細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

大学院1年生のレポートにおける感想

2017-02-25 11:22:59 | 教育のこと

以下、今学期の「耐震耐久設計学」という大学院1年生の講義のレポートの最後に書いてあった、ある学生の感想です。コンクリート研の学生ではありません。とても面白い感想だったので、紹介します。

どんな点が異質の講義なのかは,次のエッセーでご紹介します。

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横浜国立大学で様々な講義を受講してきましたが,最も異質な講義でした(悪い意味ではなく)。

同じ講義を受けている生徒の考えや疑問に思っている点を知る機会になり,良かったと思います。多くの発言をしていた生徒達のコンクリートに関しての知識や考え方が,講義を経るにつれて鍛えられていくのを(間近で見ていて),ひしひしと感じました。自分も講義内で,考え,悩み,発言 して,少しでも自分を鍛えることができていれば幸いです。

今までの講義の中で生徒間の成果に最も差が生じたように思います。主体的に取り組んだ人間は 伸び,そうでない者は何も変わらない。先生が輪講の重要性を書籍の説明に交えて,お話して下さりましたが,耐震耐久設計に関する知識や考え方だけでなく,主体的に学ぶ姿勢についても考えさせられた講義でした.貴重な機会を頂き感謝しております。


東北行脚

2017-02-24 14:26:47 | 研究のこと

しばらく日記が途絶えてしまいましたが、東北行脚中です。

今回は23~24日に 気仙沼、釜石、福島と移動する行程ですが、濃厚な出張となっています。

また写真付きでレポートしようと思いますが、気仙沼では津波防潮堤の工事現場を2件、見学しました。3月3日に津波防災のセミナーがあるので、学んだことをそこで発表します。それぞれ、130億、90億円程度の巨大事業で、スケールの大きさに圧倒され、また、工事の難しさがよく分かりました。 気仙沼も復興が進んできており、すさまじい状況になっておりました。

23日の夜は釜石で懇親会。復興道路の多くの同志たちが集まってくれ、盛大な懇親会となりました。

翌24日の午前は、釜石でインタビュー2件。遠野市に本社のあるテラ、という会社の菊池さんにインタビュー。前日の懇親会でも盛り上がっていたため、いろんな視点でお話を聴くことができ、貴重なインタビューになったのではないかと思います。地元でもとても信頼されている会社のようですが、復興道路でも大活躍されています。

午前のもう1件のインタビューは、西松建設の河内さん。私にトンネルのいろんなことを教えてくださった方ですが、情熱、哲学に溢れたインタビューになったと思います。やはり、私とも目指す方向や価値観が似ていると感じました。これらのインタビューは、そのうち、道路構造物ジャーナルネットの「品質確保物語」に掲載されますので、乞うご期待です。

釜石からレンタカーで北上に移動し、レンタカーを乗り捨てて、東北新幹線で福島へ向かっている最中です。

福島河川国道事務所では、発注者のスーパーエンジニアのお二人にお話を伺います。工務第二課の小山田課長と、佐藤正監督官です。このお二人からもどんなお話が聞けるのか、ワクワクしています。

明日25~26日は前期入試対応。28日が卒業論文の審査会なので、この時期に弾丸東北出張を詰め込むのは、仕事のスケジューリング上は苦しいのですが、この時期に来て良かったと感じています。4月以降のH29年度への東北への種まきも少しできたように思います。

いろいろと滞っている仕事もありますが、本日、帰宅後から対応を開始します。しばしお待ちください。


つかの間の

2017-02-09 11:09:15 | 勉強のこと

10月から2月の5ヵ月間の繁忙期が終盤に入りました。

今年は不覚にもインフルエンザに罹患し、少し小休止が入ってしまいましたが、何とかここまでやってきました。2月は息も絶え絶え、という年もあるのですが、今年は今のところ、比較的余裕を持って過ごしています。

長女の受験も無事に終わり、本人の第一志望に合格し、終戦。見ていてかわいそうになるくらいの過酷な受験勉強でしたが、よかったです。娘の合格は、私自身のときの合格よりはるかにうれしかったです。

長女の終戦もあり、家庭にも少しリラックスムードが漂っており、それも私のつかの間のブレイクの原因です。長女と雑談する時間も増えたり、いつ最後になるか分かりませんが、一緒にお風呂に入ったり、この間は二人で「君の名は」を見に行って、父親の方が号泣しておりました。

今週は比較的楽なのですが、来週13日の週からは、入試業務も含めて完全な年度末モードに突入し、ほとんど休み無しになります。修論の最終審査会が14日にあり、これが研究室としても最初の大きな山です。修論生の頑張りに期待です。

読書も乱読的になってきておりますが、塩野七生さんの「ギリシャ人の物語Ⅱ」を購入したので、まだ読破していないⅠを頭から読み始めました。司馬遼太郎の「花神」も上が終わり、中に入ったところ。私の好きなラジオ番組「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」が著書になった「人間力を高める読書法」も少しずつ読んでます。あと2週間もすれば村上春樹の新作も発売。その他、ウェイティングリストに入っているものが多数。

