細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

古典

2011-07-30 09:36:46 | 趣味のこと

「般若心経」の解説本を新幹線の品川駅で買いました。面白そう。

論語、老子などに興味を持って勉強しているのはブログでも書いている通り。

福沢諭吉の「学問のすすめ」もまともに読んだことなかったですが、朝風呂で声を出して読んでいると(斎藤孝さんのすすめ)、現代でも全く色あせない、むしろ現代人こそ読むべき先進的な考えに感銘を受けます。

Powersの論文も非常に勉強になる。

などなど、他にもありますが、我々が勉強すべきは「古典」なのではないでしょうか。時代の変遷とともに消え去る程度のものではなく、時代の洗礼も受けてたくましく生き残っている「古典」にこそ、時空を超えての真理が書かれているからです。

藤原正彦さんの「日本人の誇り」も読んでます。日本の現代史を振り返る内容なので、GHQの洗脳から目覚めている人にとっては少しくどいところもありますが、多くの日本人は藤原さんのような歴史観を、日本人として誇りを取り戻すために読むべきかと思います。藤原さんの本に、真、善、美は一体である、との記述がありました。非常に高名な数学者ヘルマン・ワイルの言葉だそうです。

真と美は、特に数学者などにとってはピンと来るそうです。WCOMDのモデルなども、「美しくないから」という岡村先生の一言で前川先生のモデルがゴミ箱に行ったことが何度もあった、という逸話も聞きます。

我が国のかつての道徳教育では、善いこととは何かを教えるときに、「汚いことをするな」というような教え方をしてきたかと思います。よって、善と美も同じだそうです。その高名な数学者ヘルマン・ワイルは、「真、善、美は、同じ一つのものの三つの側面にすぎない」と強調していたそうです。

そのようなこの世の真理は、にせものを見ていても、にせものに踊らされていては身に付きません。古典を学び、その上で自身の日常で真、善、美を追求していく過程で何となく体感できるようになるのかな、と思っています。


バカンス

2011-07-27 18:18:43 | 家族のこと

ブログのテンプレートをビーチに変えてみました。この写真のようなところに行ったこともございますが、我が家のバカンスが近づいてきております。

奥さんが私のような仕事とは違ってストレスが溜まりやすい?仕事ですので、また、我々のような共働きの場合、平日に家族そろって夕食を取ることはほとんど皆無、というような家庭ですので、バカンスで一致団結することも本当に大切です。

というわけで、奥さんの提案により、バカンスに連れて行っていただけることになりました。感謝!今回は、I垣島でして、初めて訪れます。

それまで一所懸命働きます。もちろん、バカンス中は執筆したり、勉強したりもいたします。


JCI年次大会 

2011-07-14 14:16:29 | 研究のこと

JCIの年次大会で大阪に来ています。月曜の夕方に入って、土木学会の示方書の改訂部会(維持管理編)の仕事を皮切りに、気が付けば木曜日に至っています。案の定、お酒をたくさん飲んでおりますが、明日の金曜日の和歌山県での電柱調査を終えると、新幹線で帰ります。

大物の仕事としては、JCIのデータベース委員会の第一回全体委員会が無事に終了しました。この委員会では幹事長を務めますので、委員の皆さんに楽しく、夢を語りながら仕事ができるような雰囲気、場を作ることがまず私のミッションと心得ておりました。事前の準備は万全ではありませんでしたが、できうるマネジメントはやったつもりです。委員会の場もよかったと思いますが、懇親会でも大盛り上がりとなりまして、幹事長冥利に尽きます。

今日木曜日のお昼には、土木学会の津波委員会の幹事会の打合せ。昼ごはんを食べながら、委員長の丸山久一先生を囲んで和やかな雰囲気で議論しました。この委員会も第一回の全体委員会が8/9に予定されており、準備を開始します。何となく全体像が見えてきましたので、我々横国チームとしても、研究活動を開始したいと思います。

自己治癒コンクリートの研究で代理講演もしましたし、合成構造のセッションで座長もしました。普段の自分の研究と全く違う分野の研究を聞くと、勉強になりますね。予習ゼロで座長の仕事に臨みましたが、その分真剣に発表を聞いて、たくさん質問もしました。楽しい時間でした。

出張が終盤に差し掛かっていますが、ホテルの部屋で仕事できるのも大事な時間でして、これから、津波による橋梁被害について、土木学会の英文ニュースレターの原稿を作成します。締切りが7/15でしたが、やはり締切りが近づかないと手が動きません。

いろんな仕事をこなす充実した一週間の出張になりました。


プレゼン

2011-07-08 07:44:39 | 職場のこと

人前で話すことが決してプレゼンテーションではありませんが、何らかのメッセージを聴衆に伝えるつもりで話すならば、それはプレゼンテーションです。

4月の上旬以降の3ヶ月で、講義は別として、人前でのプレゼンテーションが10回。パワーポイントなどを使ってのものです。

私の場合は、講義もプレゼンテーションと思っていますので、それを加えると約30回。一ヶ月に10回くらいの計算になるでしょうか。

これが多いのか少ないのかは分かりませんが、以前よりは人前でのプレゼンテーションの機会はどんどんと増えているように思います。そしてプレゼンテーション大好き。やっぱり自分の知っていること、考えたこと、学んだことを人に伝えたいし、それが聴衆の方々の何かのきっかけになってくれればと常に思います。

プレゼンテーションをしたり、招かれて講演をしたり、論文や解説文を書いたり、規準類を作成したり、さらには本を書いたり、という機会に恵まれている我々は、幸せな仕事をさせていただいているな、と感じます。


長所・短所論

2011-07-05 06:40:25 | 人生論

弟子・後輩がそれぞれのブログなりで長所・短所について悩んだり、考察したりしているので、私も今の考えを簡単に。

以前は、先生から言われ、伸びていく人には一つの誰にも負けない長所があるのだろう、と思っていました。

今は違います。

人間には多くの能力があります。数え挙げることができないくらいの数と思います。
それぞれの能力に個性があります。多い少ないで測ることのできる能力もあるでしょう。走るのが速いとか。
測ることのできない能力もあるでしょう。人に優しいとか。
そして、それぞれの能力のコンビネーションでその人の特徴が決まります。
決して一つの能力でその人の価値が決まるわけではありません。

ですから、自分がここは得意だな、ここには興味を感じるな、という個性を伸ばしていけば、そのコンビネーションでオンリーワンに誰だってなれる。研究能力が高いだけが大事なのではありません。一人だけすごくたって世の中は変わらない。とてつもなく研究能力の高い人(といってもアインシュタインになれますか?)よりも、とてつもなく人に優しい人の方が、もしかしたら立派な教育者になるかもしれません。

そして、長所・短所論ですが、本当の長所は短所と表裏一体です。例えば私は視野が広い(本当の長所かどうかは分からない)ですが、それは一つのことを突き詰めていく能力が低いことと表裏一体でしょう。躍動しながら前進していく能力には長けていますが、一つ一つをかっちりと固めて成果として残していく能力が低いことと表裏一体でしょう。

だから、短所を補おうとしても伸びない。長所が消されるから。長所を突き詰めていくうちに、短所であったものが短所でなくなってしまうのです。

もし、自分の何かの短所に目が行き、どうしてもそれが自分の長所の裏側であると思えないとすれば、本当の本質的な短所ではないのかと思います。