よく私は1年で√2倍,と言います。すなわち2年で2倍。5年で5倍以上。
この数字は,畑村洋太郎先生の5年で5倍と,岡村先生の「人は2倍の負荷がかかると壊れるけど,1.5倍の負荷であれば伸びていく」の言葉から導き出した,私の経験的な数字です。
能力,影響力などなどすべてを包含した総合力が1年で√2倍以上になり得る,という考え方です。今でも正しいと思っています。
なかなか真意が伝わらないと思うので,今の私なりの解釈を示しておきます。
単純に能力が√2倍になる,と言っているのではありません。伸び盛りであれば,単に研究能力,仕事をこなす能力などが√2倍になる,ということもありえるかもしれませんが,この話は人生を通じての話です。さすがに能力が倍倍ゲームで伸びていく,というのは難しいです。
例えば,人間が謙虚になる,ということも総合力の向上に大きく寄与します。傲慢で,自分はよいと思っていても味方が誰もいない状況と,謙虚になってその人のビジョンに賛同する人が100人に増え,その人たちと連携して大きな仕事ができるとなると,総合力は簡単に2倍以上に増えるでしょう。そうすると,人生の難しさを知り,歴史の重さを知り,謙虚になることが総合力を向上させる大きな要素,と考えることもできます。
視野を広げることも総合力の向上には大きく寄与します。今の私の理解では,とにかく境界条件を小さく設定している人が多い。いまだに「アメリカ,中国」と言っている時点で,マスコミからの怪しい情報しか勉強していないことを露呈しているでしょうか。もっともっと本物の情報を自分で獲得し,多くの仲間から情報を入手し,物事の本質を見極められるように精進しないといけません。視野の狭いリーダーが下す判断ほど恐いものはありません。
ネガティブな人がポジティブに変わるだけで,総合力は大きくアップです。不健康な人が健康になるのもアップですね。
そう考えると,ほとんど全ての日常の行為が総合力のアップにつながり得ることが分かります。そうやって死力を尽くしてようやく1年で√2倍をクリアできます。
1年で√2倍を重ねていくと,2年で2倍。5年で5倍以上。
10年で25倍。20年で625倍。30年で1万倍以上。
どこまで行けるか分かりませんが,今の私が37歳。10年前は27歳で博士課程の3年でしょうか。そのときの総合力の25倍には達していると見て問題ないと思います。今から30年後,67歳で生きているのか何をやっているのか分かりませんが,今の1万倍の総合力をもし身に付けているとしたら,それは楽しそうですね。
ただ,ポジティブになるとか,健康になる,とかかなりの手段を使ってしまっているので,なかなか難しいかもしれません。もっともっと謙虚になること,視野を広げること,仲間を増やすこと,そしてもちろん,自身の能力を努力によって向上させること,でしょうか。
さて,ビジョンは同じように見えても,その根本が実は人によって大きく違うことを私は見抜いています。一番の根本は何なのか。政治が悪いからか,国のシステムが疲弊したことなのか,少子高齢化なのか。一番の根本はそんなところにはありません。
一人一人の意識の問題です。
今日,おいしいご飯を食べられる。大多数の人は明日も食べられる。おまけに21日は皆さんとおいしいお酒を飲みながら,国家の将来ビジョンを語り合っている。そんな幸せなことがどこにありますか。世の中には,今夜食べるものに困っている,食べられずに死んでしまう人も現実に存在します。水道をひねると温かいシャワーを浴びることなど想像もできないような環境で,動物のような暮らしをしている人が世界のあちこちに存在します。
日本人は感謝の気持ちを忘れていないか。これまで連綿と受け継がれてきた国の歴史があり,先人たちの汗と涙があり,我々は恵まれた環境で生きているのです。
少々のことで愚痴を言いなさんな。少しでも周囲に,社会に貢献できるよう,謙虚に,幸せを感じて,全力で努力しませんか。なぜ人任せにする。それが今の日本の現状の根本です。
政治も大事かもしれませんが,私は教育の問題だと思っています。
