昨日は、JCIのランドマーク委員会で前川宏一先生のインタビューでした。前川先生は私の師匠の一人でもありますが、東大コンクリート研の教授で、世界トップの研究者です。その直系の弟子である石田先生(先日、教授になられました)がインタビュアーとして質問も準備され、前川先生のお話を2時間以上聞く、という非常に贅沢な時間でした。
感激しました。最後、私は涙がこぼれました。
とてもとてもインタビューの内容をここで要約することはできませんが、世界トップの研究者である前川先生も、自身が置かれた環境(東大コンクリート研)と様々な人との出会いで、これまでのご業績があります。その中で前川先生の能力がフルに発揮された結果です。
すべての人間が成長していく術は同じであり、身を置く環境と、人との出会い。それ以外にはないと思います。もちろん努力は必要ですが、良い環境に身を置いて、素晴らしい人たちと出会えば、自然に努力します。
前川先生が30代前半のときにタイのAITで2年間過ごされた時の話も、これから留学する私にとっては非常に参考になりました。私が考えていた留学中の過ごし方と似通っていましたが、さらにその考え方が固まりました。「後ろ向きのことばかりやる」
とかく、資金で援助された留学となると「前向きのことをやる」ことを求められるのですが、私はそうするつもりは最初からありませんでした。これまで10年やってきたことにきちんとケリを付ける。すべて吐き出す。リセットする。そうすることで、次の10年に向けて新たなスタートを思い切って切れる。
これまでも変化してきましたが、今後も変化し続けたい。
また、コンクリートのことを思い切り勉強する機会も、もしかすると最後になるかもしれない。これまでそれなりには勉強し、研究し、経験し、一応コンクリートのプロとなっているわけですから、本当に深く勉強するのは最後かもしれない、と思って勉強すると、意欲が高まります。最後であっても無くてもいいのですが、先のことは予測は付かないので、そう思って、高い意欲を持って、自ら勉強したいと思って、勉強することに価値があると思っています。
スピード・ラーニングの教材でフランス語の勉強を始めました。かなり良いです。
全く使えなかったフランス語(第二外国語はドイツ語でしたので)を、もしかするとそれなりに話したり、読んだりできるようになるかもしれない。それだって、すごくワクワクすることです。
昨日は、前川先生のお話を通して、その師匠である岡村甫先生(私の一番の師匠)のお考えや、世界のトップレベルの研究者、実務者(カナダのコリンズ教授、チェコのチェルベンカ、さらには岡村先生の師匠であるテキサス大学のファーガソン教授など)のフィロソフィーも存分にお聞きすることができ、あまりにも濃厚でした。
改めて、素晴らしい教育を受けてきたのだな、と感激しました。そのような教育を受けてきたものとして、社会に貢献、還元する義務があるし、また、周囲から見て「すごい」と思われるように変化をし続ける義務もあると再認識しました。
すごくすがすがしい気分です。これから数週間、かなり激務ですが、いろんな出会いがあり、いろんなことが動いていくはずです。頑張ります。
今夜は、横浜市の夜間研修「コンクリート診断」の全3回の初回で、18:30~20:30の2時間の講義を終えました。「劣化のメカニズムと評価、予測」という大仰なタイトルですが、辻幸和先生らの書かれたコンクリート診断士の資格試験の勉強用の問題集をテキストに、講義をしました。もちろん、補足資料をたくさん準備して、の講義です。
2時間、コンクリートの劣化の話(中性化、塩害、初期欠陥)をするわけですが、やはり本職ですので、伝えたいことが山ほどあり、私にとっては楽しい時間でした。
コンクリート以外のことも教育や研究でやり始めており、それらも非常に重要と認識しているのですが、やはりコンクリートにまつわる諸事の重要性、知識、考え方をきちんと説明することも非常に重要です。
10年後に何をやっているのか、本当に分からないのですが、ある後輩からは「コンクリートのことは誰か代わりの人がいるので、諦めてください」と、先日、飛行機の中で言われました。
私にしかできないことがあるので、それに専念してくれ、という意味では非常にありがたい応援歌であるのですが、コンクリートだって、伝え方次第では一般の人にとっても非常に面白いし、そこでも頑張りたい気持ちもあるわけです。
