細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

泰然自若?

2012-10-31 21:24:11 | 人生論

月曜日から今日の水曜日まで,ほとんど隙間の無い3日間でした。お昼ご飯もおにぎりを急いで食べて終わり,という火曜・水曜でした。その二日間で講義が5つ,という繁盛のせいでもあったのですが,まあ時間の無さは笑いたくなるほどです。

このような状況でも泰然自若と行きたいところですが,まだまだ成熟していないのか,小さなことで喜んだり,腹が立ったり。大きな波としては泰然自若を心がけ,小さい細部では感情起伏激しく,喜怒哀楽全開で良いかな。

さて,小さいこと。

研究費で,一眼レフのデジカメを買ってもらった。見学会にもたくさん行くし,一級の構造物なども良く見に行きます。良い写真を残しておきたい。メカにこだわりは全く無いタイプなのですが,なんかうれしいですな。明日は,隅田川のクルージングを100名くらいの学生と教員は私一人。いい写真を撮ってきます。隅田川に架かる超一級の橋を楽しんできます。

神戸屋コロッケのコロッケ,おいしい。昨晩も食べたのですが,今夜も娘二人と食べました。おいしいものを食べると幸せ。

小さなことでいくつも腹が立った。忙しくて余裕が無いことや,その他の理由ですが,小さなことで腹を立てている自分の矮小さも同時に感じていますので,まあ良し。感情の起伏が無くなったら私のような人間は終わりかな,と思うので,これでよいかと思います。

今後は我が研究室も激変が続きます。組織のみならず,私にも多くの変化が訪れます。ちょっと不安を感じることもあったけど,すぐにポジティブに考えるようになります。変化があるから楽しいのであり,変化があることこそが人生であり,社会であるのです。 

明日は見学会で,たくさんの学生,留学生たちとしっかりコミュニケーションしてきたいと思います。 


 


土木史の教え方

2012-10-30 18:28:21 | 教育のこと

今日は「土木史と技術者倫理」の5回目で、教科書では第10章「現代の自動車道路と空港の建設」でした。

日本経済をマクロ経済の点から見てみることから講義をスタートしました。道路網とは国の経済活動の根幹であり、まずは経済から入っていきました。マスコミで得られる情報とほぼ真逆の情報もたくさん見せて、適切に情報収集することの重要性にも気づいてもらいました。

我が国においては、道路網は自然災害とも切り離して考えられません。東日本大震災の「くしの歯作戦」や、新東名高速道路、3環状道路に期待される役割なども説明しておきました。

この講義は、とにかく学生に興味を持ってもらうことが最重要ミッションなので、情報が「面白い」必要があります。やり方はいろいろありますが、物事をプラスの面から見るか、マイナスの面から見るか、どちらかに絞る、という手法も私はよく使います。

例えば、前回は「都市の巨大化と環境問題」がテーマだったので、東京という過密都市の抱える問題や、豊島の産業廃棄物不法投棄事件の話など、ネガティブでインパクトの大きい情報を提供し、「当事者意識」を持ってもらいました。

今日は一点して、ポジティブな情報です。東京という過密都市で異様とも言える交通網の発達のおかげもあり、日本はエネルギー効率で世界先端を行っています。同じGDPを生み出すためにロシアの18分の1のエネルギーで足りるのです。高速道路網ももちろんこの高効率に寄与しています。

導入部のマクロ経済のデータからも、日本経済の持つ潜在力のすさまじさと、それが十分に発揮されていない現状、デフレギャップの問題など、日本が適切に舵を切れば、非常に明るい未来が待っているであろうことも伝えました。レポートを読む限り、学生たちは驚いており、物事には必ずプラスマイナスの両面があることにも多くの感想を書いてくれていました。

情報は多くてもかまわないと思いますが、一貫したストーリーが必要です。今日はポジティブ路線だったので、「いつにも増して面白かった」という女子学生の感想もあり、うれしかったです。

来週は、「自然災害の克服」です。これも、ポジティブにもネガティブにもどちらでも話せるのですが、昨年は「治水」一本でポジティブに攻めました。今年はどうしようかな。これから考えます。

 


秋の第一ピーク

2012-10-29 08:26:31 | 職場のこと

繁忙期の10月に入った後,あっと言う間に1ヶ月が終わろうとしています。

科研の申請もそろそろ締切りで,昨年度外れた特権?で昨年度の申請書をベースにブラッシュアップして申請します。2つ,私が研究代表者として申請しますが,本命の方は昨年,審査結果によればそれなりに健闘したようですが,あと一息でした。今の目で見直すと,多々ブラッシュアップが必要で,構想自体もかなり大きくなっています。被災地の復興道路の品質確保の視点も盛り込んで,現時点の私が実践できる最上レベルの研究計画としました。今年でラストチャンスの予算ですが,最後に獲得できるかな?