ちなみに私は,最悪の場合はさつまいもでも育てて,みんなでひもじい思いをしながらやり直せばいいじゃん,というところをベースに置いています。そう思えば,日々生きているだけでありがたいです。
私にできることなど限られているかもしれませんが,みんなで力を合わせればかなりのことができうると思っています。自分のやりたいことをやらせていただける環境に置いていただいて,本当に感謝しています。だからこそ,私は全力で今後も自分のやるべきと思うことを愚直に実行していきます。
世界の現状を知る,我が国の歴史を知る,自分の置かれた環境を相対的に観察し,そのありがたみを知る。それは読書によって達成できます。若者たちはそのために読書しなさい。人生を通じて最優先事項の一つです。
「コンクリート材料-構造の最先端技術に関する研究会」の第6回が終わりました。「発注者の役割・技術力」と題して,山口県のひび割れ抑制対策,東京メトロの維持管理,青森県のアセットマネジメントについてご講演をいただき,強烈なエネルギー,メッセージが聴衆に届いたようでございます。聴衆にも多くの発注者(神奈川県,横浜市,JR東日本,NEXCO中日本,国土交通省,山口県,青森県,東京メトロ,などなど)がおられ,今後,大きな動きを展開していくためのきっかけの一つになれば,と切に願います。
建設マネジメントの第一人者の小澤一雅先生にも来ていただき,アドバイスや激励を多くいただきました。小澤先生は私の師匠の一人で,今後もいろいろとご指導いただきながら,日本をよくしていくための一翼を担えればと思っています。
小澤先生からは,この研究会のネーミングが実態を表していないのではないか,とご指摘を受けました。今回のテーマはとくにネーミングと合っていない,と私自身も思っています。第1回を立ち上げたときは,コンクリートの分野でも材料と構造の研究,実務が分断している実情を見て,材料も構造も連携して融合して,実務の難題に当たっていかなくてはならない,という思いでネーミングしました。
回を重ねるごとに,企画者である私の力量も変化します。当然にターゲットは,コンクリートそのものの研究から,マネジメントへと広がっていきます。最初からそのように思い描いてはいましたが,思ったよりも早いスピードで展開していっています。現時点でも将来的には,日本だけでなく,アジア,世界へ。コンクリートの研究からマネジメント,ひいては政治までも,と思っていますが,思っているということはいずれ現実になるのでしょう。
研究会のネーミングを変える,という手もありますが,やはり私はコンクリートにしっかりと足を付けた研究者,技術者,教育者でありたい。足元がふらふらとして,理念だけ先行するようないいかげんな人間になりたくない。そういう気持ちも依然として強いです。
というわけで,研究会のタイトルはしばらくはそのままに。
アジア,世界,マネジメント,政治あたりが中心話題になってくると,さすがにネーミングは変えた方がいいかも。まあそのとき考えます。
回を重ねるということはすごいことで,初めて参加された方はびっくりされたかもしれませんが,我々も運営側として慣れてきており,コツもわかってきています。最初からこのレベルのプロジェクトを実施することは不可能。今後も回を重ね,お化けのようなイベントに成長させていきたいかな,と思います。
横浜でガンガンやっているのが伝わってくるし,どんどんやってほしい,と言っていただきました。
世の中に不満を言っても仕方ないし,不満を言っている暇があれば,少しでもプラスのエネルギーを発して行動したい。吉田松陰と同じです。
コンクリートの世界では,横浜に爆弾があるようなイメージかもしれませんが。次々と新たな爆弾に着火していこうと思います。
昨日は335委員会の全体委員会+忘年会。
いろいろと感じましたが,直接この委員会とは関係ありませんが,以下のことを書いておきます。
人間は仕事,人生にやりがいや使命感を感じると,まあとにかく時間がいくらあっても足りないくらい,やるべき大事なことがでてきます。しかし,人生は十分な時間があるので,しっかりと自己マネジメントして,日々を充実させて,全力で,それこそ死に物ぐるいで,しかし楽しく生きていくものです。
