自分がやりたい、と強く思ったことは、実現できるのだと思います。
強く思う、真剣に、心の底からやりたいと思う、ということは、それを実現するためにありとあらゆる手段を取る、ということになります。
何事も、簡単には実現しませんし、チャレンジが大きいほど、一人ではスタートすらできない場合もあります。
また、人間とは時間の生き物、でもありますが、時間を味方に付ける必要があります。大きなチャレンジはすぐには実現しませんが、少しずつ種まきし、仲間を増やし、一つ一つのアクションにおいて実現の方向に向かうように選択、行動していくと、だんだんと実現に向かっていきます。
これまでの私も、大小の様々なプロジェクトに関わってきましたが、自分が本心からやりたいと思うことについては、上記のように行動してきました。少し逆風のときがあっても、逆風をよけながら少しずつアクションを重ねていくと、やりたいと思っていたことが実現できるようになります。
現在、「自然災害ミチゲーション研究拠点」の拠点長を務めていますが、しばらくは拠点長として陣頭指揮を執ることになります。この研究拠点の活動は自由であり、仲間もどんどん増えていく状況にあります。防災・減災をミッションとしています。
この研究拠点のプロジェクトとして、やりたい、と強く思うことが複数あり、強く思う、ということは日々、ありとあらゆる手を打つ、ということなので、遠からず実現するのでしょう。今日も富山に向かっていますが、そのやりたいと強く思うことの一つに関連しています。昨日も土木学会での示方書の会議を少し抜けて、オンラインで高知のコンサルタントの社長らと1時間ほど対話しましたが、それも関連しています。私のやりたいことを説明し、共鳴してもらいました。その「やりたいこと」とは、インフラの維持管理のシステムに関することです。
なぜ、やりたいのか。その根底にある思いをしっかりと伝えることが重要と思います。
それが、物語につながっていきます。
インフラの維持管理システムについての私の思いや哲学は、これまでまだ十分には発信していません。私自身の中にはコアになる思いはありますが、まだまだ実践が不十分です。私のいつものやり方ですが、徹底的な実践に裏打ちされた洗練された哲学をつかみきれるように努力を重ね、そして発信していきたいと思います。
月に一回程度の、私の師匠の岡村甫先生を囲む夜のオンライン懇談会があり、8月19日の夜にもありました。私が一番下っ端で、前川先生、岸先生、石田先生もおられる雑談会なのですが、私も楽しく勉強させていただいています。
8月19日の会の終盤に、岸先生が東北の復興道路のトンネルについて言及されました。お盆休みに東北に旅行されたとのことで、復興道路のトンネルのコンクリートが「本当にきれいだった」と言われ、「細田さんらが品質確保の活動を頑張っているのは聞いて知ってはいたが、トンネルのコンクリートを見てすごいと思った」との趣旨のことを言われ、大変うれしく思いました。
復興道路の数多くのトンネルのコンクリートの見た目がきれいなのは事実かと思います。
復興道路のトンネル群には、NEXCOの高速道路で現在は標準的に使われている中流動コンクリート(締固めを必要とする高流動コンクリート)が標準的に使われているわけではありません。多くは、国交省の標準的な仕様の、特別でないコンクリートを丁寧に施工することで、見た目がきれいな仕上がりになったものと思います。
このように品質が良くなったことは、誰が頑張ったからなのでしょうか?
