細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

フランクフルトのひげ松

2009-06-28 00:54:16 | 人生論
今日は、土曜日の21時にフランクフルトを出発する便で帰国するので、どのように日中を過ごそうか、いろいろオプションがありました。ちなみに、昨日か今日にデュッセルドルフで業界の知人と会う予定でしたが、出張前にキャンセルになりましたので、予定が無くなりました。

マインツからライン川下りをしようか、とも思ったのですが、帰国前に疲れを溜めてはいけないので、チェックアウトまではホテルで仕事。

10:30にチェックアウト後、結局7時間ほどフランクフルトを探検しました。

ガイドブックに書いてあったとおり、それほど大きな街ではないので、すべて徒歩で中心街をほぼ歩いて回ったように思います。全部で6kmくらい歩いたようです。

昼食を、いろいろあった挙句、「ひげ松」という日本料理屋で食べました。なかなか素晴らしい店の雰囲気で、要は、ひげを生やしたまっちゃん、という大将が店を経営している、ということです。

ひげ松がお薦めしてくれた、寿司と素麺のセットを注文しました。盛り付けも素晴らしく、美味でした。

カウンターで隣に座った製薬会社の日本人駐在員の方とも話が弾み、とても楽しい時間でした。

ひげ松ともいろいろと話しましたが、今日の教訓は、やはり「人と話す」ことの大切さです。いろいろと勉強して一人で歩いて回るのもそれなりに有効ですが、やはり人と話すことから学ぶことはとても多い。

今日は、ひげ松と駐在員のCさんとお話して、いろいろと学びました。

フランクフルト(他の都市もそうだろうけど)では寿司が大ブームだそうで、なるほど歩いているとたくさん寿司屋がありました。多くは回転寿司で、日本人でない人が握っていたので、味は推して知るべし、でしょうか。

ひげ松さんには、本当の日本の寿司、日本の料理をフランクフルトで発信してほしいです。そう伝えました。日本をきちんと知ってもらう、という意味では、ひげ松さんのような方々のご努力がとても大切だと思います。

さて、そろそろフランクフルト空港に向かいます。

家族の待つ日本に帰ります。
感性が爆発したような出張旅行でしたが、機内ではできる範囲でお仕事します。

帰国後は、7/8(水)~10(金)に札幌で開かれるJCI年次大会が終わるまで怒涛のように過ぎると思いますが、気合を入れて頑張ろうと思います。

知らないということ、知ること

2009-06-27 17:08:51 | 人生論
知らないことは、人生において損をすることだと思います。

だけど、知らなかったからダメということは決してない。

私も今回の出張の前にいくつかのことを知って、見る目が全く変わり、新しい興味の対象が次々に出てきて、出張旅行中にいろいろと学んでいるわけです。

これまでに何度もヨーロッパには来ていますが、「知らなかった」ために見えなかったことがいくつもあります。今の目でもう一度行ってみたいところもいくつもあります。

だけど、今回の出張の前に「知った」ことが無い以前の私は不幸であったか?そうではありません。そのときそのときに私の知性レベルというものがあり、それぞれのときに必要な知識を獲得しているわけです。「建築、構造」というものには興味はなかったけど、歴史に興味はあったから、古代ローマ帝国の歴史を、塩野さんの本でむさぼるように読んだのだろうし、日本の歴史に多大な興味を持って、いろいろと勉強したのだと思う。

そして、今回は新たに「知って」、自分の新たな一面を開拓しているのだと思う。

もちろん、今の私が知らないことはいくらでもあって、それを少しずつ知って、自分のいろんな面を開拓していくことこそが人生であろう、と思っています。

だから、「知らない」ことにおびえない。常に「知りたい」と欲し、その時点の視点・目線で最大限の観察をし、楽しむ。

変わっていくことを楽しむ、ということです。

この話題と関係ありませんが、一昨日のディナーの様子。コルビュジェの作品を見て、感慨ひとしおの二人です。

さて、フランクフルト発成田行きのフライトまで約11時間。
実はドイツ訪問が初めてなので、フランクフルトの街を少し散策してきます。

仕事の締切りが過ぎていてご迷惑をおかけしている方がいらっしゃれば、申し訳ありません。帰国してから馬車馬のように?働きます。


ベルン

2009-06-27 16:36:30 | 趣味のこと
ベルンの街並みは素晴らしかったです。
見渡せる高台を探し、小雨の中,あるホテルのテラスを見つけて、そこから撮った写真です。路面電車も走るアーチ橋が,完全に歴史的な街に溶け込んでおり,なかなか日本でこのような景観を作ることは難しいと思いました。

日本特有の素晴らしい景観を保存したいし,これから模索していきたいものです。

フライングバットレス

2009-06-27 16:31:45 | 趣味のこと
半井さんのお薦めで,ドイツのフランクフルトに向かうときにスイスの首都ベルンを経由することにしました。街全体が世界遺産に登録されているとか。

あまり時間がなかったので,街全体をざっと眺めることと,もう一つ「フライングバットレス」を探すことにしました。ベルンに到着する電車の中から,ゴシックの素晴らしい教会が見えたので,そこに行くことにしました。

