明日、10/30(木)の12:00-13:00前まで、建築学棟の8Fにて、中村文彦先生(都市イノベーション研究院長)のDean's Salonに私が登場します。中村先生と私のおしゃべりを、皆さんも軽食を食べながら楽しく聴いていただく、もしくは話に参加していただく、という企画です。
誰も聴衆がいなくても二人で勝手に盛り上がると思いますが、興味のある方はぜひぜひ遠慮なく!お昼ご飯を持参して、食べながら聴いていただいてもOKです。
吉田徳次郎先生の「コンクリート及鉄筋コンクリート施工方法」の、第24章「コンクリート工事の監督、管理および記録」より抜粋。
p.721 No.592「現場監督者」より一部抜粋。
「現場監督者は、人格が高潔で、機略に富み、判断が正確であり、しっかりしていて責任感が強くなければならない。いわゆる「あの人はいい人だ」という人が満足な現場監督者だとはかぎらない。
現場監督者は、作業員の尊敬と親愛とをうける人柄であることが大切である。公平にことを処理し、よくできた工事を作業員と共に心から喜ぶようであれば、作業員の好意ある協力がえられる。
中略
現場監督者は、請負人との間の問題に理解をもち、また、おこった問題を常に好意をもって処理することが大切である。請負者の身になって考えることを忘れなければ、請負者との間に友誼を保ち、協力して工事をすすめることができる。両者が敵視するようなことでは到底満足な工事は望まれない。
現場監督者は、不満足な結果がえられると思われる点があったときは、できるだけ早く請負者と相談して、材料および労力の無駄をさけなければならない。工事ができ上ったのちに、やり直し、修繕、等を命ずる監督者は、自分が未熟でないかについて反省する必要がある。
現場監督者は、請負者から検査を求められたとき、できるだけ早く、これに応じなければならない。あいまいな、不注意な検査が論争の原因となる。おおへいの検査は常にまさつをおこし、請負者との間の感情を悪くする。
中略
公平で、ていねいで、協力的で、実際的で、しっかりしていることが、現場監督者が請負者の尊敬と協力とをえるゆえんである。
構造物の設計施工について十分な知識をもち、請負者との関係について理解があり、頭のいい、しっかりした判断のできる現場監督者は立派に工事を完成させることができる。
有能な現場監督者に支払う費用は、構造物のできばえを保証される結果にたいしてはすこぶる安価なものである。」
仏滞在中の大型出張としては最後の出張になりそうです。トルコへ4泊の出張です。パリのシャルル・ド・ゴール空港へは何度来たか分かりませんが、パリからトルコへの出張になります。やはり、日本からの出張に比べるとはるかに気楽です。片道3時間ちょっと。時差も1時間です。
9月には、まだ調整中ですが、ロンドンへの日帰り出張と、フランス国内の2泊の出張が予定されていますが、これで出張は終わりです。家族ともしばらく離れるので、家庭を大事にしつつ、最後の勉強と、論文・原稿執筆、講義の準備に9月を当てたいと思います。
仏滞在中にはいろいろと、自分の勉強したいことを勉強してきました。自分がこれからどういう人間を目指そうとしているのか、勉強した内容を見れば明らかです。やはり、コンクリートについての勉強の割合はそれほど多くありませんでした。コンクリートに関する研究はたくさんやりましたが。
最後の1ヶ月を迎えるに当たり、自分の読みたい本は、やはり日本に関するものが多くなってきています。
福沢諭吉の「文明論之概略」、宮本常一の「忘れられた日本人」などを今回の出張に携帯していますし、今読んでいる真っ最中は、藤井聡先生の「政の哲学」です。大変に面白く、実践的に自らの活動にも役立ちそうです。