さすがに週末も仕事をしないと全く回転できず,土曜,日曜とも家族に多大な迷惑がかからないように家事,育児もやりつつ,仕事を回しました。それでも溜まった宿題がさばけないので,私の問題ではなく,仕事が多すぎるのだと快活に開き直っています。ご迷惑がかかっている皆様,申し訳ございません。

今朝は,「はやて」で仙台に向かっています。熱血ドボ研2030のメンバーと,被災地の復興道路の品質確保のためのアクションを開始しました。週末に皆でメールで議論しながら,地方整備局長にプレゼンするための,エッセンスと思いの凝縮されたパワーポイント5枚が出来上がりました。私は2枚を担当しました。

今日は,日中のハードなスケジュールをこなした後,地整の方々と懇親会をして,深夜に帰宅します。

木曜日は教室の見学会@隅田川,お台場。
金曜日は京都のアップグレードシンポジウム+共同研究打ち合わせ@京都

火,水も講義や打ち合わせでもみくちゃになりますが,さらに充実した11月となるよう,10月をしっかり締めたいと思います。

11月は台湾人の友人の結婚式に家族で出席したり,国内の現場調査がいくつも入ってくるなど,さらに激しさが増しそうです。 


実践

2012-10-27 09:21:34 | 研究のこと

JR東日本構造技術センターでの勤務を経験して,私の考え方は大きく変わり,「実践」を行動原則のうちの重要な一つに置くようになりました。

大学での研究というのはなかなか難しいもので,資金面の難しさ,研究設備やツールの難しさ,学生を教育しながら最前線の研究をしなくてはならないという難しさ,などなど挙げだせば切りがありません。

一方で,大学の研究ならではの長所ももちろんあり,自分で研究テーマを設定できること,がそれらの長所の筆頭格かと思います。

実社会が良くなるために研究したい,と土木工学の研究者が思うことは簡単ですが,それを実践するのは容易ではありません。

私も,上記の難しさは肌で感じてきましたが,周囲の皆様と連携して,また支えられながら,一歩ずつ積み重ねてきました。

今は,とても良い環境で仕事,研究,教育をさせていただいており,いよいよ「実践」が本物に近づきつつあってわくわくしています。

JR東日本からは多くの考え方ややり方を学ばせていただきました。山口県の取組みからは非常に多く学ばせていただいており,改めてこの取組みとの出会いは私の人生の大きな転換になっていると感じます。これからもしばらくは連携が続くと思います。

学ばせていただいたことを実践する場は,横浜市にも展開が始まってきています。また,ビッグプロジェクトとして,被災地の復興道路の品質確保プロジェクトにも大きく関与することになりそうです。まさに実践です。

すべての仕事が有機的につながってきます。徹底してプラグマティストでありたいと思っていますが,私の仕事の大部分が大きな一つの方向性で統合されている感覚は,大きな充実感を与えてくれます。

今日明日の土日で非常に多くの重要な仕事を片づけなくてはなりませんが,時間を有効に使いたいと思います。

そして,29日の月曜日は,東北で被災地の復興道路の品質確保プロジェクトの調査,意見交換会です。熱血ドボ研2030の主要メンバーが東北へ向かいます。山口からも田村先生と二宮さんが参戦します。楽しみ。
 


9年前の悩み

2012-10-25 21:40:27 | 教育のこと

NEXCO中日本からとても貴重なパワーポイントをいただきました。
新東名高速道路の整備効果や技術的な特徴などをまとめた秀逸なパワーポイントです。

私の担当している「土木史と技術者倫理」の次回が,「現代の自動車道路と空港の建設」というトピックだからです。

池田尚治先生のご配慮もあって,NEXCO中日本の技術懇談会のようなものに入れていただいて,いろいろと情報をいただいておりますが,国民にもしっかりと理解をされていない高速道路,高規格道路の重要性を,工学部の学生たちに伝えることには大きな意義があると思い,NEXCO中日本の方々にご提供をお願いしました。

