あま選平成邦楽ベスト30第二弾を発表します。
大学を卒業してからくらいから、ケーブルテレビでSSTVに加入していたこともあって、民放では映らない良質のアーティストに触れる機会が多くなって、ここらへんからグッと邦楽に対する興味が急増しました。
一方メタル、洋楽に対する興味は激減。
そして邦楽の曲を知ることによって、あれだけ忌み嫌っていたカラオケにも積極的に参加するようになった。
やっぱ日本語で歌を歌うのは気持ちがいい。だってちゃんと歌えるから。
あの頃は、世の中的にも邦楽がすごく盛り上がっていたような気がする。
11.『ブーゲンビリア』 / Cocco(1997)
バレリーナになるために単身上京した沖縄の女が、突如歌手デビュー。きっかけは復讐。
音楽的な教養皆無であったCoccoの才能を見出し、音の通訳となってアレンジを担当した根岸宗孝氏によるヘヴィロック的アプローチが功を奏した衝撃のデビュー作。
復讐に燃える女の生々しい歌は、残酷にしてエロティック、そしてこのCocco描くジャケ画のようにしなやかでアーティスティックな美しさをも内包している。
小手先の技術ではなく、Coccoの歌は彼女の内面から溢れ出る原始的な魂の叫び。共感とかじゃなく、その凄まじい感情の表現力にただただ圧倒されるばかりなのだ。
こんな恐ろしい音楽が大ヒットしたのだから、ようやく日本の音楽シーンがおもしろくなってきたなと思った。
12.『3×3×3』 / ゆらゆら帝国(1998)
ミッシェル、ブランキーは意識の高い実力あるバンドとして一目置いていたがハマることはなく「なんかカッコつけてんな」って感じだったのに対し、ゆらゆら帝国を初めて目の当たりにしたときは一瞬で心を奪われ、心底「カッコいい!!」と思った。
なにか体内のどこかから溢れだすイケナイ分泌物が、ギターのシールドを通ってアンプから発散されるような、そんな危険な香りのする彼らの轟音に脳天をブチ抜かれる思いがした。
悲哀、虚無感、エロティシズムといったものがグニャグニャと入り混じる坂本君のサイケな歌といい、日本にも凄いバンドがいたんだなって思った。
13.『勝訴ストリップ』 / 椎名林檎(2000)
デビュー当時から林檎の歌声はあまり好きじゃなかった。どうも神経に触るというか。サディスティックで倒錯的な歌詞、奇をてらったタイトル、巻き舌、サブカル演出、メンヘル、コスプレ、胸の谷間の強調・・・・と、まぁハッキリいってキワモノの部類だろう。テレビに映ってるときはやけにとりすましてるけど、かなりのナルシスト感が否めない。とにかく全てが打算的。ホンモノだったら殺人未遂か自殺未遂くらいしなくちゃ。
まぁでもそういうのひっくるめて、このアルバムはよくできている。
14.『Mind Travel』 / bird(2000)
ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ボサノヴァなどの要素をほどよくブレンドさせた大沢伸一(モンドグロッソ)による卓越したサウンドプロダクション、そこに水を得た魚のように軽快に歌うbirdのソウルフルな歌が織りなす極上の一枚。
基本的に女々しいバラードソングは好きではないが、birdの諦めと未練がましい感情が入り混じる切ない歌の「4PM」には胸を締めつけられずにはおれない。
とにかくバラエティに富み、捨て曲というものが見当たらない完璧な作品。
ひとつ苦言を呈するなら、このジャケットなんやねん!!
