーの能力が高いこと、が必要と思います。もちろん、集まるための手段(今であれば、便利な交通手段やWeb、SNSをフル活用するのは当たり前)や、最初から能力が高くなくてもそのチームの中で能力を養成できること(学生はその好例)なども、もちろん重要です。
豊穣な社会研究センターは、「自律分散」的に運営したいな、とは思っていますが、今のところ、強いリーダーシップによるけん引と、自律分散的な動きが混ざってきている状況です。
豊穣Cの中の、元気なインフラ研究所は、自律分散的な動きが活発なチームであり、これからどんどん進化していくと思います。
特に、元気なインフラ研究所の中のチームである、HAYN隊(ヘイン隊、すなわち変態の集まり)は自律分散の極致かな、と当事者の一人として感じます。逆に、制御しようにも、抑えて留まるような連中が集まってません。。。HAYN隊は、建設材料の技術開発チームですが、得意とするのは、生コン、セメントやコンクリート系の環境負荷低減型の建設材料です。実行力のある生コン会社の社長たち、工場長など、ポンプ会社の社長、学生、地方自治体のエース技術者、コンサルタント、学者、などが自由な組織を形成し、まさに現場から生まれるイノベーションを連発していくチームです。会議も臨機応変、誰と誰がどこで会っているかも勝手ですし、横浜国大の留学生は日常的に静岡県伊豆長岡の生コン工場で実験している。学術論文も発表するし、開発した材料はすぐに社会実装。。。
HAYN隊は一つのモデルと思いますが、このような超自律分散的なチームのエネルギーも活用して、元気なインフラ研究所(長いので、「元気研」)や、豊穣Cをドライブしていきます。
一応、HAYN隊の名前の由来は、「細田(H) 暁(A)と愉快な(Y)仲間たち(N)」から来てます。というわけで、一応のリーダーは私。。。(のはず。。。)
さて、HAYN隊も包含する、元気研のターゲットは、日本中(いや、世界も含む)のインフラであり、私が得意とするのはコンクリートが関係するインフラです。コンクリートのインフラは種類も多く、数も膨大にありますが、インフラを新たに建設するときに、長持ちするように造るための技術やシステムの研究が一つの核です。「山口システム」はその発端であり、私がすでに15年近く関わってきたものであり、この発展や展開もまだまだ続いていきます。
元気研のもう一つの核は、すでにある膨大なインフラの維持管理を良いものにしていくことです。何も課題がなければ放っておいてもよいのですが、とにかく課題だらけ、なのです。特に、地方自治体が管理するインフラの維持管理の問題は、相当に根が深く、手ごわい問題と思いますが、それと格闘していく心強い同志たちが集まってきていますので、私も人生の一部をかけて(ミッションがたくさんあるため)チャレンジを続けたいと思います。
豊穣Cの3つの研究所の1つである、つながり方研究所(つな研)も、自律分散的な運営が向いているチームと認識しており、様々な自律分散的な研究プロジェクトが生まれてきています。今のところ、つな研も私が所長を兼務している状態ではありますが、まずもって、私はつながり方の専門家ではありません。つな研に集う方々はまさに多種多様なプロであり、私も彼らから数多くのことを学ぶことのできる自律分散的なサロンができてきています。
すでに、つな研のつながりの中には、僧侶も二人おられます。私は、お二人ともかなり懇意になりました。まさか、土木工学の研究者と、僧侶が、一緒に研究をすることになどなるとは思っていませんでしたが、今は自然体で仲間がどんどん増えてきています。
つな研では、例えば、次のような研究がスタートしようとしています。
・「和のコーチング」の開発と大学との連携
コーチング、という仕事があります。つな研は、東京コーチング協会と連携を始めていますが(コーチングの詳しい説明は、Webをどうぞ)、細田の認識は、コーチングという、人の能力を最大限に発揮させるための、伴走者的役割(コーチ)は、社会の様々な場面で必要とされる、というものです。それこそ、私のような大学の教授は、学生の指導もコーチング、企業や行政などに対してもコーチングしているわけです。(コーチングというしっかりした手法を学んだわけではありませんが。)
そこで、東京コーチング協会に所属するメンバーと、「和のコーチング」プロジェクトを始めようとしています。日本の魅力・ポテンシャルに気づき(もちろん腐りきった日本の課題もしっかりと把握)、日本由来の手法(日本的仏教などもその一つ)もふんだんに取り入れたコーチングというものを開発し、大学で情報発信し、ゆくゆくは横浜国立大学の都市科学部の正式な講義にしたい!と思っています。コーチングって、コーチをする側にも、コーチをされる側にも、いろんな方がなり得ると思っています。母親もコーチだし、少しくすぶっている大学の准教授とかそれこそ教授だってコーチを受ければよいし、大学の学長だってコーチを受けた方がよい場合もある。
さてさて、どんな展開になりますでしょうか。
・センサーによる心身の活性度等の計測・評価と、それを活用した・・・?