9年前,JR東日本から大学に赴任したとき,30歳でしたが,鉄道の実務をそれなりに見て来て,自分なりに情報を収集したつもりではいました。その財産を活用して,大学院等の講義もスタートしました。でも,9年前の30歳の私は,「今はそれなりにフレッシュで実務に直結した情報を持っていても,大学という組織にいると新たな同レベルの情報を継続的に獲得することはかなり困難ではないか」と不安に思っていました。

その後,9年が経過しますが,いろいろと経験してきました。本質的には自分自身の生み出す研究成果に基づく情報が基本であり,それらに何らかの見どころがあり,また活発に活動していれば,周囲との連携が生まれ,自らの獲得できる情報の質と量は増大します。そして,周囲に貢献できる度合も大きくなります。ポジティブスパイラルを構築することが真に大事であると体得してきました。

一級の情報の共有は,クリエイティブな仕事をしていく上で重要と思っています。個人が生み出せる情報には限りがあります。生み出した人のオリジナリティを最大限に尊重して,共有して活用し,活用していく中で新たな知見が生まれてくるのだと思っています。

インタラクションをもっと大切にしよう。情報を囲うことも時には必要ですが,過度に囲うと発展が無くなる。今の日本は情報を囲いすぎ。

知見を生み出すこと。良質の情報をいただけるようにネットワークを発展させること。情報を発信するときには「出し惜しみ」をしないこと。出し尽くすからそれなりに評価を受け,出し尽くすからこそ,新たな知見を生み出す意欲を原動力として得ることができる。それが,ポジティブスパイラルの構築方法かな,と思っています。 


研究テーマ

2012-10-25 20:03:33 | 研究のこと

今,私が研究テーマとして学生と一緒に取り組んでいること。

・表面吸水試験とコンクリート構造物の表層品質
・自己治癒コンクリート(過去の漏水防止とはコンセプトを変えた)
・コンクリートの収縮とRC部材のひび割れ発生後の挙動
・津波による橋梁の被害
・高炉セメントコンクリートのひび割れ抵抗性の改善,革新的な高エーライトセメントによるひび割れ抵抗性の改善
・厳しい環境作用下でのコンクリート電柱の劣化メカニズムの解明と高耐久化

・コンクリート構造物の品質確保システムの構築と展開(山口県のひび割れ抑制システムに関連するトピック)
・東北被災地の復興道路の品質確保プロジェクト

・鞆の浦の地域活性化と減災力の向上に関する研究

といったところです。二つ目の塊は建設マネジメント的要素を多分に含んでいます。

私の中では,二つ目の塊の研究群を推進していくために必要なコンクリート工学の研究を,基礎研究として今後も続けたい,と思っています。

大学の研究者となって9年が経過しましたが,今後の10年の方向性が少しずつ見えてきているように感じます。


バッタの脱皮

2012-10-25 15:38:22 | 家族のこと

23日の火曜日のことですが,天候もあまりよくなく,少し苦労しながら,娘二人をお迎えに行きました。

最近はお迎えに行くときも外食が多くなってしまっていますが,その日は帰宅してから自宅で三人で夕食を食べる日でした。義理の母が夕食を準備しておいてくれたので,三人でそれを食べるというパターンです。いつもいろんな方に支えられて,何とか我が家は回っています。

そのような夜だったのですが,帰宅直後,私がまだ玄関の辺りで何か片づけている頃に,奥のリビングの方から「やったー!」という長女の声が聞こえてきました。何だろうな,と思いましたが,聞いてみると,「あのバッタが脱皮して,トノサマバッタになった」とのこと。


 
写真のような少し変な形のバッタが,娘の昆虫館にいたのですが,これが脱皮して,トノサマバッタになっていました。

11/3(金)には,小学校のイベントがあり,みんなで新聞を作るようで,娘のクラスは昆虫についていろいろと調べたものを新聞にするようです。この写真の他に4枚ほど写真撮影を私も付き合わされ,奥さんが印刷会社で印刷してもらってきて,娘の手に渡りました。写真の出来栄えに満足しておりました。

今年の長女は本当に生き物に夢中になっており,ほほえましく思います。娘の昆虫館には,脱皮したトノサマバッタの他,元からのトノサマバッタや,イナゴ,などなどかなり壮観で,しっかりと土や草が備えられていて,親ながら感心しております。 