15.『3』 / キリンジ(2000)
近年シティ・ポップへのリバイバルな動きが音楽業界で巻き起こってるような気がするが、まぁその手のジャンルにはあんまり関心が持てない自分なんだが、なぜかキリンジの音楽に惹かれるのは、そのオシャレなポップ感の中に、スティーリー・ダンからの影響を感じさすヒネリや、70年代プログレッシヴロックのエッセンスが感じられるからだと思われる。
そして、マジなのかふざけてるのか測りかねる不可思議な感覚を持ったアンティークなリリックがひっかかってしゃーない。
16.『FIVE』 / RIP SLYME(2001)
悪そうなヤツはだいたい友達であることを自慢し、この平和ボケした国でぬくぬく育っておきながらスラム街育ちのチンピラを気どる邦ヒップホップグループにはほとんど興味なかったが、シモネタ混じりの快楽主義的なノーテンキライムをまくしたてるリップスのヒップホップ感には不思議と抵抗がなかった。
フミヤのつむぐユニークかつオシャレなインストが耳心地よく、バカボンのママがフィーチャーされた「Talk to me」とか最高。
17.『満ち汐のロマンス』 / EGO-WRAPPIN' (2001)
埃っぽい場末のキャバレーのステージで生演奏してるような、戦後間もない荒んだ街のシアターで上映してるコジャレた映画のBGMで流れてるような、そういう自分の生まれる前の時代の風景を思い浮かばせるのがエゴラッピンの音楽かもしれない。
ただ、当時昭和歌謡とか、レトロミュージックとか言われてたみたいな単純なものではなく、今聴いても色褪せない普遍性があり、音の質感も実に洗練されていて、これ以降の作品の試行錯誤、紆余曲折ぶりが痛ましいほどに完成度の高い作品。
18.『Buddhists Tracks』 / BUSH OF GHOSTS(2001)
DETERMINATIONSの市原夫妻を中心に、関西のダブ系ミュージシャンがワイワイ集まった、まぁ関西限定のお遊び感覚のインディーダブプロジェクトなんであるが、これがムチャクチャかっこいい。
ループするぶっ太いベースの重低音に、徐々に迫りくるダブのとてつもない高揚感。とにかくこのバンドはライブが凄かった。
京都の情緒あるライブハウス拾得で憑き物がついたかのような異常な盛り上がりを見せた、あの夜のライブは忘れられない思い出となっている。
なので後にリリースされたスタジオ作品がとても物足りなく感じた。
19.『呼吸』 / Lily Chou-Chou(2001)
リリイ・シュシュは、インターネット小説上の、あるいは映画の中でのみ浮遊するエーテルのような架空の存在。
岩井俊二×小林武史×Salyuの奇跡の三位一体が、その音像だけでリリイ・シュシュという実態のない存在に命を与えた。
映画『リリイ・シュシュのすべて』は、これまでにないくらいに感情を揺さぶられた衝撃の内容だった。それからしばらく私はリリイの亡霊にとり憑かれることになる。
あの憂いのこもった浮遊するかのようなくぐもった歌声・・・・それを後に正式ソロデビューを果たすことになったSalyuに求めたりもしたが、やはり違っていた。
Salyuは今でもちょくちょくリリイの楽曲をライブで歌うが、全く別物である。まぁ仕方ない。Salyuはリリイではないからな。
20.『Chat Chat Determination』 / DETERMINATIONS(2002)
なんの迷いや他意のないゴキゲンにスカしたスカミュージックをマイペースで演奏するその堂々たる佇まいが、彼らが育った大阪の下町の(知らんけど)情緒深さを感じさせる。
乾いた音色のギターといい、抜けのいいドラムといい、音の質感も渋すぎる。
これからって時だったのになぜか突然解散してしまった。
あと残り10枚!
平成の世も残りわずか!はよせな
BUSH OF GHOSTS@拾得
今日の1曲:『DEVIL』/ JUDE
大学を卒業してからくらいから、ケーブルテレビでSSTVに加入していたこともあって、民放では映らない良質のアーティストに触れる機会が多くなって、ここらへんからグッと邦楽に対する興味が急増しました。
一方メタル、洋楽に対する興味は激減。
そして邦楽の曲を知ることによって、あれだけ忌み嫌っていたカラオケにも積極的に参加するようになった。
やっぱ日本語で歌を歌うのは気持ちがいい。だってちゃんと歌えるから。
あの頃は、世の中的にも邦楽がすごく盛り上がっていたような気がする。
11.『ブーゲンビリア』 / Cocco(1997)
バレリーナになるために単身上京した沖縄の女が、突如歌手デビュー。きっかけは復讐。
音楽的な教養皆無であったCoccoの才能を見出し、音の通訳となってアレンジを担当した根岸宗孝氏によるヘヴィロック的アプローチが功を奏した衝撃のデビュー作。
復讐に燃える女の生々しい歌は、残酷にしてエロティック、そしてこのCocco描くジャケ画のようにしなやかでアーティスティックな美しさをも内包している。
小手先の技術ではなく、Coccoの歌は彼女の内面から溢れ出る原始的な魂の叫び。共感とかじゃなく、その凄まじい感情の表現力にただただ圧倒されるばかりなのだ。
こんな恐ろしい音楽が大ヒットしたのだから、ようやく日本の音楽シーンがおもしろくなってきたなと思った。
12.『3×3×3』 / ゆらゆら帝国(1998)
ミッシェル、ブランキーは意識の高い実力あるバンドとして一目置いていたがハマることはなく「なんかカッコつけてんな」って感じだったのに対し、ゆらゆら帝国を初めて目の当たりにしたときは一瞬で心を奪われ、心底「カッコいい!!」と思った。
なにか体内のどこかから溢れだすイケナイ分泌物が、ギターのシールドを通ってアンプから発散されるような、そんな危険な香りのする彼らの轟音に脳天をブチ抜かれる思いがした。
悲哀、虚無感、エロティシズムといったものがグニャグニャと入り混じる坂本君のサイケな歌といい、日本にも凄いバンドがいたんだなって思った。
13.『勝訴ストリップ』 / 椎名林檎(2000)
デビュー当時から林檎の歌声はあまり好きじゃなかった。どうも神経に触るというか。サディスティックで倒錯的な歌詞、奇をてらったタイトル、巻き舌、サブカル演出、メンヘル、コスプレ、胸の谷間の強調・・・・と、まぁハッキリいってキワモノの部類だろう。テレビに映ってるときはやけにとりすましてるけど、かなりのナルシスト感が否めない。とにかく全てが打算的。ホンモノだったら殺人未遂か自殺未遂くらいしなくちゃ。
まぁでもそういうのひっくるめて、このアルバムはよくできている。
14.『Mind Travel』 / bird(2000)
ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ボサノヴァなどの要素をほどよくブレンドさせた大沢伸一(モンドグロッソ)による卓越したサウンドプロダクション、そこに水を得た魚のように軽快に歌うbirdのソウルフルな歌が織りなす極上の一枚。
基本的に女々しいバラードソングは好きではないが、birdの諦めと未練がましい感情が入り混じる切ない歌の「4PM」には胸を締めつけられずにはおれない。
とにかくバラエティに富み、捨て曲というものが見当たらない完璧な作品。
ひとつ苦言を呈するなら、このジャケットなんやねん!!