これも、とりあえず、センサーを4つ購入して、1つで私自身のデータを計測し始めました。いろいろ規定もあるので、まだ詳細は書けませんが、私自身大変魅力を感じています。
例えば、上記のコーチング。コーチの達人たちはもちろんいますが、彼らのコーチングの本質とは?同じように、カリスマ教師っていますよね。予備校とか大学とかにもいます。とにかく講義が面白い、講演が面白い。聴いていてワクワクする。授ける側と受ける側、どちらもセンサーで計測できます。分析するといろんな情報が出てくるのは当たり前ですが、さてさて、これもどんな展開になりますやら。
他にもつな研では、様々なプレーヤーが、様々な動きを、自律分散的に実践していくことになるでしょう。
豊穣Cの活動は、豊穣Cに所属するメンバーが、センターの外、大学の外の方々と縦横無尽に連携して展開していきますので、ご興味のある方は遠慮なくお問い合わせください。
私がセンター長を務めております、豊穣な社会研究センターの中にある3つの研究所の一つ、「元気なインフラ研究所」のコンソーシアムが設立されました。
元気なインフラ研究所の目指す方向性は、上記のリンクでもすでに発信しています。
コンソーシアムがどのようなものなのか、4分程度で分かる動画も公開しています。
コンソーシアムの規約はこちら。
2023年度は会費は無しです。会員資格は各年度の年度末までで、新年度になると更新の手続きが必要となります。2024年度以降は、基本は年会費5万円(1法人ごと)。会費を請求しない場合(例えば行政機関など)もあるので、センター長の細田にお問い合わせください。
コンソーシアムへの参加申込書も、ワードで一枚ですので、お気軽にお問い合わせください(ims-hojyo@ynu.ac.jp まで)。申込書の提出先も、同じメールアドレスで大丈夫です(ims-hojyo@ynu.ac.jp)。
2023年度中に少なくとも1つ、できれば2つ、コンソーシアムのイベントを開催する見込みです。
初回は、おそらく2024年2月6日午後に開催予定で、発信は富山県の高岡市から。オンラインで視聴できるようにする予定です。テーマは「地方自治体のインフラの維持管理を元気に!」という感じ。
熊本県玉名市の素晴らしい橋梁維持管理と、これからスタートする富山県高岡市の橋梁維持管理のスマート化(細田がアドバイザー)のコラボとなります。玉名市の木下義昭課長補佐(博士(工学))とそのブレーンの松永昭吾さん(横浜国立大学客員教授、もちろん豊穣Cの重要メンバー)と、細田とで高岡市に応援に駆け付け、その場で元気なインフラ研究所のコンソーシアムの初回イベントをやっちゃいます。
コンソーシアムの会員になれば、公開セミナー以外の情報もどんどん入ってくるようになると思いますし、コンソーシアムの中で立ち上がる共同研究や、コンサルティングなども利用しやすくなりますので、「開かれた大学」のモデルとして、フル活用していただければと思います。
インフラはもちろん橋梁だけに限りません。人々の暮らしを支える様々なインフラが元気になるように、そしてインフラに関わる人々も元気になるように、できることは何でもやろうと思います。
維持管理はもちろん、新設インフラの品質確保・長寿命化や、将来のインフラに活用する建設材料の技術開発、維持管理に活用する材料・技術の開発、インフラに関する制度やシステムの研究、そして人材育成のための活動などなど、ガンガンやっていこうと思いますので、ぜひぜひ仲間になってください!