私の貢献がゼロ、という可能性もあり得ますが、私も何らかの貢献をしたものと思います。
私が復興道路のトンネルの取組みに関わる前から、東北地方で非常に品質の良いトンネルコンクリートを施工していた方も知っています。代表格は、安藤ハザマの佐々木照夫さんです。佐々木さんと初めてお会いしたのは2014年4月のことで、佐々木さんが現場所長を務めておられた新川目トンネルでのことでした。
佐々木さんも私も含め、数えきれないくらいの方々の努力や貢献があって、復興道路のトンネルの品質は全体的にとても良いものになった。私には、これに関わった非常に多くの仲間、同志たちの顔が思い浮かびます。そして、当然ながら、私が会ったことのない方々の貢献もあるに決まっています。
これを歯車の一つ、という紋切型の言い方でまとめてしまってよいのか分かりませんが、私はこのようなみんなで取り組むプロジェクトが大好きで、肌に合っています。日本人の本来の強さを引き出すようにも感じています。
山口、東北、と紡いできた品質確保の物語は、まだまだ完成には至っておらず、あちこちで様々な物語につながっています。
私のライフワークの一つと思っていますので、これからも多くの方々と出会いながら、改善を重ねていきたいと思います。
研究や研究的な活動をたくさん行っていると、直観や感性で気付いたり判断したりすることが、私の場合は少なくありません。
「AとBを比べると、なんとなくAの方が正しいように感じる」とか、
「あなたの説明を聴いていると、〇〇の部分に違和感を覚える」とか、
そのような場面が非常に多いです。
直観や感性に支えられているということは、普段からどのような態度で生活しているか、が極めて重要になると感じます。
日常の当たり前の感覚から外れているので違和感を覚えるのです。健康体でいるから、体のある箇所の不具合を敏感に感じるのと同じでしょうか。
だから、普段からおかしな生き方をしていると、正しい直観や感性が作動しない。普段から嘘ばかりついている人が、いざというときだけ正しい直観が働くなどということはあり得ないでしょう。「正しい」というのはその人にとって正しい、という意味ではなく、自然界の道理にかなった「正しい」という意味です。
全く嘘をつかずに生きることができるのかは分かりませんが、必要のない嘘はつかずに生きたいものです。
最近、身の回りにあふれた怪しい言説の代表格は、脱炭素社会とか、カーボンニュートラル、などですが、私の考えはすでにブログに掲載しています。私の専門のコンクリートに関して言えば、私は、製造した後に(固まった後に)、どんどんCO2を吸収して固定することを目的とするコンクリートに一切の魅力を感じないし、意味も感じません(ただし、CO2を大量に吸収することで強度が向上したり緻密になったりして、圧倒的に長持ちするようになる、というように目的が異なれば全く別、です。それは、「活炭素」。)。皆さんが本当に(本心から)そういうものを良いと思っているのか知りませんが、それが正しいと普段から思っておられる方々の直観や感性で、この世の中が良い方向に向かうのかな、と心配になってしまいます。
百歩譲って、十分な知識がないからカーボンニュートラルやらを正しいと思って行動している人がおられるとして、十分な知識がなく間違ったことをしている場合は決して罪は軽くなく、「無知の知」を早く自覚すべきだと思います。
私の師匠の岡村甫先生は、その弟子の前川宏一先生をして「心のきれいな人」であり、今でも月に一度くらいの夜のオンライン懇談会(雑談会)で岡村先生や前川先生らと少人数でお話する機会をいただいておりますが、つくづく岡村先生は正直な方だな、と感じます。そして、今でも勉強されて、以前と異なる考え方を受け入れる柔軟性も持たれています。
その岡村先生の直観に基づくご発言には、ハッとさせられることがやはり多いし、私もやはりそのような方向を目指したい、と思うのです。
ちなみに、脱炭素社会やらカーボンニュートラルについての私の考え方は、岡村先生の考え方とそれほど違いません。
昨年、2021年4月のこのブログのエッセーで「年男」というものを書きました。12年サイクルで人生を振り返ると、そのときに4つ目のサイクルを終えようとしているタイミングでした。