15.『3』 / キリンジ(2000)
近年シティ・ポップへのリバイバルな動きが音楽業界で巻き起こってるような気がするが、まぁその手のジャンルにはあんまり関心が持てない自分なんだが、なぜかキリンジの音楽に惹かれるのは、そのオシャレなポップ感の中に、スティーリー・ダンからの影響を感じさすヒネリや、70年代プログレッシヴロックのエッセンスが感じられるからだと思われる。
そして、マジなのかふざけてるのか測りかねる不可思議な感覚を持ったアンティークなリリックがひっかかってしゃーない。
16.『FIVE』 / RIP SLYME(2001)
悪そうなヤツはだいたい友達であることを自慢し、この平和ボケした国でぬくぬく育っておきながらスラム街育ちのチンピラを気どる邦ヒップホップグループにはほとんど興味なかったが、シモネタ混じりの快楽主義的なノーテンキライムをまくしたてるリップスのヒップホップ感には不思議と抵抗がなかった。
フミヤのつむぐユニークかつオシャレなインストが耳心地よく、バカボンのママがフィーチャーされた「Talk to me」とか最高。
17.『満ち汐のロマンス』 / EGO-WRAPPIN' (2001)
埃っぽい場末のキャバレーのステージで生演奏してるような、戦後間もない荒んだ街のシアターで上映してるコジャレた映画のBGMで流れてるような、そういう自分の生まれる前の時代の風景を思い浮かばせるのがエゴラッピンの音楽かもしれない。
ただ、当時昭和歌謡とか、レトロミュージックとか言われてたみたいな単純なものではなく、今聴いても色褪せない普遍性があり、音の質感も実に洗練されていて、これ以降の作品の試行錯誤、紆余曲折ぶりが痛ましいほどに完成度の高い作品。
18.『Buddhists Tracks』 / BUSH OF GHOSTS(2001)
DETERMINATIONSの市原夫妻を中心に、関西のダブ系ミュージシャンがワイワイ集まった、まぁ関西限定のお遊び感覚のインディーダブプロジェクトなんであるが、これがムチャクチャかっこいい。
ループするぶっ太いベースの重低音に、徐々に迫りくるダブのとてつもない高揚感。とにかくこのバンドはライブが凄かった。
京都の情緒あるライブハウス拾得で憑き物がついたかのような異常な盛り上がりを見せた、あの夜のライブは忘れられない思い出となっている。
なので後にリリースされたスタジオ作品がとても物足りなく感じた。
19.『呼吸』 / Lily Chou-Chou(2001)
リリイ・シュシュは、インターネット小説上の、あるいは映画の中でのみ浮遊するエーテルのような架空の存在。
岩井俊二×小林武史×Salyuの奇跡の三位一体が、その音像だけでリリイ・シュシュという実態のない存在に命を与えた。
映画『リリイ・シュシュのすべて』は、これまでにないくらいに感情を揺さぶられた衝撃の内容だった。それからしばらく私はリリイの亡霊にとり憑かれることになる。
あの憂いのこもった浮遊するかのようなくぐもった歌声・・・・それを後に正式ソロデビューを果たすことになったSalyuに求めたりもしたが、やはり違っていた。
Salyuは今でもちょくちょくリリイの楽曲をライブで歌うが、全く別物である。まぁ仕方ない。Salyuはリリイではないからな。
20.『Chat Chat Determination』 / DETERMINATIONS(2002)
なんの迷いや他意のないゴキゲンにスカしたスカミュージックをマイペースで演奏するその堂々たる佇まいが、彼らが育った大阪の下町の(知らんけど)情緒深さを感じさせる。
乾いた音色のギターといい、抜けのいいドラムといい、音の質感も渋すぎる。
これからって時だったのになぜか突然解散してしまった。
あと残り10枚!
平成の世も残りわずか!はよせな
BUSH OF GHOSTS@拾得
今日の1曲:『DEVIL』/ JUDE
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