細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

大学の学生実験、という日常

2021-06-15 21:54:08 | 教育のこと

本日、YNU土木の学部3年生の学生実験のコンクリート実験が無事に終了しました。

たかが学部教育の必修の学生実験です。ですが、必修の学生実験(5分野)は受講生にとって負荷がとても重く、私が真面目とはとても言えない学部3年生であった1994年の春夏の、忌まわしいとも言える過酷な負荷は脳裏に焼き付いています。。。

さて、2020年度は、忌まわしいコロナ禍により、YNU大学教育はほぼすべてオンライン教育を余儀なくされました。その中で学んだことももちろんありました。表題の学生実験もオンラインで実施しましたが、最大限の工夫は凝らしたものの、対面での本来の教育効果は到底得られものでは無かったと思います。これは我々の努力不足ではなく、教育(もしくは社会活動そのもの)は、本来対面で実施すべきであることを我々現代人に突きつけたのであろうと認識しています。

そして、今年度のYNU土木のコンクリートの学生実験がスタートしました。

1年ブランクがあると、主戦力の学生のTA(ティーチング・アシスタント)のノウハウも途切れます。責任教員の私自身もやや不安を感じながらスタートしました。

しかし、いくつものミスを重ねながら、TAも成長しました。そして、YNU土木のコンクリート実験の最大の特徴であるコンテスト形式において、学生たちのそれぞれの班(合計6班)の、それぞれのオリジナルな設計に基づくRC梁(モルタル)を試行錯誤を重ねて設計・製造し、破壊荷重を計算し、実験で破壊形態・荷重を観察しました。コンテストは環境負荷の低減や、材料コスト、破壊荷重や梁重量の予測なども含めた総合評価方式を採用しており、学生たちも多角的な考察を楽しんでくれたように思います。

さて、本日が学生実験の最終日でした。梅雨入りがいつ宣言されたもおかしくない時期ですが、結果的に毎週火曜日の実験はほとんど雨が降りませんでした。。。(普段の行いが良いからかな。。。)

本日、6月15日は、最終日で、後半の3つの班のRC梁の載荷実験でした。

鉄筋コンクリートの梁という複合構造がどのように壊れるのか、じっくり観察して学んでほしい(私が先輩方から学んだ哲学)と、私からのメッセージを冒頭に伝えました。

ものが壊れるというのは不思議なもので、人間の何かの本能をくすぐります。壊れる過程や、壊れ方を、エンジニアとしてきちんと説明できることはとても大切なことです。エンジニアにとってとても大切なプロセスを学んでいるということを学生実験を通して強調しました。

本日はとても良い雰囲気だったと思います。受講生たちは自分たちの設計・作製したRC梁の破壊状況から多くを学んでくれたと思います。TAたちは相当なプレッシャーの中、準備、予備実験、3班×2サイクルの本実験の中でのフィードバック・改善、を通して、大きく成長してくれたと感じます。

このブログでは書ききれませんが、受講生、TA、そして教員の私も、大きく成長させてくれる場が、「教育」の場です。皆が相当な労力を割いて、事前予習、事前準備をし、教わる側も教える側も精一杯の努力をし、対面での実験の時間を通してそれぞれが学ぶのです。

ごくごく当たり前の日常ではありますが、昨年度のオンラインの学生実験とは大きく異なる教育効果を改めて現場で「体感」しました。

一言、付け加えますが、昨年度、オンラインでしか受講できなかった、当時の学部3年生たちの有志は、自発的に今年の学生実験を見学していました。それも素晴らしい光景と思いました。そのような心構えを持っている方々は、今後も大きく育っていくことでしょう。

ごくごく日常である教育・研究の現場が、どれだけかけがえのない貴重な場であるかを、本日の学生実験でも学ばせていただきました。日々が貴重ですね!




見られている

2021-06-11 08:11:53 | 人生論

当たり前のことですが、自分の行動や考え方などは、他の人から見られています。

直接、他の人から見られていることを認識できる場面も少なくありませんが、自分の意識していないところで見られていることも無数にあるでしょう。

講義のやり方・発言の仕方、学生実験での教員の振舞い、共同研究の打ち合わせでの仕切り方・発言内容や発言の仕方、学会の委員会での言動、職場の幹部会議での言動、などなど、ほとんどすべての行動、言動、立ち居振る舞い等で人に見られ、それぞれの人にそれぞれの人の価値観で評価され、うわさされ、ということが日常的に起こっているわけです。

他人の評価をコントロールすることなどできないし、よくないうわさが立ったり、炎上したり、ということもあろうと思いますが、基本的には自分自身の哲学に基づいた言動を貫くこと、に尽きるであろうと改めて感じます。

大きく見直すことはまずないと思いますが、現時点で少しブラッシュアップしてみようかなとも思っている私のミッションステートメントはこちらです。基本的には、私の日常はこのミッションステートメントに沿っています。

他の人がどう感じるかはその人次第なので私にはコントロールできませんが、私の哲学に沿って生きている中で、しっかりと見てくれている方は必ずいると思います。そして、その見てくれている方々とのご縁、相互作用の連鎖で、人生がクリエイティブに展開されていく、という感覚をここ最近も何度も感じています。