そのエッセーの中では、4つ目のサイクル(36歳から48歳まで)を「プロとして研鑽を積んだ時期」と総括していました。
現在は、5つ目のサイクルがスタートして1年4ヵ月が経過したところです。自分の人生がこの先どうなるかは分かりませんが、おそらくこの第5タームが、自分がプロとして最も力を発揮する期間になるのだろうと予感はしています。もしくは、そうなるように努力したいと強く思っています。
その先の第6、第7タームはあるのかも分かりませんが、健康で、周囲に貢献できるように生きたいと思っています。
研究が自分の仕事の重要な部分ではもちろんありますが、自分自身に「いわゆる研究的な能力」が十分備わっていないというコンプレックスを抱えて研究者人生をスタートしました。私は正直な人間ですし、事実を素直に見るという性格でもあるので、机上の論よりは実現象を虚心坦懐に見つめるというやり方で研究に取り組んできました。愚直に誠実に続けることしかできませんが、様々な方々と連携させていただきながら、多くの研究プロジェクトに携わってきました。
私の力不足で大した成果が出なかった研究も少なくありませんが、すべての研究活動から、多くのことを学ばせていただき、それらをフィードバックして、少しでも良い研究ができるように努力はしてきました。
8月1日に、二人の指導留学生の博士論文の最終審査が行われ、無事に審査を終了しました。ベトナムのNgocさんと、エチオピアのAddisuさんです。この二人で、私が主査を務めた博士号は13人となります。博士論文の研究は、どの研究においても、指導学生との数えきれない打ち合わせを重ね、困難を少しずつ乗り越え、ともに悩み、ともに喜び、ともに笑い、時にはブレイクスルーがあり、掲げた目標を達成してきました。これからも数多くの方々と博士論文にチャレンジしていくと思いますが、どんな研究に取り組んでいくのか、楽しみと少しの不安とが入り混じった気持ちです。
研究にはいろんなやり方があるのでしょうが、いろんな方々と多角的に議論しながら進める研究が私は好きです。人間は知識にも限りがあるし、簡単に間違いも犯すので、多角的な議論で内容をブラッシュアップしていく過程を経験し、私は強い魅力を感じるようになりました。現在、そのような研究にいくつも関わることができることを幸せに思います。
また、私の研究室でテーマ設定をして実践していく研究以外にも、自然災害ミチゲーション研究拠点の拠点長として、様々な研究プロジェクトをマネジメントしていく立場に就いています。まだまだ模索している最中ですが、これも大変に魅力的な役割と感じています。私自身もでき得るアクションを取っているつもりですが、他のプレーヤーの方々も前向きに、知恵を絞ってくださるので、すでに様々な連鎖が生じてきており、今後の発展が大変に楽しみです。
研究は先が見えないこともあるので不安に感じることもありますが、やはりポジティブに、ワクワクしながら取り組む方が、予想もしない連鎖を生み出すように感じています。
第5タームの序盤、あと半年ちょっとで50歳となります。天命を知る、と言われる年です。そこから10年間、あっという間かと思いますが、第5タームが終わると還暦です。山あり谷ありの時間になると思いますが、自分のポテンシャルをしっかりと発揮できるよう、心技体の充実に努めます。
土木学会コンクリート委員会 教育研究小委員会(201委員会) 第4回公開座談会「維持管理のあり方と人材教育」(9月12日(月)、15:30~16:45です!)のご案内です。
【座談会の趣旨】
座談会は録画(録画も公開)し、文字起こし、アーカイブ化していきます。
ちなみに、第1回「土木工学教育における動機付けや教育法」の動画はこちら。第1回の座談会についてのブログはこちら。
第2回「土木工学教育における新たな試行」の動画はこちら。第2回の座談会についてのブログはこちら。
第3回「企業における人材教育」の動画はこちら。第3回の座談会についてのブログはこちら。
日時:2022年9月12日 15:30-16:45(15:15ごろより入室可能)
【前半部】話題提供
2.上東 泰 委員 (NEXCO中日本)
