細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

350委員会 中間ワークショップの動画配信

2016-02-25 13:42:15 | 研究のこと

副委員長を務めております、土木学会の350委員会(コンクリート構造物の品質確保小委員会)が2015年11月7日(土)に土木学会講堂で開催した中間ワークショップの様子が動画で配信されることになりました。

セッション1~セッション4までの研究発表と、4つのパネルディスカッションが基本的に全て見れますので、関心のある方はぜひご覧いただければと思います。

350委員会のチャレンジはこれからも続きますが、これまでにない3種委員会、これまでにない研究委員会の活動を引き続き模索していきたいと思います。


メインテナンス

2016-02-25 11:59:25 | 人生論

いつまで生きるのかは神のみぞ知る、ですが、まあ常識的に考えて時間軸で人生の折り返し地点の近くにいるわけですが(とっくに過ぎているのかもしれませんが)、心身のメインテナンスの重要性を日増しに感じつつあります。

講義でもときどき話す、人間の身体の中でもっとも劣化しやすい部分でもある歯、については、数か月くらい前からメインテナンスを強化しています。大事に使っていきたいと思います。

ブログでも何度か書いてきた、ひざ痛についても改善を重ねています。カイロプラクティックに通い、ひざだけでなく全身のメインテナンスも行っています。また、ほぼ毎日のテレビ体操に加えて、柔軟体操も模索し始めました。身体が硬いことがひざ痛の根本原因の一つであるためです。テレビ体操の時間の前後に柔軟体操を付け加えるのが良さそうですが、朝に20分近くの時間を取ることになります。何とか習慣化を目指したいと思います。また、本でもひざ痛を勉強していますが、サポーターも着用し始め、相当な効果を感じています。結果、痛みをほとんど感じない状況に至っています。

ひざ痛は天からのサインであると認識し、自分の身体を良く知るきっかけにさせていただき、うまく付き合っていこうと思っています。 

土木史の学生の最終レポートを読んでいるととても面白いのですが、すごく優秀で頑張る学生のレポートの中に、「一日6時間睡眠するとして、残りの60年の人生の15年は寝て過ごすわけである。」と寝る時間が無駄な時間であるかのように論じているものがありました。若い学生にとってそう考える気持ちはとてもよく分かります。

でも、寝る時間が本当に無駄でしょうか?

朝の20分の体操は無駄な時間でしょうか?

大好きな、文化放送の「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」からもいろいろと学びましたが、人間は、意識していることよりも、無意識の領域の方が大事であったり、本質であったりします。

自分の顕在意識で活動している時間帯が本質なのでしょうか?

私は、生命体としては、そちらが本質ではなく、寝ている時間帯(メインテナンスの時間帯)に生命がバランスを取り戻し、起きている時間帯にはそのバランスを崩しながら活動している、と感じるようになっています。

寝ることによって、日中のインプットを脳が整理し、起きた時に定着している、ということは自分自身でも、また娘の百人一首の記憶を見ていても、感じます。

メインテナンスこそが本質なのかもしれません。

身体だけでなく、心も同じ。

笑うことは、心のメインテナンスかもしれない、と昨日思いました。

別のエッセーで改めて書こうと思っていますが、昨日は、土木史の大家である緒方英樹さんにお越しいただき、台湾見学会に参加する学生たちに八田與一のレクチャー等、大変に濃厚にご講義いただき、 懇親会も楽しい時間でした。緒方さんが、「学生たちの雰囲気がすごく良かった。純粋で前向きで、非常に感じが良かった。台湾に見学に行く前のレクチャー、というタイミングもとても良かったですね。」と私におっしゃいました。また、横浜駅でお別れするときに、「すごく気持ちよかったです」と振り返られました。

そのような場が大学にある、ということが極めて大切で、私たち、YNUの土木にはそのような場がしっかりと残っています。そのような場に浸ることで、心もメインテナンスされる。