土木学会の356委員会(養生および混和材料技術に着目したコンクリート構造物の品質・耐久性確保システム研究小委員会)の成果報告会が、11/27(月)午前に開催されます。
申し込みは、下記です。ハイブリッド開催です。
https://committees.jsce.or.jp/concrete26/
以下が、詳細なプログラムです。委員会報告書もPDFで入手できますので、ぜひぜひご参加ください!
土木学会356委員会成果報告会(司会:渡邉幹事長)
10:00~10:10 委員長挨拶(細田委員長)
WG1 (養生による品質確保技術について)(伊代田主査他)
10:10~10:13 はじめに・養生の重要性(2.1):(伊代田主査)
10:13~10:17 養生日数の延長と物質移動抵抗性(2.3、2.4):(伊代田主査)
10:17~10:21 低熱・高炉高含有セメントなどの養生の考え方・実験例(2.2.1-2.2.2):(伊代田主査)
10:21~10:27 低熱セメントの養生日数の検討(2.2.3):(渡邉幹事長)
10:27~10:33 寒中コンクリートの養生の考え方(2.5.1):(吉田委員)
10:33~10:39 寒中コンクリートの養生の実例(2.5.2):(音道委員)
10:33~10:40 養生WGのまとめ(2.6):(伊代田主査)
WG2 化学混和剤による品質確保について(菅俣主査他)
10:40~10:45 WG2活動のoverview (混和剤の活用による各種品質確保技術):(菅俣主査)
10:45~10:55 スランプ保持剤の紹介,性能,用途,効果の基本情報:(齊藤委員)
10:55~11:05 事例紹介(筒井委員)
11:05~11:20 暑中コンクリート用混和剤の試験規準案制定および2023年版施工標準への反映についての調査活動:(菅俣主査)
WG3(現場における品質確保について)(子田主査他)
11:20~11:23 はじめに(4.1):(子田主査)
11:23~11:38 施工記録データベースの活用(4.2):温品委員
11:38~11:43 目視評価法の評価方法の改善(4.3):吉村委員
11:43~11:53 北海道における品質確保の取組み(4.4.2):吉田委員
11:53~11:58 東北地方における品質確保の取組み(4.4.3):佐藤委員
11:58~12:03 東北地方の地場橋梁メーカーが挑戦した RC 床版の高耐久化(4.4.4):音道委員
12:03~12:08 国土交通省近畿・中国地方整備局の試行工事(4.4.5,4.4.6):三方委員
12:08~12:18 沖縄県における品質確保の取り組み(4.4.7):風間委員
12:18~12:20 まとめ(4.5):子田主査
12:20~12:25 閉会挨拶(渡邉幹事長)
国土交通省のコンクリート構造物の品質確保の試行工事の講習会を開催します。プログラムを以下に示します。
講習会の内容は、すべて動画で見ることができます。プレゼンの資料もダウンロードできます。品質確保の実践にご活用ください!