読書欲が高い、というのは好調のバロメータでもあります。

今日は、夕方の土木学会での委員会の後、2月で2回目の水泳に行く予定。

心身の調子を整え、繁忙期の最終ステージに突入です。 


「維持管理の哲学・ビジョンを語る会」@横浜国大、のご案内

2017-02-07 08:54:33 | 職場のこと

3月7日(火)の午後に、維持管理の哲学・ビジョンを語る会、を横浜国大で開催いたします。

奮ってご参加くださいませ。

以前、私が主導で開催してきました、「コンクリート材料-構造の最先端技術に関する研究会」を都合、10回、開催してまいりましたが、その延長にあり、第11回目、という位置付けでもあります。

今回は、小松助教、修士1年の学生たちに運営を任せております。パネラーはおじさんたちですが、若々しい意見も飛び交う楽しい企画になると思いますので、お楽しみに! 


「新設コンクリート革命」(熱血ドボ研2030著)

2017-02-05 05:42:01 | 研究のこと

3月20日に、日経BPから「新設コンクリート革命」が発刊されます。熱血ドボ研2030の著書です。予約販売も受付中ですので、ぜひご購入ください!

ちなみに、Amazonでも予約販売しているようです。。。

石田先生は講義で使う予定だそうですが、ゼネコン、発注者、材料メーカー・製造者、学、等々の中堅若手(ベテランももちろん!)に広く読んでいただけるとありがたいです。廣井勇先生、吉田徳次郎先生、仁杉巖先生らのコンクリート構造物の品質、耐久性に対する哲学も第一部2でしっかりと触れています(その部分は私が書きました)ので、乞うご期待!

また、品質確保、耐久性確保の最前線で活躍するエンジニアたちのインタビューも包含されています。

熱血ドボ研はエンジニアだけの集団ではなく、マスコミの方々も仲間です。そもそも、熱血ドボ研2030とは何なのかも、この著書に書かれています。熱血ドボ研2030は女性の割合が多く、マスコミの方々も全員、本著の中でコラムを執筆していますので、色々な観点で読み応えがあろうかと思います。

 


研究室の冬合宿

2017-02-05 05:31:33 | 職場のこと

今日は2月5日(日)ですが、研究室の冬合宿です。

2009年12月に初めての冬合宿を三崎で実施しました。その後、時期を2月上旬に移しましたが、今年で8回目になろうかと思います。何事も、信念を持って始めたらしつこくやり続ける。開始以降、ずっと三崎の同じ旅館でやってきましたが、昨年は場所を変更して、足柄です。今年も引き続き、足柄で開催です。必要条件は、温泉。

夏合宿は二泊三日で、良質の見学会を日中に重ねる、という内容です。一方、冬合宿は朝から夕方まで修論生と卒論生のゼミ。日本人学生が全員参加です。最終審査を約1週間後に控えた修士2年は質疑を含めて35分。月末に最終審査の4年生は20分程度です。その後、夕食、お風呂、深夜までの懇親会。

近年は研究室OBOGも冬合宿に参加してくれるようになり、今日はOBOG総勢5名が参加で、2名の若手男子OBは宿泊も付き合ってくれます。少しずつ、研究室の文化の一つになってきてるようにも感じます。

昨日の土曜日、研究室全員に送ったメールです。

「細田です。

明日の冬合宿で発表する人たちは準備を頑張っているものと思います。以下、いくつかアドバイスします。

1. 発表後、十分な質の高い議論ができるよう、議論のために必要な情報(実験条件、解析条件等)は正確に伝えてください。前提条件の情報が十分でなしに、結果だけ見せられても、議論のしようがありません。

2. 得られた結果を見せるのはあくまで第一ステップ。「こういう結果が得られました」、の次に、「So, what ?」を常に心がけて情報発信してください。その結果が得られたから、何がどうなるのですか?何の意味があるのですか?この第二ステップの情報発信まで踏み込めるかどうかが、自分のやっていることの本質を理解しているか、常に研究の目的と手段を結び付けて考えているか、の試金石になります。

通常研究室のゼミ発表では、このレベルで情報発信できている人はあまりいません。

3. 他の学生の発表に対しても、質問をできるように聴講してください。先ほどの、So, what ?につながりますが、日常的にSo, what? を行っている人でないと、自分の行動に対してもそのように問いかけることはできません。問いかけることができなければ、2.も自動的にできないことになります。だから、質問をするように、といつも指導しているのですが、その真意まで理解した人はいますか?

私はほぼ日常的に、So, what ?を行っています。だから、私が講演するとき、講義するときは、常に目的と手段が意識された発言になっているかと思います。

以上の観点で内容のある冬合宿(日中)になることを期待します。」

もちろん、夜はバカ騒ぎです。