今日はおそらく一年で唯一の日ではないかと思いますが、終日、自室で仕事です。楽しんでおります。。。 


「自分に正直に生きる素晴らしさ」

2016-02-25 11:02:00 | 教育のこと

もう少しで、土木史の最終回のレポートの採点が終わります。とても楽しく採点しています。以下は、建築都市・環境系学科の1年生の男子学生のレポート。

「タイトル:自分に正直に生きる素晴らしさ

人は誰しも周囲との関わりの中で生きている。そして、人は誰しも欲望があり、プライドがあり、他人との考え方との違いもある。その中で我々は自分に正直に生きているだろうか、ということを私はこの授業の中で何度も考えさせられた気がする。

この授業が始まってから何回かたつまで、私は細田先生を少し疑っていた。様々な常識を批判的に見ていて、今までこんな話をする人を見たことがなかったからである。当然、周りの人の中にも私のような人はいたので、あの先生変わってるね、なんて話をしている人たちを見たこともあった。けれども良く考えてみると、先生を疑っていた自分は自己を持たず、周囲の風潮、一般常識に流されていただけで、「意識高すぎる系」をかっこ悪いと思っていたのだと思う。

何度もこの授業を受けるにつれて、私の中で何かが変わってきた。レポートにも素直に自分の考えをかけるようになってきた。それらしいことを書こうなどと思わず、正直に自分の考えをぶつけてくる先生に、本気で自分の考えをぶつけたいと思う私がそこにはいた。そんなやりとりを続けるうちに私はそれを楽しいと思うようになった。

自分に正直に生きる楽しさが分かったような気がした。そんな、周りに流されず自己を貫く素晴らしさを教えてくださった先生にはとても感謝しています。」

うーん、15回、講義を頑張ると伝わるんですね。教養科目で300人近い学生を相手にしてのこの講義スタイルはあまりに疲れるので、新しくできる都市科学部の中では教養科目から撤退する方向で調整が進んでいるのですが、やっぱり教養科目として頑張ろうかな、と今日は思ってます。。。自分の首を絞めるだけ? 


経験

2016-02-21 13:31:47 | 人生論

経験の必要ない仕事、など無いのかもしれませんが、仕事により経験の重要性は異なるものと思います。

私の関わる土木の仕事は、経験工学と言われる場合もあることから、経験の重要性が大きい分野であると思います。

日々の仕事に真剣に取り組み、全うな経験を重ねていくことが、仕事力の向上につながる、という意味では土木を職業としていることは幸せなことである、と私は思っています。なかなか成熟に至らないので、少なくとも努力のしがいはある分野です。 

一つの例として、コンクリート標準示方書、があります。私が育った研究室や職場では、岡村甫先生にしても、石橋忠良博士にしても、コンクリート標準示方書の第一人者であった方々に教わってきました。非常に重要な技術規準ですから、それらの先生方のように、示方書の改訂に貢献できるといいな、と学生時代や卒業直後は思っていました。

しかし、示方書というものは、そもそも学生が読んで面白いものではありません。学生の間に通読することはよほど問題意識を持っている人か、強制的に読ませられないと、できることではありません。また、読んだとしても、問題点や課題を見出すことは、よほどの人でないとできないと思います。

私自身は、私が組織してリーダー役も務めた有志勉強会の示方書勉強会(現在は活動休止中)での勉強がまずは基礎になりました。この勉強会を組織するには、JR東日本で実務経験をさせていただいたことが問題意識の根底にありました。

次に、30代半ばで勉強させていただいた、PC工学会の高強度PC鋼材を活用するための設計施工指針の原案作成WGの主査を務めさせていただいた経験が後々から見れば大きかったように思います。ゼロから指針を作っていく過程をすべて見させていただいたのは大きな経験となりました。