タフ

2012-10-24 08:31:02 | 人生論

ぐちゃぐちゃになりながらも,繁忙期の秋学期,何とか前進しています。講義の負担もかなり大きいのですが,この期に及んで今日からまた一つ,博士課程用の講義が英語でスタートします。開始時期が遅れたので,週に2回などやりながら,短期で片づけようと思っています。

心身ともにギアが上がってきたので,今後さらにギアを上げながら2月末まで駆け抜けていくことになると思います。まあ例年通りです。

やはり忙しい生活に適応してくると,本来の「タフ」さが体の底から湧いてくるように感じます。今朝も6:25~,テレビ体操を家族3人でやって,フルーツの朝食を食べ,長女と出発。昨日の悪天候も過ぎ去り,非常に気持ち良い天気で,体の動きの切れを感じます。

体のタフさは,母方の祖父から受け継いだようです。私と同じく色黒で,小柄なのですが若いころは鉄棒で大車輪ができたそうです。しかし,お酒に弱く,いつも笑っていましたが話下手の寡黙な人でしたので,その点は別の血の影響かと思います。その祖父は,島根の大田市で私たち孫を海や山でこれでもかというくらい遊ばせてくれた大好きなおじいちゃんでした。私の野生児のような性分を作り上げてくれた恩人です。

この状況で,しっかりと寝ている時点でタフかと思いますが,精神的にも年々タフになってきているように思います。図太くなっているだけかもしれませんが。今の私の理解では,質の高い睡眠が,心身とものタフさの根源になっているように思うので,睡眠を削るというのは最後の最後の手段にしたいと思っています。

まあ,無数の業務,アクティビティーを抱えながら前進していますので,少々のご迷惑は仕方ないと割り切ってます。これまでも何とかしてきたし,今後も何とかなるでしょう。何とかするでしょう。

今日も一日,ほとんど隙間の無いスケジュールですが,たまっている宿題をどこで片づけるか,少々「悩み」ながら, 夜のユズリハでのミーティングが終わるまで,駆け抜けませう。「ユズリハ」は横浜国大生たちが経営するお店です。私の指導学生の赤間君もその一員で,今夜は鞆の浦プロジェクト等のコアメンバーたちが集まって活動報告,今後の戦略を練る会合です。

だんだんと,コンクリートの研究者で無くなってきている気がする・・・・ 


感受性

2012-10-23 07:11:28 | 教育のこと

感受性と感性は違うと思うけど,まずは感じることから。大事なのは感性かもしれないけど,そのためには感受性を豊かにすることから。

たくさん感じるのがよい。体をたくさん動かせば,運動機能が高まるのと同じ。頭もたくさん使えば,回転が速くなるのと同じ。たくさん感じることが,感受性を高め,ひいては豊かな感性につながると思う。

今日も3限は土木史と技術者倫理。「都市の巨大化と環境問題」というトピック。

昨年準備した講義の説明補足のパワーポイントを見ていたが,全く物足りない。
豊島の産廃不法投棄事件のことを,学生たちに伝えるべきだと思い,大川真郎弁護士の本を読んだ。 

豊島には教室の見学会で行っており,それなりに知っていたが,この本を読んで改めて深い経緯を知り,ある場所では涙が溢れた。むせび泣いたというのが正しい。私なりに理解したことを,今日の講義でも伝える。近代化,大都市化は廃棄物と表裏一体であり,どんなにきれいごとを言っていても,我々国民は,廃棄物問題の「当事者」である。

前回の「橋梁」の講義では,「つなげる,つながる」というキーワードを用い始めたが,今日は「当事者」であることを徹底して意識していただく。

そして,今日も前回の学生たちのレポートを採点したものを返します。90名程度の学生の「感じていること」を読ませてもらうと,私もいろいろと感じ,考えさせられます。私の講義からいろいろとキャッチしてくれていることには素直にうれしく思うし,私のインプットを受けて自分の中の従来の観念との相違にとまどっている学生もたくさんいます。それで良いのです。私のインプットは強烈かもしれないけど,押し付けはしません。いろんな考え方があることも講義では話しています。

