AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

火の鳥ジャンキー

2014年04月12日 | 二酸化マンガ
『火の鳥』のガシャポンフィギアシリーズ全7種(未開封)を、ヤフオクでゲット。
ヤッター!シーユーノアラマンチェ!

しかしみなさんは、上の写真を見て「ええ歳こいたオッサンが、何を稚拙なガチャガチャフィギアを並べてよろこんどるんや?」と、首を傾げていらっしゃるのではないか。
確かに手塚治虫マンガに興味のない人にとっては、これらのフィギアには何の魅力も感じないだろう。
私がワンピースのキャラクターのTシャツを着たええ歳こいたオッサンとかをみて、眉をしかめるのと一緒だ。
たしかにヴィジュアル重視のアニメが主流である今時の若者にとっては手塚マンガの絵のタッチなどはレトロすぎでピンとこないだろうし、私とて手塚治虫描くキャラクターのヴィジュアルにそれほど惹かれているというわけではない(愛着はあるが)。
手塚治虫作品の魅力は、ズバリその人物描写にある。劇中に登場する人物がひとりひとり個性豊かで、とても魅力的に描かれているのだ。
『火の鳥』の鳳凰編に出てくる我王などは、その最たるものだろう。手塚治虫ファンの間では、ひょっとしたらブラック・ジャック以上に人気の高いキャラクターかも知れない。

我王


ならず者の殺人鬼だった我王が、良弁僧正に才能を買われ彼に命じられてそこらに転がっていた切り株に己の怒りをぶちまけて彫りあげた我王の第二作『切り株』。カッコよすぎ!


これって、シークレットアイテムだったのね。
ちゃんとガシャポンで引き当てた人のその時の喜び様は如何ほどだったろう・・・


東大寺大仏殿うしろの北倉におさめられたという鬼瓦もいい味出してるね。
この殺気・・・邪悪の目じゃ・・・・恐怖の叫びが聞こえるようだ。



はっきり申しまして、手塚ファンの間で、一番の人気ロボキャラといえばアトムなんかじゃなく、間違いなくこのロビタですよ(U-18っていう意見もあるけど)。



正直いって、欲しかったアイテムは上の3体だけ。あとは地味すぎるというか・・・
まぁ手塚作品を読まん人には「上のロボットもたいがい地味やろ!」ってつっこまれてるかもしりませんけど。
いや、『火の鳥』の復活編読んだらわかるんだよ!彼ほど複雑な心を持った人間くさいロボットはいないんですから。それに彼は、チャンバラとか昔の遊びをよく知ってるんですよ!

しかし、このフィギアをプロデュースした株式会社「奇譚クラブ」って、無謀というか、キャラクターチョイスがマニアックすぎ!我王の切り株とかはセンスよすぎで手塚ファン泣かせだが、ハレルヤをガシャポンで当てた人のその時の微妙な心情を想像すると、タハハ・・・と乾いた笑いしかでてこない。伊吹丸とか、矢の刺さり具合なんか絶妙なんだが太陽編での霊界大戦争でちょろっと顔を出しただけのキャラをよー採用したなぁ・・・・


ってゆーか・・・キミらだれーーーーーー!!??


なんと『火の鳥』全編を精読してるはずの私が、上の写真のキャラを全く覚えてなかったのだ!見るからにインパクトの強いこんなキャラどもを、この私が覚えてないはずはない!
カプセルに同封されていた冊子によると、どうやら望郷編に出てくるキャラらしく、私は角川文庫の『火の鳥』のマンガ本をひっぱりだしてきて何度も何度もページをめくって確認してみた。
やはり出てこない。こんなバカなことってあるかーーー!!

と思ってググってみると、どうやらいくつかの出版社から刊行されてる『火の鳥』シリーズの望郷編は、角川文庫版のと、講談社/朝日ソノラマ版のとでは、内容が大幅に変更されていることが判明した。



上のフタマタの種族は、どうやら極寒の惑星に住むスロン人なるものらしく、講談社/朝日ソノラマ版には登場しているらしい。タコみたいなのは実は彼(ら?)が身に着けていた防寒着とのこと。
カプセルに封入されていたフィギアを一瞬見て「なんかヤバいな」と感じたのだが、このスロン人の異質な形態は、『ブラック・ジャック』でも取り上げられたこともあるシャム双生児(第4巻収録の『2人のジャン』参照)を彷彿とさせている。このスロン人の容姿が後出(1984年刊行)の角川の倫理審査にひっかかり、手塚先生に新たに別ヴァージョンを描くよう依頼して出版されたのではないか?ということが、なんとなく想像できる。
私は、この角川文庫の望郷編がオリジナルだと今まで信じてきた。
つまり、20年間もずーーーーっと、ダマされ続けていたってわけ!
不覚・・・・なんたる不覚・・・・・


その事実を知った私はすぐさま家を飛び出し、近所のブックオフへとかけこんだ。
しかし、ここでは私が探し求めていたアイテムは、何一つ得ることはできなかった。
この支店はなんと手塚資料の乏しいことか・・・・
私はただ、雄雌単体種族スロン人の生態について知りたいだけなんだ!


