久々に映画館で映画を見ました。
ウディ・アレン脚本・監督の『タロットカード殺人事件』。
神秘テイストを盛り込んだコテコテの犯人当て推理モノかと期待したのですが、最初に真相の鍵を握ったまま殺された新聞記者の亡霊が節操なく登場し、犯人の名前をペラペラしゃべってしまいよった段階でその期待は脆くも崩されました(その後も頻繁に出没し、事件の鍵となるキーワードをペラペラとしゃべります)。
観ている内に、老いぼれマジシャン役のウディ・アレンとジャーナリスト志望の女学生スカーレット・ヨハンソンのデコボココンビが繰り広げる掛け合い漫才をヒューチャリングしたコメディ映画なのだと分かりました。
しかしこの女主人公のキャラの薄さは一体なんなん?唯一の武器はお色気のみの単なる野心家の尻軽女ですやん。
スカーレットの演技は『ゴースト・ワールド』での脇役しか見たことなかったけど、全く演技に魅力がなく、モデル活動だけしてれば?という感じ。冒頭の10分ぐらいこのキャラを観て「この映画ハズレかも・・・」って予感しましたもん。
ウディのおとぼけキャラはそこそこ面白いのだが、突っ込みがそのボケを見事なまでに殺してしまっている。
これはM-1に出てた関西出身のあのお笑いコンビのつっこみ役を髣髴とさせている。
極めつけは犯人役のヒュー・ジャックマン・・・・
女主人公が「最初から貴方が犯人だと思って気を引いてお近づきになった」と告白してんのに、最初のプールでも溺れる演技をしてたことを見抜けないなんて・・・アホ過ぎるでしょ!!それともこれがウディ流のボケというやつか?
まぁ探偵推理モノとしては最低だが『タロットカード殺人事件』というタイトルということで絵札と登場人物を当てはめたと考えると、一応「死神」そのものは出てきたし、犯人役のヒューは「愚者」で、最初に殺された亡霊記者は「吊るされた男」?ウディの役は言うまでも無く「奇術師」でしょう。女学生役のスカーレットについては該当無し。
ところで「奇術師」というカードは逆位置の場合「ペテン師」という意味になるのですが、原題は「SCOOP」というタイトルなのに「タロットカード殺人事件」という邦題につられて、滋賀の大津くんだりのミニシアターまでガソリン焚いてのこのこと出かけて行き、駐車料金まで払ってこのつまらない映画を鑑賞し、スカクジを引いた思いを味わった私こそがウディのペテンにかけられた「愚者」だったのかもしれません。(まぁウディ自身は騙してないけど)
ウディ・アレンの映画を観たのは今回が初めてだったのですが、もう彼の監督作品は二度と観ないと思います。
ウディ流というのが私には多分理解できないと思うんで。
オススメ度:★★
今日の1曲:『TENDERLOIN』/ BLUE OYSTER CULT
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