私はやはり哲学に興味があり、文明とは何なのか、今後どうあるべきなのか、について多大な興味があり、我が国家がどのように進むべきかについてなるべく確かな羅針盤を求めているように思います。
昨日は、仏滞在中にとても仲良くなったIFSTTARの研究者のNicholasと昼食を楽しく食べました。彼も、ヨーロッパで今後相当に活躍しそうな研究者なので、今後、交流を続けようと話し合っています。彼とも、フランスの現在の状況、今後への展望などを話しましたが、あまり明るい将来をイメージできていないようです。日本が襟を正して、日本らしく世界に貢献できるよう、まずは日本のことをきちんとしないといけませんね。
9月には、研究所の研究者も含め、いろいろな人とコミュニケーションをする機会がありそうです。とても楽しみです。
私は、一歩一歩しか進めない人間である、とよく分かりました。多くの方々と運命的な出会いをさせていただく幸運に恵まれているので、展開が激しいようにも一見見えますが、でも冷静に振り返ると、一歩一歩、牛歩のようにしか歩んでいません。それが私自身も持ち味であると思っています。
さあ、トルコでも、藤野陽三先生、春日昭夫さんら、超一級の方々ともたっぷりコミュニケーションできますし、日ごろからの同志たちとの議論もするでしょうし、新たな出会いも多くありそうです。
今回は、コンクリート標準示方書の施工編もリュックサックに入れてきましたので、私としては、気持ちは日本復帰以後の臨戦態勢になりつつあります。
先週のギリシャに引き続き、今回のトルコも初体験となりますが、ローマ人の物語の13巻、コンスタンティヌス大帝が遷都したイスタンブールでも、いろいろと感じてまいります。
フランス滞在中にぜひ読みたい本の一つであった「PC構造の原点フレシネー」(建設図書)ですが、一通り読破はしましたが、現在、フレシネーの構造物を見学する機会も活用して再読しています。
フレシネーがプレストレストコンクリートを明示的に発明する以前の部分からの、気に入った文章です。
p.88
「実際には、私の観察事実に反する実験結果は何もなかった。コンクリートはより大きな変形に耐えられ、規準で許されている以上に塑性的なことは事実であった。数学ばかりで知恵のないまぬけでなければ、日ごろから簡単に観察できる事実なのである。」
--> クリープによる橋梁のたわみの問題に関してです。コンクリートアーチの中央ヒンジについては、フレシネーは設計規準の不備も見抜いていました。
p.89
「確実に間違っているといえるのは、規準の草稿を、その訓練と考え方ゆえ、独裁者のように管理しようとする、技術に対して全く無知であるだけでなく、それを永久に理解することも無い、数学者に任せたことにある。」
p.91
「ブチロン橋に関しては、悪い思い出しかない。ル・ヴァートル橋とともに、『力業』であり、少し際立ち過ぎていた。・・・・・・ 結局のところ、この2つの橋を造ったことにより、『力業』は避けなければならないことを学んだ。・・・・・・ ヴィルネヴ シェルロット橋も、プルガステル橋も『力業』ではなく、それゆえ、これらの橋は以降、模倣され、同じ形式の橋が今度は規模が大きくなって再び建造されたのである。」
p.164
「ル・コルビュジェは、建築の学生にメッセージを送り、そこで、『フランスは、アイディアの実験室であるが、ずっと以前から発明家に対し、軽蔑と無視、拒否と失望を与えては得意になっている』と言っている。後に、彼は、ペレを誉めているが、フレシネーをほとんど覚えていない(フレシネーのことにほとんど触れていない、の方が適訳でしょうか)。」
プレストレストコンクリートの発明に関する言葉は、その2以降で!