こうなりゃ、近年より刊行されている講談社の『手塚治虫文庫全集』ヴァージョン、あるいは朝日ソノラマ版の大判サイズのを正規の値段で購入するほかないのだろうか・・・
しかし値段が高いんだよなぁ~、1000円以上はするし、どうしようか・・・・

ここはひとつ、“偉大なる母”ハレルヤにお伺いをたててみるか。


「ピュピュピューッピューッ私の計算ではガリガリ戦争以外にガリガリありませんっガリガリ・・・
計算どおり実行おしーーッ!!ヅーヅーヅーブーブー」


どっひー


今日の1曲:『Hallelujah』/ Happy Mondays

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8 コメント

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Unknown (シュマリ)
2014-06-11 21:04:33
久しぶりにあましんさんのブログ覗かせてもらってます。
私好みのマニアックなネタをありがとうございます。
『火の鳥・鳳凰編』ですか?
80年代、角川アニメ?か何かでやってましたね。

監督は、りんたろう、主題歌がまた良かった!
youtubeで良く聞きますね。

スロン人、原作ではロケット内部で卵を産んでましたね。
蜻蛉の卵みたいな・・・ここいら辺、手塚作品特有の
エロチックな生命観みたいな物を感じさせます。
返信する
>シュマリさん (あましん)
2014-06-14 10:16:28
またのご訪問ありがとうございます。

鳳凰編は火の鳥シリーズの中で一番好きな物語です。
つか多分だいたいの人がそうだと思いますが。
我王の魅力に打ちのめされない人などいるのでしょうか?
うちの甥も火の鳥は好きだったみたいで、家にきたら必ず読んでましたね。

アニメの方はYOUTUBEでチラっと見てみましたが、良弁僧正もブチのヌードも出てこない?

スロン人の形態は僕もヤバいなと思いました(笑)
返信する
Unknown (シュマリ)
2014-06-15 05:44:27
鳳凰編は、シリーズ最高だと思います。
我王のキャラは、僧侶と言うよりは、修験者・私度僧
江戸時代の円空・木食上人みたいですね。

角川アニメの予告編がYOUTUBEに挙がってますが
大好きな主題歌と、見せ所を詰め込んでくれてます。

スロン人は、多分神秘学・錬金術の本に良く出てくる
両性具有者からの引用でしょう。
初めて読んだ時、ナンダコリャでしたが・・・
雌雄同体のスロン人が産卵するシーンは・・・雌なら分るが男が・・・?でした。
永井先生のデビルマンの飛鳥了の方が美形で、
エロチックだと思いますね。(笑)

他の記事で、クトゥルゥー神話についても述べてますが、お詳しいですか?
恥ずかしながら、スラッシュ・メタルの事もよく知りませんので、関係など教え下さい!
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>シュマリさん (あましん)
2014-06-18 01:26:44
永井豪先生はハレンチ漫画の巨匠ですからね。
そういえば、時々ブラックジャックにも永井先生登場しておりましたね。

ところで、クトゥルー神話に詳しいか?という質問なんですが、シュマリさんはクトゥルー神話にも興味がおありなんでしょうか?
まぁこの5、6年でクトゥルー神話関連の記事(ルルイエ異本)を70近くエントリーしておりますし、一応クトゥルフ神話検定3級なるものに合格してるんで、その程度ぐらいの知識は備えていると自負しております。

クトゥルーとスラッシュメタルの関係についてですが、
黒魔術ブーム最盛の70年代より、ブラックサバスをはじめとするヘヴィメタルバンドはオカルト趣味の傾向が強く、そういった世界観や音楽性を脈々と受け継いできているのがスラッシュメタル、デスメタルバンドであり、クトゥルー神話などを題材とした楽曲をプレイする傾向が多く見受けられるということなんですね。
有名なのでは、メタリカの「クトゥルーの呼び声」などがそうですね。
ま、僕なんかはそのメタル好きが高じてクトゥルー神話にも興味を抱くようになったんですが。

べつにスラッシュメタルに詳しくなくても全然かまわないと思います。ただのフェチなんで。
つか、シュマリさんはメタルとか聴かはるんでしょうか?