我が国の現状はどうでしょうか。無駄な手続き,仕事が多すぎないか。かつ,やりがいや使命感を感じられない人たちがどうでもよいゴシップで騒いでいる。新聞,マスコミ,テレビ,ネットでのどうでもよい痴話はいかがなものか。もっと人生は有意義で,やりがいのあるものです。
ゴシップにうつつを抜かしている場合ではありません。明らかな国難ですが,みんながそれぞれの人生にやりがいと使命感を感じるようにもっていければ,この国は明らかに元気に,世界の先頭に立つこともできるはずです。
まずは身の回りから。来週の研究会@横国で,それぞれの講演者から素晴らしいメッセージが発信されると思いますし,私も持てるすべてのエネルギーを発信しようと思います。
今の仕事を終えても,まだ人生は続くと思われますが,そのときに何をやっているでしょうか。私は教育という行為に何ものにも代え難い興味,喜び,やりがいを感じる人間です。特に,若者,子供達への教育に意欲を感じる人間のようです。
寺子屋のようなもの。学校ではないのだけれど,いろんな本を一緒に読んで生き方を議論し,一緒にいろんなものを見て,感じて,体を動かし,食べて,笑って・・・。寺子屋なのか,林間学校なのか,何だかよく分かりませんが,そういうところで若者や子供達と生き生きと将来を語っているような姿を想像して,憧れのようなものを感じました。
ふと思ったことですが,将来の夢の一つとしてしまっておきます。
また明日から現実の仕事が待っています。現実も楽しみ。
私の家に,書斎のようなものがあります。もともと,書斎で仕事するタイプではありません。子供のころから,自分の机で勉強するのがあまり得意でなく,みんながいるリビングでやったり,コタツでやったり,とそういうタイプ。よって,今でも書斎に閉じこもって仕事することはほとんどありません。
しかも,私専用の部屋ではなく,奥さんの洋服の一部や,旅行カバンなどなどいろんなものが置いてあったり,私の本なども置いてあるので,実質的には物置でしょうか・・・
その書斎のような部屋にたくさん本が置いてあるのですが,まだまだ読んでないもので読みたいものがたくさんあります。
人生,世界を知れば知るほど,さらに勉強したくなります。自分の無知に気づくのでしょう。当たり前のことですが,一生かかっても勉強し切れるものではありません。ですが,勉強するごとにステップアップしていきますから,勉強の仕方は多少は上手になります。死ぬまで勉強を楽しめるよう,興味の世界を開拓し続けたいと思います。
昨日,12/10(金)は終日,現場での調査・打ち合わせでした。
現場ではいつものように調査して,その結果を総括し,今後の進むべき方向を私の言葉で述べましたが,後々振返ってみるとかなりエキサイティングな展開でした。
想定よりも大きなひび割れが発生してしまった現場で,その原因解明をするというプロジェクトです。10月に一度現場を見ていましたが,今回が本格的な調査でした。
まずはひび割れの調査。施工状況,コンクリートの打込みの状況を現場の技術者に確認しながら,ひび割れの調査を行いました。
また,事前に,この現場に納入されていた生コン2社の材料を調達してもらい,私の研究室に送ってもらっていました。2種類のセメントの分析を,私の信頼する技術者である,日鐵セメントの佐川さんにお願いしてあり,その速報を持って現場に駆けつけてくださりました。
2社の生コンが同じ日に同じ構造物に打込まれており,しかもそれらの生コンが使用された箇所は明確に区別でき,そしてそれぞれの箇所のひび割れの発生状況が異なるようです。しかも,昨日は表層品質の非破壊検査も行いました。その結果もひび割れの発生状況とリンクしているように見えました。
さらに驚くべきは,佐川さんに分析していただいたセメントの特性と,構造物の調査結果に関連がありそう,ということです。
真相はこれから解明されますが,やはり本質的なことに取り組んでいると,すべてがつながってきて現実と符合するのでしょうか。
佐川さんと夜に飲みながら話してましたが,「2種類のセメントを分析して,その結果がどういう意味をもつのか疑問に思いながら来た」と言われてましたが,見事にツボにはまりそうです。