その後、2012年版の示方書の改訂(施工編と維持管理編)に関わることになり、これも大きな経験をさせていただくことになりました。 

2009年からは山口県のひび割れ抑制システムに関与させていただき、2012年からは東北地方整備局の品質確保・耐久性確保に関わっています。山口県の品質確保ガイドや、東北地方整備局の品質確保の手引き等に、実践的に関わらせていただき、多大な勉強を積んでいます。

現在は、示方書の維持管理編と施工編の連係すべき箇所についての改訂WGの主査を務めさせていただいておりますが、いろいろと改訂のアイディアを議論しているところです。

示方書を読んでいても面白いし、改善すべき点もいろいろと見当たります。また、そのような議論を周囲とクリエイティブにできることも楽しいです。

私の着眼点や改善案のレベルはまだまだ低いと思われ、もっと経験を重ね、創造的な仕事ができるよう精進したいと思います。

博士課程修了後の15年程度の経験ですが、若いころは全く見えなかったものが、見えるようになってくる、というのもこの分野での経験の意味です。

私自身がもっと社会に貢献できるように研鑽を積むことは当然ですが、技術や規準類がどんどんと細分化し、量も増えていく中で、若手が経験を効率的に積み、実践での戦力となるように育っていく環境を整備していくことも極めて重要と思います。350委員会にはそのような土壌が潜在的にあるものと私は思っており、若手・中堅に徹底して活用してもらえればと常に願っています。 


「人対人」で学ぶ

2016-02-19 18:29:27 | 教育のこと

たまにはのんびり、ということで、金曜日の夜、缶チューハイを飲んでリラックスしながらオフィスでレポートの採点をしています。

土木史と技術者倫理の最終回(1/26)は、学生たちが充実した人生を生きていくために私にできるアドバイスをしました。

そのレポートの中に、以下のようなものがありました。女子学生のレポートです。

「 タイトル:「人対人」で学ぶ 

「土木史と技術者倫理」は、大多数の講義と異なり、先生が「見える」講義であると思う。多くの、特に一般教養の講義は、教科書が講義の中心であったり、スクリーンが中心であったりで、「先生・講師が」講義をするものは少ないという印象を持っている。

しかし、この講義では、先生が自身の経験や知恵を私達に広げて見せてくださるという「人対人」の教室が出来上がっている。もっと教科書に沿った内容の講義を、という意見があったということ だが、それでは意味がない。普通の「教科書対人」の机上の知識しか入ってこない授業になってしまう。

この講義で私が多くの考え方に気付き、自分の欠点を知り、分からなかった概念を手に入れることができたのは、先生が私達に教師という職ではなく、人生の先達という人間の立場から、人として言葉を発してくださっていたからだと最後の日に気付いた。

見学会でも、話しかけて体験談などを教えてくださったことがあった。やはり、良い本も大切だが、人から吸収していくことこそ、「学ぶ」ことの本質なのだろう、と本講義を通じて理解した。」

もう10月以降の繁忙期でくだびれ切ってますので、今日は上記の女子学生のレポートの余韻に浸りながらリラックスして(他にも秀逸なレポートたくさんありますが)、したい仕事や読書等、します。

教師という仕事、大事ですね!週末はもりもり頑張ります!


2016-02-18 15:39:42 | 趣味のこと

昨日の17日は本屋で5冊本を買いました。

16日が卒業論文の審査会でした。私の指導学生は3名、とこれまでの中では少ない方でしたが、無事に終了しました。トンネル覆工コンクリートの研究を行った岩間君の研究は大いに進捗し、早速投稿論文の原稿作成に着手しましたが、来年度も研究室チームで強力に推進し、実務でのひび割れ防止設計方法の確立につなげたいと思っています。少なくとも、復興道路の断面であればひび割れは防止できると私は思っており、来年度の前半にその解を出すつもりで努力します。

今年度は学部教務委員であったこともあり、卒業論文審査会そのものや、前後の段取りもいろいろとあり、さすがにくたびれました。審査会終了後は研究室の慰労会もありましたが、2次会は小松さんと二人で反省会。

