その驚くべき知らせは、先週の日曜、突如SNS上に舞い込んできた。
『Lily Chou-Chou 〜 another impression』
Salyu x 小林武史 x 名越由貴夫
1月17日(月)
東京・Billboard TOKYO
1st START 17:30
2nd START 20:30
1月20日(木)
大阪・Billboard OSAKA
1st START 17:30
2nd START 20:30
この情報を知った時は、目が飛び出でんばかりの歓喜と同時に、やるせない絶望感にもかられた。
「いきなり今週のド平日って・・・・そんな殺生な!!」って。
だが、よく見ると、今回は2部制で2ndステージが20:30とある。
「これは行ける!!」とすぐに奮い立ち、外出先で慣れないスマホを使い、“リリイ・シュシュのライブ”で検索し(これがなかなか見つからなくてヤキモキした)、なんとかビルボードのリリイライブの予約画面に辿りつき、即ビルボードのゲスト会員に入会、そして無事R指定席ってのを確保できた。
パスワード設定とかで何回も失敗してて、もうええ席は瞬殺間違いないだろうと思っていたんだけど、意外と席が埋まってなくて拍子抜けだった。
やはりあまりにも不意打ちすぎてファンに情報が行き届いてなかったのだろうか?
Salyuのオフィシャルサイトにも載ってなくて、なんか突如ライブが決定した感じだったのかな?(あるいは小林氏のサプライズ的な策略だったか)
そこで、唯一のSalyu好きの友人(またしても)サムソンに一応「どや?」と誘ってみたところ、すぐに「行く」との返事が返ってきた。
今度はオミクロン型のコロナ感染者が全国的に一気に拡大してる最中であったが、(Salyu関連のライブが近づくといつもこんな状態)ライブは予定通り行われるみたいで、こちらも別にそれほど心配はしていなかった。
当日は余裕をもって2時間早く早退させてもらい、電車で大阪に向かった。
Salyuは、近年よくビルボードで小林武史氏とのジョイントminimaライブを開催しているが、実は私、ビルボードに行くのは今回が初めて。
こういったシックで高級感溢れる憧れのライブハウスで、念願のリリイのライブを観れることの幸運にワクワク胸躍った。
リリイが舞い降りる!
ビルボードにリリイが舞い降りる。
今日はサイコウの夜だ!
開場時間前に着いたが、入場はすでに始まっているようで、我々も発券して会場中へ。
さすがビルボード・・・アルコール消毒がパールペダル。
オオ、これがビルボードか・・・・
晩メシ喰ってきてなかったので会場で食べようとメニュー開けたら・・・・
いや、するだろうなとは思ってたが、想定の範囲を超えていた。
ちくしょう、今日は特別な日だ。インスタ映え料金と思ってもってけドロボー!
すいません、外でペットボトルのコーラー買ってきてもいいですか?
今回、「リリイのライブが観れる!」と慌てふためくまま勇み足で座席確保した感じだったが、本企画はなんだかハッキリしないところがあった。
これはリリイ・シュシュ名義でのライブなのか?それともSalyu × 小林武史のデュオの一環(minima)としてのライブなのか?
ただ、今回は名越由貴夫氏も加わっている。
2010年に『エーテル』というリリイ・シュシュ名義の新曲を、この3人の編成で発表している。
しかも今回はリリイの楽曲括りのライブである。
今回の企画がリリイ・シュシュのライブでないと否定する要素はどこにもない。
なのでハッキリと「これはリリイ・シュシュのライブです」と言ってくれればよいものを・・・
このユニットで2010年12月に、Lily Chou-Chouとして中野サンプラザホールでライブを行っている。
そういったモヤモヤが残るまま、今回のライブに臨んだわけであるが・・・・
出囃子で「飽和」の厳かなイントロが流れた時は、さすがにテンションあがった。
やっぱりリリイだ!今からリリイのライブが観れるんだと。
3人がステージに登場。
Salyu・・・いや、リリイはなんだかカジュアルな冬物っぽい衣装を纏っていた。
そして、開口いきなりガッカリさせられる挨拶で椅子からズリ落ちかけた。
「こんばんは、Salyuです」
なんだよ、今日はリリイでいく約束でしょ!(もちろんそんな公約はなかったが)
私は立ち上がって、「リリイだ!リリイだ!リリイがいるぞぉぉぉ~~~~!!!!」と叫び出したい衝動をなんとかおさえた。
途中のMCでも、今回はいつものminimaライブに名越氏が加わった形とか、ほんと余計な説明があって「リリイはそんなおしゃべりじゃないぞ」と、なんかイライラした。
昨年、映画『リリイ・シュシュのすべて』の公開20周年を迎え、今回のライブもその一環であるような説明もあったが、嘘でもいいからせめて「エーテルが動き出したの」くらいのことは言ってくれと。
正直不安だったのが、バックがピアノとギターのみでリズムなしのライブに耐えられるかということだったんだが、当日はシーケンサー担当の人がいてよかった。
小林氏の話では、当時リリイのレコーディングにも携わってた方みたいで、言わばリリイの一員みたいな方だ。
ひょっとして野田周さん?