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「コンクリート構造物の品質確保の試行工事に関する講習会」 プログラム
日時:2023年11月27日(月)13:30~17:00(オンラインのみ。無料です)
オンライン(Zoom)での講習会
https://us02web.zoom.us/j/83666079800
パスコード:939498
聴講のみできるYouTube(リアルタイム)は以下です。できればこちらのYouTubeで視聴していただけるとありがたいです。YouTubeにアクセスできない方は,上記のZoomにご参加ください。
YouTubeライブ配信
https://youtube.com/live/3GSzPnGg4gQ?feature=share
講習会のスケジュール
1. 開会の挨拶(国土交通省 技術調査課)(5分)
2. 品質確保の試行工事の目的や土木学会の品質確保の委員会の活動状況
(土木学会コンクリート委員会356委員会,235委員会 委員長 細田 暁)(10分)
3. 各地域での試行工事におけるGood Practice(優れた取組み)(13:45~14:55,15分程度×4件)
3-1. 令和2-5年度 窪川佐賀道路不破原トンネル工事(四国地方整備局 試行工事)
3-2. 岡山国道・西大島トンネル工事(中国地方整備局 試行工事)
3-3. 一般国道5号新稲穂トンネル R側仁木工区工事での品質確保のための様々な取組み(北海道開発局)
3-4. 中国地整・岡山国道発注工事(笠岡BPの新神島大橋の下部工での品質確保)(中国地方整備局 試行工事)
質疑応答(14:55~15:10)
休憩(15:10~15:20)
4. 品質確保に関連する話題提供(予定)(15:20~16:40,10分程度×6件)
4-1. トンネル覆工コンクリートの品質確保の手引きの改訂の骨子(東北地整):日本大学 佐藤 和徳
4-2. トンネル覆工コンクリート用の目視評価法の評価法の改善:西松建設 三井 好如
4-3. 施工状況把握チェックシートのマンガ本の発刊についての鼎談(著者、日経コンストラクション編集長、細田 暁)
4-4. 実構造物の調査結果から判明した、山口県の構造物群の品質の改善(2009年以前と2010年以降の比較):横浜国立大学 修士2年 𠮷田 悠人(指導教員:細田 暁)
4-5. スランプ保持型混和剤を用いた暑中コンクリートの品質確保:細田 暁
4-6. 山口県の品質確保の動向と職員のスキル向上の取組み:山口県 技術管理課 吉村 崇
5. 全体的な質疑応答・講評(16:40~16:55)
6. 閉会の挨拶
先ほどの投稿に続き、もう一つ、書いてみました。ざっと書いたので、今後推敲しますが、上手くいけば、書籍に含まれる原稿になるかと。
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「オープンイノベーション」
2021年6月に,長岡生コンクリートという静岡県の伊豆の生コン会社の社長の宮本充也さんと初めてオンラインで会った。私より5つ年下の方である。福島高専の専攻科を出て大学院生として私の研究室に入ってきた志賀純貴君が自分の研究でいろいろ調べているうちに,宮本さんに会いたいということになり,お会いした。
7月に私は志賀君らと長岡生コンを訪問し,宮本さんと対面で会い,いろいろと話を聞いた。様々な衝撃を受けた。その後,私は宮本さんやその仲間たちとチームを形成し,様々な技術開発を行い,スピーディーに社会実装していく,まさにオープンイノベーションを体現している状況にある。
日本の建設現場で使われるフレッシュコンクリートはほとんどが生コン工場で作られて出荷されている。日本の生コンは,一時は5000社を超え,今は3000社を少し上回る程度であるが,数多くの零細企業も含む生コン会社が,「組合」制度のもとに出荷している。世の中の物事にはすべてプラスの面とマイナスの面があるが,生コンの組合制度は,日本の発展期に全国で安定した品質の生コンを出荷するという意味では多大な貢献をしたと思われるが,現在では新技術の導入を阻害しているなどのマイナス面が指摘されることも多い。
私自身,コンクリートの研究者でありながら,またそれなりに実務とのつながりの多い研究者でありながら,生コン会社の方々と連携して技術開発を行ってきた経験がほとんどなかった。宮本さんからは,大学やゼネコンがいくら研究室で新しいコンクリートを開発しても,最終的に製造するのは生コン会社だから,生コン会社が作れないもの,作りたくないものを開発してもうまくいかないと教わった。