今日の研修で私がよいと思ったのは、私の説明の中に、横浜市の現場の話が複数出てきたことです。説明したかった技術的な内容は、ブリーディング、温度ひび割れ、高炉セメント、初期欠陥、過密配筋、くらいのキーワードだったのですが、それを、横浜市の現場の情報と絡めて提供できたのは、これまでの蓄積によるものであると感じました。
実践主義、官と産と学(と市民)をつなぐ意識、などが夜間研修の内容にも反映されるようになってきたのは、ここ数年の成果と思っています。
ですので、「コンクリート」から離れつつあるのですが、「やっぱり、コンクリート」をやり続けたいよ、という日記でした。。。面白い材料です。
「細田先生の講演は面白い」とよく言われます。いろんな方から何度も言われているので、真実なのだと思います。
いろいろ理由はあるとは思います。話したい内容がきちんと伝わらないと意味がないので、聴衆の立場になって聴きたい情報を聴きたくなるように提供しているつもりです。
一つ重要と思うのが、「笑い」です。面白い、ということは真剣な話題の中にも、笑いの要素があるということでしょう。基本的には私は真面目に熱血に講義したり、講演しますので、会場が大爆笑という雰囲気にはなりませんが、くすくす笑いがこぼれてきたり、調子に乗って何度もネタを連発すると、笑い声が会場に上がることも結構あります。
私が中高生のころ、ダウンタウンが関西で全盛期でした。20代のダウンタウンの笑いは衝撃に近いハイレベルのものでした。
私も進学校の中学生のころは真面目に勉強していたのですが、高校に入ったころから親友かつ悪友であった現在歯医者をしている友人がダウンタウンの笑いに導いてくれました。当時、ラジオの毎日放送で、「ヤングタウン」という深夜の人気番組があり、夜の10時から夜中の1時前まで、毎晩やっていました。ダウンタウンは毎週木曜日。当時の出演者は非常に豪華で、その他の曜日には、明石家さんまとかもいました。
頼んでもいないのにその悪友は、木曜日のヤングタウンを全部録音したカセットテープをくれたり、私もダウンタウンの笑いにはどっぷりと浸からせていただきました。おかげさまで、中学校ではほぼ3年間、学年トップだった成績は、みるみる降下していきました(笑)。バスケットボールにも精を出したので、ダウンタウンだけのせいではないと思いますが。
松本人志さんについては、いろいろと言う人もいますが、私から見ると笑いのセンスはダントツだと思います。少なくとも、若いころの彼の笑いのセンスには感激すらしました。私も兵庫県の、しかもダウンタウンの地元に近い西宮市の中高に通いましたので、日常的に笑い話を友人たちとするわけです。笑わせることを、笑かす、と言いますが、面白い話をするやつのステータスが高いような雰囲気もありました。
笑いを提供するためには、バカもできないといけません。本当に生真面目一本槍だと難しいです。
私も、数々の悪行も昔はやってきましたし、今でも、生活の隅々まで聖人君子かと言われると、ほど遠い状態です。
しかし、バカや無茶もできる、ということが実はエネルギーの源泉であり、面白い講演にもつながっている、と前向きに捉え、今後もバカをやり続けようと思います。
孔子も、最初からの聖人君子ではなかったそうですし、福沢諭吉も若いころは相当な無茶をやってます。
私も不惑の40才になりましたが、迷わずに暴れ続けたいと思います。
今夜の講演は面白くなるかしら。
講演をする機会は昔から多い方だと思いますが、2011年の大震災の後、講演する機会が非常に多くなったように思います。
昨年度の2012年度も多かったのですが、今年度の2013年度は、コンクリートに関する講演や研修の割合が減り、防災関係のものが一気に増えてきています。
ところが、コテコテのコンクリートの研修が、明日から始まります。
横浜市から依頼されている技術職員のための「コンクリート診断」という夜間研修です。横浜市にはいろいろと人財育成の点で協力を依頼されており、これまでほとんどご協力してきたつもりです。この夜間研修は、昨年度に始まり、昨年は林さん2回×2時間、細田3回×2時間の合計5回で実施しました。日常業務を終えた夜に、多くの受講生が参加され、双方クタクタですが、何とも言えない充実感はありました。
今年度は、私が10月から不在にすることや、林さんも香川高専に異動になったので、さすがにこの夜間研修は受けられないかな、と思っていたのですが結局なんだかんだで、明日から合計3回で私が担当することになりました。横浜市の職員からも私の「熱い」?研修を受けたい、とのリクエストがあるとかで、本当かどうか知りませんが、そう言われると教師の血が騒ぎます。