毎回,90人の学生たちが感じていることを読ませてもらうだけで,私の感受性は向上します。

一級のものに触れ,感じ,笑って,泣いて,多くの人たちと交わることで,感受性は向上していくと思います。その先に,豊かな感性があると思われます。 


言葉での説明

2012-10-22 20:57:31 | 家族のこと

今朝,長女と家を出ました。ほんの10分ちょっとの間なのですが,別れるまでの時間は大事なコミュニケーションの時間です。

今朝は,娘から話題を切り出しました。「『はぜ』を言葉で説明してみるね。」
魚の『はぜ』です。家の近くの川原で釣りをする人が多く,週末に釣り人と仲良くなり,釣ったはぜを見せてもらったりしたからでした。

「はぜは,水槽では底の方にいて,時々位置を変えて,・・・」などと言葉で説明を始めました。目の位置や目の形なども。娘の説明で大方イメージできたのですが,大きさの情報が無かったので,「何cmくらい?」と私が聞いて,情報を追加してもらいました。

すごく良く分かったので,「とても良い説明だった。よく分かった。」と褒めました。

「じゃ,次はパパの番。」 私は,「マンタ」を説明しました。「うんうん,すごく良く分かる。」と納得してくれました。

その次は,娘が家で飼っている「イナゴ」を説明してもらうことにしました。なかなか難しいと思いますが,「体が3つの部分に分かれていて,・・・,触覚は1つ目の部分に付いていて,・・・,2つ目の部分が一番小さくて,・・・・・」など,とても詳細な説明でした。「どれくらい飛べるの?」と機能に関する質問だけして,情報を追加してもらいました。

3つの生き物を言葉で説明しているうちに,お別れが近づいてきました。

「頭で理解していることを,他の人に言葉で伝えることはとても大事なんだよ。今やった言葉遊びはすごく良いから,ときどき友達ともやってみたら?」と教えてあげて,10分のコミュニケーション終了。

長女は,同じ年頃の私に比べると,言語能力はすごく優れていると思います。読書の量も私よりも圧倒的に多いです。豊かな日本語能力が身に付くよう,私にできることはいろいろやってやろうと思っています。 


予防保全,一級

2012-10-22 08:53:23 | 人生論

私はあまり肌が強くなく,大学生の1年生のときに,環状7号の大原交差点の近くに一人暮らししていて,排気ガスの影響+食生活の乱れからだと思いますが,かなりひどいアトピーになりました。

今は,食習慣も圧倒的に改善され,肌や体の調子が乱れることもほとんど無くなりました。

冬場で乾燥が厳しくなると,肌もガサガサになります。保湿のクリームを塗ることも大事な予防保全です。

以前は市販の普通のクリームを使っていたのですが,あまりよろしくない。2年くらい前から,ドクターシーラボのクリームを使うようになりましたが,これが良い。 勝手な想像ですが,市販の安いクリームだと,菌などが繁殖したりするようにも思います。(楽天で買った方が,薬局で買うよりも圧倒的に安いことに,今気付いた。)

一級の対策をとれば,結局ライフサイクルコストが小さくなるのは, 構造物の維持管理もそうだし,講義などでよく紹介する口腔ケアも同じ。2万円の歯ブラシ(Sonicare)を使うのなどバカらしい,と思うかもしれないけど,それらのケアのおかげで結局,30代の10年間,歯医者と無縁というライフサイクルコストの低減効果には驚きです。

劣化が生じてからの事後保全だと,対策後に一見元に戻っているように見えるかもしれないけれど,実は戻っておらず,時間が経つと性能が低下していきます。そして,いつか機能しなくなる。

機能を保つための真の予防保全は,今後の構造物の維持管理でとても大事になると思いますが,まずは自分の体でいろいろと体得しようと思っています。


熱血ドボ研2030

2012-10-19 15:50:51 | 研究のこと

10/9(火)に発足したチーム,「熱血ドボ研2030」です。

公の組織ではないのですが,かなり影響力がありそうなチームで,すでに私もあちこちで紹介しているので,ブログにも書いておきます。

私は土木工学に携わる研究者,教育者です。英語ではCivil Engineeringですが,そもそも「土木」という言葉についていろんなことが言われているのはご承知の通りです。今や「土木工学科」という名前が残っている大学の数の方が少ないでしょうか。東京大学も「社会基盤学科」です。欧米の多くの大学では,もちろんCivil Engineeringがそのまま残っていますし,学科名もそうでしょう。