自分自身でいわゆる「三日坊主だな」と思ったりした時期もあったのですが、どうやら私は本質的には三日坊主ではないようです。
誰でもそうなのかもしれませんが、本当の興味の無いことや、自分が本心からやりたいことでないことは長くは続きません。
一方で、私は、自分が本当に大切に思うことや、心から面白いと思うことに対する持続力は一般より強いのだろう、と41年間自分と付き合ってみて思うようになりました。
自分は器用な人間だとは思いませんが、努力を継続してコツをつかんだものに対してはセンスを発揮します。これも当たり前のことなのかもしれませんが。
中学校受験、中高の勉強、中高の部活(バスケ)等での自分のやり方、パフォーマンスを見ていても、努力を続けて、ある段階から大きな成果が出るようになり、努力が長く継続される、というパターンです。
最近の日常生活でも、このブログ、読書、朝の体操、口腔ケアなどは自分の中で確立した方法があり、それを何年も何十年も継続するのだろうと思います。
今日、久しぶりに?コンクリートの勉強を再開しました。基礎的な勉強、という意味です。
7年くらい前に通読した、Nevilleの"Properties of Concrete"(もちろん原書)をオフィスの書棚から取り出し、10章のDurability of concreteから読み始めてみましたが、やはり面白い。ある程度、基礎が確立された人間がこの本を読むと、いろいろとインスピレーションが湧いたり、日常から疑問に思っていたことが解決されたり、もちろん英語表現の勉強になったり、と非常に楽しめます。努力を継続すると、ある段階からちょっとした努力の効果が大きくなることが、努力を継続することの魅力です。
留学中にやりたかったことは無数にありますが、終わりの時期もぼんやり見えてきました。すべてをやることはできませんが、後で後悔しないようにだけはしたいと思っています。論文等の執筆はそれなりにやってきてはいますが、専門分野の古典の勉強や、講義資料の準備等に注力してこなかったので、少しずつ過ごし方をアレンジしていく時期に入ってきました。
何度か、このブログにも書いていますが、フランス語の勉強もしています。本格的に語学を勉強するのは、英語、大学1~2年生時のドイツ語、に次いで3ヶ国語目です。40歳になってからの勉強なので成長が遅い面もありますが、いろいろと感じながら勉強するのでよいと思っています。ここの所、別のステージに差し掛かっているように思うので、記録しておきます。
まず前提条件として、私はフランス語はほぼゼロの状態で、フランスに行くことが決まり、2013年8月末くらいにフランス語のSpeed Learningの教材を一括購入し、聴き始めました。日常の挨拶表現すらほとんど知らないような状況からのスタートです。
奥さんの会社の計らいで、フランス語のレッスン(40時間)を受けることができるとのことでしたが、手続き等がスムーズに行かず、実際に始めたのは2014年2月末になってしまいました。その間、Speed Learningを聴いたり、日本出張中は完全に途絶えたり、とごくごくわずかな進捗があった程度でした。日常の食料品の買い物程度はフランス語でできる程度。
2月末にフランス語の個人レッスンを基本週一回1.5時間で始めてから、フランス語の基礎が身に付き始めました。基礎が全く無い状態でSpeed Learningを聴いても大きな進歩はあり得ないように思いますが、両方をやると相乗効果が期待できそうであることが少しずつ見えてきました。
日本に来る前に買っていた文法の解説書の読みやすそうなものも、最初は全く面白くなかったのですが、わずかにでも基礎ができ始めると、読んで面白くなってきました。
5/7(水)に諸事情で3週間ぶりに、フランス語のレッスンに行ったのですが、 過去形を勉強し、「私は昨日、サクレクール寺院に妹と行きました。それは私には3回目です。」などの説明をすることができるようになり、自分の行動等を人に説明できるようになってきました。いくつか非常に重要な動詞があるのですが、それらの重要性や現れる頻度が非常に大きいことに気付くようになり、Speed Learningの内容の理解も少し深まってきました。
Speed Learningはよくできた教材で、全12巻のうち、今のところ聴いたことのあるのが7巻まで。そのうち気に入った巻とそうでないのがあり、1, 3, 5, 6巻を気に入ってよく聴いています。5巻は3世代の家族の会話、ホームパーティー等の様子で、日常的に使う表現などがたくさん出てくるので気に入っており、5巻の中のさらに気に入った箇所を何度も何度も聴いたりしています。