17日は前日の疲れが残った状態でスタートしましたが、午前はゆっくりしました。本屋で5冊本を購入し、読みたい歴史に関する本を通勤のバスで読み、知的興奮を覚えました。早速、蘇我入鹿の暗殺事件の真相について、18日朝の通学時の長女に話しました。長女も興奮しながら聴いておりました。ゆっくりと読書を楽しめる日が早く来るとよいのですが、まだしばらく来そうにありません。

17日には、M2渡辺君の水路での耐津波の自己浮上式PCシェルターの浮上実験の第一弾の立会い。いろいろと面白い現象が見れました。難しいテーマだったと思いますが、苦労しながら進めてきた渡辺君も最終審査後ではあるのですが、面白いステージに到達できてよかったです。今後、3月上旬まで、実験、解析、論文の修正が続きます。2月24日13時からは、公開実験第一弾を行うことにしました。

17日夜は、あまりにくたびれており、奥さんが海外出張中のために家のサポートに来てくれている私の両親や子供たちと一緒に夕食を食べ、その後は就寝。

今日の18日になって、ようやく種々の仕事モード。今学期に多くの講義を抱えていたり、学部教務委員ということもあり、期末テストの採点も含む成績評価にもかなり時間を取られます。

また、コンクリート標準示方書の改訂委員会も活動中で、私も、施工編と維持管理編の連係の主担当になっており、明日のWGに向けての作業も行いました。明日のWGに向けては目途が付いたので一安心。

さらには、新学部対応の、明日の朝までに対応すべき仕事の段取りも行ったので、実際の作業は帰宅後に行う予定。

研究関係の原稿執筆等も溜まっており、トンネル覆工コンクリートの品質確保の手引きについての私の宿題や、投稿直前までこぎつけた土木学会論文集の原稿(昨年度のM2の研究)、学会誌等の原稿執筆3本は、2月中に片を付けるべき業務です。

3月は国内外の出張が非常にたくさんスケジュールされており、楽しみでもありますが、まずは2月を満足できる状態で終えたいと思います。


品質確保物語⑥ 「山口県の品質確保システムの課題と今後の展望 -地道な取組みを続ける-」

2016-02-17 09:41:06 | 研究のこと

連載、品質確保物語も6回目になりました。

6回目は、品質確保物語で初回から紡いできた、山口県の物語の最終回になります。 最終回という意味は、今現在の課題と今後の展望を述べていただく、という意味で、山口県の物語はこれからもまだまだ続きます。

山口システムを主導してこられた二宮さんが今年度で退職され、新たな道を歩み始められますが、山口システムにとっては来年度以降、新たなチャレンジが始まることになります。田村先生も私も、そしてもちろん二宮さんも、これまでとは異なる形になるでしょうが、山口システムや、品質確保システムの発展、展開、定着、に関わり続けていくことになると思います。

次回の7回目は八戸工大の阿波稔先生にお願いしております。山口県で開発された施工状況把握チェックシートを東北での寒中コンクリートでの施工用に発展させた取組みを含め、東北での品質確保・耐久性確保の取組みに物語の軸足が動いていきます。

私は8回目からまた登場して、品質確保の手引きや、トンネル覆工コンクリートの品質確保等の執筆をしていきます。

引き続き、お楽しみに!

