シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

池上線にまつわる想い

2023-07-17 14:51:01 | 恋&愛

所用があり、五反田に行った。

帰りの五反田駅で、ふと目にした「東急池上線」の案内図。

思わず、その池上線に乗り込んだ。

 

この線には、なんともせつない思いが二つある。

一つは、1975年に発売された、西島三重子さんの『池上線』。

私が子供の頃で、それほどヒットした曲ではなかったと思うが、

今聞いてみると、昭和の歌詞・メロディーでありながら、

すごく大人の切なさを感じる曲なのである。

この線に乗り、恋愛を経験した人にとっては、

この歌は思い出の中から消えない曲であろう。

 

私は池上線を利用したことはほとんどなく、

この曲にまつわるエピソードがあるわけでもない。

でもこの曲は本当にジンとくる。

 

そしてもう一つ。

大学時代、一つ下の後輩の女子がいた。

この子が池上に住んでいて、ここから通っていた。

とにかく明るく、いつもニコニコと笑顔を見せていた。

私とは、特にお付き合いしていたわけではなかったが、

バス停で待っていると、後ろから『セーンパイ!』などと言って

背中をポンと叩いてくるような、

ドラマに出てきそうな後輩だった。

 

しかし、2年生になって突然登校しなくなる。

やがて、学校を辞めてしまった。

聞くところでは、お母様が急逝され、

家庭の都合で退学した、ということだった。

 

詳しい事はそれ以上わからなかった。

当時、携帯などない。

本人に連絡も取れず、ドラマのような後輩は

風のように姿を消してしまった。

 

 

池上、と聞くとこの子を思い出す。

元気でやっているかな。

幸せな人生送っているかな・・。

そのまま池上線に揺られ、私は池上で降り立った。

曲のイメージとは違い、

電車も駅も、とても綺麗になっていた。

 

池上線を聴いてジンとくるのは、

この子の存在もあったからだろう。

 

もう40年が経った。