こちらの方に、クトゥルー神話の教義的なこと書いておりますんで、ご参考までに。
つか、文章がメチャクチャでいささかふざけておりますんで、読みづらいかと思われますが。
http://blog.goo.ne.jp/amashin666/e/7a1442f92c94b546eab8e726f0463656
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Unknown (シュマリ)
2014-06-18 20:48:32
クトゥルゥー神話に検定まで有るのですか・・・
さすがにそこまでは詳しくないのですが・・・

ムーが発刊される数年前その分野の先駆け雑誌
『オカルト時代』で始めて、ラブクラフトの事知りましたが・・・最初そのアマリな異常なまでに生々しい・・・
イヤ、禍々しすぎる神話体系に度肝を抜いてしまいました。

永井先生のデビルマンのデーモン族は・・・
どう考えても、クトゥルゥーの邪神のパクリっぽいし・・
メタルに限らずロック方面がアマリ詳しい方じゃないですが・・・ジャンルに係わらず、良いものは良いで何でも気に入ったら聞く主義ですね。

ブラックジャックに永井先生出てましたか?
其処の所は、アマリ覚えてませんが・・・
手塚先生の数少ない?
変身ヒーローモノ『サンダーマスク』の原作に永井先生が、当時の担当記者、鹿子木さんと出ていたのは覚えてますが。

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>シュマリさん (あましん)
2014-06-21 11:57:37
実は永井作品は通っておらずあまり詳しくはないのですが・・・・・
デーモン族が気になるので、デビルマンはいつかチェックしてみたいと思います。

「笑い上戸」に出てたゲラも永井先生がモデルだと思われますが、
「なんという舌」で出てくる週刊誌の記者は、あれは完全に永井先生かと。

メタルは・・・・聴いてらっしゃらないみたいですね(笑)
ま、ある意味特殊な音楽ですので・・・・・
音楽ばかりは個人個人の嗜好がありますからね。
僕もいくらクトゥルー関連の曲やってるメタルバンドでも、ダメなやつはダメですから・・・・
返信する
Unknown (Unknown)
2014-06-24 20:44:05
メタルが何なのか分らないのですよ。
学生時代、ソッチ系に詳しい友人の勧めるままに聞いてましたが・・・レゲエに洗脳されかけましたね(笑)
どのジャンルでも、コレは好いと言う曲は有ると思いますが・・・素人が聞いても・・・
コレはドッカで聞いたことのある・・・パクリ・二番煎じ、
ワンパターンの曲は少し・・・付いていけませんが。

メタルと言うと・・・Xジャパン、デーモン閣下と言う
パターンしか思いつきません・・・すみません。

マンガは、中学位から本格的ののめり込み永井・石の森・手塚・横山・松本何でもござれと読み漁りましたね。

どっちかと言うと、ソッチ系のマニアかな?
永井先生のデビルマンのデーモン族は、
モロにクトゥルゥーの邪神の復活をイメージしますね。
永井先生の師匠格、石の森先生の代表作「仮面ライダー」のショッカーなんてのも、元ネタは・・・・

永井先生は、少し霊媒体質みたいで、ご自分でも何者かに欠かされているとか言ってましたね。
自分の作品を、デビルマンを主軸に纏め上げて、それぞれのストーリーをくっ付けた作品も有りますね。

バイオレンス・ジャックの正体は、デビルマン・不動明とか。
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>Unknownさん (あましん)
2014-07-05 11:20:16
忙しくてちょっと間が空きましたが・・・・

クトゥルーとスラッシュメタルの関係について教えてくれと質問されたので、一瞬メタルもそれなりに聴いてる方なのかなと思っただけでして。
別に興味がなければ、どんなのがメタルなのか知る必要はないと思いますし、こちらも別に無理にオススメするつもりもありませんので。
ちなみに僕はXジャパンもデーモン閣下も通ってません。
メタルはもっぱら洋楽が中心なので。
何度も言いますが、どんな陳腐な音楽にせよ、こればかりは個人の嗜好の問題ですから。

僕はマンガはその時代時代に流行ってたものをちょっとつまんで読んでいた程度で、後追いで手塚作品にハマってからはほかのマンガはほとんど読まなくなりました。
手塚以外でハマったのはナニワ金融道くらいでしょうか。

何事もマニアの領域まではいかず、最近はマンガもほとんど読んでません。
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