 


東北地方整備局の「コンクリート構造物の品質確保の手引き(案)」

2016-02-16 05:59:48 | 研究のこと

東北を舞台に、コンクリート構造物の品質確保、耐久性確保の産官学協働のプロジェクトが推進されているのはご存知の通りです。

産官学で勉強した成果を、手引きとして制定し、水平展開する段階に入ってきています。品質確保の手引き(案)の第一弾として、一般構造物編(橋脚、橋台、函渠、擁壁編)がリリースされました。 

引き続いて、トンネル覆工コンクリート編やRC床版編などを作成中で、年度内には完成、通知の予定です。日本各地への展開の基礎にもなると思います。 


3月21日(月祝) 竹村公太郎さんの講演+地図ワークショップ

2016-02-16 05:34:16 | 教育のこと

横浜国立大学 IUI(都市イノベーション学府)修了展レクチャーのご案内です。ゲストは、あの竹村公太郎です。「日本史の謎は「地形」で解ける」でおなじみですね。

奮ってご参加ください!基本的にどなたでも参加できますが、このブログを見てご参加される方は細田までご一報いただけるとありがたいです。

日程:3月21日(月祝)
時間:14:30〜16:30
会場:BankART studio NYK (旧日本郵便倉庫)
    横浜みなと線「馬車道駅」から徒歩4分
〒231-0002 神奈川県横浜市中区海岸通3丁目9
http://bankart1929.com/contact/index.html

タイトル:「地形から見る日本文明と都 ―奈良、京都、江戸、東京そして横浜開港の謎―」

登壇者:竹村公太郎氏

司会:細田暁(土木)

14:30 – 15:45 レクチャー(ppt使用)

15:45 – 16:30 地図ワークショップ

地図ワークショップ概要案:

横浜(又はそれ以外でも、面白そうな場所)の地形だけの地図等の資料を来場者の方に配布しておく。そこから、お題の都市がなぜ、どのように発展してきたか、気がついたことを挙手制で議論する。ワークショップの最後に質疑応答を含める。

講演紹介文:
IUI修了展最終日には、元国土交通省河川局長であり、土木工学が専門の竹村公太郎さんをお招きし、レクチャーを行います。建設省(現国土交通省)にてダム・河川事業を担当していた経験より、「地形」「気象」という条件に基づき文化を再考する竹村さんの視点を学ぶことは、私たちに別の視点からものごとを捉えることの可能性を示唆してくれるでしょう。

今回は竹村さんのレクチャーに加え、参加者が実際に地図から都市の発展を読みとき、ワークショップを行います。私たちが生きて活動する舞台が、どのようにインフラストラクチャーによって制御され、文化や都市の発展に影響を与えてきたのかを考えます。

プロフィール
竹村 公太郎
1945年生まれ。横浜市出身。1970年、東北大学工学部土木工学科修士課程修了。同年、建設省入省。以来、主にダム・河川事業を担当し、近畿地方建設 局長、河川局長などを歴任。2002年、国土交通省退官。現職のほかに、日本水フォーラム代表理事も務める。著書に、『日本文明の謎を解く』(清流出 版)、『日本史の謎は「地形」で解ける』(PHP研究所)などがある。


緊張

2016-02-12 16:58:59 | 人生論

新年になってから、ひざ痛を契機に整体(私の通うところは、カイロプラクティック)に4回ほど通いました。通う前に比べて明らかにひざ痛は軽減しましたし、 体全体に蓄積したひずみや疲労も軽減しています。先生との相性も良く、マッサージでも私の身体の張って、凝り固まったところを十分に揉みほぐしてくれます。

2月に入ってから、タイトなスケジュールが続き、各地での講演や研究室冬合宿、M2の最終審査、鞆中学校での防災授業などが終わり、見えない疲労が溜まっていたようです。今朝も通ってマッサージもしてもらいましたが、筋肉も相当にかちこちになっており、各所が張っていました。精神的にも緊張していたようですが、体の各所も緊張していたようです。

適切に身体をメンテナンスすることの重要性を感じます。

精神面や学術面で未熟であることもあり、まだまだ若いつもりで勝手にいるのですが、身体はそうではないようです。整体に通わなければ、早晩、ひざだけでなく、腰等にも不具合が出ていたのではないかな、と思われます。体操はほぼ毎朝行っていますが、それと別に柔軟体操も少しずつ始めてみることにしました。上手なやり方を学んでこれも日課にしていきたいと思います。

