goo

■ GWは観光地に・・・

〔ご案内〕
このデータは、平成23年3月に発生した東日本大震災に関連する情報です。
令和元年6月18日夜に発生した山形県沖を震源とする地震に係る情報ではありません。
ご注意願います。

ここに来て、観光地、温泉地関連のニュースが目立っています。

<日光>
日光市の斎藤文夫市長は石巻市役所を訪れ、石巻市の亀山紘市長に対し、仮設住宅ができるまでの一時的な避難先として、被災した人たちを日光市の旅館やホテルなどで受け入れたいと申し出た。
石巻市では、今も1万3000人余りが避難生活を続けているが、日光市内では7、800人を受け入れ可能で、宿泊や交通手段などを無料で提供するほか、医療や介護、子どもの就学支援も行うという。
日光市では、震災の影響で観光客が震災前の10分の1以下まで落ち込み、被災者を受け入れることで、国から補助を受けられる制度を利用したい考え。
日光市の斎藤市長は「観光客が激減している状況をなんとかしたいという思いもあるが、大変な被害を受けている石巻市を支援できればと思う」。(→ 4/18 NHKニュース

<鳴子>
宮城県大崎市の鳴子温泉は南三陸町の住民約500人を受け入れている。
温泉側はきめ細かい支援策を講じ、住民からの感謝は絶えない。
受け入れにあたり、温泉地側は、通常朝夕2食の食事を3食に増やしたり、近隣病院への送迎車を準備、洗濯機を新規購入するなどサポート体制を充実させた。
その一方で、震災前に入っていた一般客の予約は、5月の大型連休の分も含めて軒並みキャンセルになるなど、客足の減少は深刻。
同温泉の関係者は「例年に比べ客数は半分以下。このままでは、旅館がバタバタつぶれてしまう」と懸念する。
避難者を受け入れた施設には、1人当たり1泊5千円が国から支給されるが、一般客の客単価が1万円台なのに比べると採算はぎりぎり。
鳴子温泉観光協会の菊地理事は「紅葉の始まる10月は稼ぎ時だが、今年は自粛ムードが広がっていてどうなるか…。秋以降も集団避難先として提供した方がいいかもしれない」と話している。(→ 4/18 産経ニュース

ある大型観光ホテルはGWたけなわの4月末までに、従業員の3分の1を解雇することを決めた。社長は「震災以降のキャンセルが7月分までで既に7000人分に上る。従業員には『好転したら一番に再雇用するから』としか言えなかった」と無念さをにじませる。(→ 4/21 YAHOO!ニュース

<群馬>
県内に180カ所以上の温泉地を抱える群馬県の温泉旅館のおかみたちが18日、東京・銀座の群馬県のアンテナショップで群馬の観光をPR。
「群馬県女将(おかみ)の会」の旅館のメンバーで伊香保、草津、水上、谷川、赤城山、四万、老神の各温泉から約30人がバスを仕立ててやってきた。
会長で伊香保温泉「塚越屋七兵衛」の塚越裕子さんは「きょうは『観光安全宣言』に来ました。日本人の中に自粛は美徳という考え方があるのはわかりますが、いまは温泉に泊まりに行くということも含めたすべての経済活動が、復興と被災地への支援に直結している、ということをわかってほしいのです」と話す。(→ 4/18 asahi.com

<箱根>
東日本大震災の影響で、「箱根温泉旅館協同組合」加盟の旅館やホテルの3~6月の予約をキャンセルした宿泊客は約28万8500人に上り、経済的な被害は約54億8千万円と推計されることが、同組合が行ったアンケートで分かった。
キャンセル客の大半は国内からの観光客。地震発生直後は自粛ムードのほか、計画停電による交通機関の乱れが懸念され、キャンセルが相次いだ。
福島第1原発の事故が大きく報道されるようになってからは、放射性物質の拡散を心配したとみられる外国人観光客がほぼ全てキャンセルに。「町から外国人観光客がいなくなった」(同組合)という。
町観光協会の村上政司専務理事は「観光業は昔から景気、天気、人気に左右される『3気商売』といわれてきた。近年は、病気(新型インフルエンザなど)、狂(凶)気(戦争や災害など)も影響する『5気商売』になっている」と話す。(→ 4/17 産経ニュース) / (→ 4/18 YAHOO!ニュース


土曜の午後なのに人影のまったくない蓼科・プール平(4/9)
----------------------------------
震災で空前のキャンセルラッシュに見舞われた各地の観光地は、GWの予約も低調で、被災者の方々を受け入れる一方、先行きの不安に頭を抱えています。

原発事故が長期化の様相を呈し、一時避難所から各地の旅館やホテルへと避難の動きが活発化する可能性があります。
観光庁が進める「県境を越えた被災者の受け入れ支援」では災害救助法の制度が活用されるため、原則1泊3食付1人当5,000円以内であれば、国が被災県に対し補助金などで講じる財政措置により被災者の負担はありません。
しかし、1泊3食付1人当5,000円というのは、ふつうの旅館では利益が出ないか、ヘタをすると持ち出しになります。

前からの疑問ですが、観光庁が施策を発表するまえに予算措置を講じ、たとえば1人1泊当3,000円の補助を出すとしていた市町村があるとします。
すると単純計算で、宿側は災害救助法(5,000円)+市町村補助(3,000円)=8,000円の宿代設定ができるような気がします。
1泊3食8,000円ならば、料理やリネンサービスを工夫すれば、若干の利益を出せるお宿もかなりあるのでは?

あと、よくわからないのが、災害救助法の1泊3食付という規定。これはマスト条件?
昼食を提供するというのは、宿側の大きな負担になるし、コストもアップします。
1泊2食でもOKならば、被災者は現地の飲食店で昼食をとり、それが観光地全体の活性化につながっていきます。
「被災者に1食でも食費負担をさせるのはけしからん!」という意見があるのなら、昼食は支援物資や義援金を活用し、自炊をお願いするという方法もあるのでは?

ただ、いずれにしても、被災者受入だけでは観光地本来の姿は復活しません。
一般観光客の力がどうしても必要です。
まして、当面インバウンド(外国人観光客)需要がほとんど見込めない状況ではなおさらです。

ひとごこちついて、さて旅行にでもと思ったら、温泉地や観光地が消滅していた。
まちがってもこんな事態にならないように、自粛はほどほどに、GWは観光地に出かけませんか。

今までもいろいろな打撃があったが箱根は必ず立ち直った。まずは県民の誘致にも力を入れて『人の動き』を創出したい」と復活を期している。(箱根町観光協会)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )