AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ボズ・バレル逝く

2006年09月25日 | プログレッシヴ草稿
またしても寝耳に水な訃報DEATH。

キング・クリムゾンの第3期ヴォーカリスト兼ベーシストであったボズ・バレルさんが9月21日に亡くなったそうな・・・
ここ最近シド・バレットやピギーなど、プログレ系のミュージシャン達が相次いで亡くなっているので本当に気が滅入る。
ゆーてもボズさんはクリムゾンのアルバム一枚に参加しただけで、後はアレクシス・コーナーのスネイプスやバッド・カンパニーなど、ブルース系のバンドに席を置いていた期間の方が長く、プログレベーシストを代表する人物というわけではなかったのだけれども。

彼はヴォーカリストとしてクリムゾンのオーディションを受けたのだが、当時内定が決まっていたベースのリック・ケンプが意志をひるがえしたため、急遽ベースをやれと言われ、そのベース未経験のボズに楽器の演奏とリズムの基礎を一から教えたのは、かのロバート・フリップ翁、そして当時のドラマー、イアン・ウォーレス先生だったのだとか。
そんな彼がクリムゾンに唯一参加したスタジオアルバム『ISLANDS』は、クリムゾン作品の中でも一番の異色作であったと私は思っている。いうなれば雰囲気勝負の非常に神秘的でダークな作品だ。
つーか昨日これ流しながらいつのまにか意識を失っておりました。

#1“FORMENTERA LADY”からしてキースの流れるようなピアノにボズの優雅な歌がかぶさり、後半は幽霊の歌声のようなポーリナ・ルーカスさんのソプラノが加わるという、それはまるで中国の云々省の靄がかった霊山を彷徨ってるかのような錯覚に陥る幽玄的なナンバーだ。
切れ目なく続いてお次、この作品の中でもかなりクリムゾンらしさが出ている#2“船乗りの話”では、各プレイヤーのインプロヴィゼーションが炸裂するも流れるようなメロトロンの美しい旋律に統制されていて、後半はフリップ翁のジャラジャラジャラ~~とかき鳴らしまくるギターがとてつもなくカッコいい痛快ジャズロックナンバー。
そして、アルバムの中では一番まともでキャッチーな歌モノ#4“LADIES OF THE ROAD”は、ボズの酔っ払いのような歌い方がとってもおちゃめ。
まぁビートルズの“COME TOGETHER”をモロ意識しているっつーのは否めないが。

この時期のライヴをテープレコーダーで録音したものを集めたブートレグ的なライヴアルバム『EARTHBOUND』もかなり興味深い作品で、#1“21世紀の精神異常者”はもうハチャメチャもいいとこ。このときのボズのヴォーカルがまた凄まじい。扇風機の前で歌っているようなとんでもないエフェクトをかけております。
で、あとはほとんどがインプロヴィゼーション。もう司令塔であるフリップ翁の制御が利かなくなった各プレイヤーたちが暴走しまくり、もう好き勝手やってます。#2なんかほとんどクリムゾンの曲やおまへんで!
音質も劣悪やし、演奏はこれまでにない乱痴気ぶり。けどクリムゾンファンの間では結構人気の高いライヴ音源であったりします。
「この暴力的な投げやりパワーは崩壊寸前のこの時期ならではのクリムゾンマジック!」ってな具合に。
おそらくこのクリオタならではのM気の強い性癖は、他のプログレファンには理解し難いもんでしょうな~(私を含め)。



まぁボズさんにとってこのクリムゾンに在籍していた時期は、まさに彼のターニングポイントとなった重要な期間だったと思われます。
そして『ISLANDS』こそ彼がもっともフィーチャーされている作品だと思うし、彼の死を弔う埋葬曲としてはラスト曲“ISLANDS”が本当にシックリくるのではないでしょうか。


ボズの魂よ、この宇宙に飛んで、永遠に喜びの中に漂いたまえ・・・

ガイアより


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