また、Speed Learningはリスニングだけの教材というよりは、フランス人の考え方や文化、歴史などを学ぶ上でも良い教材と思っています。今日の通勤時に7巻を最後まで聴いてみたのですが、フランス人の精神を象徴するゴロア魂と宮廷精神、についても会話の中で触れられており、とても参考になります。早めに、12巻まで一度聴いてみようと思いました。
街中をよく歩くわけですが、いろんなフランス語が目に入ってきます。以前よりも、看板やポスター等の表現が理解できるようになってきていることにも気づきます。
以上のように、多少は進歩してきているように思いますが、語彙が少ない。真面目に語彙を増やそうと勉強していないからです。一週間の曜日は覚えていますが、一年の月の名前はきっちりとは覚えていない。色、もしっかり覚えていない。身の回りの物品も覚えていない。これは、ちょっとした努力を続けることでできることです。
そして、私がフランス語を学ぶ目的ですが、滞在中に使いこなすことができるとは思っていません。そのことに専念すればできるとは思いますが、もっと他にやりたいことがたくさんあります。
ですが、この年齢になって新しく語学を学ぶ、ということは、普段使わない脳の回路をたくさん使っていることを実感します。それは、後々、いろんなことがつながっていくときに役立つはずです。私はもちろんフランスを好きになると思いますが、じっくり時間をかけてフランス語を身に付けていきたいと思っています。フランス語で書かれた専門書などを何冊か購入していますので、辞書を引きながらでも少し読めるようになれば素敵だな、とも思っています。
いろいろ書きましたが、要はモチベーションを持つことが大事だし、モチベーションを失ったらすべて終わりかなと思います。
今日のランチは、30歳ちょっと手前だと思いますが、東大のコンクリート研の後輩の堀切さんと一緒にします。私の研究所の隣の建物の、エコール・デ・ポン・エ・ショセ(土木工学校)に留学しています。
自分自身の人生は、周囲の方々の支援もいただきながら、取り得るベストの選択を重ねて築いていくものと思いますが、私も40歳になって1年間の留学をさせていただくことができ、いつも感謝の念で一杯です。今日のランチでは、10歳位下の人がどのような留学体験をしているのか、いろいろと聞いてみたいと思います。
師匠の岡村先生は、 10年に一回くらい留学に行くのがよい(そうしないと日常に飽きる)というような言い方を、ご自身の経験に基づいてされます。20代にテキサス大学に留学され、生涯の恩師のファーガソン先生に師事され、その後40歳くらいでイギリス、50歳くらいでワシントン大学に短期滞在しておられます。
私も海外の留学は初めてですが、 20代終盤からのJR東日本での実務経験は「内地留学」であった、と認識しています。岡村先生の國分先生・ファーガソン先生と比較するわけではないですが、今の私があるのは、東大コンクリート研から学んだことと、JR東日本で学んだことが基礎になっていることは間違いありません。
というわけで、今日の結論は、50歳ごろにもう一度、海外で滞在しよう、ということです。東京オリンピックも終わっていますし、首都圏直下地震等の危機も経ているのかどうか分かりませんが、 帰国後10年くらいは地獄のプールで泳ぎ切れるよう、日々鍛錬しておきたいと思います。
留学と言えば、藤原正彦さんの若き日のアメリカ留学「若き数学者のアメリカ」(抱腹絶倒ものです)と、「遥かなるケンブリッジ」は面白い本ですが、私自身もいつの日か来るであろう留学のイメージを持つためにも参考になった本でした。オランダに留学した小松君にも薦めて読んでもらったかと思います。
また、留学と言えば、明治の頃の我々の大先輩方のエピソードを数多く聞きます。「私が一日勉強を怠れば、日本の近代化が一日遅れる」という覚悟で勉強したと言われる古市公威など。
40歳でフランスに留学している私自身の時間の過ごし方については常に考えます。公の人間のつもりですが、自分自身の心と対話して、間違っていないか、後々後悔しないか、ということを考えながら、しかし惰性にも流されながら、今のところは充実した時間を過ごしているように思います。
もっと若いころに留学したらいろいろと悩んだのだろう(藤原さんのように)と思いますが、40歳ということの一つのメリットは、悩むことがほとんど無い、ということです。もはや前に進むしかない、と言う方が正しいでしょうか。