いきなり大きな突然のブレイクスルーが生じることもたまにはあるかもしれませんが、小さなアクションの連鎖や、それぞれの小さな独立していたように見える出来事が結果的には必然的に結び付き合っていくようなことによって、ダイナミックでクリエイティブな展開がなされていくと感じます。

6月も研究活動に多くの時間を割いています。今日は栃木県に出張で、ここ数年力を入れている重要な共同研究の大型実証実験(PC鋼棒の破断突出実験)です。首都高速道路やカイロ大学等と共同研究を続けており、アスファルト、ポリウレア、繊維補強ポリマーセメントモルタル、等も絡んできており、たくさんの勉強をさせていただいており、何とか実務の問題解決に貢献したいと思っています。

この研究一つをとっても、全体が良い方向に向くように、これまでにどれだけ小さなアクションを積み重ねてきたか。そして、これからもアクションを取るべき機会においては、当然にそれぞれのタイミングでベストのアクションを積み重ねていきます。

今日の実験もとても楽しみです。


5月が終わり

2021-06-02 11:17:03 | 趣味のこと

2021年5月が終わりました。この月は丸々、東京都は緊急事態宣言だったようです。東京都民ではありますが、この宣言についてとやかく言うことはこのブログでは避けますが、正直に言って相手をする気にもならないので、自分自身の生活リズムを向上させ、仕事のクオリティを高めるように力を注いだ一か月、でした。

3回目の緊急事態宣言、という社会的に異常な状況において、私も含めて極めて多くの方の人生が多大な影響を受けていると思います。海外出張は2019年12月以降、1年半も行ってませんし、こんな状況が長々と続けば、社会のあちこちが壊れていくでしょうね。元に戻るのか分かりませんが、極めて怖ろしい「インフォデミック」に人類は襲われてしまいました。

5月に入って、数ヶ月失っていた運動習慣を取り戻すことから始めました。結果的に、5月はすべての日で朝の体操を行い、最後の2日を除いてすべての日で柔軟体操も行いました。歩き方も改善した上で、一日の歩数を増やすことも心がけました。5月は休日も含めて、一日の平均歩数が10000歩程度でした。スマホに残っている過去の記録によると、コロナ禍に入ってから明らかに歩数が減少していましたが、2021年5月の平均歩数は過去数年の中では最も多い結果となりました。

休日は散歩もしますが、平日は通勤時に上星川の駅からキャンパスまで登ったり(強烈な坂道)、帰りに下ったり、と通勤方法の工夫でウォーキングを楽しみました。

4月初旬からの左手のしびれも5月に入って改善されてきたので、5月中旬からは腕立て伏せ20回、も朝の体操の最後にやる日が増えてきました。ちなみに現時点で左手のしびれはほぼ解消しました。

2月ごろから、白米を食べる量を増やしています。日本人にはとにかく白米が健康によく、ご飯をしっかり食べるのがよい、という世の中で一般的に言われているのとは異なる情報に接し、説得力があったので、我が家でも白米の摂取量を増やしています。

白米を増やした結果かどうかはまだ分かりませんが、体重がこれまでの平均的な数値より1~2kg多い状況となっています。太ったという感じではなく、全体的にがっしりした、というイメージだと自分では勝手に思っています。

5月は明らかに読書量が増えました。カラマーゾフの兄弟を読了したのもこの月で、今年もいろいろな書物にチャレンジしてみたいと思います。

今年度の研究テーマも本格的にスタートしましたが、全く新しく始めるテーマもあり、昨年のいまごろに比べると、研究活動を楽しんでいる自分がいます。勝負所に差し掛かっている研究や、手探りでスタートし始める研究など、いろいろありますが、どの研究も一人でやるものではなく、担当の学生や共同研究先の方々と、真摯に議論しながら多くを学びたいと思っています。

5月には学部3年生用の学生実験もスタートし、コンクリートの実験は合計6回(毎回、14:40スタートで、18:00ごろ終了の長丁場。受講生は3回で終了。提供するスタッフ側は同じ内容を2回。)ですが、6/1(火)で4回目が終わり、折返し地点を過ぎています。昨年、ほぼすべての講義、演習がオンラインで、学生実験もオンラインで対応しました。実験室での実験が2年ぶりとなり、担当のTAの学生たちも不安を抱えての出発でしたが、ここまでいくつか失敗はありながらも、修正・改善を重ねながら何とかここまでやっています。教員とTAも良いチームになってきており、受講生だけでなく、我々も多くを学べている良い機会になっていると感じます。

昨年度と今年度、土木の主任教授を務めていますが、24ヶ月のうちの14ヶ月が終了しました。残り10ヶ月、まだまだ先は長いですが、組織に迷惑をかけないよう、自身の務めをきちんと果たしたいと思います。

6月がスタートしました。ウォーキングや毎朝の体操などはそのまま継続しますが、もう少し改善したい生活習慣もあるので、6月の新たなチャレンジに設定し、スタートしています。1ヶ月継続すると「習慣」になるので、生活の記録を付けているエクセルファイルに毎日の結果を記録し、自身の励みにしながら、日々の生活を習慣化しようと努力しています。

5月は研究での出張は無かったのですが、6月はそれなりの数の研究出張が予定されています。出張も、自身の研究活動や生活リズムを活性化させる大事な機会なので、最大限に活用したいと思います。