うん、これはもう完全にリリイ・シュシュでしょ。
セトリはこんなかんじ。
01.共鳴(空虚な石)
02.愛の実験
03.飛行船
04.飽和
05.エロティック
06.光りの束
07.グライド
08.飛べない翼
09.アラベスク
10.My Memory
11.エーテル
encore
12.回復する傷
アルバム『呼吸』はフルで演奏され、他リリイの楽曲と呼ばれるものは全て放出したという感じ。
まぁ今までのSalyuのライブで『呼吸』からの楽曲はだいたい演奏されていて、実はそれほどレア感はなかったりする。
今回はどうかな?と思ったけど、やっぱ歌い方は今の声を張り上げるいわゆるSalyuの歌唱。
それが悪いというわけではないけど、やっぱリリイファンとしては憂いの籠った霞んだあの歌い方を切望してしまう。
Salyuの初期のシングル『ダイアローグ』に収録されてる「光の束」は、もともとリリイの楽曲として作られた曲ってのはSalyuファンの間では周知のことだが、これも約1年前、神戸のライブで演奏されたばかり(その時は歓喜した)。
未発表曲の「My Memory」も、5年くらい前の飛鳥村でのライブの時初めて聴いたと思うが、これもリリイ時代の楽曲としてよく知られている。
でもこの曲って、アップテンポで歌唱も激しくって、「エーテル」と同様リリイらしからぬものすごくSalyuっぽい楽曲。
なので今のSalyuの歌唱でけっこうライブ映えするんだなこれが。
2010年発表の「エーテル」も音源つまんないなと全然聴いてなかったけど、今回初の生エーテルはすごくよかった(全然エーテル感ないけど)。
個人的に一番心揺さぶられたのが「飛べない翼」。
やはりリリイは岩井俊二監督作詞の詩がいいんだと、改めて痛感させられる。
今回Salyu・・・いや、リリイの喉の調子もすこぶる良く、あの激しめの歌唱でももの凄く脳髄に響いてきて、いろんな感情がこみ上げてきてほんと半泣きになるくらいだった。
『SCUD』誌のライターが「シンクロしちゃうと週末には自殺しかねないぞと思って二度と聴いてない」と言っていた記事も頷けるってもんだ。
アンコールで「回復する傷」が演奏され、全プログラムが終了。
ハミングナンバーで終わるってのもリリイのライブならではかもしれない。
Salyuのライブだったら大方「to U」で終わるのが定番だからね。
うん、やっぱ今回はリリイ・シュシュのライブだったと言ってよいだろう。
(SNS上のツイートでもみんなリリイシュシュのライブを観たと言ってる人多いし)
小林氏による当時のリリイ・シュシュのアルバム制作秘話が聞けたのもよかった(自分でピアノ弾きながらのBGM付)。
『呼吸』のレコーディングはニューヨークで行われ、リリイの初ライブもニューヨークだったとか。
当時日本でやったリリイのライブの映像が残ってて、それが周年作品で商品化されるようなことなんかもほのめかしていた。
まぁSalyuのライブだったか、リリイのライブだったか抜きにして、とてもよいライブだった。
極上のハコで、リリイの楽曲を余すところなく堪能できた。
それだけでもプレミアムな一夜であったことは間違いない。
『Lily Chou-Chou 〜 another impression』
Salyu x 小林武史 x 名越由貴夫
1月17日(月)
東京・Billboard TOKYO
1st START 17:30
2nd START 20:30
1月20日(木)
大阪・Billboard OSAKA
1st START 17:30
2nd START 20:30
この情報を知った時は、目が飛び出でんばかりの歓喜と同時に、やるせない絶望感にもかられた。
「いきなり今週のド平日って・・・・そんな殺生な!!」って。
だが、よく見ると、今回は2部制で2ndステージが20:30とある。
「これは行ける!!」とすぐに奮い立ち、外出先で慣れないスマホを使い、“リリイ・シュシュのライブ”で検索し(これがなかなか見つからなくてヤキモキした)、なんとかビルボードのリリイライブの予約画面に辿りつき、即ビルボードのゲスト会員に入会、そして無事R指定席ってのを確保できた。
パスワード設定とかで何回も失敗してて、もうええ席は瞬殺間違いないだろうと思っていたんだけど、意外と席が埋まってなくて拍子抜けだった。
やはりあまりにも不意打ちすぎてファンに情報が行き届いてなかったのだろうか?