これまで何も知らなかったのですが,理解してから見るとフライングバットレスがよく見え,それから教会の中に入ると,フライングバットレスを必要とする尖塔アーチで構成されていることが実によく分かりました。

この写真の中にフライングバットレスがありますが,分かります?よね。

5月に見たバットレスダムの写真と合わせて,学生に見せてあげようと思います。

帰国後の講義(学部2年,修士)は,今回見てきたものの紹介でかなり時間を費やしそうです。。。

進化

2009-06-26 14:03:23 | 人生論
昨日25日は、半井さんと一日過ごしました。

もともと気が合う、というのもあるし、お互いのいいところを認め合っているというのもあるし、それぞれが持っている情報が一級というのもあって、約15時間一緒に過ごしましたが、とても濃厚な一日でした。

モンテリ地下研究所(放射性廃棄物処分)、研究所近くの鉄道高架橋(アーチ)、コルビュジェの建築物3件、古代ローマ時代の劇場を見て戻ってきましたが、ドライブ中もずっといろいろな話をしていました。

研究の話もするし、教育の話もしますが、とても有意義な時間でした。

今年度は、自らの意識を切り替えたこともあるのかもしれませんが、自らが進化していっている感覚が強いです。プレストレストコンクリート関係の委員会などで勉強させていただいていることも大きいかと思います。

今回の出張で、すさまじい量・質の情報を入手しているように思います。

もちろん、自らを進化させることによって、学生の教育、研究の指導、研究活動などに反映することこそが目的であり、学生のみなさんは期待して待っていてください。

モンテリ地下研究所

2009-06-26 13:50:47 | 研究のこと
25日の午前は、半井さんの段取りにより、モンテリ地下研究所を訪問しました。

私は門外漢なので訪問前には詳しくは知りませんでしたが、放射性廃棄物の地下処分のための国際的な研究機関です。多くの国々の機関、企業が参加し、日本からも電力中央研究所や大林組などが参加しています。

その研究所のDirectorに1時間たっぷりとパワーポイントでプロジェクト全体の内容を説明してもらいました。これまでの10年くらいで各企業の実験費用を除いて50億円程度の投資があったようなので、相当なビッグプロジェクトです。

Directorの方は40代だと思いますが、技術的にほとんどすべてのことを把握しておられる相当な方で、我々もたくさん質問してくらいつきましたので、非常に楽しい議論ができました。私も岩盤や地質については素人ですが、要は透水とか、亀裂とかそういう話なので、全然理解できます。おまけに、Self Sealingという現象も出てきて、まさに自己治癒と同じです。

説明の後、約1時間半、地下(トンネル)の実験場を丁寧に解説してもらいながら見学させていただきました。

大変有意義な時間で、質問力、人間力、英語力も役に立ちました。学生の皆さん、普段言っている通りですので、これらの力を磨いておいてください。

コルビュジェ2

2009-06-26 13:48:01 | 趣味のこと
宿泊しているバーデンへ戻る途中にあった、コルビュジェの設計した水門、その隣の管理室のようなもの、も見学しました。ライン河の上流のようで、その辺り一帯の橋梁や水門施設が統一的にデザインされているように感じました。

ここもすごくよく、訪れる価値、ありです。

コルビュジェ

2009-06-26 13:44:38 | 趣味のこと
ついに行ってきました。ロンシャンの教会。

半井さんと二人でロングドライブで行ってきました。

やはり本物を見ると写真で感じるのとは全く違います。

鉄筋コンクリートでこれができちゃうのですね。

磯崎新さんのコルビュジェ論を読んでからこの教会を見ましたが、私はこの建築物から観念的なもの、エロスのようなものを強烈に感じました。

ロンドン駅舎最後

2009-06-25 14:36:16 | 趣味のこと
ロンドンを去るときに、パディントン駅からヒースローエクスプレスで帰ることに決めていました。パディントン駅も、内藤先生の本でお薦めになっていた駅舎です。

私の長所であり短所であるのですが、最初は猿真似でよいと思ってます。内藤先生のお薦めをただ真似して見るので最初はよい。一流のものに触れていると、一流のものが分かるようになってくると思っています。それが大事。

パディントン駅の駅舎も相当に雰囲気がありました。屋根のアーチ部材の付け根がすごくおしゃれ。この写真でも分かるでしょうか。

ロンドンではいろんなことを感じました。他のヨーロッパの国の首都と少し違って、重厚であり、技術のこだわりも感じました。

ヒースローからチューリッヒに飛んで、昨夜、半井さんと会いました。いろいろ話すことはあるのですが、昨夜は335委員会の二期目の活動の方針について、意見交換しました。今日は一日一緒です。お仕事してきますが、いろいろ情報交換します。そして、ロンシャンの教会を午後、見てきます。

エデュワルド・トロハ

2009-06-24 17:44:13 | 研究のこと
昨日のシンポジウムで、エデュワルド・トロハについての講演がありました。言わずとしれたスペイン人の構造の大家ですが、なんとトロハの功績について講演をしたのが、トロハの息子のトロハ教授でした。息子がスペインの大学の老齢の教授です。