コンクリート診断士、というコンクリート工学会の資格の試験があり、資格取得とリンクした研修ですので、それなりにニーズもあるようです。
もちろん、私でないと提供できない情報をふんだんに盛り込んで、充実した夏の夜にできればと思います。
8/22、8/29、9/9の3回で完了です。
もう一発、大物の研修ですが、9/3(火)の午後に、仙台にて、東北地方整備局の技術職員(事務所の職員も多数)の方々60名程度を相手に、品質確保の講演をします。夜は大懇親会もあるそうで、翌日の4日(水)の午前は、復興道路の実構造物にて品質評価法(目視評価)の体験をしていただきます。体験して、その意義を考えていただく研修です。
これはかなり重要な研修になることでしょう。
というわけで、防災に関する講演が増えてきておりますが、本職のコンクリートの研修は、やはり力が入りますね。「熱意だけでは・・・」という意見もよく聞きますが、私の熱意は他とは次元が違うのであって、その情熱でいろんな連鎖が起こって、実践につながっていく、ということをこれまでも何度も経験しておりますので、今回も「熱血」を地で行きたいと思います。
私の講義でも紹介しましたが、9/10(火)に、私が幹事長を務めました日本コンクリート工学会の通称データベース委員会の成果報告会(クリックしてください)が開催されます。非常に多岐に渡る、インフラの品質確保、維持管理の先駆的な事例などが紹介されますので、ぜひご参加ください。
学生さんで、この手のシンポジウムに初めて参加するので迷っている方は遠慮なく。気軽に相談しただいても結構です。
ここまでやれば記憶に残ると思うので,最終段階を楽しもうと思いますが,JCiデータベース委員会の報告書の取りまとめに苦労しています。
今回は私の執筆箇所もかなり多いので,自身の原稿の執筆と,報告書全体のフォーマットの統一などの事務作業の両方です。
残る作業は,私の担当の原稿,2つとなりました。全部で10以上の原稿を担当していたので,当然ながら書きにくい2箇所が残ってしまいました。もう一週間以上,この報告書関連の仕事ばかりやっているので,精神的にもかなり疲れてきています。
残り2つの原稿についてですが,いざ書き始めると,指が動きます。書き始めるときには考えていなかったことも頭の引き出しから出てくるし,使うつもりでなかった図も,過去の原稿等から引っ張り出してきています。つまり,書き出せば,執筆は進んでいくのです。
村上春樹さんも次のように言っています。ストーリーも何も考えずにとにかく最初の文章だけ書いて,あとは自然に書き進んでいく。ものすごく体力を使うけど。
原稿執筆に限りませんが、とにかく漕ぎ出す第一歩が極めて重要。これまでの経験や蓄積があれば、第一歩が出れば、あとは自分の中のネットワークが情報をかき集めてくれます。人間とはつくづく、きっかけが必要なのですね。
何度も何度も経験していることではあるのですが、最近は苦しんだ末の第一歩の後の走り出しが,以前よりもスムーズになっているように思います。フランス滞在中は,これまでに溜め込んだ執筆待ちの論文等の原稿をほぼすべて吐き出すつもりでいますが,この第一歩を常に意識して,スムーズに走り続けられるようにチャレンジしてみたいと思います。
お盆休みも終わり,大学の諸活動も始まっています。
大変に申し訳ないのですが,実行委員でもあった京都での国際会議ですが,不参加としました。結局論文も出さなかったし,自身が幹事長の二つの委員会の取りまとめのまさに佳境で,そちらを優先しました。データベース委員会の報告書は,本日,何とか完成しそうです。私自身が抱えていた原稿もかなり多かったので,苦労しました。
自宅の片づけも少しずつ進めています。10月ごろの渡航を機に,不要なものはすべて廃棄です。
オフィスの片づけもだいぶ進んできました。渡航中は,秘書さんに書類等の管理をしてもらうので,これを機会に不要な書類をすべて廃棄し,棚に置く書類等も秘書さんが分かりやすい形で整理していただきます。以前,本格的な廃棄を一度やりましたが,それに続いて第二回目です。つくづく,不要な書類を抱え込んでいるものだと感じます。