研究としてはかなりエキサイティングかと思います。真相解明して,論文で投稿いたします。
最近よく聞かれるWin-Winの考え方ですが,私は「7つの習慣」で学びました。他ではキーワード以外は私は見かけませんが,この言葉を使う皆さんは「7つの習慣」を読んでおられるということでしょうか。
教員-学生の関係にも当てはまります。現在の私の状況にも自戒をこめて,また過去の学生時代の私の心情も思いだしながら,以下のことを書いておきます。
教員-学生の関係にも,Win-Winはあるし,Win-Loseが一般かもしれないし,Lose-Loseもよくあるかもしれません。
人間関係というものには,一方通行は一時の恋愛を除いてほとんどないと思っています。どちらかが好意を抱いていれば他方もそうなるし,逆もまたしかり。私も人生の半分程度まで来たかと思いますが,そう実感します。
大学の教員と学生という関係は簡単なようでなかなか難しいものです。私自身も学生時代に苦手な先生がいました(一人ではありません)。苦手な理由はいくつかあると思いますが,能力的にはすごい先生で,もちろん尊敬していました。で,私が苦手に思っている,ということは,先生も私に対して同様の印象を抱いておられた,ということなのかと思います。
かなり時間が経過した今は,当時の「苦手」という印象がほとんど無くなっています。それにもいろいろ理由はありますが,触れません。その結果,先生も私に対する印象が変わられたのか,関係は学生時代とは明らかに異なるように思います。
今の私と学生の関係も同じ。学部1年生くらいであれば私をただのおっさんと思って平気で近づいてくる学生もいないではありませんが,4年生や大学院生になると私に対しては相当な警戒心を皆持ってます。ですが,私の懐まで飛び込んでくる学生と,完全に距離を置いてしまう(昔の私もそういう面もありました)学生とに分かれてしまいます。
私との間に距離を置いてしまう学生は,Win-Loseの考え方をしているように見えます。専門分野において私と議論で勝ち負けを争っても仕方ないのですが,どうもそうなってしまう。Win-Winが築ける関係とは,お互いの役割を認識して,お互いが謙虚になり,お互いが学び合える関係です。
教員と学生の関係というのは,もちろん真摯で基本は誠実に厳しく,永続的な関係だと思っていますが,まあ実際は気楽で心地よいものです。長い関係だからこそ,人間関係のトレーニングだと思って,自分の人生に生かしてもらえればと思います。Win-Loseの見方をしてしまう人は,教員との関係のみならず,すべてそうでしょうから。
9:30-14:30はPC技術協会の委員会。高強度PC鋼材を用いたプレストレストコンクリート橋の設計施工規準の作成の委員会で,私は規準作成WGの主査を務めさせていただいてます。池田先生のご推薦があってやらせていただいていますが,私以外は皆さん実務のバリバリの方々です。お勉強させていただいていることになります。いよいよ規準の完成へ向けて大詰めの作業ですが,5時間があっという間でした。実務の最前線の情報を勉強させていただいてます。
15:00-18:00は土木学会のコンクリート標準示方書の施工編の改訂部会のWG。こちらも大学関係者は私だけ。濃密な議論が3時間続き,あっという間に終わってしまいました。
今日はたくさんの方々と終日議論していましたが,大学に勤務しているのは私だけ。実務の実態のことを浴びるように吸収させていただける環境に置かせていただき,感謝です。
スギ花粉とヒノキ花粉のアレルギー持ちです。
スギのアレルギーが特にひどく,まだ飛んでいないと思われる12月の中旬辺りから咳が出始めることもあります。アレルギーの薬を飲むと治まるので,スギかどうかは分かりませんがアレルギーによることは確実と思います。
今年は異常のほどの猛暑だったので花粉症にとっては恐いのですが,さっそく兆候が出始めました。鼻が詰まり始め,目もしょぼしょぼしてきています。私の症状の特徴として,咳がひどいのですが,まだ咳は出ていません。
厳重に警戒するつもりで,来週末にはアレルギーの薬をもらいにかかりつけの医院に行こうと思ってます。