生コンは,地産地消の代表格とも言え,地域によって使う骨材も異なる。また,生コン工場で発生する様々な廃棄物の処理に皆が知恵を絞っているが,副産物を有効利用できずに廃棄物として処理しているものがかなり存在する状況にもある。
私と宮本さんたちのチームでは,生コン会社の視点から技術開発を行う。実装できない技術を開発しても仕方ないので,実装を常に念頭においてアイディアを議論する。そして,思いついたらすぐに工場の実験室で実験し,さらにはすぐに実機のミキサーで練り混ぜる。驚くほどのスピードで商品として出荷されるものもある。もちろん,品質はしっかりと確認した上での話である。
日本には,JISを代表とする様々な技術基準,品質基準がある。市場に流通する材料は,それらの基準を満たすものでなければならない。しかし,基準を満たすために,または新たな基準を整備するために,相当な時間を有する場合も少なくない。一方で,現行のシステムの中ですぐに流通できる革新的な建設材料を開発し,社会実装することもできる。要は,従来製品と同等以上の性能である材料を開発し,性能をデータで示すことができれば,市場は受け入れるのである。もちろん,従来製品より安くなければならない。放っておけば廃棄物になってしまう副産物を真に有効に利用できれば,価格は安くできるのである。私自身が関わっている製品としては「イワモル」「オワコン」などがあり,社会実装を進めながら基礎研究を行うオープンイノベーションから極めて多くのことを学んでいる。
宮本さんは,ビジネスモデルの構築の面でも革新的な人物である。毎日ブログを3本必ずアップすることを7年以上続けているそうで,オワコンやイワモルなども検索すると宮本さんのブログ(生コンポータル)にすぐに到達する。がんじがらめとも言える組合制度が現存する社会において,インターネットでオワコンなどが購入できる仕組みを構築し,800社以上もの生コン会社とネットワークを構築し,一般市民が自分の家の防草対策にオワコンを購入するという状況が爆発的に拡がっている状況である。オワコンは造粒されたポーラスコンクリートで,透水性のあるコンクリートを作ることができる。オワコンには様々な副産物も活用できるので,環境負荷を極限まで低減させたオワコンも開発され,すでに実装されている。
「餅は餅屋」と宮本さんは言う。私のような大学の研究室の実験室で,何度も何度もコンクリートを練るような実験を,「素人」の学生と一緒にすることは難しい。しかし,私の研究室と生コンのプロたちや施工者たちがチームを組むことで,オープンイノベーションが可能となる。大きな方向性を共有し,それぞれが得意なことを持ち寄って,自由闊達に議論し,自律分散的に動くことで,オープンイノベーションが実現できる。
つながる,ということは楽しく,刺激的であり,そして学びがあまりにも大きい。
ある本を出版しようと仲間たちと作業を進めていますが、私の担当分で書いている原稿の一部、山口システムのことをブログで掲載しておこうと思います。
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「ひび割れ問題を協働力で解決した山口システム」
コンクリートは現代のインフラを構築する上で不可欠の便利な材料である。地産地消を実現できる材料であり,世界で水の次に取引量の多い物質と言われており,世界中で使われている。欠点の一つとして,構造物を施工するときのコンクリートの施工の良し悪しが,硬化後の品質に大きな影響を及ぼすことがある。コンクリート構造物の施工中に発生するひび割れを巡って,発注者と施工者の間で責任のなすりつけ合いが生じる,という人間関係にもひび割れが生じている状況が各所で頻繁に見られるという状況にあった。この問題を解決した「山口システム」に私は2009年3月に出会い,衝撃を受けたのである。
コンクリートとは,圧縮には強く引張には弱い材料である。そのため,引張力が作用する箇所には補強のための鉄筋が配置され,このシステムを鉄筋コンクリートと言う。コンクリートの引張強度を超える引張力が働くと,ひび割れが発生する。自分の大切な車や住宅などに亀裂が入っていると傷物の悪いイメージを持つ人が多いと思うが,コンクリート構造物の大半のひび割れは技術的には有害でないにもかかわらず,ひび割れが発生すると発注者は施工者に「施工が悪い。補修せよ」,施工者は発注者に「我々の責任ではない。設計が悪い。」と正反対の主張でぶつかり合っているのである。ひび割れの発生は引張強度と引張力のやり取りで決まり,それぞれは極めて多くの要因の影響を受けるため,どんな説明も可能であり,収集が付かないのである。