まだ,日本でやるべき仕事がたくさんありますが,少しずつ,渡航後の生活のことを想像するようになりました。とにかく私が一番求めているのは時間であり,日本での時間も大変に貴重なのですが,日本にいると決してできない時間の使い方ができるわけです。そのために行くようなものです。
その時間を使って,いろんなことをやるつもりですが,それらをやるための段取り,準備を開始した,ということです。
10年というまさに絶妙のタイミングでの区切りとなるわけですが,物理的にも精神的にもリセットする非常によい機会になりそうです。
8/15(木)に,我が家のベランダから間近に見える超一級の大田区の花火大会を家族,親せきと堪能し,子供たちが田舎から我が家に帰ってきました。この花火大会をこのベランダから見るのも,今年が最後です。
8/16(金)は奥さんが出勤したため,子供二人と三人で過ごしました。8/15に家の掃除やおもてなしのために全く仕事ができなかったので,この日は育児と仕事を両立する作戦。
私は朝の8時ごろから仕事を開始しましたが,三人でテレビ体操をした後,子供たち二人に提案して,時間割を作ることに。9時~,10時~(おやつ含む),11時~のスケジュールを三人それぞれが決めて,毎時間、終わりの会を実施。私はもちろん,データベース委員会の報告書の原稿執筆。はかどりました。12時からはお昼ご飯。粗大ごみや家庭ごみを出す家事もみんなでやりました。13時からさは,行きつけの室内プールに行く準備。
私と長女の共通の見解でしたが,休みの日でも時間割を作ると,あっという間に時間が過ぎて,時間が充実する,とのことでした。
プールでも子供たちと触れ合い,しっかりと泳いで運動することもできました。
この日は報告書執筆がはかどり,行き帰りのバスや電車でもひたすら原稿を執筆していました。
三人で回転寿司でお腹を満たした後,尾花沢の大玉スイカやブドウなどを購入して,歩いて帰宅。スイカがあまりにも重く,帰る途中に4回ほど地面に置いて,持つ腕を替えるほどの重さ。夜のデザートにもなりました。
あっという間の一日でしたが,体も十分に動かし,とにかくこのお盆休みの重要タスクであるデータベース委員会報告書の取りまとめ作業もだいぶ進んで,心地よい眠りにつきました。
今日は,あと2週間ちょっとに迫ってきた首都防災ウィークのミーティングに出席するように要請があり,初めて東京都慰霊堂に入ってきます。私は9/7(土)の防災シンポジウムが主たる担当ですが,8/11の平塚での家具固定勉強会を終えて,首脳の木谷正道さんにも我々のやろうとしていることが単発的でなく,大きなうねりになりそうな雰囲気を感じ取っていただけたようです。木谷さんからも9/7(土)の防災シンポジウムを全面的にバックアップしていただける,と言われていますので,私はとにかく内容を魅力的にするように知恵を絞るのみです。
今朝からいよいよ,データベース委員会報告書のフォーマット確認等の最終校正作業も開始しました。私の原稿がまだ25%くらい残っていますが,これも合わせて明日には作業を完了できそうです。 これだけの労力を委員会報告書の作成に割くのはもちろん初めての経験ですが,委員の皆さんの思いが詰まった原稿すべてに目を通せますので,楽しい作業でもあります。
大学の研究者ですから、本当にやりたいことを研究のテーマにすべきなのでしょうが、なかなかそうもいかないのが現実です。
本当にやりたいことではないのに、なぜやるのか。いろいろと理由はあると思いますが、例えば、
・その研究をやるとお金がもらえる。
・誰かに「やれ」と言われたからやる。(これが結構多いですかね)
・自分の使えるツールで研究を実施できる。(実験装置がある。数値シミュレーションのツールがある、など。)
・その分野で流行っている。
・意義があるように見える。
まあ、いろいろとあるのでしょうが、私も大学に赴任当時は、なるべく本当にやりたい研究をやろうと努力はしていたものの、今思えばとてもその状態からはほど遠い状態でした。そもそも、本当にやりたい研究というものが無かったようにすら思う。
特に、コンクリートの研究のように、これまでの蓄積も大きく、非常に多くの技術者、研究者が関与している分野においては、一研究者が大学で何か研究をしたって、目に見えて世の中が変わることなどめったにない、というのが現実です。そういう状況で、本当に心に誓ってやりたい研究をやっているか、と言われると難しいわけです。
この9月が終わると、横浜国大に来て10年が経過します。一つの大きな区切りと思っています。