とてもとても古市先生のように身を削って勉強する、ということはできない。日本の技術力が当時とは異なることもその一因かと思います。
では、私はサボっているのかというとそうでもないように思います。
いろんな本を読んでいるし、子どもたちも連れていろんなところに訪れていますが、すべては私が求めている何らかの方向性に合致する行動であり、総体的に学んでいるように感じます。1、2年くらい前からの感覚ですが、ほぼすべての行動が、自分の中ではつながっていると感じているので、何を行うにしてもそれなりの意味付けが可能だし、すべての行動は前に進んでいくために何らかの意義を持っていると感じながら生きています。
今、ル・アーブルにいますが、やはり来てよかった。一人で歩き回れる、ということは非常に多くのことを感じながら、好きなところには何度でも立ち寄れます。やはり、ル・アーブルに実際に来ないと、オーギュスト・ペレの愛は感じられなかったように思う。コンクリートの教会や鉄筋が腐食した建物に愛情を感じます。こんな素敵な材料の研究に携わることができて、私も幸せだと思います。
ル・アーブルに来る前に、内藤廣先生の「形態デザイン講義」を読んでおいて本当に良かった。そして、その本のおかげで、オーギュスト・ペレのル・ランシー教会に行っておいて本当に良かった。すべてがつながりながら、今に至っています。
ル・アーブルへの旅の道中では、村上春樹の「遠い太鼓」を読んでいます。彼が40歳になる前に3年間、ヨーロッパで過ごした時の風変わりな旅行記ですが、彼の感じ方は大変に参考になります。
フランス滞在期間中に自分の中で重要度の高い論文をあらかた執筆してしまおうと思っている私にとって、全く格は違いますが、「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」をヨーロッパ滞在中に執筆した村上春樹の正直な旅行記は大変に参考になります。
今の私のフランスでの過ごし方を、村上さんの文章は肯定してくれるようにも感じます。
とても古市先生のようにはなれませんが、凡人なりに全力で、総体で感じて、それを生かせばよいと思えます。
今日は、レンタカーがどうしてもできなかった(日曜日は営業していない)こともあり、バスを使ってノルマンディー橋を渡り、Honfleur(オンフルール)という非常に風光明媚な港町に行ってみるつもりです。ストライキもしているようなのでどうなるか分かりませんが、ベストを尽くしてきます。
勉強したいこと、やりたいことが次から次へと現れて、アクティブな状態になってきました。
インフラ遺産巡りがかなり順調になってきて、まずはパリで家族と日常生活を送りながらでも訪問できるところをたくさん攻めてみたいと思います。ゴシック、ロマネスク建築、土木遺産などの本も買ってきており、それらを参考書に、実践的に勉強を重ねたいと思います。パリから近い、サン・ドニの教会、ベルサイユ宮殿が次のターゲットでしょうか。
読書は複数の本を並行して読んでいる状況で、現在は「逝きし世の面影」「形態デザイン講義」「ファウスト」「PC構造の原点フレシネー」「保守とは何だろうか」「公共調達研究」などです。どれも非常に面白く、束縛するものは何もありませんので、興味の赴くままに勉強したいと思います。読書する意欲も無くなっていた9月ごろに比べると別人のようです。
研究の上での勉強も意欲が増してきており、ようやく、所属している研究室の論文を読む段階になってきました。遅れた理由はいろいろと理由はあるのですが、少しずつ研究所、研究室の研究について勉強を進めていきたいと思っています。また、建設マネジメントの分野の論文収集も開始し、あまり時間をかけないようにさっとreviewしたいと思います。コンクリートの勉強もあまりおろそかにならないようにしたいです。
研究論文の執筆も、これは滞在期間中ずっと続ける話なので、息切れしないよう、マラソンのつもりで少しずつ積重ねたいと思います。 今週末に国際会議論文が一つ完成しそうで、その後、和英のジャーナル論文の執筆に取り掛かります。
フランス語のスピード・ラーニングも、途切れるときもありますが、4巻に入っており、非常に少しずつではありますが、フランス文化が身に付いているように感じます。
家庭の基盤が整ってきたので、少しずつ対外的な活動を増やしていこうと思っています。人に会うことが重要なので、少しずつ段取りを開始しています。JR東日本のパリ事務所に大学の先輩がいることが分かったので、1月に訪問することになりました。
1月には私の指導学生が二名、やってきますので、その準備も始めています。