2001年に国土交通省が品質確保の通知を出し,コンクリート構造物のひび割れに関して皆が敏感になった。2002年に徳山高専(当時)の田村隆弘教授が生コンクリート工場等の民間企業の同志たちと「コンクリートよろず研究会」を立ち上げ,みんなの総意でひび割れ問題を題材にし,実態に関する勉強を重ね,報告書を発刊して講習会を2004年に開催した。報告書のタイトルは「コンクリートのひび割れ予防対策(あなたにしかできないことがある)」であった。立ち見が出るほどの盛況であったが,そこに山口県職員(当時)の二宮純氏が聴衆として参加し,質問用紙の裏表にびっしりと質問が書かれていたとのことである。
ひび割れを低減できる技術はいろいろとあるらしいが,どれがどのように実構造物で効くか分からない。では,実構造物で試してみようではないか,ということで2005年に山口県で実構造物でのひび割れ抑制の試験施工が始まった。同じ形状が続く200m以上のボックスカルバートでボックスごとに様々な対策が試されたり,橋台の大型構造物でも種々の対策が試された。試験施工には,多くの関係者が関わる。驚くことに,試験施工の構造物群では,ある種のひび割れが根絶してしまった。これを我々は「施工由来のひび割れ」と呼ぶ。一方で,試験施工で様々な対策を施しても,簡単には根絶できないひび割れがあることも厳然たる事実として明らかとなった。構造物中のコンクリートの品質は打込みや締固めなどの施工の影響を大きく受けるが,適切な施工をすることで防げるひび割れと,設計段階からもっと積極的な抑制対策をしないと防げないひび割れがあることを,関係者が事実として共有できたことが山口システムが成功へと歩み出す最大の分岐点であった。
施工が適切になされること,すなわち「施工の基本事項の遵守」が達成されるために,施工状況把握チェックシートを中心とする様々な工夫が実践された。そして,山口システムの中核とも言える,コンクリート施工の記録をデータベース化し,丁寧に施工された構造物のひび割れ発生状況も情報共有されるようになった。次に新しい構造物を建設する際に,類似の条件の構造物のデータを参照し,例えばひび割れ幅を抑制するための鉄筋を追加したりして,その効果が実構造物で検証される,ということを繰り返していき,合理的なひび割れ抑制対策も構築されていった。発注者は余計なお金を出したがらない傾向が強いが,山口システムにおいては,実構造物のデータベースが追加のひび割れ抑制対策の必要性を証明してくれているので,会計検査に対しても適切な説明をすることができる。困難なひび割れ問題に対しても,正攻法で誠実に取り組むことで,道は拓けたのである。
試験施工を経て,2007年から山口県のひび割れ抑制システムが正式に運用された。私は2009年3月にこのシステムを視察して衝撃を受け,それ以来,このシステムに飛び込んで行って学び,今は当事者の一人となっている。このシステムの良さを全国に「布教」し,全国各地での発展的な展開を指導している。このシステムは人の物語でもある。高校野球の監督も務めていた田村先生は,みんなにそれぞれの本分があり,みんなが協働することで全体のパフォーマンスが向上することを知り尽くしたリーダーであった。これまでまともに会話したことのない生コンの技術者と発注者の技術者(「ガラスの壁があった」と生コンの技術者は話した),そして施工者を同じテーブルに着かせ,「つなげた」のは田村先生である。品質の良い生コンが供給され,発注者の監督員と施工者が良い品質の構造物を造ろうと協働することで,ひび割れも劇的に低減し,構造物全体の品質が向上したのである。
産官学が協働し,実構造物の建設から真摯に学び,真に活用できるデータベースを構築して,形だけでないPDCAを回し,少しずつ改善を重ねていく。そして地域から生まれた素敵なモデルを全国に展開していく。このような当たり前の素敵なことは,誠実な思いと人のつながりがあればできるのである。
「土木教育の哲学を語ろう!~豊穣な社会のために~」
以下の内容です。当日、リンク先にアクセスしていただくと、ウェビナーに参加できるようです。皆さん、ご参集ください!