大学教育が本職ですが、小学校の教育は非常に重要であり、何らかの貢献がしたいと以前から思っていました。本当に思うのであれば実践すればよい。ですから、最近は防災教育を研究テーマに掲げ、実践しています。
JR東日本で修業していたときは、「実構造物が良くならないと、研究しても意味がない」と教わってきました。実構造物が良くなるような実践的な研究がしたい、と赴任当時から思っていましたが、今はまさにその最前線に立っています。山口システムとの出会い、東北復興道路の品質確保とのご縁のおかげです。
自分の「使える」ツールにとらわれるのが大嫌いな性分でした。たまたま自分の実験室にこのような実験装置があるから、それを活用できるテーマを設定する、というような発想に根本から違和感を覚えます。ですから、世の中にないSWATが開発できたと思っています。
一見、脈絡のない研究テーマ群が並んでいるように思うかもしれませんが、私の中ではなんとなくすべてつながっています。取り組んでいる人間が同じなのだから、共通点があって当たり前です。その共通点については、もう少し考察して、別の記事にします。
10年後に何をやっているのか知りませんが、自分が本当にやりたいことをやっている研究者、技術者、教育者でありたいと思います。そうできるように、自己鍛錬したいと思います。
11日(日)に、平塚で家具固定の勉強会に参加してきました。非常に充実した内容で、これから平塚でも大きな動きが生じると思います。
私たちの研究室の動きに共感してくださった木谷正道さんが本拠地の平塚で家具固定の勉強会を企画してくださり、40名程度の参加で熱気にあふれた4時間となりました。
まず、龍城が丘という自治会のリーダー格のお宅を昼過ぎにご訪問して、先駆的な家具固定の事例を見学させていただきました。平塚の大工さんが実施した事例で、プロの家具固定はやはりすごいです。
その後、平塚駅近くの会議室にてシンポジウム。様々な人が集まっていました。平塚の自主防災組織のリーダーだったり、弁護士、保険業、一級建築士、横浜市の防災組織のリーダー、など数え上げると切りがありませんが、皆が真摯な思いを持ち、それぞれの持ち場で一所懸命に頑張っておられる方々でした。
私はいわゆる基調講演的な位置づけで30分、冒頭に話をしましたが、私の現在の力で発信できるメッセージをすべてお伝えしたつもりです。
家具固定は非常に面白い。命を守るために非常に大切ですが、なかなか普及しない。家屋の耐震補強に比べたら、普及させるための手段がいくらでもあり、もしかすると家屋の耐震補強よりも命を守るためには家具固定の方の重要性が増していると言っても過言ではない。
私の指導する渡辺君、伊藤さんも話題提供し、東京の大田区のマンションで家具固定を実践し、私の学生たちの先生役の篠原さんも話題提供しました。
その後、皆さんと非常にクリエイティブなディスカッションができました。平塚では今後の突破口になるかもしれない、あるお宅での家具固定を皆で知恵を絞りながら実践することになったそうです。また、家具固定を真剣に展開していく仲間のメーリングリストもできるとか。
私は自分のやるべきことに注力するのみです。私の中では、家具固定はあくまで「手段」。11日の講演のタイトルも、「『手段』としての家具固定と、その重要性」でした。
では、私の目的は何か。
講演で申し上げた私の目的は、「国民の防災に対する意識を高め、主体性を発揮させ、家具固定に留まらない防災における創意工夫、地域連携を生み出すこと。」です。
今日、いよいよ私にとっての予定通りのお盆期間がやってきました。孤独な原稿執筆期間です。子供たちは両親の家に遊びに行っており、奥さんは仕事なので、まさに終日、何をやってもよい、という一日です。明日は、午前に学生たちのコンクリートカヌーを鶴見川に運搬する業務が発生しましたが、運搬後は大学のオフィスでひたすら原稿執筆に専念したいと思います。
今日は早めのお昼ご飯を横浜そごうの竹葉亭で。うなぎの中入丼と、もずく、純米酒でいただきました。よく一人で食べにくる店なのですが、しばらく前から、ここのうなぎを食べたいと思っていました。なかなかタイミングが合わず、今日はうなぎを堪能しました。読んでいた本は、ゲーテの「ファウスト」。面白いです。そごうの本屋で下巻も購入しました。
今夜の夕食は、久しぶりに特製のゴーヤチャンプルを作ることにしました。島豆腐とゴーヤ、豚肉、卵、昆布茶(隠し味)を買って、帰宅前に少し喫茶店で原稿執筆を行いました。