3.細田 暁 委員長:「インフラの性能確保のための維持管理システムのあり方」~適切・合理的な点検のあり方、技術的判断の重要性、補修・補強後の再劣化~
【後半部】 前半の話題提供を受けた自由討議
細田 暁 横浜国立大学
8月に入りました。本日も土木学会示方書施工編の改訂の幹事会で、岡山大学での会議のための日帰り出張です。
明日の日曜日は今度は四ツ谷で、これも施工編改訂の幹事会で終日会議。。。
2週連続で土日が休みでなく、平日も休みなど取れませんので、疲れが蓄積しているのが明らかです。。。
この間、7月26日夜には、西武新宿線東村山駅の高架化工事の夜間コンクリート打込み視察、7月30日には炎暑の中の暑中コンクリート実機打込み実験、も無事に終了し、何とか乗り切ってきております。
この先も9月中旬ごろまで、すでに仕事で埋まっている土日もかなりあり、上手に乗り切れますように。。。
所属組織の土木の主任教授の2年の任期が2022年3月で終わったので、少し楽になるかな、と思っていましたが、逆に明らかに忙しくなりました。いろいろと理由はあると思いますが、
・上記の示方書施工編の改訂作業が佳境に入ってきたので、対面・オンラインの会議が非常に増えたこと
・自然災害ミチゲーション研究拠点の拠点長としての仕事が相当に増えたこと
が主たる理由かと思います。4月から留学生プログラムのディレクターに着任したため、この仕事の負荷も軽くはないのですが、こちらはスタッフが充実しているので、しっかりと支えられて仕事させていただいております。
仕事の能力は、実際に仕事をすることで培われます。
結局は、それぞれの仕事をやり切らないと、仕事を遂行する能力が身に付かないのは当然なのですが、まずはそれぞれの仕事に着手できるように自分のレベルを向上させておく必要もあります。
昨年度までの主任教授の仕事もそう。終わってしまえば、やり方も身に付いていますが、着手する前は不安に思ったこともありました。30代の特に前半は、自分の仕事だけでも精一杯なのに、とても土木工学教室全体のマネジメントなどできないなー、といずれやってくるであろう業務に漠然と不安を感じていました。
留学生プログラムの仕事もそう。実は、30代の前半のときに、留学生プログラムの仕事に携わってほしい、とシニアの先生に緩めにお願いされましたが、結局、ほとんどお役に立てませんでした。具体的に仕事を任されなかったことも理由かとは思いますが、やはり私の力不足でした。今は、49歳となり、留学生プログラムのディレクターをそれなりにこなしています。
示方書の改訂の仕事もそう。学生のころ、育った研究室の先生方(岡村先生ら)から、示方書にまつわる話は幾度となく聞いてきました。学生の身で示方書の施工編も読んではみましたが、とにかく詰まらない。今は、改訂作業に相当にディープに関わっているので、肝の部分が分かってきているので、ようやく面白さが分かってきたかな、という状況。まあ、今回の改訂に限らず、今後もしばらくは関わるでしょうから、ようやくプロとして仕事ができるレベルに向上してきた、ということでしょうか。
いろいろな仕事をさせていただけることをありがたく思う気持ちは強くなっています。重たい仕事も誰かがやらなくてはならないし、重たい仕事ほど、誰でもできるものでもありません。未熟な人間なりに努力とともに日々を重ねてきて、それらの仕事を任せていただける状況に立っている、とありがたく捉えるようになっています。仕事を通じて直接貢献すること、仕事の能力を身に付けて後進にアドバイスすること、などなど、この年代の役割をしっかり果たせるよう、努力を重ねます。
明日の日曜日は、大学はオンラインのオープンキャンパスを開催するので、私も昼休みに模擬講義を30分ほど提供します。「土木と、国の発展・エネルギー・環境問題について考える」というタイトルにしました。示方書の会議ですが、12:30~13:00の間は、四ツ谷の主婦会館で別の会議室を借りて、オンラインで高校生たちに模擬講義を提供します。楽しみ。
これだけ忙しいと、心身の調子が崩れると破綻するので、暇があればスーパー銭湯でくつろぐ、睡眠は削らない、毎朝体操するなど、健康にはかなり配慮しています。
断酒も本日で123日目。4か月経過しました。。。