配信URL:https://zoom.us/j/98018957351?pwd=cFM4bVhNTXlmbzhzSyttQnNTbXJQUT09
ウェビナーID:980 1895 7351
パスコード:261591
定員:500名
・登壇者(予定)
横浜国立大学 豊穣な社会のための防災研究拠点(YNU防災研)の拠点長の細田です。
2023年9月18日(月)に、横浜国立大学で開催される防災KOKUDAI(内閣府主催の「ぼうさいこくたい」と同時開催)にて、以下のイベントを開催しますので、奮ってご参加ください!参加費無料です!(このページの情報はどんどんアップデートします)
経営講義棟1号棟(N3-5)にて、
106室 10:30~12:00:「豊穣な社会へ,災害を媒介に」
THINKING ABOUT SOCIAL WELL-BEING THROUGH DISASTER
(哲学ユニットによる企画)
概要:防災の重要性に異論はありません。ただ、私たちは防災という言葉を使った瞬間に、災害を敵とみなし、敵からの防衛に意識を集中させてしまう...。まるで敵がいなくなれば問題がなくなるかのように。しかし災害とはむしろ、私たち自身を映し出す鏡ではないでしょうか。私たちは鏡としての災害を媒介に、私たち自身の豊穣な社会をともに考える時間を作り出したいのです。
106室 12:30~14:00:風水害ユニットの研究内容と今後の展開
風災害関連として勝地 弘 教授
水災害関連として鈴木 崇之 教授から、
現在実施中の検討内容,および今後の展開について講演します.
108室 10:30~12:00:地震・地下防災ユニットによる企画
タイトル:地震時の建物の「壊れ方」と「壊し方」
壁にひび割れが生じて、「この建物は荷重に耐えられるのか」と心配になった経験はないでしょうか。大きな地震の時は、建物の崩壊を防ぐため、意図的に建物を揺らしたり、壊している場合があります。大学の専門家が、地震時の建物の壊れ方を解説し、震災後の建物の危険度を分かりやすく説明します。
横浜国立大学 豊穣な社会研究センターのセンター長の細田です。
2023年9月17日(日)に、横浜国立大学で開催される防災KOKUDAI(内閣府主催の「ぼうさいこくたい」と同時開催)にて、以下のイベントを開催しますので、奮ってご参加ください!参加費無料です!(このページの情報はどんどんアップデートします)
経営講義棟1号棟(N3-5)にて、
9/17 DAY 1 @経営108 (主催:豊穣な社会研究センター)
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Session 1(12:15-14:00):「デジタルツイン×防災」が紡ぎだす社会の未来予想図
主催:豊穣な社会研究センター 「もしも×可視化」研究所
概要:「都市(面)、構造物(点)、ライフライン(線)」という異なる視点から,自然災害に対する防災対策・被災リスク評価の現状と課題を解説する。その上で,今後ますますの発展が期待される各種データのデジタルツインによって紡ぎだされる高度な防災化社会を想像し、今後に期待することを討論する。
講演(15分×3名)(予定)
大石哲 神戸大学教授,前川宏一 横浜国立大学客員教授,朱牟田善治 神奈川大学教授
パネルディスカッション
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Session 2(14:30-16:00):
「ここは天国にも地獄にもなりうる」:厄災のなかのパラダイスに向けて
STRUGGLE FOR PARADISE/ LIFE IN DISASTER: “This could be heaven or this could be hell”
概要:災害が起きたときの私たちの命運は、死生観を含む私たちの生きかた、そして社会が豊穣な社会からどれだけかけ離れているか、豊穣な社会をどれだけ作ることができているかによって大きく変わるだろう。私たちの目指すべき豊穣な社会に向けて議論する。
<朗読劇>付き。
朗読劇担当:有馬 優、榑沼 範久(劇編集も)、細田 暁、佐藤 峰
司会進行:榑沼 範久
パネラー(予定):松永 昭吾(客員教授)、細田 暁(センター長)、他