10月以降、休みらしい休みは取れていないので、疲労が蓄積するのも当然かもしれませんが、2月末までは何とか頑張ろうと思います。

まだ40代の前半なのだけど、50代、60代と体が持つでしょうか。できるうちにできることをやっておかないと、ですね。


理科の防災授業

2016-02-11 09:02:29 | 研究のこと

10日は鞆の浦へ。今年度、二つ目の、現実の「教科」での防災授業を学校の先生と連携して行う日でした。一つ目は、12月に実施した国語での防災新聞プロジェクト

理科では、担当の池原先生と相談した結果、土砂災害を軸に行くことにしました。鞆の浦は土砂災害の高いリスクを抱えていることもありますし、池原先生の事前の調査により、この生徒たちは実験が大好きなのですが、学んだことが実社会にどう活かされるのか分かっていない、というデータがあり、これも踏まえた授業が可能と思ったからです。

写真等は後日、補充します。

相当に盛り沢山な50分となりました。

理科室で、スクリーンを使って、鞆の地質について簡単に説明した後、土砂災害の件数や被害がいかに多いか、日本全国の中での広島の位置付けなどを「実験で学ぶ 土砂災害」の中のデータも見せながら解説。土木学会から発刊されているこの本は非常に秀逸です。

 

その後、がけ崩れと土石流の実験を行いました。

私の指導学生の上山君が事前に準備をした、がけ崩れの模型を使って、生徒たちがナットで崩れやすいがけを作り、実際に重力を作用させてがけ崩れのメカニズムを学びます。最表層部のナットにマジックで色を塗ることにより、崩れ方をよく観察するとさらにメカニズムがよく分かります。風化や、重力、摩擦などについても触れました。

 

次は、がけの補強です。3種類の補強方法を試したので、3つの班で行いました。のり面をコンクリートで固めたイメージの補強方法、表面の補強と補強筋による補強、アンカーによる補強の3種類です。下の写真は、池原先生と生徒たちが、アンカー工法により補強している様子です。もちろん、重力を作用させても崩れず、そのメカニズムについても解説しました。3つの班が3つの模型実験をすべて経験できればベストでしたが、時間が足りず、二つずつを経験しました。アンカー工法による補強は、みんなが見ました。

 

次に、土石流の実験です。(画像は後日補充)

上山君が頑張って事前準備、リハーサルをやりました。2mを超える雨どいを新幹線に持ち込むことを拒絶され、急遽、鞆中学校にあったそうめん流しの竹を渓流の代わりに使う、というアクロバティックな展開でしたが、うまく行きました。砂防ダムの有無で家屋への被害が異なること、土石流の形態がどのように変化するのかも、近くで観察することができました。

土石流の実験においては、実験の面白さ、失敗を恐れないこと、失敗を笑わないこと、失敗しても成功するまでやること、などの考え方を教えました。

そして最後は、校庭の周囲にある土砂災害を防ぐための施設を解説しながら見学しました。(画像は後日補充)

校庭の周りにいくつもあります。砂防堰堤もあるし、のり型枠による補強もあるし、アンカー工法と思われるノンフレーム工法(自然に優しい)もあり、説明のしがいがありました。また、土石流の生じる谷の地形も皆でしっかりと確認しました。

 

非常に実験的な授業でしたが、とても良い内容になったかと思います。

また、この授業は何回かのシリーズのうちの一コマで、防災を取り込んだ授業の発展性・可能性の大きさに、池原先生が気付いてくれたことがとても大きいと思います。

ぜひぜひ次のチャレンジをしましょう、ということで、熱血教師たちの懇親会も極めて盛り上がりました。

私たちのやろうとしている防災の研究は、小さな灯かもしれませんが、私の中ではとてもとても大切なチャレンジです。今後の展開が楽しみです。