シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

最後の卒業式

2007-03-03 11:26:13 | 日常から
今日、母校の高校では卒業式が行なわれた。
最後の卒業式だ。


統合によって、母校は今日で廃校になる。
最後の卒業生が、今日巣立っていく。
下級生のいない三年間、
よく頑張ってきましたね。

母校の歴史は、まだ浅い。
29年目。校舎もまだきれいだ。
しかし、行政の一方的な都合で、
母校は廃校となった。

校舎の使い道も決まっていない。
取り壊すかどうかも未定だという。
三年間、それこそ私の青春を過ごした校舎は、
廃墟になるというのか。

もう一方統合される高校も、
最後の卒業生を送り出した。
こちらの学校の校舎を手直しして、
「総合高校」として新たに一期生を迎え入れる。

私に言わせれば、
「今流行り」の総合高校。

どちらの高校も、
歴史を閉じさせる必要があるのか。
総合高校として、生まれ変わらせる意味が、
どこかにあるというのか。



私は、二期生だった。
三年生がいない高校に入ったわけだ。
グラウンドはまだ整備されておらず、
部活も、石ころ拾いでスタートした。

新しい学校で、
自分達の手で、新しい歴史を作っていこうとした三年間。
高校時代に悔いはない。
今でも、一番輝いていた毎日だったと思う。

私の卒業式は、25年前だった。
四半世紀が経つ。
好きだった子と最後に握手をした。
私の一番の親友も、
やはり好きだった子に、最後に告白。
そのあと、屋上でひとり泣いていた。

その7年後、
この親友の結婚式で、私が泣くことになった。
たくさんの友達に出会った校舎・・。


真っ白だった校舎は、
その後、自分の人生で苦しい時が訪れても、
いつも心の中で輝いていた。

そして・・

きょう、最後の後輩達が校舎を離れていった。
私の人生の中で、
ひとつの、心のピリオドを打った。


もう、母校の通学路を駆けていく制服はない。