私は,一般市民の視点を考えると,「土木」という名前が誤解を与えると思っており,この名前には反対です。ですが,講義などでも話していますが,仁杉さんや丹保先生クラスになると,「土木」の「土」は「地球」であり,「木」は「自然」である,となります。つまり,土木工学とは,地球を舞台に,自然との調和を図りながら人間の文明を創生する学問,ということになります。これくらいのスケールで「土木」という言葉を使いこなしていく気概があるのであれば,賛成。

さて,そのような「土木」ではありますが,「ドボク」とカタカナで書いてみると途端に印象が変わります。以前,我がコースの女子学生たちは,自分たちのことを「ドボコ」と呼び,「ドボコTシャツ」を自分たちで作っていました。「先生の分も作れますよ」と言われ,私はオレンジのドボコTシャツ(「ドボコ」のプリント入り)を自分と,小さな娘のために購入しました。「ドボコ」もかわいいですね。

「土木工学」は市民に適切に理解されていません。これまでの「土木工学」から市民への情報発信が適切でなかったこともあるし,「土木工学」のあり方も時代の要請に合わせて変わっていく必要ももちろんあります。市民への情報発信にはマスコミの協力も欠かせません。

そこで,日本大学の岩城一郎先生が, 時間や予算に縛られない,有志の情報交換の会を立ち上げられました。

大学からは,岩城先生,石田先生と細田。建設関係からは,三井住友建設の春日さんと首都高の土橋さん。NHKの解説委員の後藤千恵さんと,岩城先生が以前から信頼関係のあるNHKの番組制作会社の平原さん。日経コンストラクションの編集長と編集員。以上がメンバーです。後藤さん,平原さんが女性で,女性の鋭い視点もふんだんに飛び交う,刺激的な議論がなされます。

この情報交換会では,さまざまな情報が飛び交いますが,私が直接関与するものとしては,山口県のひび割れ抑制システム,鞆の浦の地域減災力の向上,東北被災地の復興道路の品質確保,などですが,議論の内容は日本の問題そのものです。

10/9が3回目の会合だったのですが,懇親会で「この会に名前を付けよう」ということになりました。ハイテンションでキーワードが飛び交い,それを私が(一番下っ端)メモ紙に書き留め,キーワードがつながって,「熱血ドボ研2030」に決まりました。

「熱血」は外せない。私など熱血の固まりです。熱血とは,真剣ということです。本気でやる。

「ドボ」は前述の「ドボク」から。

「研」は研究魂です。これも私があちこちの講演で話すことですが,今の日本人には「研究」マインドが欠けています。研究所の研究でなくて,日常の問題点,課題を見出して改善する,それが研究魂です。盲目的なコンプライアンスにはさようなら。山口県の取組みは,行政での研究であると理解しています。

「2030」は,ふくしまでの万博を2030に開きたい,という郡山に工学部を置く日大の岩城先生の思いです。原発の問題も議論はいろいろあるでしょうが,福島県が脱原発に向かうのは当然でしょう。原発,化石燃料に頼らないクリーンエネルギー100%を2030年に達成すると公にビジョンが示されているので,その2030です。一方で,この情報交換会も,目先の議論ではなく,20年後くらいを見据えた大事な取組みをみんなでやっていこう,という覚悟の表れでもあると思っています。

「熱血ドボ研2030」。付いてみるととても良い名前です。

「熱血ドボ研2030」のメンバーは,今後,活動を活性化させます。29日には,東北の被災地の復興道路の品質確保を実践するために,現地でのヒアリング等を行い,東北地方整備局の徳山局長とも面談をします。

12月中旬には,日本が発明した「バタフライウェブ」の橋を,宮崎県に見に行くことになっています。

本日,私が向かっている鞆の浦は,日本の先端を行く地域介護の現場でもあります。ポニョの舞台にもなったところですが,国宝級の人情も残り,日本が大事にしなければならない街並み,地域が残っています。この地域の減災力の向上をテーマに,私の指導する赤間君が卒業研究に取り組んでいます。

鞆の浦へも,熱血ドボ研のメンバーが行くことになるでしょう。

そして,「土木」の魅力がマスコミからも適切に発信されることが当たり前になる日もやってくるでしょう。 


研修3回終了

2012-10-17 21:36:28 | 職場のこと

10月に入り,やたら忙しくなったのはいつものことでもありますが,今日は一段落でもあります。

10月1日,10日,17日と,ほぼ毎週,横浜市の研修の講師として登板しました。今日は「マネジメント」でしたが,これらの研修は,山口県のシステムの横浜市への展開の布石ともなっており,それだけに私にとってもやりがいのある研修でもありました。