帰宅後、データベース委員会の報告書でたくさん抱え込んだ原稿の一つをほぼ完成させました。山口県のひび割れ抑制システムから土木学会のコンクリート標準示方書等へのフィードバック、について論じる節だったので、かなり重要な内容だな、と書きながら改めて感じました。たまたまではないと思いますが、今回の示方書改訂では、設計編、施工編、維持管理編それぞれでひび割れに関する箇所の改訂に関わることができましたので、これまで実践的に学んできたことを、しっかりと記述するように最大限の努力をしました。その成果について述べました。
今日と明日で、私自身の担当箇所の8割くらいは終わらせたいと思っており、今日、その半分以上を書き上げたいと思います。全くのゼロから書く箇所も少しはあるかもしれませんが、基本的にはこれまでに行ってきたこと、どこかに執筆したことなどをブラッシュアップしながらの原稿になると思うので、ある程度の勢いを大切に、一気に書き進めたいと思います。
明後日は自宅のベランダが、これ以上ない特等席となる花火大会があるため、自宅にたくさん親戚が来てにぎやかになりますが、それもまた楽し。今日、明日の孤独な執筆時間も、長く私の記憶に残るであろうデータベース委員会の報告書になるのですから、楽しみながら過ごしたいと思います。
9日(金)の夕方は、小松君の博士論文の予備審査でした。東大の石田先生にも学外審査委員に入っていただき、昨日の予備審査では貴重なアドバイスも多々いただきました。夜は三人で軽めの暑気払いもし、小松君は石田先生、細田から多くのアドバイスを浴びておりました。幸せですね。
さて、昨日の研究の内容は、LINK3Dという東大コンクリート研が開発した数値シミュレーションも活用し、若材齢からのコンクリートの変形、ひび割れの挙動を材料レベルから実構造物レベルで解明する、というものです。私が以前からやりたいな、と思っていたことを、小松君にチャレンジしてもらっています。数値シミュレーションも、材料、部材レベルのかなり難しい実験も、実構造物の挙動の解明も行いますので、盛りだくさんです。コンクリートどっぷりです。
一方で、昨日の暑気払いでも三人で笑い話になったのですが、私の研究対象はかなり多岐に広がってきています。
7月上旬には、鞆の浦の平地区というところの稲葉電気という電気屋さんの稲葉さんと1時間半くらい、鞆の防災について語っていました。大雨の日だったのですが、一緒に防災の研究をしている4年生の渡辺君と伊藤さんと一緒に、稲葉さんに赤間君の卒業論文を渡しに行き、1時間半、お説教、ご指導いただきました。土木のコンクリートの最前線?の研究者が、稲葉電気で議論している。面白いです。
また、その日の午前には、鞆の浦のさくらホームの離れで、私が広島県の担当者と鞆の浦の交通問題について議論していた。鞆の浦の自治会長に紹介されて面会しましたが、コンクリートの研究者が、鞆の浦の交通の問題について行政と議論している。面白いです。
今日は11日(日)ですが、平塚で家具固定の勉強会です。40人近く集まるそうで、私は講師役の一人です。これまで実際に家具固定を実践してきた業者さんも参加するようで、今後の家具固定、防災のあり方を考え、実践につなげていく有意義な時間になろうかと思います。金曜日には、東大生産研の目黒先生の家具固定に関する論文を勉強しておりました。
むやみに展開することがいいとは決して思いませんが、自分のやるべきことに注力し、周囲との連携や自然の流れにある程度身を任せて、地に足をつけながら展開していくことは良いことだと思っています。フィールドが広がることで視野が広がり、多くの人とコミュニケーションすることで、鍛えられ、実践が達成されていきます。
結局、研究とは、その人の人生そのものだと思います。人間のすべてが研究に表れると思っています。私は、コンクリート、マネジメント、防災という研究を通して、私の人間力すべてを活用し、私そのものを表現しようとしているのだと感じ始めています。まさに微力ではあるのですが、社会に少しでも貢献できればと思います。
昨夜、作詞家で有名な阿久悠さんが愛してやまなかった高校野球についての番組がNHKでありました。新聞のコラムの連載に高校野球についての詩を書いておられたとのことで、その中でも特に印象的な詩2つと、その詩の主役である、山口の宇部商業のエースピッチャーと、岩手県の高田高校のチームのその後の取材がなされていました。素晴らしい番組でした。高田高校は、あの陸前高田にある高校です。当然に津波で被災しました。
