AMASHINと戦慄

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この死体、汝の墓

2013年06月09日 | やっぱりメタル!!
「死に際に原点回帰!初期のドゥーム感が戻った!」と、えらい評判がよかったので、昨年惜しまれつつも長年に渡る音楽活動に終止符を打ったカテドラルのプロローグ作『THE LAST SPIRE ~終焉~』をタワレコのオンラインでポチリンコ。

カテドラルに関しては、デビュー当時からその圧倒的な耽美性とダークな世界観に熱狂し、バンド仲間と“Midnight Mountain”なんかもコピーするくらいハマっていた時期があったが、アルバム発表ごとに音楽性がゆるく散漫になっていき、『SUPER NATURAL BIRTH MACHINE』の時点で見限ってしまった。
だからカテドラルのアルバムを買ったのは実に17年ぶりとなる。

で、どうだったかというと、これまでのカテドラルの音楽を総括したような(って、初期4枚くらいしか聴いていない私が言うのもなんだが)、いかにも最期らしいよくできた作品ではあるとは思うが、「無難な作品」ってところ。

1stの曲調を意識しているのはなんとなくわかるが、やはり『IN MEMORIAM』、『この森の静寂の中で』で打ち出したあの鬱屈したドゥーミーな世界観には残念ながら及んではいない。まぁ今のカテドラルにあの頃の音を求めること自体ヤボであったかと。
てか、リー・ドリアンはもう、納骨堂から聞こえてきそうな、オバケじみた呻き声ともいえるあのヴォーカリゼーションは再現できないのかな?




まぁ2nd以降の作品は、「それ“モビー・ディック”のフレーズまんまパクってるだけやんけ!!」ってつっこみたくなるような単なる70年代ごっこ的ニュアンスのものが目立つようになってきて、ストーナーロックとしてはその姿勢は間違ってはいないけれど、ドゥームメタルとしては軟い以外のなにものでもなくなって、人間椅子や、後に聴いたCELTIC FROSTの作品などの方がよっぽどドゥーミーなサウンドを確立していたと思われる。

ただ、スピードを極端にまで押し殺した、メタルファンですら首をかしげるような、およそ健全な精神の持ち主が聴く音楽ではない“ドゥームメタル”なるものを、メインストリートに押し上げたカテドラルの功績はデカいといえる。
私とて2nd『ETERNAL MIRROR』のとっつきやすさがキッカケでカテドラルにハマった口だ。
ブラック・サバスのフォロワーというだけにとどまらず、70年代ハード・ロックやプログレッシヴ・ロックへの飽くなき憧憬のもと、どんどんドゥームメタルの可能性を広げていったその意欲には敬意を払いたい。
本作でも、大々的にキーボードやメロトロンがフィーチャーされた“監視眼”などは、ドゥーミーなポテンシャルを維持しつつ、完全なるプログレ志向に根差した大作に仕上がっている。

ジャケットはミニアルバム『SOUL SACRIFICE』のアートワークを意識したかと思われるが、正直『STATIC MAGIC』以来のショボさ加減である。
歌詞カードを広げると、カテドラル専属画家デイヴ・パチェット描くあの魑魅魍魎のアートワークが広がっていたのが救い。
中央のカリメロみたいなクリーチャーがカテドラル(大司教)ってことでOK?





初期の陶酔感はないが、非の打ちどころのない唯一無二の典型的カテドラルソング。
ギャリーの年季の入った粘着質なギターワークが秀逸。
これがカテドラル最後の映像となってしまうのか?



最期にR.I.P.といいたいが、およそ安らかに眠れそうな音楽ではない。


今日の1曲:『沈黙の塔』/ CATHEDRAL

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