Salyuのオフィシャルサイトにも載ってなくて、なんか突如ライブが決定した感じだったのかな?(あるいは小林氏のサプライズ的な策略だったか)
そこで、唯一のSalyu好きの友人(またしても)サムソンに一応「どや?」と誘ってみたところ、すぐに「行く」との返事が返ってきた。
今度はオミクロン型のコロナ感染者が全国的に一気に拡大してる最中であったが、(Salyu関連のライブが近づくといつもこんな状態)ライブは予定通り行われるみたいで、こちらも別にそれほど心配はしていなかった。
当日は余裕をもって2時間早く早退させてもらい、電車で大阪に向かった。
Salyuは、近年よくビルボードで小林武史氏とのジョイントminimaライブを開催しているが、実は私、ビルボードに行くのは今回が初めて。
こういったシックで高級感溢れる憧れのライブハウスで、念願のリリイのライブを観れることの幸運にワクワク胸躍った。
リリイが舞い降りる!
ビルボードにリリイが舞い降りる。
今日はサイコウの夜だ!
開場時間前に着いたが、入場はすでに始まっているようで、我々も発券して会場中へ。
さすがビルボード・・・アルコール消毒がパールペダル。
オオ、これがビルボードか・・・・
晩メシ喰ってきてなかったので会場で食べようとメニュー開けたら・・・・
いや、するだろうなとは思ってたが、想定の範囲を超えていた。
ちくしょう、今日は特別な日だ。インスタ映え料金と思ってもってけドロボー!
すいません、外でペットボトルのコーラー買ってきてもいいですか?
今回、「リリイのライブが観れる!」と慌てふためくまま勇み足で座席確保した感じだったが、本企画はなんだかハッキリしないところがあった。
これはリリイ・シュシュ名義でのライブなのか?それともSalyu × 小林武史のデュオの一環(minima)としてのライブなのか?
ただ、今回は名越由貴夫氏も加わっている。
2010年に『エーテル』というリリイ・シュシュ名義の新曲を、この3人の編成で発表している。
しかも今回はリリイの楽曲括りのライブである。
今回の企画がリリイ・シュシュのライブでないと否定する要素はどこにもない。
なのでハッキリと「これはリリイ・シュシュのライブです」と言ってくれればよいものを・・・
このユニットで2010年12月に、Lily Chou-Chouとして中野サンプラザホールでライブを行っている。
そういったモヤモヤが残るまま、今回のライブに臨んだわけであるが・・・・
出囃子で「飽和」の厳かなイントロが流れた時は、さすがにテンションあがった。
やっぱりリリイだ!今からリリイのライブが観れるんだと。
3人がステージに登場。
Salyu・・・いや、リリイはなんだかカジュアルな冬物っぽい衣装を纏っていた。
そして、開口いきなりガッカリさせられる挨拶で椅子からズリ落ちかけた。
「こんばんは、Salyuです」
なんだよ、今日はリリイでいく約束でしょ!(もちろんそんな公約はなかったが)
私は立ち上がって、「リリイだ!リリイだ!リリイがいるぞぉぉぉ~~~~!!!!」と叫び出したい衝動をなんとかおさえた。
途中のMCでも、今回はいつものminimaライブに名越氏が加わった形とか、ほんと余計な説明があって「リリイはそんなおしゃべりじゃないぞ」と、なんかイライラした。
昨年、映画『リリイ・シュシュのすべて』の公開20周年を迎え、今回のライブもその一環であるような説明もあったが、嘘でもいいからせめて「エーテルが動き出したの」くらいのことは言ってくれと。
正直不安だったのが、バックがピアノとギターのみでリズムなしのライブに耐えられるかということだったんだが、当日はシーケンサー担当の人がいてよかった。
小林氏の話では、当時リリイのレコーディングにも携わってた方みたいで、言わばリリイの一員みたいな方だ。
ひょっとして野田周さん?
