3. 渡さん(比嘉先生指導):社会生態システムを考慮した都市沿岸環境デジタルツインのフレームワーク構築 → もしも×可視化研、つな研
4. 李君(小松先生指導):地震応答解析を活用した建築物の倒壊リスク評価 → もしも×可視化研
5. 小林航汰朗君(比嘉先生指導):日本沿岸における自然共生社会に向けたインフラベストミックスのための地域特性の評価
会場:横浜国立大学の土木工学棟セミナー室を予定(変更になる可能性あり)
2月3日の土曜日に、毎年恒例の研究室の冬合宿を実施しました。過去、コロナ禍の時期を除いて、宿泊付きのまさに合宿での開催をしてきましたが、今年は現役学生たちの意向もあり、大学で実施し、宿泊なし、でした。今後、どのような形式で開催するかは、学生やスタッフともよく話していきたいと思います。私は宿泊付きが好きですけど。ちなみに、昨年、2023年2月の冬合宿についてのブログはこちら。
今年の冬合宿も、前川先生がフル参加してくださいました。日常の研究室ゼミには参加されないため、特別感があり、M2や4年生の各研究に対する前川先生のコメントからは、私もいろんなことを感じさせていただきました。大変、贅沢な時間ですね。
一つ、感じたことに、「研究の幅」という観点がありました。前川先生のコメントで、研究に取り組む場合は、研究の当事者はどうしても視点が狭くなりがち、というものがありました。工学的な成果を出そうとすると、どうしてもある範囲の条件を設定し、その中で最適な解を見つける、というようなスタンスを取りがちです。あえて両極端の視点を持ってみて、物事の本質に迫る、というようなスタンスを持ちましょう、というようなコメントでした(より広い範囲に適用できる知見、技術であれば、真実に近いのでしょうね)。そうすることができれば、研究すべき課題はたくさん見つかるし、研究テーマに困ることもない。
研究すべきテーマが無くなる研究者が少なくないが、上記のような視点で取り組んでいないからではないか、と前川先生はコメントされました。
私自身も、40代半ばを過ぎるころに、研究者としての自信を失いかけた時期がありました。いろんな理由が複合していたように思いますが、今はその状況は脱し、現時点で研究者として自信がある、ということでは決してなく、研究すべきことがたくさんある、という状況にあると感じています。人間、やるべきことがたくさんあると、元気になります。
前川先生のコメントにあるように、視点を広く持つ、ということは以前から心がけてはいるつもりですが、今はさらに心がけるようにしています。
人との出会いによって、研究テーマが開拓された、という経験も何度もしました。生コン業界の猛者たちとの出会いで、オワコンやイワモルの研究テーマが拓け、このテーマだけでやるべきことがたくさんあります。また、以前から暑中コンクリートの研究をすべき、とは思っていましたが、これも私自身から身近な信頼できる研究者たちに発信したり、様々な周辺状況が折り重なって、一つの大きな動きになっています。豊穣な社会研究センターの設立により、挑戦すべき領域が大きく拡がり、様々な研究にいろんな優秀な方々と取り組める状況になり、逆にその拡がりに驚いている状況です。
私のような凡人で、根っからの研究者ではない人間でも、誠実に努力を重ね、真実に近づこうとし、心を開き、多くの方々と出会い、社会の課題を解決するという強い意思を持ち続ければ、工学の研究者として50歳になっても幅を拡げていける、ということを自分の人生で学びました。
今の私がそのように感じている、というだけで、人生は無常ですから、今後、どのように変化するか分かりません。私自身の状況も、周囲や社会の状況もどうにでも変わり得ると思っています。禅のマインドで、その瞬間瞬間を生きる、ということに尽きるかと思います。
1月30日に、坐禅を始めました。横浜国立大学の豊穣な社会研究センターの部屋(高等研究院の207室)で、つながり方研究所の河野さんに指導してもらって、5分の坐禅をしました。それ以降、自宅や出張先のホテルなどで、一日15分の坐禅を日課にしています。
禅との明確なかかわりは、大愚和尚のYoutube番組の「一問一答」を見たことかと思います。コロナ禍の最中だったか、その少し前だったかと思いますが、たまたま大愚和尚の番組を見て、感銘を受けたり、様々な気付きがありました。たくさんの大愚和尚の動画を見て、悶々としていたこともあった私は、癒されたり、新たな考え方を取り入れたりしました。大愚和尚の本も数冊購入して勉強しました。大愚和尚の考え方は、私にも結構な影響を与えていると感じています。
その後、2023年2月にゼロ・ポイント・フィールドの考え方を知り、つながり方研究所のメンバーと、この考え方についていろいろと議論しました。禅の考え方と通じるところも多く、仏陀の言う「空」はゼロ・ポイント・フィールドのことであろうと私は思います。
ゼロ・ポイント・フィールドについては、2023年7月末にコーチング祭りでの講演の中で村松大輔さんのことを知って、著書を2冊読んで、理解が深まりました。