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Session 3(16:30-18:00): 豊穣な社会へ,「日本沈没」を超えて
THINKING ABOUT/BEYOND “SINKING JAPAN”
概要:長らく低迷・衰退が続く日本社会に、遠からず襲ってくるであろう国難をもたらす巨大自然災害を乗り越えて、私たちが目指すべき豊穣な社会の方向性を議論する。
<朗読劇>付き。
朗読劇担当:有馬 優、榑沼 範久(劇編集も)、細田 暁、佐藤 峰
司会進行:細田 暁(センター長)
パネラー(予定):松永 昭吾(客員教授)、真鍋 誠司、榑沼 範久、河野 克典 他
今日の内容は、読む人にとっては、ちょっと怖い話かと。全く怖く思わない人もいるかと思いますが。
「センメルヴェイス反射」という言葉があります。センメルヴェイスは人の名前で、オーストリアの若い勤務医だったそうですが、産褥熱という病気にかかって出産した母親が死んでしまう原因が、なんと、分娩を担当する医師の汚れた手が原因であることに気づいた方でした。
ものすごく都合の悪い事実ですよね。お医者さんが人を殺していた、ということになってしまうので。センメルヴェイスさんはいろいろと情報発信したようですが、とても受け入れられず、非業の死を遂げた、とのことです。ですが、時間が経ち、センメルヴェイスさんの名誉は死後ですが回復していますが、同様に真実に気付き、発信していても埋もれてしまった悲運の方々はたくさんおられるのだろうと思います。
このように、あまりにも不都合な事実を見ようとしない、隠ぺいしようとするような反射的反応を「センメルヴェイス反射」と呼ぶそうで、これは現代にも無数にあるでしょうね。その辺りの事象を中野剛志さんが社会科学的に論じているので、ぜひ動画でご覧ください。
そうなのです。世の中には、都合の悪い事実というのは山ほどあり、「今さらそんなこと言われても」というような不都合な事実、というか真実はたくさんあります。中野さんは財政破綻論、緊縮財政論にしがみつく経済学者なども批判していますが、それで飯を食ってきた方々は、自分の過去を否定することにもなるので、絶対に認めようとしないのでしょうね。
脱炭素なども同じかと思っています。
コロナのワクチンも一緒ですかね。
結局、そういうことにしがみついている方々、世代が一掃されない限り、簡単には社会は変わらない、と中野さんは言います。
時間が経過すること、人が替わること、というのがやはり大事なのでしょうね。
私自身は、間違った事実にしがみつくような頭の凝り固まった人間にはなりたくない、と常々思っています。そして、そんな人間が大学という真理を探究する場にいてはよくない、と心から思っています。
さて、以下、ノンフィクションです。
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ある大学のある研究室のゼミ、でのこと。
学生の研究発表に対して、当時の若い?准教授が、ある発言をした。「鉄筋コンクリートのひび割れは、内部の鋼材の腐食に悪さをする、というのが常識であり、ひび割れ幅が大きいほどその害が大きいというのが常識と思われているが、本当だろうか?異形鉄筋を用いてひび割れ幅が小さい方が、丸鋼を用いてひび割れ幅が大きい方よりも、腐食が著しいという研究結果もあり、ひび割れ幅にこだわり過ぎるということに意味がないのかもしれない」というような趣旨の発言をした。
ある意味、常識とは正反対のことを発言したわけです。
いくつかやり取りがあったようですが、
年齢が上の教授がそのゼミにおいて、「そんなことあるわけがない」と少しイライラして発言した。
その准教授は、ある意味で、その年上の教授の力量を見限った。
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以上はどこの話か知りませんが、怖い話ですね~。大学という場所も、なあなあの世界もあるのかもしれませんが、政治力、金銭力なども含めて実力主義の世界ですので、頑張りましょう。。。
頭が固いと大した研究はできないでしょうし、間違っていたら「間違ってました!」と素直に謝れる人間でありたいですね。