うん、これはもう完全にリリイ・シュシュでしょ。
セトリはこんなかんじ。
01.共鳴(空虚な石)
02.愛の実験
03.飛行船
04.飽和
05.エロティック
06.光りの束
07.グライド
08.飛べない翼
09.アラベスク
10.My Memory
11.エーテル
encore
12.回復する傷
アルバム『呼吸』はフルで演奏され、他リリイの楽曲と呼ばれるものは全て放出したという感じ。
まぁ今までのSalyuのライブで『呼吸』からの楽曲はだいたい演奏されていて、実はそれほどレア感はなかったりする。
今回はどうかな?と思ったけど、やっぱ歌い方は今の声を張り上げるいわゆるSalyuの歌唱。
それが悪いというわけではないけど、やっぱリリイファンとしては憂いの籠った霞んだあの歌い方を切望してしまう。
Salyuの初期のシングル『ダイアローグ』に収録されてる「光の束」は、もともとリリイの楽曲として作られた曲ってのはSalyuファンの間では周知のことだが、これも約1年前、神戸のライブで演奏されたばかり(その時は歓喜した)。
未発表曲の「My Memory」も、5年くらい前の飛鳥村でのライブの時初めて聴いたと思うが、これもリリイ時代の楽曲としてよく知られている。
でもこの曲って、アップテンポで歌唱も激しくって、「エーテル」と同様リリイらしからぬものすごくSalyuっぽい楽曲。
なので今のSalyuの歌唱でけっこうライブ映えするんだなこれが。
2010年発表の「エーテル」も音源つまんないなと全然聴いてなかったけど、今回初の生エーテルはすごくよかった(全然エーテル感ないけど)。
個人的に一番心揺さぶられたのが「飛べない翼」。
やはりリリイは岩井俊二監督作詞の詩がいいんだと、改めて痛感させられる。
今回Salyu・・・いや、リリイの喉の調子もすこぶる良く、あの激しめの歌唱でももの凄く脳髄に響いてきて、いろんな感情がこみ上げてきてほんと半泣きになるくらいだった。
『SCUD』誌のライターが「シンクロしちゃうと週末には自殺しかねないぞと思って二度と聴いてない」と言っていた記事も頷けるってもんだ。
アンコールで「回復する傷」が演奏され、全プログラムが終了。
ハミングナンバーで終わるってのもリリイのライブならではかもしれない。
Salyuのライブだったら大方「to U」で終わるのが定番だからね。
うん、やっぱ今回はリリイ・シュシュのライブだったと言ってよいだろう。
(SNS上のツイートでもみんなリリイシュシュのライブを観たと言ってる人多いし)
小林氏による当時のリリイ・シュシュのアルバム制作秘話が聞けたのもよかった(自分でピアノ弾きながらのBGM付)。
『呼吸』のレコーディングはニューヨークで行われ、リリイの初ライブもニューヨークだったとか。
当時日本でやったリリイのライブの映像が残ってて、それが周年作品で商品化されるようなことなんかもほのめかしていた。
まぁSalyuのライブだったか、リリイのライブだったか抜きにして、とてもよいライブだった。
極上のハコで、リリイの楽曲を余すところなく堪能できた。
それだけでもプレミアムな一夜であったことは間違いない。
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