番組の詳細は書きませんが、この取材を行った方もライターの方で、阿久さんの詩を励みに、彼らがその後の人生を力強く生きていっている様子を、故人である阿久さんに詩で報告するというものでした。
結論として、阿久さんは、彼らに人生の道しるべとなるような詩をプレゼントしたのであろう。阿久さんは、人を愛してやまない方であった。もっと言うなれば、人が生きる、ということを愛してやまない方であった。素晴らしい。
私も、愛、を大切にしたいと強く思う人間です。
2012年5月の台湾での社会マネジメントシステムの国際会議で、徳山高専の田村先生が山口県のひび割れ抑制システムを発表されたとき、座長であったオーストラリア人の先生(弁護士でもある)は、「愛にあふれたシステムですね」と言われた。
また、現在活動中のJCIの通称ランドマーク委員会は、私も幹事の一人として参加していますが、委員長の今本先生、副委員長の石田先生らと、この委員会の根幹はなんですかね、と議論すると、結論は「愛」でした。
愛に欠ける方が増えてきたこのごろでございますが、ストレートに愛を表現する研究者であり続けよう、とオフィスの中で一人、思いました。
今年は、お盆休みに片づけるべき作業が唖然とするほど多く、休みゼロになりそうです。以前からその覚悟はできておりましたが、いよいよお盆集中作業期間が近づいてきており、逆に気分が高まってきています。
JCIのデータベース委員会の報告書、シンポジウム論文の取りまとめ作業を一人で行うので、それだけで膨大な作業。かつ、私自身が執筆する報告書の原稿作成もこれからです。
もう一つの大物は、土木学会の津波委員会の報告書のとりまとめ作業。こちらも第一稿は出来上がっていますが、そのブラッシュアップや、私の担当箇所の改善にかなり時間がかかりそうです。
子供たちは私の両親に預かってもらっており、お盆期間は本当に自分の仕事に専念できる環境です。
また、ここのところ奥さんが激務で、会社の近くのホテルに泊まる日が多く、自宅に私が一人で住んでいるような状況。しかも、今朝から奥さんは香港に二泊で出張に出かけてしまいました。何ともすごい家庭でございます。
明日は、私が指導する日本人としては初めての博士課程学生の小松君の予備審査。11日(日)には、平塚の自主防災組織と家具固定に関する勉強会や意見交換会を行い、私は30分の話題提供をします。
自然と、生活の中心が研究にシフトしていました。かつてないお盆集中作業期間になりますが、後年振り返って思い出になると思いますので、楽しく一人で頑張ろうと思います。
しばらく低空飛行でした。
最低限の仕事はもちろんしていましたが,どうにも気力が湧いてこない。天候も不順で,それも体調や精神状態に影響はしていると思いますが,それでも自らが奮い立たない状態は非常に歯がゆく,自身のレベルの低さに失望してしまいます。
抱え込んでいる業務がやはり多く,すべてをこなすのは不可能であると再度割り切り,私がやらなくても変わらないものについては「諦める」ことも積極的に選択することにしました。一方で,私がしっかりとやらないとガタガタになってしまうことについては,責任感を持って全力を尽くすことにいたします。
これまでも,周囲の信頼できる,私の大好きな方々と一緒に仕事を進めてきました。持ちつ持たれつで,ポジティブな,刺激的な議論を重ね,形にするように努めてきました。まだまだ至らない点は多いですが,活字になった論文や解説文なども,以前のものに比べると影響力が大きくなってきていると実感します。これは,仲間,同志と積み重ねてきた真摯な活動の成果です。学術的な価値の高さは知りませんけれど,世の中の実際が良くなることに貢献できる潜在力は大きいと思っています。
私が幹事長を務める大きな二つの委員会の報告会が近づいています。それらの取りまとめ作業には,できうる努力をしたいと思っています。今日はそのための作業を本格的に開始しましたが,8/10(土)からのお盆も返上で,今年は仕事三昧のお盆になりそうです。
夏休みということで子供たちが私の両親の家に遊びに行っています。
今日は夫婦で,それぞれやりたいことを日中こなし,夕食は年に1,2回程度になってしまいましたが,二人でデートです。
仕事に対する意欲が戻ってきましたので, 本来のパフォーマンスを発揮できるよう,頑張ります。