写真は,エチオピア最終日に訪れた,アディスアババ郊外にある湖のリゾート地です。
今回もいろいろと感じましたが,アフリカの大国であり少なくとも数年前には世界の最貧国であったエチオピアで,エチオピア人のマイケルさんと相当に会話し,アベベ教授とも多岐に渡る話をしました。また,エジプトでも先輩のハメドさん,後輩のエルカシフさんとよく話をしました。エチオピアとエジプトは全く国柄も人柄も違い,それもまたいろいろと感じさせる要因でした。
中国のアフリカへの進出ぶりのすさまじさを目の当たりにしました。最終日にアベベ教授とコーヒーを飲みながら話をしましたが,非常に中国のことを嫌がっていました。西洋的な考え方,システムが限界に来ていると感じていることも,アベベ教授と私とで共通でしたし,中国に世界がのっとられる恐怖感,嫌悪感も共通でした。
エジプトは大半がイスラム教,エチオピアではイスラムとキリストが半々。外国,特にアフリカや東南アジアの国々に来ると,宗教のことを意識せざるを得ません。意識するのは日本のことです。武士道や心学に支えられていた日本人の精神性は,まだかすかに息づいてはいるものの,もはや一般の国民からは消えうせました。
結局,「より良く生きること」ということを考えざるを得ません。
アベベ教授と私,マイケルさんと私は,これについて同じような考えを持っているように感じます。日本とエチオピアは国民性に何か共通することがあるように思います。JICAの小幡さんもそのようなことを言ってました。
日本人が本来の誇りと精神性を取り戻し,経済力や技術力が地に堕ちる前に新たな方向性に歩みだすことができれば,世界で毅然としたリーダーシップを取れるものと思います。また,それを期待している国々も少なくないと感じます。誰も中国にリーダーシップを取って欲しいと思っていません。
より良く生きること,とは貧富に関係なく清く美しく生きることであり,自らを律して鍛えて貢献することです。それらはすべて,過去の日本で実践されてきたことです。
西洋化の過程や戦後に失ったものは非常に大きいですが,どうやって大事なものを取り戻し,新たな方向に歩んでいけるでしょうか。それぞれがより良く生きること,が最も近道かと思います。