それにしても,10月以降は超繁忙期ですが,本来の業務ではない研修がこれほどの頻度で入ってくると,さすがに忙しくなります。研修のための資料作りもばかにならないし,研修のレポートの採点などものしかかってきます。

今日,うれしかったのは,2時間の講義時間が全く足りず,質疑の時間が取れずに終わってしまったのに,休憩時間中に,質問に来てくださったことです。 お二人とも,民間会社を退職されての中途採用で頑張っておられる職員の方でした。やはり,山口県の「協働」の取組みは,施工会社も経験された方には響く内容なのでしょうか。

また,帰り際に,研修の主催側の女性職員の青木さんが質問してくださったのも,とてもうれしかったです。青木さんにはいつも癒されています,ありがとうございます。

話す方は,ギリギリの日常の中で準備しているので,配布資料などに万全でない部分もありますが,お伝えしている内容は全力の結果です。質問していただける,ということは興味を持ってもらえている,ということと理解していますので,うれしいのです。

6月に林さんと二人での横浜市での「診断士研修」が終わり,今日で10月の研修は終わりましたが,今年度,これで終わるとも思っていません。まだまだいろんな機会が出てくるでしょう。私自身は年度後半戦のハイテンションに突入していますので,皆さんが元気になるためであれば,いくらでも活用していただければと思います。

ちなみに,本日は,私が13:30~15:30,そして,15:40~17:25は池田尚治先生のご講義で,聴講者にとっては強烈さという意味では「贅沢な」研修になったかと思います。 


今日は大人相手

2012-10-17 06:05:15 | 教育のこと

昨日の火曜日は,講義2つ。午前は大学院,午後は学部の「土木史と技術者倫理」。
午後の土木史の講義はいろいろと準備があり,12:30過ぎには講義室に到着していたので,実質的に,10:30~14:30までぶっ通しで講義しているような感覚でした。

土木史の講義は3回目で,昨日の内容は「橋梁」でいくらでも話すことがあるテーマでもあり,徐々に私もエンジンがかかってきました。昨年と同じようなテンションで行けるのか,不安もありましたが,学生たちのレポートを毎回見ることができるのが,実は私にとって大きな刺激になることも再認識。私の半分くらいの年齢の学生も多く,彼らが私からの情報などを元に,どのようなことを感じ,考えているのかを,彼らの手書きの文章で見ることができるのは非常に貴重です。彼らのレポートから,講義のヒントも得ることができます。

講義は双方向であることが望ましいですが,日本,世界,そして現代から古代までをカバーする土木史の講義において,双方向の授業を達成することは至難とも言えます。そこで私は,毎回,学生にレポートを書いてもらうことで,双方向を達成しようとしています。今年度は90名くらいの受講になっていますが,毎回,レポートを読むことはもちろん手間にはなります。でも,やはり,この講義のレポートを読むことはとても楽しい。あと10回以上講義は残っていますが,彼らがこの講義を通していろんなことを感じてくれればうれしいし,できれば自分の考えを持ち始めるように歩み始めてほしい。そして,たくさん本を読んだり,いろんなことに興味を持つようになってほしい。それが講義の目的です。

さて,週の半ば,水曜日に来て少し自転車操業から抜け出せそうですが,今日の午前はJCIのマスコンひび割れ制御指針の委員会のWG。温度応力解析の素人でしたが,いつの間にか最前線の委員会のWGメンバーになってます。これも,山口県のシステムで鍛えていただいたおかげ。感謝の念を持って,委員会に貢献したいと思います。

今日の午後は,横浜市の技術職員対象の上級研修。内容はずばり,「マネジメント」です。時間は2時間。昨日は学生,今日は大人が相手ですが,話し方が多少変わるだけで,本質的な内容は変わらないと思っているし,熱血度も変わりません。

「マネジメント」をどのように語るか,ですが,最初は「マネジメント」の定義,から考え始め,自分自身の個人のマネジメントから入ります。もちろん,構造物の品質確保,維持管理におけるマネジメント,建設マネジメントにも話題は広げていきますが,やっぱり基礎は個人にあります。10/11に下関で参加してきた,山口県の施工状況把握の研修会の話ももちろんします。毎日を全力で生きながら学び,そしてそれを教育,研究に即座にフィードバックしていきます。「実践」です。