つながり方研究所の活動を通して、僧侶の島津清彦さんと知り合い、ご本人から著書をプレゼントしていただきました。「心が回復する禅問答」という素敵な本で、何も知らない青年と禅の僧侶との対話形式の本で、大変分かりやすく、読みやすく、禅の本質を理解できたように感じました。この本のおかげで、私の散歩や、毎朝のお弁当作り、毎日の通勤での山登り・山下り(上星川駅と大学間)なども、すべて禅なのだな、と認識することができました。読書も禅。
さらに、つながり方研究所の活動を通じて、浄土真宗の僧侶の新田崇信さんとも友達になり、新田さんは禅の方ではありませんが、禅の話でも盛り上がり、いよいよ潮時?という感じで、坐禅を始めることになりました。
1月26日(金)に福島大学の地域未来デザインセンターを新田さん、つながり方研究所の河野さんらと訪問し、その夜の懇親会で1/30に坐禅をやりましょう、という話になり、冒頭の207室での坐禅につながります。
坐禅を始める前に、鈴木大拙の名著「禅」を読み始め、私の最初の坐禅を指導してくれた河野さんに推薦された、鈴木俊隆の「禅マインド ビギナーズ・マインド」も坐禅を開始した直後から読み始め、鈴木俊隆の説くように坐禅の修業をするように心がけています。
禅や坐禅の極意は長い人生をかけて体得していくものとは思いますが、鈴木俊隆の言うように、坐禅とは「初心を持つ」ことであり、無心になり、空になることであり、坐禅に目的はない、ただ坐禅する、という気持ちで毎日坐しています。
豊穣な社会研究センター長に就任して一週間後に50歳になり、天命のつもりで全力の活動を重ねていますが、このタイミングで初心に戻る坐禅を始めることができたのは、とてもありがたいことだと思っています。
豊穣な社会研究センターでは、ほんとに多様な素晴らしい方々と出会うことができ、楽しいです。センターが創り出すつながりの場は、なるべく多くの方々に活用していただければと願っています。
2月6日に、高岡市役所から、豊穣Cの元気なインフラ研究所の第1回セミナーを開催しました。テーマは、「挑戦的なローカルモデルの創出と展開」でした。
動画はこちら。
登壇者は、玉名市の木下義昭さん、愛知県の宮川洋一さん、豊穣C客員教授の松永昭吾さん、と私でした。私が共同研究をしている高岡市役所の橋梁担当者もパネルディスカッションに登壇いただきました。
私たちの目指すところが伝わったのではないかと思います。これからどんどんと実践を重ねていきますので、ご興味のある方は是非是非コンソーシアムの会員になってください。特に、行政関係で参加にご興味のある場合は、個人で加入するのか、組織で加入するのか、会費はいらないという情報があるが本当なのか、いろいろ気になるかと思いますが、遠慮なくお問い合わせください。
2月6日は、松永さん、木下さんとともに、朝6時に高岡駅前のホテルをレンタカーで出発し、能登の被災地に向かいました。14時までに高岡市役所に戻るという制約条件のため、今回は、穴水まで到達し、そこから能登島の橋梁などをしっかりと調査し、七尾を経由して戻ってきました。
大変な広域での災害である、ということが第一印象でした。家屋の倒壊や損傷も極めて数が多いですが、土砂災害や道路、鉄道、港湾などの被害も甚大で、上水道が機能していないエリアも広範であり、復旧、復興は相当に大変であることが直観的に分かりました。一方で、写真にもあるように、崖崩れの対策を施工してあった箇所ではグラウンドアンカーがきちんと機能しているなど、強靭化対策をしっかりと打ってあったところでは被害が抑えられており、改めて、地域、社会、国土の強靭化が極めて重要であることを認識しました。
元気なインフラの果たす役割とは、
〇 元気なインフラが、豊かで持続可能な社会を支えます。
〇 元気なインフラが、地域や社会の防災・減災力を向上させます。
〇 計画的で適切なインフラ整備が、都市への過剰な集中を緩和し、都市・地方が均衡的に発展できる国へと導きます。
〇 元気なインフラ研究所は、インフラが健全であるための技術、サステイナブルな材料技術、人財育成システムの構築に貢献します。
以下、被災地で撮影した写真です。
穴水の道の駅に。穴水が自衛隊の拠点となっており、災害支援チームなどの最前線の拠点というイメージでした。
家屋が潰れ、車も押しつぶされています。
倒壊した家屋の撤去なども進んでいません。
神社にもお参りいたしました。この神社の被害はそれほど大きくはなかったですが、今回の視察は、かなり多くの寺社が甚大な被害を受けている状況が見られました。
能登長寿大仏もお参り。
長大橋梁では被害が甚大であった、ツインブリッジのと。
PC桁の桁端部の損傷は、これまで見たことのないような損傷形態でした。詳細なコメントは、このブログでは避けますが、このような損傷を防ぐためのもう少し適切な補強筋等の配置が必要に思います。
崖崩れの対策がなされていた箇所は被害が生じていません。強靭化の重要性が一目瞭然です。
七尾の駅前にあるビルに入っている、災害支援のチームの拠点。熊本支援チームの拠点です。
私の教え子の赤間遼太さんが関与しており、このチームの活動を知っていたので、訪問しました。ボランティアの方々が頑張っていました。