生きている人間たちが構築している社会システムは、毎日稼働している。生きているのだから当たり前である。
100%のシステムなど無いし、あったとしてもすぐに問題が生じる。100%でないシステムを目の当たりにしたときに、システムの抱える問題の程度にもよるが、システムを改善しようという問題意識を持つのは当然のことと言える。
問題意識を持たない人もたくさんいる。日々のシステムの中で、仕事や役割をこなしていくだけでも大変だからである。
6月22日、23日と群馬県のコンクリート構造物の品質確保の講習会に講師の一人として参加した。山口県で始まったひび割れ抑制、品質確保の取組みが、東北の復興道路や群馬県、他の地域で展開され、展開が始まっており、さらには熊本県の復興におけるコンクリート構造物の品質確保にも応用されようとしている。
なぜこのような取組みが必要なのか。
現状のシステムに課題があるからである。
現在のシステムでも、もちろんコンクリート構造物は日々つくられているし、維持管理もなされている。日用品などとは価格も使用期間も全く異なる社会インフラが、本当に長持ちするようにつくられているであろうか。健全に長持ちするものももちろんたくさんある。しかし、供用されている構造物の点検結果を見ると、もっと長持ちすべきなのに劣化して補修・補強が必要となっているものが少なくない。多いと言ってよい。
現状のシステムに課題があるのは明らかである。ただ、課題のないシステムなどないから、それは当たり前のことでもある。
ではどうやってシステムを改善していくか。
我々の対象であるコンクリート構造物について言えば、これだけ地域ごとに環境作用の異なる我が国において、同じ材料を用いて同じようなつくり方をしていれば、環境作用の厳しい地域では長持ちさせることは難しい。北海道、東北から九州、沖縄までを包含する我が国家において、国や道路・鉄道事業者等のみならず、県、市等の自治体もコンクリート構造物の建設、維持管理を行う。良いものをつくった施工者にはご褒美をあげるような仕組みができればよいが、透明性、公正さが求められる公共事業において、そのような仕組みをつくることも全く簡単ではない。長持ちすることをつくった直後にどうやって証明できるだろうか。
モチベーションの無いことに人間は全力では仕事をしない。
あるべき姿の一つとして、地域ごとに、コンクリート構造物が長持ちするための材料、設計、施工方法等の標準がそれぞれ整備され、よいものをつくるために必要な費用(標準歩掛り)も地域ごとに異なるのがよい。また、長持ちする良い構造物をつくった施工者は適切に評価されるシステムであってほしい。理想のシステムを思い描くことは容易であるが、現状のシステムの中で仕事をこなすこと以上のことを望まない人が大半である実社会において、システムの改善を実践することは決して容易ではない。
特効薬などない。山口も群馬も、東北も、正攻法で取り組んでいる。
出来ることからやる。システムの問題点は複雑である。適切な正攻法で取り組めば、複雑に入り組んだ問題点も、少しずつであるが、見えやすくなってくる。問題点が見えやすくなって、関係者の多くが改善することに納得すれば、後は前に進むだけである。一歩一歩行くしかない。
山口県のシステムに関わらせていただいて、7年3ヵ月が経過した。公共事業の品質確保、耐久性確保、さらには維持管理というテーマなので、私の一生がかかってもシステムが100%になることなどあるわけがないし、仮になったとしても必ずシステムは劣化する。
改善する、仲間とともに改善を楽しむ、ということが生きることそのものであることを群馬県の講習会で再確認した。
今年度もどのような展開になるのか、予想も付かないが、自分の役割を果たし、やるべきことをやるのみである。
4月末から通い始めた、居住区のスポーツセンターのプールですが、今日で12回目でした。
天候が良ければ、今日の昼過ぎから気仙沼に向けて出張し、明日13日の新気仙大橋(陸前高田)のRC床板の打込みを視察する予定でしたが、晴れ男の面目なく、天気予報で雨天のため中止になってしまいました。
ということもあり、昨日11日と、今日12日と連続で、朝一番で次女とプール。往復はもちろん自転車です。片道20分強かかるので、往復もとても良いサイクリングです。
次女は4月末から今日で10回目でした。そして、今日、25mを息継ぎしながら泳ぐことに成功しました。23m程度で終わってしまったチャレンジが2回ほどありましたが、1回、25mを泳ぎ切りました。その場に居合わせて、少し感動しました。