勉強したいこと、やりたいことがたくさんある、というのは素敵なことなのですが、あれもこれも、にならないよう、後で振り返って良い時間だったなと思えるよう、着実に積み重ねたいと思います。
内藤廣先生の「形態デザイン講義」を読み始め、むさぼるように読んでいます。
しばらく前に石田先生に「構造デザイン講義」をご紹介いただいたのが内藤先生の本に出会った最初でしたが、その後、石田先生の結婚式で内藤先生と少しだけ直接お話しする機会もあり、以来、大ファンになってしまいました。
この「形態デザイン講義」はすごい。本物の教養人のすごさを目の当たりにさせられます。単なる教養人ではなく、デザイナーとして超一級の先生ですから実践に基づく言葉がとても重い。
いろんな建築物、構造物、人、書物を紹介してくださっているので、大変に勉強になります。全7章のうち3章を読み終わりましたが、本を5冊程度注文しました。日本から送ってもらいます。
人間には師が必要です。同志も必要ですが、師はとても大切です。
何度もブログに書いてきていますが、私には多くの師がすでにありますが、内藤先生も心の中での師と思っています。私自身のものの見方、考え方に相当に大きな影響を及ぼしているからです。
藤井聡先生も私にとってそのような存在だと思っています。
コンクリートのことしか知らないコンクリートばかから少しずつ枠を広げて、自分が本来希求している姿に近づこうと努力していると認識していますが、その過程でこれらの先生方の考え方、発信される情報は大変に貴重な道しるべになります。
留学期間中にやりたいことは増える一方ですが、それでよいのだと思います。
日本出張を終えてパリに戻ってからちょうど4週間が経過しました。この4週間の間に、パリでの生活基盤がかなり整い、子供たちも調子をつかみつつあります。
今週から二週間の日常が終わると、子供たちが冬休み期間に入るので、クリスマスやら、奥さんのもう一人の親友の実家を訪ねてパリからかなり離れたところに旅行も予定しています。また、12/21-22の週末には家族にわがままを言って、ノルマンディ地方に一人旅に行かせてもらいます。もちろんインフラ調査を兼ねております。
私の研究活動も次のステージに入ろうとしており、建設マネジメントの勉強を本格化することになりそうです。「ひび割れ抑制システムによるコンクリート構造物のひび割れ低減と表層品質の向上」という論文の原稿を仕上げて投稿しましたが、次の日本語の論文のタイトルは「施工状況把握チェックシートによるコンクリート構造物の品質向上と協働関係の構築」というものになりそうで、こちらは建設マネジメントの論文集に投稿すべく、準備を始めました。あまり頭でっかちにならないよう、いつものように具体的な各論を通して全体の肝を突くつもりで、まずは浅目に情報収集したいと思っています。小澤一雅先生にプレゼントしていただいた、木下誠也氏の「公共調達研究」という著書が非常に勉強になります。まずはこの本を熟読して、俯瞰的な見方を体得しようと思っています。
読書も乱読のようになってきておりますが、facebookでも紹介した「逝きし世の面影」を10数年越しに読めており堪能しています。東野圭吾の作品も大好きですが「新参者」という加賀刑事の本に感心しながら読み入っています。
昨日は、奥さんの親友のパトリシア家族が我々の家に遊びに来てくれ、子どもたちも4人でワイワイと遊び、とても楽しい時間を過ごせました。
旦那さんのジェロームが、私と次女が水曜日散歩で訪れるとよいおすすめスポットを複数教えてくれたので、しばらくは水曜日散歩も充実しそうです。
いろんなことを感じるいつもの余裕も少し戻ってきたように思いますので、いよいよ持前のアクティブさが発揮されるかもしれません。
今週、来週と、オフィスに夕方まで滞在できる日が一日も無い、という厳しい制約条件がありますが、研究、勉強にいそしみたいと思います。
今日はこれまでのフランス滞在で最も長時間、オフィスの机で作業したように思います。長くオフィスにいることが重要なのではありませんが、家庭の制約条件もあり、私にとっては大きなことなのです。
午前は、「PC構造の原点フレシネー」の4章を読みました。この本の中核部分で、いよいよ、フレシネーのプレストレストコンクリートの開発のところに入ってきました。圧巻です。
構造工学において20世紀の最大の発明と言われいてるプレストレストコンクリートですし、人類の構造の歴史においても、アーチ、構造材料としての鉄に並ぶ発明ですから、すさまじい革命的な偉業です。フレシネーを生んだフランスで勉強していると感慨もひとしおです。今はこの本の勉強ですが、もちろん、フレシネーの設計、施工監理した構造物の見学を近々開始します。