トロハについても、内藤先生の「構造デザイン講義」で少しは知っていたので、非常に興味深く聞くことができました。トロハが設計したいろんな有名な構造の写真が出てきて、どのような点でトロハが苦労したか、打破したか、などの裏話を聞くことができ、とても勉強になりました。

いろんな機会に痛感し、学生にもあらゆる機会に伝えていますが、「無知」とは恐ろしいことです。無知の知とはよく言ったものです。トロハもコルビュジェも知らずに今回の出張に臨んだのと、知ってから臨んだのでは、収穫の次元が全く異なります。もちろん、コンクリートの研究動向についても多くの情報を得ていますが、もっともっと出張を活用したい。

今回は、ロンドンに到着してまだわずか2日半ですが、すごくいろんな経験をしています。

少しずつ、自らの無知に気づき、勉強し、視野を広げて生きたいと思います。

夕方の便でチューリッヒに飛びます。空港に行く前に、パディントン駅の駅舎(内藤先生お薦め)を見てきます。明日は、半井さんと一日行動します。

駅舎

2009-06-24 15:59:02 | 趣味のこと
今回の出張の前に、建築に興味を持ったことはとても大きいと思います。内藤廣先生の本の影響がとても大きいです。それをきっかけにル・コルビュジェの本も買いました。興味を持つと、実物を見るし、見ることによってさらに興味が湧いて勉強する。プラスのスパイラルになります。

今回は時間があれば、いろんな駅舎、構造物、建築をみることにしています。

昨日は国際会議の昼休みに、ソンさんと散歩しました。
パンクラスというユーロスターの発着する駅と、その隣のキングスクロス駅を見学しました。キングスクロス駅の駅舎の屋根のアーチと、壁の組積アーチのかもし出す雰囲気に感銘を受けました。

Canary Warf駅

2009-06-23 16:10:04 | 趣味のこと
昨夜、ロンドンシティ内?のCanary Warf駅を訪れてきました。

内藤廣先生の「構造デザイン講義」で紹介されていた、PCプレキャスト部材(プレキャストと思う)を用いた美しい駅舎です。

実は、ロンドン出発前日の石田先生の結婚式で、披露宴開始前の控え室で、私の隣に内藤廣先生が座られました。チャンス!とばかりに「構造デザイン講義を読んで感銘を受けました」とプレゼンを始め、話が大いに盛り上がりました。内藤先生がすごい喜んでおられて、ロンドンで先生お薦めの建築物、構造物を見てきます、とお伝えしました。

一応、お約束どおりに実行しております。視点を持って街、建築物、構造物を見る
というのは本当に楽しい、贅沢な趣味ですね。

ソンさん発表

2009-06-23 16:06:02 | 研究のこと
昨日、fibのシンポジウムでソンさんがスラグの研究を発表しました。

時間をオーバーしたのでそれは後で注意しましたが、発表は上手で、セッション終了後に何人かから質問を受け、とても好評でした。

頑張って研究を進め、公表していくことが大事ですね。

今回のfibシンポでは、初日の最初の研究発表がトロント大学のコリンズ教授でした。30分ほど、せん断に関するプレゼンを聞き、改めて感銘を受けました。やはり超一級の教授とはこういうものですね。

ロンドン着

2009-06-22 13:54:13 | 研究のこと
昨日、日曜日の午後にロンドンに到着しました。生まれて初めてのイギリスです。

いろいろと予習してきて、見たいものがたくさんあるのですが、まずは大英博物館の近くのホテルに到着。今回は、3日間ロンドンに宿泊し、その間は留学生のソンさんとツインの部屋に同室です。同年代の男、しかもベトナム人と同室、ということですが、気の知れた仲なので、特に問題ありません。私は3泊したあと、スイス、ドイツと移動します。

荷物を置いた後、ロンドンを散策。大英博物館の外観だけ見て感嘆した後、テムズ川へ。川のクルージングをしたかったので、出発点である国会議事堂と有名な時計台のビッグベンを見学。クルージングの船が予定より1時間近く出航が遅れたので、ずっとビッグベンを見る羽目になりました。

クルージングはとても快適。天候も素晴らしく、肌寒いくらいでした。

ロンドンブリッジや、タワーブリッジ、ミレニアムブリッジなどなど、テムズ川にかかる橋をつぶさに観察しました。内藤先生の本や、いろいろな本でさっと予習してきたので、見ごたえがありました。ゴシック建築についても少し見る目ができていたのはありがたい。

タワーブリッジに到着後、フィッシュ&チップスとビールで夕食。ソンさんは初めて食べたようです。すごい量だったので、私は25%くらい、ハトにあげました。

帰りは4~5kmの距離を歩いて帰りました。12時間のフライトの後でもあり、時差もあるので相当に疲れましたが、いろいろと街並みを観察しました。落ち着いた街並みで、ここちよいです。St.Paul大聖堂が印象的でした。

宿に到着後、即寝。こちらの時間で朝4時(日本12時)に目が覚めて、諸活動を始めました。今日はfibシンポジウムを楽しんできます。夕方にソンさんが発表します。