私のような中年であっても、スイミングを重ねることにより、体力が増強したり、スキルが向上することを実感します。ましてや、育ち盛りの次女にとっては、運動を定期的に行うことの効果は計り知れず、今後も継続しようと思いました。プールにいる間の、ほとんど休憩もせずに、ずっと泳いでいる次女の姿を見ると、「好きこそものの上手なれ」も納得できます。何事も上達するにはまずはそのことを好きになるのが最優先、と次女から教えられます。
午後は、長女の受験勉強の指導。私の役割は微々たるものではありますが、理科の指導を担当しています。「パパと勉強するの、楽しい」と長女が言ってくれることもあり、単なる勉強の指導でなく、勉強に対する姿勢や、人生における勉強の位置付け方、物事を好きになる物の見方、なども含めて教えるように心がけています。今日は、模擬テストのようなオープンテストで間違えていた問題を一緒に解きなおしました。
私自身の仕事は早朝、プールに行く前と、長女の指導の後。執筆が滞っていた、目視評価法の解説文の執筆を久しぶりに始めました。本来やるべき仕事が滞っていると、後ろめたさを感じます。本来は最優先事項に据えるべき業務なのですが、どうしても緊急の仕事に押されて日常スケジュールから押し出されてしまいます。
今日の夕方は、ベランダで次女がシャボン玉で遊んだり、読書をしている傍らで、この解説文の執筆を進めています。執筆を進めることで、当然ながら後ろめたさも解消し、執筆が進むと楽しく、様々なアイディアが出てきます。
ごくごく日常ではあるのですが、日常をしっかりと生きることの重要性を、日常から学び取っております。
GW後、5月末ごろまで、おそらく私の一年の中では最も平穏な時期が続いていました。私の講義が年度後半に集中していることがその理由の一つですが、6月に入り、いつもの状況に戻ってきました。
今週は6日の月曜日から木曜日まで毎日、四ツ谷の土木学会で仕事でした。当たり前ですが、毎日違う仕事で、建設マネジメント委員会の国際連携小委員会、コンクリート標準示方書の改訂委員会、土木学会重点研究課題委員会、第2回土木史サロンのパネリスト、で昨日まで終わりました。バラエティに富む仕事で、限られた時間で準備の大変だったものもありますが、楽しく終わりました。
今日は、大阪へ日帰り出張で、PC(プレストレストコンクリート)技術講習会の大阪会場で、PC防災委員会の内容について講師を務めます。
外を出歩いていると、研究室の学生の指導に割く時間がどうしても減り、メリット・デメリットそれぞれありますが、しっかり両立できるようマネジメントしたいと思います。
様々な仕事の機会をいただけて、ありがたく思います。それだけ、多くの素敵な方々と出会うチャンスに恵まれている、ということでもあり、私自身に与えられた機会では、出来得る範囲でベストを尽くすことを常に心がけています。
昨日の土木史サロンでも、とても多くの方々と出会うことができました。私の講義「土木史と技術者倫理」や学校防災教育にかける情熱が適切に伝わったのか、方向性に共感いただけたようで、いろんな方々に声をかけていただき、とてもうれしかったです。また、私自身もほとんど知らなかった「立山砂防」のすごさ、魅力についてとても詳しい方々とお知り合いになりましたし、情報を入手しましたので、 見学会の実施等、間違いなく実践していくのだと思います。
業務過多をぼやいていた30代中盤ごろの時期もありましたが、今は、なるべく自分に適切に与えられた業務については、ありがたく思い、少しでも吸収し、貢献できるように考えるようにしています。本来ならやらなくてよい、どうしようもない業務も少なくはないですが、やらざるを得ないのであれば淡々と、適切に手を抜いてこなし、それらに魂を支配されないように接しています。
梅雨に入り、次女との通学時や、大学内を歩いているとき等に、植物の活き活きとした姿、生命力に感動します。横浜国立大学のキャンパス内はジャングルのようになっていて、歩いているだけでエネルギーを感じます。以前は、梅雨の時期は好きではなかったですが、今は違った捉え方をするようになってきました。
今朝は天気もよく、大阪に向かう新幹線に乗る前も、気力が充実しているのを感じました。一緒に仕事をする方々に、少しでも良い気分を味わっていただきたいし、その場から私もエネルギーをいただけるように、場に貢献する気持ちをさらに強めました。
今週末に仕上げるべき大事な原稿(目視評価法に関するもの)も、今日の帰りの新幹線や、明日の土曜日、ポジティブな気持ちに溢れた状態で執筆できればと思っています。