勉強しながら、非常に重要な内容をノートに英語で書きとめたり、メモを取ったりしながら進めています。和英併記(英文のみならず原文も記載されてますが)は素晴らしいです。
のめり込むように読んでいました。4章は読了できず、次回のお楽しみになりました。
かつて、池田尚治先生や前川宏一先生が話しておられたプレストレストコンクリートやフレシネーの生涯に関する内容は、この本に書かれていることであって、両先生ともこの本の監修、翻訳に関わられていたのだから当然です。以前から読みたいと思っていた本をじっくりと読むことができて幸せに思います。
学生の研究の指導をfacebookでした後、自身の論文執筆。ようやくある章(山口システムのひび割れ抑制効果)が固まりました。今夜から次の章(山口システムの表層品質向上効果)の執筆にかかります。図表を一つずつ手作りで作っていますので、データの検証も行いながらです。
論文執筆が一区切りした後、いくつか雑用をこなし、学生の研究レポートの添削。学生たちも指導教員のいない環境で一所懸命に頑張っています。文章の添削はむしろ私がフランスにいる方がたくさんできるので、研究レポートのやりとりを最大限に活用して、研究プロジェクトを前進させたいと思います。個別のやりとりも重要なのですが、そのやりとりをFacebookのグループでシェアするようにして、最大限に効用を高めたいと思います。
勉強が楽しく、論文執筆も進み、留学生活としては申し分のない一日となりました。こういう時間の割合をなるべく大きくしたいです。
このブログは、自身の備忘録にもなりますので、メモのような内容も増えてくると思いますが、悪しからず。
留学中にやりたいことはそれこそ山のようにあるのですが、少しずつやりたいことの実践が始まっています。
その一つが、日本での講義資料の再構築です。
自転車操業で生きてきた結果、最新の情報をふんだんに含む講義にはなっていると思うのですが、講義資料等が十分に確立できていない状況です。デメリットがいくつかあって、
・学生が復習しにくい。
・教員の講義の準備に時間がかかる。
・教科書などの執筆につながりにくい。
などでしょうか。もちろん物事すべては両面ありますので、確立され過ぎていないからこそのライブ感とか、脱線しての雑談が多い(そちらの方が実は重要?)などのメリットもあるのですが、要はバランスです。
特に、大学院の講義の講義資料がいいかげんなので、これらの整備を留学中にしっかりしておきたいと思います。まだかなり時間があるので、後半戦のタスクでしょうか。
また、現在は担当していない科目で、「材料複合の力学」(いわゆるコンクリート構造)がありますが、近い将来担当する?つもりで、講義シラバスの作成などを今のうちから行っておこうと思います。やはりコンクリート構造は重要で、私ならではの情報をふんだんに含んだ面白い講義にしたい、と思っています。
上記と少し関連するのですが、論文執筆を進めつつ、研究成果のPPTの再構成、英語PPTの作成なども精力的に進めたいと思います。
例えば、現在執筆中の山口県システムの品質向上効果についての論文ですが、図も完成度の高いものを自分で作っています。これらの図も含んだPPTをしっかりと作っておけば、品質確保システムを日本全国に展開していくときに、同志たちに活用していただけるでしょう。
研究成果の英語のPPTは、海外での研究活動を展開する上では必須ですし、日本の大学院の英語の講義でも存分に活用できると思います。
上記のような仕事は、いわゆる「後ろ向き」の仕事ではありますが、日本にいるときにはとても時間が取れませんので、留学中の非常に大事な仕事と思っています。
今日は金曜日ということもあり、リラックスしたく、オフィスから次女のお迎えに行く電車の中では、「日本人へ -危機からの脱出篇-」 塩野七生著を読んでいました。
久しぶりに塩野さんの本を読みますが、痛快さは相変わらずで非常に納得できる部分は多いです。
民主党政権の野田総理の就任直後のころについて書かれた記事の一部。
「野党時代でも政治的カンは磨けるのではないかと言われるかもしれないが、答えは90パーセント否。政策を批判することと、政策を実行することは、天と地ほどもちがう。」
「『素質』には先天的なものが多いかもしれないが、『カン』だけは絶対に後天的なものである。ゆえにカンを磨くには、現場で積む経験しかない。現場経験にいかに多く恵まれるかでカンは磨かれ、それを使う必要に迫られたときに存分に駆使できるのだ。」
私も、自身の研究、教育では現場を重要視しますが、現場で経験を積む際に、自身の細部まで張り巡る緊張感、感性こそがカンを養う原動力なのだろうと、いつも思ってはいますが、改めて感じました。
「現場」も、自分の捉え方、考え方で、日常の結構な部分が現場になり得ます。
塩野さんのこの本の別の記事で、母国語と外国語についての記事があり、楽天、ユニクロが職場での使用言語を英語にしたことを酷評していましたが、私と全く同じ考え方でした。外国語では豊かな想像力を発揮することが不可能である、 とのこと。私のこれまでのブログでは、外国語で深い思考をすることは不可能、と記してきたと思います。
私が言うのはともかく、半世紀近くイタリアに住まれ、イタリア語の能力が日本語の能力に近いくらいの塩野さんが言われるのだから、間違いありません。
日本人であれば徹底的に日本語の能力を鍛えるべきだし、思考は徹底的に日本語で行うべき。当たり前です。
一方で、意思表明、意思伝達のツールとしての外国語、特に現代であれば英語の能力を鍛えることも重要なのは当たり前。できる人は仕事の幅が広がるし、できなければ幅が狭まるだけ。
当たり前のことが当たり前と認識され、適切に実践される世の中、社会であってもらいたいと思います。小学校の低学年から英語教育など施す必要はなく、見直すべきは中高での英語教育のやり方だと思います。
私も留学中は日本語での読書、思考、執筆は徹底して行うし、英語での勉強、執筆もたくさん行うつもりです。
昨日、私の母が日本に帰国しました。私たちのパリでの生活の第二ステージをがっちりと支えてもらい助かりましたし、普通の旅行とはかなり異なるパリを楽しむこともできたようで、私としてもうれしかったです。
パリでの家族の生活は軌道には乗ってきていますが、まだまだ変化の途中にあり、今週末に、ようやくホテルから住居に本格移動ができそうな状況です。
私の仕事も追い立てられていた状況がかなり収束に向かっており、戦略的に仕事と勉強をバランスよくできそうな状態になってきました。
もちろんですが、パリに来てからまだ一度も出張をしていません。土木遺産などを遠出して見学に行くこともまだできていません。奥さんの尽力で、パリでもシッターさんを見つけることができたので、子供たちのお世話をシッターさんがしてくれる体制ができてくれば、私もフランス国内や国外への出張をできるようになるかと思います。焦る気持ちもほとんど無くなってきていますが、少しずつ少しずつ。
今日はあまり天候が良くなく、昨夜からほんの少し頭痛がすることもあって、無理せずに仕事をしています。オフィスでは、ベートーヴェンの協奏曲を聴きながら仕事するのが気に入っています。
今朝思いついて、オフィスでの仕事を16時くらいに切り上げて、セーヌ川のソルフェリーノ橋を見に行くことにしました。オルセー美術館のすぐ近くにある、国際コンペでマーク・ミムラムさんの設計で建設された素晴らしい歩道橋のようです。伊藤学先生と久保田善明先生が書かれた「橋のディテール図鑑」という写真がふんだんに載っている本も購入し、これを参照しながら、橋の勉強をしたいと思います。セーヌ川には多くの優美な橋が架かっているのはもちろんですが、一つ一つをじっくり見ることから始めてみたいと思います。
フランスでの時間は私の人生においても非常に貴重な時間であることはもちろん認識しています。時間を無駄に過ごすつもりは全くありませんが、時間を充実させることは決して簡単なことではなく、ほんのちょっとした工夫の積重ねや、瞬間瞬間を大事に過ごすこと、でしかなし得ないと思っています。
スピード・ラーニングを核としたフランス語の勉強も、パリに戻ってきてから再開しました。とても楽しいので、諦めずに継続し、いろいろと感じながらステップアップしていければと思っています。
研究所での活動も、ほんのちょっとしたことを積み重ねていくことで展開を図ってみたいと思います。今日の午後は、私のいろいろな面倒を見てくれている技官の実験作業を見学させてもらうことにしました。また、よくコミュニケーションしている中国人の研究者とも会話し、執筆中の投稿論文の原稿のタイトルを教えてもらいました。興味深いものだったので、彼が時間のあるときに研究の内容を説明してもらおうと思っています。
「世に棲む日日」は三巻に入っており、高杉晋作がいよいよ大暴れを始めました。私も日本に戻ったら、もっと徹底的に実践しないと、と励まされています。